JPS62158808A - 混銑車の内張り耐火物補修方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は混銑車の内張り耐火物補修方法に係り、特に残
存内張り耐火物を最大限に利用し、補修期間を短縮し補
修費を節減できる補修方法に関し、溶融金属の運搬用容
器に広く利用される。

〔従来の技術〕

混銑車は第１図（Ａ）、（Ｂ）に示す如く台車に搭載さ
れた通常砲弾形状を有する混銑炉を有し、混銑炉は混銑
炉本体２と炉口部４より成る。その内部ライニング５は
第５図（ＤＪに示す如く次のように構成されている。

すなわち、鉄皮６の内側にバックアップキャスタブル８
が設けられ、その内側に永久張りれんが１０が張られ、
更にその内側に内張りれんが１２が設けられている。

従来混銑車の大修理は第５図（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、
（ＤＪに示す如く、混銑炉本体２および炉口部４の鉄皮
６に内張すされているすべての耐火物を解体除去して、
第５図（Ｃ）に示す如く鉄皮６のみの状態となった混銑
車に新たに耐火物５を施工して第５図（Ｄ）に示す如く
補修を完了する方法をとって来た。

従って大修理の時機は、内張りれんが１２が次第に溶損
し、これ以上使用すると最も溶損の大きな部分から溶銑
が漏洩する危険があると判断される時機であり、通常こ
の時機は大修理後の使用回数等を目安として定められる
。

一般に大修理を要するこの段階における内張りれんが１
２の残存状況は、第６図に示す如くスラグライン部１２
Ａが特に溶損が大きく、次いで天井部１２Ｂが侵食され
ており、底部の鉄浴部１２Ｃは溶損が最も少い。従って
このような混銑炉２を第５図の如き従来方法で大修理を
行うと、初期れんがの半分以上を捨ててしまうこととな
り、内張りれんが１２の利用効率が極めて悪く補修費が
大となるのみならず施工期間も長くなるという問題点が
あった。

従来、かかる観点から不定形耐火物を用いて混銑車のラ
イニングを再生する技術が研究され、例えば特開昭５６
−６６６８４によって開示されている。この技術は、残
存する内張り耐火物を利用し、この耐火物上に補修用の
不定形耐火物を吹き付は再生するものであるが、この再
生補修に当り、残存する内張りれんが１２の一部および
その背面の永久張りれんが１０の一部を抜き取り除去し
、その空間に不定形耐火物を充填し、次いで内張りれん
が１２の抜き取り位置にＸ型アンカー部材を打込んだ後
、不定形耐火物を吹付は充填し、最後に残存内張りれん
が表面全体に不定形耐火物を吹付けて再生施工を終る方
法である。

上記特開昭５６−６６６８４による技術によれば、残存
内張りれんが１０および１２をそのまま利用して不定形
耐火物によって元のプロフィルに施工するので内張り耐
火物の利用効率はきわめて高いが、次の如き問題点があ
る。

（、イ）吹付は不定形耐火物の溶銑による剥離浮上を防
止する段取工程が多く長時間を要する。

（ロ）不定形耐火物はすべて吹付は施工するので、この
吹付は施工に熟練を要し、かつ不定形耐火物の強度が弱
い。

（ハ）　残存耐火れんが上表面に吹付けられた不定形耐
火物のコーティング部が剥離し易い。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の目的は、混銑車ライニングの補修における上記
従来技術の問題点を解決し、残存内張り耐火物を最大限
に利用すると共に、補修期間を短縮して補修費を節減し
、かつ補修後の混銑炉ライニングが強度が大で耐用期間
を延長することができろ混銑車の内張り耐火物補修方法
を提供するにある。

〔問題点を解決するための手段および作用〕本発明の要
旨とするところは次の如くである。

すなわち、要補修混銑車内の残存内張りれんがに付着す
る地金を除去する段階と、前記混銑車の炉口をほぼ水平
に向けた底部位置の残存内張りれんがを複数個抜き取っ
た後に所定内張り厚みを保有する内張りれ八がを挿入固
定する段階と、前記残存内張りれんがの目地部に複数個
のアンカー部材を打込む段階と、前記挿入固定した内張
りれんが上に半円筒形型枠を載置し位置決めする段階と
、前記型枠と残存内張りれんが間の空間に不定形耐火物
を圧入する段階と、前記混銑炉の下半部の補修完了後前
記型枠を除去し該混銑炉を１８０度反転する段階と、前
記反転して下方に位置した上半部を上記と同一手法によ
り不定形耐火物を圧入して上半部の補修を完了する段階
と、前記混銑炉および型枠を９０度反転して前記下半部
および上半部間に残存する未施工空間に上記同一手法に
より不定形耐火物を圧入する段階と、前記炉口部に独立
した型枠を設け上記と同一手法により不定形耐火物を圧
入する段階と、を有して成ることを特徴とする混銑車の
内張り耐火物補修方法である。

