JPS6215211B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は皮膚毛細管血液サンプルを採取するた
めに使用するランセツト装置に関する。

例えば糖尿病の様なある種の疾患の場合、患者
は定期的に小量の血液試料を提出することを要求
され、この血液は特別に設計された移送管によつ
て分析のために送られる。このことは血液試料を
取るために指、または身体の適当な場所を刺傷す
ることを伴う。多数の人々にとつて自分自身の指
を、手で保持しかつ無菌でなければならない針で
刺傷することは物理的並びに心理的に困難であ
る。従つて本発明の目的は、この任務を実行する
ための簡単な手持ち形式の自動ランセツト装置を
提供することである。

本発明になるランセツト装置は、ハウジング内
で所定の限定された角度にわたつて回転する様に
枢着されたアームであつて、枢着点から離れた一
端には針を取替え可能に保持するホルダを有し、
さらに該ホルダは針を前記アームの長さ方向に対
し直角に向けて保持するものである可動アーム
と、該アームに作用してこれをその始動位置から
針の先端が刺傷のため指を当てる指台から露出突
出する刺傷動作位置まで、その枢着点つまり枢着
軸の周囲に回転運動を付勢するばね装置と、該ば
ね装置の力に抗してアームおよびその針を始動位
置に保持する開放可能のラツチ装置とを有し、手
動操作引金によるラツチの開放によりアームはば
ね装置により刺傷動作を行うためにその刺傷動作
位置に向かる装置である。

アームの一部またはこれに固着された部材は、
ハウジングの一部から突出して手動でリセツトす
る装置をなしている。例えばハウジングはアーム
の枢着軸と同心円状の弧状端部を有し、その端部
にある溝を介してアームの外端部が突出して取付
けられた針を弧状端の外部近くに保持して、取付
針の取出しおよび取換えが便利なようにしてい
る。

アームはその刺傷動作位置からわずかに跳ね返
り、即ち後退して、針の先端が刺傷動作ののち自
動的に患者の皮膚からはなれる。この目的のため
に適当な緩衝器が設けられる。

これに代つて、またはこれに加えて、ばね装置
はそのトルクの方向が、アームが刺傷動作位置の
直前の中性位置に達すると反転する様に配置して
もよく、これによつてアームはその有する慣性に
よつてばね装置の力に抗してその中性位置から刺
傷動作位置に来て、ここから次いで中性位置に逆
戻りする。例えば、ばねを枢着軸から半径方向に
オフセツト（offset）したアームの点に作用する
引張りばねとして構成し、アームが中性点に来る
とき枢着軸と同線上の死点に来る様にしてもよ
い。

取外し自在の投棄型指台がハウジング上に突出
して設けられており、この指台は患者の指の上に
載せて、ラツチが開放されたときに、針が刺突す
る概略位置を指示する。指台の突出部分はリング
状に作つてよく、アームがその刺傷動作位置に来
た時、針の先端がこれらから突出して刺傷動作を
行う。指台は使用後、これを滅菌取替を行うとき
には容易に取外しができるようでなければならな
い。

本発明は、患者が装置を一方の手で持つてラツ
チ引金を開放する前に、他方の手で指上に置くこ
とのできる簡単な装置を提供するものである。こ
の本発明の装置は取付けた針が、各操作後に殺菌
または投棄のために取外し容易に作られ、また針
を有するアームの回転動作運動のため、子供が先
端を有する飛行体を投出する玩具「小銃」として
使用する可能性のあるばね駆動直状プランジヤ型
ランセツト装置に固有な危険性を除去できる。

本発明は各種の方式で実施可能であるが、以下
単なる例示として添付図面を参照して説明を行
う。

図示の実施例は２部分から成るほぼ四角形のハ
ウジングから成り、これはベース部分１０Ａと別
の分離可能なカバー部分１０Ｂとを有し、これは
共動相互係合可能な形状１１Ａ，１１Ｂ，１２
Ａ，１２Ｂおよび１３Ａ，１３Ｂによつて相互に
位置せしめた上でねじ（図示せず）によつて保持
されるか、または他の方法、例えば糊着、融接、
またはプラスチツクの熱封着によつて保持され
る。この２個のハウジング部材１０Ａ及び１０Ｂ
は弧状端１４Ａ，１４Ｂを有し、ハウジングを閉
止したとき溝１５が設けられ、更にアーム１６が
その内部端でハウジング内に枢着軸である枢着ピ
ン１７によつて枢着されてその外端１８が溝１５
を貫通して突出している。枢着ピン１７の軸は端
部１４Ａ，１４Ｂの中心をなしている。

