JPS6215207A - 水溶性付加共重合体塩の製造方法 - Google Patents

水溶性付加共重合体塩の製造方法

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JPS6215207A
JPS6215207A JP15417785A JP15417785A JPS6215207A JP S6215207 A JPS6215207 A JP S6215207A JP 15417785 A JP15417785 A JP 15417785A JP 15417785 A JP15417785 A JP 15417785A JP S6215207 A JPS6215207 A JP S6215207A
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Hironobu Shinohara
弘信 篠原
Katsumi Ito
克美 伊藤
Noboru Yamahara
山原 登
Yoshinori Yoshida
吉田 淑則
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な付加共重合体の水溶性の塩に関する。
〔従来の技術〕
従来、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン、アルミナ
などの無機顔料、セメント、石膏などの水硬性無機材料
、石炭、コークス、ピンチなどの燃料、染料などを水に
分散させるための分散剤、あるいは水処理などのスケー
ル防止剤として、水性分散剤が一般に広く用いられてい
る。
これらの水性分散剤としては、例えば■ポリアクリル酸
およびその共重合体、エチレン、イソブチレン、アミジ
ノ、ヘキセン、ジイソブチレンなどのオレフィン類と無
水マレイン酸で代表されるα、β−不飽和ジカルボン酸
無水物との共重合体、ポリマレイン酸などのポリカルボ
°ン酸塩系重合体などのポリカルボン酸系分散剤のほか
、■ナフタレンスルホン酸の縮合物の塩、リグニンスル
ホン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、スチレ
ンスルホン酸と無水マレイン酸との共重合体の塩などの
スルホン酸系分散剤が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、ポリアクリル酸ソーダで代表される前記
■ポリカルボン酸系分散剤は、狭い範囲の分子量におい
てのみ特定の無機顔料に対する分散性がある程度価れて
はいるが、未だその分散性は充分なものとは言えない。
即ち、かかるポリカルボン酸系分散剤を使用してなる無
機顔料の水スラリーは、その貯蔵安定性が悪く、短時間
でハードケーキが生じてしまうという欠点を有しており
、また石炭、コークスなどの有機質を分散させる能力は
小さいものである。
一方、前記■スルホン酸系分散剤は、石炭、セメントな
どの分散剤としては優れた性能を有することが報告され
ているが、一般に分散剤自体が黒く着色しているがため
に使用用途が限定されており、特に紙コーテイング用途
にはその着色性のために殆ど使用されていないのが現状
である。
また、■スルホン酸系分散剤のうち、ポリスチレンスル
ホン酸ソーダあるいはスチレンスルホン酸と無水マレイ
ン酸との共重合体の塩は、着色しないが他の分散剤に比
べ高価であるため殆ど使用されていないのが現状である
本発明は、これら従来の技術的課題を背景になされたも
ので、無機顔料、水硬性無機材料などの無機物、石炭、
ピッチ、コークスなどの有機物の何れにおいても優れた
分散性を存し、かつ得られるスラリーに優れた経時安定
性を付与し、しかも着色の殆ど認められない新規な分散
剤を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明の第1番目の発明は、(A)α。
β−不飽和ジカルボン酸無水物と、(B)不飽和エチレ
ン性カルボン酸アルキルエステルと、(C)ビニルノル
ボルネン、プロペニルノルボルネン、エチリデンノルボ
ルネンおよびジシクロペンタジェンの群から選ばれた少
なくとも1種の化合物とを共重合してなる付加共重合体
からなり、かつ該付加共重合体に存在する酸無水物基の
少なくとも一部が塩を形成していることを特徴とする水
溶性付加共重合体塩を提供するものであり、また第2番
目の発明は、(A)α、β−不飽和ジカルボン酸無水物
〔以下、「(A)成分」ということがある〕と、(B)
不飽和エチレン性カルボン酸アルキルエステル〔以下、
「(B)成分」ということがある〕と、(C)ビニルノ
ルボルネン、プロペニルノルボルネン、エチリデンノル
ボルネンおよびジシクロペンタジェンの群から選ばれた
少なくとも1種の化合物〔以下、「(C)成分」という
ことがある〕とを共重合してなる付加共重合体のスルホ
ン化物からなり、かつ該付加共重合体のスルホン化物に
存在する酸無水物基およびスルホン基の少なくとも一部
が塩を形成していることを特徴とする水溶性付加共重合
体塩を提供するものである。
本発明の水溶性付加共重合体塩は、前記(A)成分と、
(B)成分と、(C)成分とを共重合したランダム付加
共重合体からなり、これら(A)〜(C)成分何れかの