本発明の詳細を実施手順に従って説明する。

（Ａ）　　内張りれんがに付着する地金の除去先ず要補
修混銑車２内の残存内張りれんが１２に付着している地
金を除去する。これは地金が残存している状態で補修施
工すると、当該部位からライニングが亀裂を生じ剥離す
るからである。

（Ｂ）　　炉口部を水平に向けての下半部の補修本体２
と炉口部４より成る混銑炉を第１図ＣＢ）に示す位置か
ら炉口部４がほぼ水平になるように９０度反転して先ず
下半部を補修する。次に第２図（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）
に示す如く、炉口部４を水平に向けた位置で底部位置を
占める内張りれんが１２を混銑炉の長さ方向に沿って複
数個抜き取り、その後へ正規の厚みを有する新しい内張
りれんが１２Ｎを差込み固定する。この新しい内張りれ
んが１２Ｎは補修後のライニング面となる。

次に第２図（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）に示す如く、残存内
張りれんが１２の目地部に多数のアンカー部材１４を打
込む。アンカー部材１４は第２図（Ｃ）に示す如＜　Ｕ
、型もしくは山型を有し、次工程で混銑炉を１８０度反
転するときに内張りれんが１２の落下を防止すると共に
、不定形耐火物の圧入後の新ライニングの剥離防止作用
をする。

アンカー部材１４の打込みピッチは７００　ｍｍ程度が
好適である。

これらの予備作業が終了した後混銑炉の内壁プロフィル
に製作された半円筒形の型枠１６を、固定した内張りれ
んが１２Ｎ上に載置し位置決めする。この位置決めは第
３図に示す如く、下部は固定した新しい内張りれんが１
２Ｎ上に載置されているので、型枠１６と残存内張りれ
んが１２間の間隙を調整すればよく、きわめて容易に位
置決めができる。型枠１６の位置決め後の固定が完了し
た後、型枠１６と残存内張りれんが１２間の空隙に不定
形耐火物１８を流し込む。不定形耐火物１８の正大作業
は、第３図において左右方向から同時に圧送用ホース２
０等を使用して空隙なく充填する。この不定形耐火物１
８の圧入作業中に型枠１６と内張りれんが１２間に例え
ば棒状のパイブレーク等を挿入し、振動を与えながら流
し込みを行なうと空隙なしに充填できる。

型枠１６は大型であるので分割して混銑炉内に搬入し、
内部で組立て一体枠とし、外周から舌片を出し残存内張
りれんが１２に固定する。

（Ｃ）　　炉口部を１８０度反転した後の上半部の補修
上記の如く不定形耐火物１８の圧入により下半部の補修
が完了した後、型枠１６を除去し、混銑炉を１８０度反
転して（Ｂ）にて記載したのと同一手順によって上半部
の不定形耐火物１８の圧入を行なう。このようにして上
半部の補修を完了する。

（ＤＪ　　上半部および下半部間の未施工部の補修型枠
１６は作業の都合上、完全な半円筒形とすることが困難
であるので、上半部および下半部の補修が完了しても、
その中間に第４図に示す如く未施工部２２Ａ、２２Ｂが
残存する。これらの未施工部２２Ａ、２２Ｂの補修のた
め、混銑車を更に９０度反転すると共に型枠１６も移動
して未施工部２２Ａ、２２Ｂがそれぞれ混銑炉本体２の
下部になるように位置させ、上記（Ｂ）と同一手法によ
って不定形耐火物１８を圧入する。

（Ｅ）　　炉口部の補修 炉口部４の補修については、独立した別個の炉口型枠２
４を準備し、第３図に示す如く炉口端を閉鎖して設けら
れた木枠２６にその一端を固定すると共に、炉口部４の
内周は残存内張りれんがに打込んだアンカー部材１４に
型枠２４よりの舌片を固定し、炉口型枠２４と残存内張
りれんが１２間に形成された空間に、（Ｂ）に記載と同
一手法によって不定形耐火物１８を圧入し炉口部４の補
修を完了する。

上記（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｄ）、（Ｅ）によって
混銑車の内張り耐火物の全部の補修を完了することがで
きるが、本発明に使用する不定形内張す耐火物としての
具備条件は次の如くであることが望ましい。

（イ）剥離、亀裂等の欠陥を発生せず、容易に一体構造
物を形成し得る材料、 （ロ）耐食性が従来使用の内張りれんがに匹敵し得る材
料、 （ハ）継ぎ足し施工が可能であって、ポンプによる圧送
等の作業性が良好であること。

上記要件を満足する不定形耐火物としては、ジルコン、
シリカ、炭化珪素、黒鉛等を主成分とする母材に施工体
強度の均一化を確保するため、類似組成のれんが屑等の
粗粒を混入使用することが望ましく、その組成例を示す
と次の如くである。

