JPS6216170Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は比重の異なる液体と固体からなる懸濁
液より、連続的に固体粒子と清澄液を分離する槽
と、分離した清澄液を貯蔵する槽を結合した円筒
槽に関するものである。

従来の懸濁液を分離、貯蔵するものとして、第
１図に示す如く流液路１１を切線方向に配設する
ことにより懸濁液に旋回流を与え、固体と清澄液
を分離する円筒形状の槽１２と、分離した清澄液
を貯蔵する槽１３とは、溢流樋１４を介して個々
別々に設置され、馬蹄形状を有する複合槽であつ
た。なお図面において１５はポンプベースであ
る。この形状の複合槽は、懸濁液分離槽１２と清
澄液貯蔵槽１３を別々の位置に設けられているの
で占める場所および容積が大となり、しかもかゝ
る複合槽は土圧、水圧の外荷重に対抗するため厚
肉の壁厚が必要となり不経済なものになる欠点を
有している。

本案は、この欠点を除去すべく、懸濁液分離槽
と清澄液貯蔵槽を効果的に結合せしめ、構造がコ
ンパクトで頑丈な槽を経済的に提供するものであ
る。

その特徴は、固体と清澄液を分離する懸濁液分
離槽２を中心に、外周に、同心または偏心させ
て、円筒形の清澄液貯蔵槽３を槽底を共有するよ
うに配置した円筒型の内外二重環状の複合槽とし
たところにある。

次に本案の一実施例を示す図をもとに説明す
る。

第２図は懸濁液分離槽の外側に清澄液貯蔵槽を
偏心して配置し、第３図は懸濁液分離槽の外側に
清澄液貯蔵槽を同心円に配置したもので、第４図
は第２図のＡ−Ａ線断面図である。

両槽が偏心的か同心的かでポンプベースの面積
が異なり、偏心配置の方がポンプを集中的に配置
できるので面積からいえば有利である。しかし分
離、貯蔵機能に両者の差はなく、以下偏心配置の
第２図、第４図の例について説明する。

流液路１から流入した懸濁液は懸濁液分離槽２
の側壁と隔壁６の間を流れながら、しだいに流速
が低下する。

その間、粒子は徐々に槽底に沈殿し、清澄液は
隔壁６の上部に設けた樋７にオーバーフローし、
溢流樋４を通つて、清澄液貯蔵槽３に流入する。

なお、清澄液貯蔵槽３は外殻円の平面積より内
殻円の平面積を減じた平面積を有し懸濁液分離槽
と槽底を共有するように構成された円筒槽であ
る。こうした内外二重環状で、しかも槽底を共有
する円筒槽にすることによつて、土圧や、水圧等
の外荷重を前記懸濁液分離槽と清澄液貯蔵槽とが
協同して支持できる為、薄肉の壁厚が可能とな
り、かつ土木基礎工事も極めて低廉ですむため第
１図に示すような馬蹄形の構造よりも経済的で、
コンパクトなものになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の複合槽の平面図、第２図、第
３図は本考案の平面図、第４図は、第２図のＡ〜
Ａ断面図。 １…流通路、２…懸濁液分離槽、３…清澄液貯
蔵槽、４…溢流通、５…ポンプベース、６…隔
壁、７…樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 懸濁液を遠心効果によつて固体と清澄液に分離
   し、貯蔵する円筒槽において、円筒形状の懸濁液
   分離槽を内側に、外側に同心又は偏心させて、円
   筒形状の清澄液貯蔵槽を槽底を共有するように配
   置したことを特徴とする懸濁液を分離、貯蔵する
   円筒槽。