単量体が欠けても本発明の目的を達成することはできな
い。
以下、第1番目の発明について述べると、ここで使用さ
れる(A)α、β〜不飽和ジカルボン酸無水物としては
1、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン
酸などを挙げることができるが、反応性、品質、経済性
などの点から好ましくは無水マレイン酸である。
これら(A)成分として使用されるα、β−不、飽和ジ
カルボン酸無水物は、1種でもまた2種以上を併用する
こともできる。
本発明の水溶性付加共重合体塩を構成する共重合体にお
いて、(A)成分を使用しないで(B)および(C)成
分だけを共重合しても殆ど共重合体を得ることができな
い。
次に、(B)不飽和エチレン性カルボン酸アルキルエス
テルとは、重合性二重結合を有するモノカルボン酸およ
び/またはジカルボン酸のアルキルエステルであり、か
かるアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、更に
好ましくは1〜4である。該化合物の具体例としては、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸ブチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、イ
タコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、フマル酸ジメ
チル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチルなどを挙げることができるが、好ましくは
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブ
チルである。
これら(B)成分として使用される不飽和エチレン性カ
ルボン酸アルキルエステルは、1種でもまた2種以上を
併用することもできる。
本発明で使用される付加共重合体を製造するに際し、(
B)成分が欠けると、即ち(A)および(C)成分だけ
であると共重合時に重合率を高めることはできない。例
えば(A)および(C)成分だけを共重合するには、開
始剤濃度を高めたり、重合溶媒を減らすなどの手段を用
いて見掛は上重合率を高めることも可能ではあるが、か
かる手段ではt−ドデシルメルカプタン、四塩化炭素な
どの連鎖移動剤を多量に使用せねばならず得られる付加
共重合体がゲル化してしまい、酸無水物基に塩を形成さ
せても水可溶性にはならず、実用上分散剤として使用す
ることは困難である。
(B)成分の使用割合は、(A)成分1モルに対しくB
)成分が0.1〜2モル、好ましくは0.4〜1.2モ
ルであり、0.1モル未満では(B)成分の使用量が少
なすぎて共重合反応が充分に進行しない場合があり、ま
た分散性能が不充分であり、一方2モルを越えると分散
性能が不充分である。
次に、本発明で使用される(C)成分は、何れも分子中
に二重結合を2個含有する化合物であり、このうちビニ
ルノルボルネンとしては5−ビニルノルボルネン−2,
5−ビニル−6−メチルノルボルネン−2,5−メチル
−5−ビニル−ノルボルネン−2,5−ビニル−6−エ
チルノルボルネンー2などが、またプロペニルノルボル
ネンとしては5−プロペニル−ノルボルネン−2,5−
イソプロペニル−ノルボルネン−2などが、更にエチリ
デンノルボルネンとしては5−エチリデン−ノルボルネ
ン−2などが挙げられる。
これら(C)成分として使用されるビニルノルボルネン
、プロペニルノルボルネン、エチリデンノルボルネンあ
るいはジシクロペンタジェンは、1種でもまた2種以上
を併用することもできる。
かかる(C)成分が欠けると、即ち前記(A)および(
B)成分だけを共重合して得られる共重合体の酸無水物
基に塩を形成させたものでも、水溶性であり分散性を有
するがその分散性は小さく、かつ適度の分子量を有する
共重合体が得られ難く、必要以上に高分子量の重合体と
なりがちであり、ややもすると逆にスラリーが増粘して
しまう傾向にあり好ましくない。
(C)成分の使用割合は、(A)成分1モルに対しくC
)成分が0.1〜2モル、好ましくは0.8〜1.2モ
ルであり、0.1モル未満では(C)成分の使用量が少
なすぎて分散性が悪く、必要以上に高分子量となりがち
であり、またゲル化し易くなり、一方2モルを越えると
重合率が上がらないばかりか、分散性能にも劣り、更に
起泡し易くなる。
本発明に使用される付加共重合体は、(A)α。
β−不飽和ジカルボン酸無水物と、(B)不飽和エチレ
ン性カルボン酸アルキルエステルと、(C)ビニルノル
ボルネン、プロペニルノルボルネン、エチリデンノルボ
ルネンおよびジシクロペンタジェンの群から選ばれた少
なくとも1種の化合物とを共重合してなるが、かかる付
加共重合体にはこれらと更に共重合可能な他の単量体を
共重合することも可能である。
かかる他の単量体としては、オレフィン性二重結合を有
する脂肪族、脂環族、芳香族の炭化水素、不飽和アミド
、不飽和アルコール、不飽和エステル、不飽和ニトリル
、不飽和カルボン酸のエステル、不飽和スルホン酸およ
びそのエステルなど、または脂肪族、脂環族、芳香族の
アルコールまたはフェノール、またはアミン基、エステ
ル基、ニトリル基、スルホン基を有するアルコールまた