アームは枢着軸１７から離れた一端部１８にそ
の下端に達する開孔を有する円筒の形状をしたホ
ルダ１８Ａを有し、これは針をその先端が弧状端
１４Ａ，１４Ｂおよび枢着ピン１７に対してほぼ
切線方向に、つまりアーム１６の長さ方向に対し
て直角に突出保持するために組立形針２１のリブ
付取付部２０を受入れ、保持する。

コイル状引張りばね２５がハウジング部材１０
Ａのアンカーピン２６とアームの枢着端部近くに
設けられたフツク２７の間に懸架されているが、
このフツク２７は枢着ピン１７とは半径方向にオ
フセツト（offset）した位置に設けられている。
第１図に示すアームの位置においては、ばね２５
は枢着ピン１７と一直線をなし、従つてアーム１
６にトルクを加えない。即ち第１図のアーム１６
の位置は中性位置即ち死点位置にある。なお、こ
の中性位置は刺傷動作位置の少し手前の位置に設
定されている。アームを第１図の状態で溝１５の
他端まで時計方向に回転させると、ばね２５は引
伸ばされてアーム１６に弾性トルクを及ぼし、ア
ームを中性位置に回転せしめようとする。ラツチ
フツク２８Ａと始動用手動操作引金２９を有する
弾性ラツチ部材２８がハウジング部材１０Ａ内に
取付けられて、アーム１６に形成されたもどり止
３０と協動してアームをその始動位置に係止す
る。手動操作引金２９を加圧すると、ラツチが開
放されてばね２５によりアームは第１図の反時計
方向に回転させられてその中性位置に戻る。この
時、ばね装置のトルクは始動位置からアームが回
転するにつれて減少し、中性位置で零になる。そ
の後アームが、可動アームの慣性によつて、刺傷
のための刺傷動作位置まで回転する。この時、ア
ームが中性位置から刺傷位置に向かうにつれて逆
方向トルクが次第に増加する。

交換可能な指台３２はハウジング部材１０Ａの
溝３３に取付けられているが、その外端にはリン
グ３４がありハウジングからの引出しを便利にし
ている。

可動アームはその中性位置を通り越してからそ
の限界動作位置に達し、ここでハウジング内の段
３５と当接するが、これは溝１５の一端における
緩衝器として作用し、針の先端は次いで指台３２
のリング３４を介して突出して刺傷動作を行う。
アームの回転はアームの段３５との接触によつて
阻止され、次いで反対方向に向つたばね２５によ
つて生ずる逆方向トルクにより中性位置に戻る。
従つて針はその先端がリング３４の後部でこれに
保護されている状態に戻る。

第５図においては、図の明確化のためにラツチ
２８、針２１および指台３２は省略してある。

指台３２は安価なポリエチレンその他の可撓性
のプラスチツク材のモールドで良く、その外形を
第７図に示す。

このランセツト装置を操作するには、使用者は
新しい滅菌針２１をホルダ１８Ａ中にその針の先
端２２がガードリングに向く様に取り付け、新し
い滅菌指台を溝３３に取り付ける。次いで装置
を、アームをラツチ２８と係合保持される始動位
置にまで逆回転することによつてセツトする。次
いでこの準備済装置を一方の手に持ち、指台リン
グ３４を血液試料を取ろうとする今一方の手指の
軟質部分上に置き、この指をハウジングの曲状基
部３６におき、次いでラツチ開放のため引金２９
を押す。アーム１６および針２１はばね２５の力
によつて枢着軸１７を中心として回転し、中性点
を通過してアームが溝１５の一端の段で阻止され
る迄回転し、このとき針の先端は指台３４の中心
を通つて突出してその下にある患者の皮膚に刺突
する。アームはその限界動作点つまり刺傷動作位
置から反跳してその中性位置に反対方向に向つて
いるばね２５の逆方向トルクの助力によつて戻
り、針の先端を患者の皮膚からリング３４の後部
位置に引抜く。使用済の針２１および指台３２は
取出しの上投棄または再殺菌を行い、殺菌済取替
針２１と同様の指台３２を再使用のためホルダ１
８Ａおよび溝３２の中に取付けることができる。