珪石　　２０重量％ ジルコン　　　　　６０ 炭化珪素　　　　　１０ 黒　　鉛　　　　　　　　　　５ 粘土その他　　　　　５ より成る組成物を母材とし、これに０１％のエチルシリ
ケートを結合材として混じ、これにジルコン質れんが屑
の粗粒を母材中３０重量％となるように混じたものが好
適である。

〔実施例〕

受銑回数７２１回の公称能力２５０ｔの要補修混銑車に
本発明による内張り耐火物補修方法を適用し、補修後の
受銑回数ならびに溶損、剥離等の欠陥を調査した。

補修前の内張りれんがの厚さは次の如くであった。　　
スラグライン部　　　　１０〜１４０ｍ＋ｉ天井部　　
　　　　７０〜２５０關 銑を谷部　　　　　　　　　　　　　１８０〜２　９　
０　　ｍｍ先に組成例として示した不定形耐火物をミキ
サーにて十分混練し、ミニクリ−１・にて圧送した。

粗粒ジルコン質れんが屑は混銑車内で投入し、不定形耐
火物を圧送中は棒状パイブレークを使用して振動させた
。

補修後の不定形耐火物の厚さは次の如くであった。　　
スラグライン部　　　　１６０〜２９０　ｍｍ天井部　
　　　　　　５０〜２３０　ｍｍ銑浴部　　　　　　　
５０〜１６０　ｍｍ補修後１．０００℃の温度で５５日
乾燥し、その後受銑を開始した。

上記本発明による不定形耐火物の流し込みによる内張り
耐火物の補修を完了した混銑車は、施工後受銑回数２７
５チャージ経過後も不定形耐火物の浮上、剥離は全く見
られなかった。

〔発明の効果〕

本発明による混銑車の内張り耐火物の補修は、従来鉄皮
内の全耐火物を除去した浸析しい耐火物を内張すする方
法を廃し、残存内張りれんが上に本発明による特殊技法
により不定形耐火物を充填する方法を採ったので次の如
き効果を収めることができた。

（イ）残存内張りれんがの大部分をそのまま使用できる
ので内張りれんがの大幅な低減が可能となった。

（ロ）本発明による補修時の特殊工法による流し込みに
より成形した不定形耐火物は剥離による脱落浮上は全く
見られなかった。

（ハ）混銑車に適した不定形耐火物の選択と相俟って混
銑車の寿命を延長することができた。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）、（Ｂ）は混銑車を示し、（Ａ）は長さ方
向断面図、（Ｂ）は横方向断面図、第２図（Ａ）、（Ｂ
）、（Ｃ）は本発明による補修工程の初期を示し、（Ａ
）は３！銑単車補修の横方向部分断面図、（Ｂ）は長さ
方向部分断面図、（Ｃ）は打込みアンカー部材の拡大断
面図、第３図は本発明による補修工程における型枠位置
決め時を示す混銑車の部分断面図、第４図は本発明によ
る補修工程におけろ上半部、下半部補修完了時の未施工
部を示す模式断面図、第５図（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、
（Ｄ）は従来の混銑車の内張り耐火物補修工程を示す部
分断面図であって、（Ａ）は補修前、（Ｂ）は残存内張
り耐火物の除去作業中、（Ｃ）は残存内張り耐火物の除
去作業完了し鉄皮のみとなった状況を示し、（Ｄ）は補
修完了時を示す。第６図は要補修混銑車の内張り耐火物
の溶損状況を示す模式断面図である。 ２・・・３ｉｉＩ銑炉本体　　　　　　４・・炉口部５
・・耐火物　　　　　　　　６・・・鉄皮８　・・パッ
クアップキャスタプル　　　１０・・・永久張りれんが
１２・・・内張りれんが　　　　１４・・アンカー部材
１６・・型枠　　　　　　　　１８・・・不定形耐火物
２０・・不定形耐火物圧送ホース ２２Ａ、２２Ｂ・・未施工部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）要補修混銑車内の残存内張りれんがに付着する地
   金を除去する段階と、前記混銑車の炉口をほぼ水平に向
   けた底部位置の残存内張りれんがを複数個抜き取つた後
   に所定内張り厚みを保有する内張りれんがを挿入固定す
   る段階と、前記残存内張りれんがの目地部に複数個のア
   ンカー部材を打込む段階と、前記挿入固定した内張りれ
   んが上に半円筒形型枠を載置し位置決めする段階と、前
   記型枠と残存内張りれんが間の空間に不定形耐火物を圧
   入する段階と、前記混銑炉の下半部の補修完了後前記型
   枠を除去し該混銑炉を１８０度反転する段階と、前記反
   転して下方に位置した上半部を上記と同一手法により不
   定形耐火物を圧入して上半部の補修を完了する段階と、
   前記混銑炉および型枠を９０度反転して前記下半部およ
   び上半部間に残存する未施工空間に上記同一手法により
   不定形耐火物を圧入する段階と、前記炉口部に独立した
   型枠を設け上記と同一手法により不定形耐火物を圧入す
   る段階と、を有して成ることを特徴とする混銑車の内張
   り耐火物補修方法。