はジオールなど1種以上を任意の割合で用いることがで
きる。この他の単量体の具体例としては、例えば、スチ
レン、ブタジェン、イソプレン、アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリロニトリル、酢酸ブチル、イソブチレンな
どを挙げることができる。
このように、他の単量体を共重合させることによって、
また使用する他の単量体の種類を変えることによって、
得られる付加共重合体塩の界面活性特性、付加共重合体
の重合収率、共重合比、ゲル化度などを変えることがで
き、これを使用してなる組成物のスラリー分散性を更に
改善することもできる。
本発明に使用される付加共重合体の分子量は、水性分散
剤としての機能を果たす範囲内であれば特に制限されな
いが、通常は重量平均分子量で1 、000〜130,
000 、好ましくは3,000〜80,000、更に
好ましくは5.000〜20.000である。
分子量が小さいと分散性能が不充分であり、大きすぎる
と凝集剤として作用するようになり分散性能が低下する
次に、かかる付加共重合体の製造方法の一具体例を示す
と次の通りである。
即ち、まず(A)α、β−不飽和ジカルボン酸無水物と
、(B)不飽和エチレン性カルボン酸アルキルエステル
と、(C)ビニルノルボルネン、プロペニルノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネンおよびジシクロペンタジェ
ンの群から選ばれた少なくとも1種の化合物とを、更に
必要に応じて添加される他の単量体とを常法に準じてラ
ジカル共重合することによってランダム付加共重合体が
得られる。
この重合反応は、通常、溶媒の存在下もしくは不存在下
にラジカル開始剤を用いて40〜100℃の温度で2〜
20時間重合することによって行われる。
この際に重合温度が高くなるにつれてゲル化や(C)成
分の分解が生じ易くなるので注意を要する。
また、反応に供する単量体の仕込み組成は、目的とする
付加共重合体組成に応じて適宜選択される。
重合に用いられるラジカル開始剤は、例えばポリカルボ
ン酸系重合体の合成に際して一般に使用されているもの
であれば何れでもよく、その具体的な例として、ベンゾ
イルパーオキサイド、t−プチルパーオキシビバレイト
などのごときパーオキシド系、α、α′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、α、α′−アゾーα−エチルブチロニ
トリルなどのごときアゾビス系開始剤、レドックス系開
始剤、過硫酸塩、過酸化水素などが例示される。
また、重合溶媒は必ずしも用いる必要はないが、重合体
のゲル化防止の点からシクロヘキサン、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル
、トルエン、キシレン、メタノール、イソプロピルアル
コール、ヘキサン、ヘプタンなどのごとき溶媒を用いる
ことができる。
更に、得られる付加共重合体のゲル化防止および分子量
調整のため、通常使用されている連鎖移動剤、例えばt
−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、四塩
化炭素などを用いることができる。
かくして得られたランダム型の付加共重合体は、次いで
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水など
のごときアルカリ水溶液中で中和され、ここで酸無水物
基の少なくとも一部が塩を形成している水溶性の付加共
重合体の塩が得られる。
かかる塩の具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩
などのごときアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類
金属塩などが例示されるが、通常は性能および経済性の
見地からナトリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。
また、酸無水物基の中和の度合は、付加共重合体塩が水
溶性または水分散性となる範囲内で適宜選択すればよく
、更に酸無水物基がそれぞれ異なった塩を形成していて
もよい。
以上のように、本発明の第1番目の発明は、前記のよう
に(A)〜(C)成分を共重合して得られる付加共重合
体からなり、かつ該付加共重合体に存在する酸無水物基
の少なくとも一部が塩を形成してなる水溶性付加共重合
体塩であるが、本発明では第2番目の発明として、前記
付加共重合体中の(C)成分に存在する二重結合に更に
スルホン基を導入するとともに、該スルホン基に塩を形
成させた水溶性付加共重合体塩となすことにより、−要
分散性を良好化させることができる。
かかる第2番目の発明である水溶性付加共重合体塩は、
重亜硫酸塩で代表されるスルホン化剤を前記付加共重合
体に、好ましくは前記第1番目の発明の水溶性付加共重
合体塩に反応せしめることによって(C)成分に起因す
る共重合体中の二重結合にスルホン基を導入することに
より目的とする水溶性付加重合体塩が合成される。
反応に用いられるスルホン化剤としては、一般に重亜硫
酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの
重亜硫酸塩が用いられるが、場合によっては亜硫酸ガス
を用いて系中で亜硫酸塩を調製し、それを反応に供する
こともできる。
また、反応に際しては、反応促進剤として酸化剤を併用
することが好ましく、その具体例としては、例えば過硫
酸カリウムなどの過酸化物、硝酸カリウム、硝酸ナトリ
ウム、硝酸アンモニウムなどの硝酸塩、過酸化水素、酸
素、有機過酸化物などが例示される。
反応に供されるスルホン化剤の使用割合は、目的とする
生成物に応じて適宜選択されるが、−aに反応が定量的
に進行するところから、理論量またはやや過剰とするだ
けで充分である。
即ち、スルホン化剤の使用量は、(C)成分を基準とし
て該(C)成分1モルに対し0.5〜2モルが好ましく
、更に好ましくは0.8〜1.2モルである。
また、反応時のpHは、8以下、好ましくは7〜5に制
御することが適切であり、pHO値が過度に大きくなる
と反応性が阻害され、逆に過度に小さくなると付加共重
合体塩の溶解性が劣るようになる。
しかし、前記のごときpHの範囲内であれば、反応は速
やかに進行するので、反応条件は、通常、反応温度;室
温〜180℃、反応時間;1〜25時間程時間光分であ
る。
本発明において付加共重合体のスルホン化物中のスルホ
ン基の含有量は、スルホン化反応の条件、反応に供する
付加共重合体の使用量などによって異なるが、通常は付
加共重合体中に存在する(C)成分単位の少なくとも2
0モル%以上、好ましくは40モル%以上がスルホン化
したものが、得られる組成物の分散性の点から好ましい
かくして得られる付加共重合体のスルホン化物の分子量
は、前記第1番目の発明である付加共重合体塩を分散剤
とする場合より水溶性に優れるため、高分子量領域まで
分散性が優れており、従ってスルホン化前の付加共重合
体の重量平均分子量は、1 、000〜200,000
 、好ましくは3.000〜130.000 、更に好
ましくは5,000〜100.000である。
スルホン化物の重量平均分子量が低すぎると分散性能が
不充分であり、一方大きすぎると凝集剤として作用する
ようになり分散性能が低下する。
なお、かかる付加共重合体のスルホン化物は、通常、(
A)〜(C)とから付加共重合体を製造した後スルホン
化するが、これに限定されるものではなく、(C)成分
を予めスルホン化した後、(A)〜(B)成分と共重合
することによっても得ることができる。
本発明で使用される付加共重合体のスルホン基に塩を形
成させるためのカチオン種、即ちスルホン化物のカチオ
ン種は特に限定されるものでないが、水溶性にするため
には、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ンモニウム、アミンなどが好ましい。
前記アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムなど
を、アミンとしてはメチルアミン、エチルアミン、プロ
ピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエ
チルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチ
ルアミンなどのアルキルアミン、エチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポ
リアミン、モルホリン、ピペリジンなどを、アルカリ土
類金属としてはカルシウム、マグネシウムなどを例示す
ることができる。
また、これらのカチオン種は、種々のイオン交換技法に
より他種のカチオン種と相互に交換することが可能であ
る。
かくして水溶性付加共重合体塩あるいは水溶性付加共重
合体のスルホン化物塩の水溶液が調製されるが、本発明
においては、必要に応じて水溶液からこれらの塩を分離
乾燥することによって固形の水溶性付加共重合体塩を得
ることができる。
なお、本発明の水溶性付加共・重合体塩(第1番目の発
明および第2番目の発明)は、イオン交換法あるいは中
和反応などにより、酸型またはアルカリ金属、アルカリ
土類金属、アンモニウム、アミンなどの塩に相互に交換
することができる。
このような本発明の水溶性付加共重合体塩の構造は、赤
外線吸収スペクトルによって酸無水物基の吸収により、
また第2番目の発明にあってはスルホン基の吸収により
確認でき、これらの組成比は電位差、型温度などの酸・
アルカリ滴定により知ることができる。
また、核磁気共鳴スペクトルによるノルボルナン環ある
いはジシクロペンクン環などの存在によってその構造を
確認することができる。
本発明の水溶性付加共重合体塩は、分散剤として1種以
上、必要に応じてノニオン系あるいはアニオン系などの
界面活性剤、キレート剤、消泡剤、凝固点降下剤、湿潤
剤、その他の分散剤などの添加剤などと併用して、特に
限定されないが、濃度40〜80重量%の固形燃料など
の微粉末スラリーに添加される。
この際の水溶性付加共重合体塩の添加量は、大きくなる
ほどスラリーの粘度は低下するため、所望の粘度に応じ
た添加量を選ぶことができ、スラリー組成物全量に対し
、通常、0001〜10重量%、好ましくは0.05〜
5重量%でよいが、作業性および経済性の観点から0.