このランセツト装置は他の場所、例えば耳たぶ
またはかかとの刺傷による血液採取に使用するこ
ともできる。

この全装置は単純、軽量かつ製造安価であり、
その主要部品は適当なプラスチツク材から射出成
型により量産することができる。

以上説明したように、本発明によれば、針が患
者の皮膚を刺傷すると針は直ちに中性位置に戻る
から、患者の苦痛は一瞬で終る。したがつて、患
者は安心してランセツト装置を使うことができる
という効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はハウジングのカバー部分を取外して針
を取付けたランセツト装置の平面図、第２図はハ
ウジングカバー部分の内面を示す平面図、第３図
及び第４図は第１図の装置の矢印およびの方
向から見た側面および立面図、第５図はカバーを
外した本装置の斜視図、第６図は組立形針および
装置の可動アームの外側端に形成されたホルダを
別々に示す図であり、第７図は装置の取替え可能
指台を別に示す図である。 １０Ａ，１０Ｂ……ハウジング、１４Ａ……ハ
ウジング弧状端部、１５……溝、１６……アー
ム、１７……アーム枢着部、１８……アーム外
端、１８Ａ……ホルダ、２０……取付部、２１…
…針、２２……針の先端、２５……ばね装置、２
８……ラツチ装置、２９……手動操作引金、３２
……指台、３４……指台リング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジング１０Ａ，１０Ｂと、所定の角度回
   転できる様に前記ハウジング１０Ａ，１０Ｂ内に
   枢着されたアームであつて、枢着軸１７から離れ
   た一端１８に針２１を取替え自在に、かつ前記ア
   ームの長さ方向に対し直角に向けて保持するホル
   ダ１８Ａを有する可動アーム１６と、この可動ア
   ームを前記枢着軸１７を中心として始動位置か
   ら、針の先端２２が刺傷のため前記ハウジング１
   ０Ａ，１０Ｂに設けられた指台３２から突出して
   患者の皮膚を刺傷する刺傷動作位置まで回転運動
   せしめるように前記可動アームにトルクを与える
   ばね装置２５と、前記可動アームを前記ばね装置
   のトルクに抗して前記始動位置に係止する開放可
   能なラツチ装置２８とを有し、前記ラツチ装置は
   係止されている可動アームを開放するための手動
   操作引金２９を有し、この引金の操作により前記
   可動アームがばね装置のトルクによつて前記刺傷
   動作位置に向つて回転するようになされており、
   さらにばね装置は、可動アームに作用するトルク
   が、前記刺傷動作位置の少し手前の中性位置に達
   する迄、前記可動アームが前記始動位置から刺傷
   動作位置に向つて回転するにつれて大きさが減少
   し、前記中性位置で零になり、その後可動アーム
   が慣性で前記刺傷動作位置に向つて回転するにつ
   れて逆方向トルクが次第に増加し、前記針の先端
   が刺傷動作後、患者の皮膚から自動的に離れる様
   に、前記逆方向トルクにより前記可動アームを前
   記刺傷動作位置から前記中性位置に戻すものであ
   ることを特徴としたランセツト装置。 ２ ばね装置は、アームに作用するトルクの方向
   がアームが前記刺傷動作位置より少し手前の中性
   位置に達する時反転される様になつており、従つ
   てアームはそれ自身の慣性でばね装置の作用に抗
   して中性位置を過ぎて前記刺傷動作位置に行き、
   次いで中性位置にもどる様になることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載のランセツト装置。 ３ ばね装置は枢着軸１７から半径方向にオフセ
   ツト（offset）した位置に設けられたアームのフ
   ツク２１でアームに力を作用する引張りばね２５
   を有し、該ばねはアームがその中性位置に達した
   とき、枢着軸と同一線上にある死点を有する様に
   配列されていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項又は第２項の何れかに記載のランセツト装
   置。 ４ アームの一部１８またはこれに固定された部
   材が装置の手動リセツトのためにハウジングから
   突出していることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項〜第３項の何れかに記載のランセツト装置。 ５ ハウジングはアームの枢着軸と同心的な弧状
   端部１４Ａを有し、該端部中の溝１５を介してア
   ームの外端部１８，１８Ａが取付針の除去および
   交換を容易ならしめるため弧状端の丁度外側に取
   付針を保持するために突出していることを特徴と
   する特許請求の範囲第４項に記載のランセツト装
   置。 ６ ハウジングには、患者の指にのせてラツチが
   開放された時計が刺傷する概略位置を示すための
   取外し投棄型指台３２が突出して設けられている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項〜第５項
   の何れかに記載のランセツト装置。 ７ 指台の突出部はリング３４状に形成され、こ
   れを通つて針の先端が、アームがその刺傷動作位
   置に来たとき刺傷動作を行うために、突出するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第６項に記載のラ
   ンセツト装置。