05〜1重量%が好ましい。
以上のように、本発明で使用される付加共重合体は、(
A)〜(C)成分の3成分を共重合するため、かかる3
成分を共重合する際に重合率が容易に80%以上となり
、かつ過度の高分子量化が抑制されるため、分散性の観
点から望ましい分子量を有する付加共重合体が得られ、
塩を形成させると容易に水溶性になる。
このようにして得られる3成分系の付加共重合体塩は、
(C)成分の環状構造により硬い構造となり、かつ分子
中に(B)成分に起因する適度の親油性が付与されるた
めか、親油性を有する種々の顔料に対して強く吸着する
などの作用が得られ、種々の粉体において分散性が大幅
に改良され、かつ得られるスラリーの経時安定性をも改
良される。
また、かかる付加共重合体(塩)には、(C)成分に起
因する二重結合が残存しており、かかる二重結合の任意
の量をスルホン化することにより更に分散性、スラリー
安定性を任意に改良することが可能となる。
更に、このようにスルホン化することにより、付加共重
合体(塩)が高分子量過ぎるため分散性が小さいもので
も、分散性が大幅に改良され、かかるスルホン化物では
分散性の分子量依存性が極めて小さくなり、品質管理上
も極めて有利となる。
このように、本発明で使用される付加共重合体は、前記
のように(A)〜(C)成分の3成分を組み合わせて初
めて得られるものであり、これらのうちどの−成分が欠
けても、本発明の目的を達成することは不可能である。
本発明の水溶性付加共重合体塩は、種々の無機顔料、例
えば炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン、石膏、アル
ミナ、シリカ、マグネシア、セメントなどのほか、石炭
、石油コークス、ピッチ、木炭などの有機物の微粉末の
分散剤として好適に用いられる。
また、本発明の水溶性付加共重合体塩は、着色していな
いため、特に炭酸カルシウム、クレー、酸化チタンなど
をペーパーコーティングする際の分散剤として好適に用
いることができ、従来上として用いられているポリアク
リル酸ソーダに比ベカラー品質において熱安定性、保水
性、高シェア安定性が優れるなどの特徴を有し、更に紙
の品質において耐水強度、ドライ強度、インキセット、
着肉性などに優れている。
〔実施例〕 以下、実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明する。
なお、実施例中%とあるのは、重量基準である実施例1
〜39、比較例1〜6 (付加共重合体の製造) 攪拌装置、温度計を備えてなる1Nの三ツロフラスコに
、(A)無水マレイン酸と(B)成分と(C)成分とを
第1表に示したモル比で仕込み、この全重量に対し、2
%のベンゾイルパーオキシドおよび2%のt−ドデシル
メルカプタンを加えた。
共重合に際しての溶媒は酢酸エチルを用い、金子ツマ−
に対し重量比で1.5倍とした。
重合は、攪拌下85℃にて行い、ゲルパーミニ、  ジ
ョンクロマトグラフィー(GPC)で分子量を観察しな
がら所望の分子量に達したときに重合を停止させた。
得られた付加共重合体は、酢酸エチルに均一に溶解して
おり、多量のトルエン中にこのポリマー溶液を滴下し、
付加共重合体を析出させた。
析出した付加共重合体をトルエンで充分に洗浄した後、
80℃で真空乾燥して、乾燥ポリマーを、  得た。仕
込んだ全モノマー量に対する得られた乾燥ポリマー量の
比を重合収率とした。
(スルホン化反応) 得られた付加共重合体は、常法により沃素価を測定した
後、撹拌装置、温度計を備えてなる21のステンレス製
オートクレーブ中でカルボキシル基含有量の80%の水
酸化ナトリウムで中和し、付加共重合体を20%含有す
る水溶液を得た。
この中に沃素価から算出される二重結合量に見合うだけ
の亜硫酸水素ナトリウムを添加し、反応促進剤としてポ
リマーの0.2%の過酸化水素を加え、常温で攪拌下7
時間反応させた。
(重質炭酸カルシウムの分散性テスト)重質炭酸カルシ
ウム(三共製粉時製、ニスカロン#1,500 )  
150 gに水と分散剤とを、スラリー濃度75%、分
散剤添加量0.3%(対重賞炭酸カルシウム)となるよ
うに添加し、ラボミキサーにて3,000.r p m
で5分間攪拌して重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
このスラリーの粘度をB型粘度計隘20−夕で6Orp
m、1分間で測定した。結果を第1表に示す。
(クレーの分散性テスト) クレーとして、エンジェル ハード ミネラルズ エン
ド ケミカル ディビジョン(Engel+1ard 
Minerals & Chemical Divis
ion )社製、ウルトラホワイト#90を用い、スラ
リー濃度65%、分散剤添加量0.1%とした以外、前
記重質炭酸カルシウムの分散性テストと全く同様にして
スラリーを調製し、粘度を測定した。
結果を併せ第1表に示す。
(石炭の分散性のテスト) 中国の大同炭を乾式ミルで粉砕し、200メソシュパス
分が79.6%の微粉炭を得た。
この微粉炭の添加量を65%、分散剤添加量を0.7%
一定としてラボ用ホモミキサーにより1.000 r 
p mで10分間、次いで3.00Or p mで5分
間攪拌を行い、スラリーを得た。
このスラリー粘度は、B型粘度計阻30−夕により60
rpmで1分間の条件で測定した。
結果を併せ第1表に示す。
(セメントの分散性テスト) 小野田セメント■製、普通ポルトランドセメン)200
gに分散剤2gと蒸留水50gを加えて手練り後、内容
積98.9ccのフローコーンを用いてJIS  52
01に従ってフロー値を求めた。
結果を併せ第1表に示す。
なお、第1表中、実施例11のスルホン化前の付加共重
合体塩をKBr錠剤法で分析した赤外線吸収スペクトル
を第1図に、同実施例11のスルホン化後の付加共重合
体塩をKBr錠剤法で分析した赤外線吸収スペクトルを
第2図に、同様に実施例30の赤外線吸収スペクトルを
第3図に、同実施例30のスルホン化後の付加共重合体
塩の赤外線吸収スペクトルを第4図にそれぞれ示す。
比較例7〜8 市販の重量平均分子ff15,800のポリアクリル酸
ソーダおよび重量平均分子110,300のナフタレン
スルホン酸ソーダのホルマリン縮合物を用いて、実施例
1と全く同様にして種々の粉体の分散性を調べた。その
結果を第2表に示す。
第2表 〔発明の効果〕 本発明の水溶性付加共重合体塩は、無機顔料、水硬性無
機材料など無機物、石炭、ピッチ、コークスなどの有機
物の何れにおいても優れた分散性を有し、かつ得られる
スラリーに優れた経時安定性を付与し、しかも着色の殆
ど認められない新規な分散剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1に示すスルホン化前の付加共重合体塩
の赤外線吸収スペクトル、第2図は実施例1に示すスル
ホン化後の付加共重合体塩の赤外線吸収スペクトル、第
3図は実施例30の赤外線吸収スペクトル、第4図は実
施例30のスルホン化後の付加共重合体塩の赤外線吸収
スペクトルである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)(A)α,β−不飽和ジカルボン酸無水物と、(
    B)不飽和エチレン性カルボン酸アルキルエステルと、
    (C)ビニルノルボルネン、プロペニルノルボルネン、
    エチリデンノルボルネンおよびジシクロペンタジエンの
    群から選ばれた少なくとも1種の化合物とを共重合して
    なる付加共重合体からなり、かつ該付加共重合体に存在
    する酸無水物基の少なくとも一部が塩を形成しているこ
    とを特徴とする水溶性付加共重合体塩。
  2. (2)(A)α,β−不飽和ジカルボン酸無水物と、(
    B)不飽和エチレン性カルボン酸アルキルエステルと、
    (C)ビニルノルボルネン、プロペニルノルボルネン、
    エチリデンノルボルネンおよびジシクロペンタジエンの
    群から選ばれた少なくとも1種の化合物とを共重合して
    なる付加共重合体のスルホン化物からなり、かつ該付加
    共重合体のスルホン化物に存在する酸無水物基およびス
    ルホン基の少なくとも一部が塩を形成していることを特
    徴とする水溶性付加共重合体塩。
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