JPS6214398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、換気扇に使用されれる羽根構造に
関するものである。

従来の換気扇における羽根は、モータの回転軸
に取付けるボスの外周に複数枚の羽根板をボスと
一体の材料を用いて突設した構造であつた。

ところで換気扇は、汚れた空気と接触するた
め、特にその羽根は汚損がはげしく、定期的に清
浄化してやらなければならない。

しかし、従来の羽根は、回転軸から取外し、こ
れを洗浄することによつて汚れ落しを行なわねば
ならないので、清浄作業が極めて両倒であり、油
分を含んだ汚れは特に落ちにくく、洗浄に多くの
時間を必要とする問題がある。

この考案は上記のような問題を解消するために
なされたものであり、汚れが生じると使い捨ての
羽根部材のみを取替えることによつて対処でき、
汚れに対する処置が極めて簡単に手を汚すことな
く行なえる羽根構造を提供するのが目的である。

この考案の構成は、回転軸に対する取付部材の
外周に複数本のアームを、円周方向に一定の間隔
で放射状に配置して突設した第１の回転部材と、
回転軸に対する取付部材の外周に第１の回転部材
と同数のアームを円周方向に一定の間隔で放射状
に配置して突設した第２の回転部材と、前記両回
転部材を回転軸に対して固定する固定機構と、両
回転部材の回転方向に変位するアームにわたつて
取付ける扇形の羽根部材とで構成され、羽根部材
は可撓性の材料を用い末広となる両側にアームの
挿入部を設けて形成されている構造としたもので
ある。

以下、この考案を添付図面の実施例に基づいて
説明する。

図示のように、この考案の羽根構造は、回転軸
１に固定する第１の回転部材２および第２の回転
部材３と、両回転部材２と３にわたつて取付ける
複数の羽根部材４及び両回転部材２と３を回転軸
１に固定する固定機構とで構成されている。

上記第１の回転部材２は、回転軸１に外嵌固定
するボス５の外周に複数本のアーム６を、回転軸
１への取付孔を中心とする放射状の配置で突設し
て形成されている。

第２の回転部材３は、回転軸１への取付孔１１
を備えた円形プレート７の外周に第１回転部材２
と等しい本数のアーム８を放射状に突設して形成
されている。

前記第１および第２の両回転部材２と３は、互
のアーム６と８が前後に所定の間隔を保ち、しか
もアーム６と８が回転方向に変位する状態で回転
軸１に固定化される。

両回転部材２と３は、図示のような構造に限定
されるものではなく、両部材に全く等しい構造の
ものを用いるようにしてもよいと共に、回転軸１
に対して両回転部材２と３を固定する固定機構
は、回転軸１の先端に螺合した締付ギヤツプ９を
用いた構造になつている。

前記羽根部材４は、紙や金属箔、合成樹脂シー
ト等の可撓性のある材料を用い、両側縁が末広に
なる扇形に形成され、その両側縁に両回転部材２
と３のアーム６と８を差込む挿入部１０が設けら
れている。

この羽根部材４は、第４図と第５図の場合、扇
形に切断された二枚のシートや箔を重ね合わせ、
その両側縁と大径周縁部を溶着や接着して小径周
縁部が開口する袋に形成し、内部の両側縁を挿入
部１０とした例を示している。

第６図と第７図に示す羽根部材４の他の例は、
可撓性の合成樹脂を用い、扇形部２１の両側縁に
筒状の挿入部１０，１０を一体に成形したもので
ある。

この考案の羽根構造は上記のような構造であ
り、羽根を構成するには、モータの回転軸１に第
１の回転部材２と第２の回転部材３を挿入し、締
付キヤツプ９を緩めて螺合する。

この状態で両回転部材２，３の近接する組のア
ーム６と８にわたり、羽根部材４を順次取付け
る。羽根部材４の取付けは、アーム６と８を互に
接近させ、羽根部材４の両挿入部１０をアーム
６，８に差込む。即ち、羽根部材４が扇形の袋に
形成されている場合、第４図に示すように、回転
軸１の軸方向沿う前後方向に接近させた組となる
アーム６と８に対し、羽根部材４の小径周縁部の
開口を開いて挿入する。

また、羽根部材４が合成樹脂の成形品の場合、
第６図のように、扇形部２１を折畳み状にし、両
側縁の筒状挿入部１０，１０を平行状にしてアー
ム６と８に挿入する。 このようにして前後に組
となるアーム６，８に羽根部材４を取付けると、
第４図及び第６図に矢印で示す如く、両回転部材
２と３を逆方向に回し、組となるアーム６，８を
引離す。

これにより、各羽根部材４は両側縁が引張られ
て緊張し、第５図及び第７図に示す如く、回転軸
１に対して傾斜する状態に配置された取付けとな
り、この状態を締付キヤツプ９のねじ込みによつ
て両回転部材２と３を締付固定すれば、第１図と
第２図に例示したように羽根が完成し、モータの
起動による回転軸１の回転で送風が得られる。

両回転部材２と３のアーム６，８は放射状とな
つて羽根部材４を支持し、この支持部分は末広状
になるため、回転時の遠心力が作用しても羽根部
材４は抜けるようなことがなく、羽根部材４をア
ーム６，８に対して接着固定するような必要はな
い。

使用中において羽根部材の表面が汚損される
と、締付キヤツプ９を緩めて両回転部材２と３を
組となるアーム６，８が接近するように回動さ
せ、アーム６と８から汚れた羽根部材４を抜取つ
て新たな羽根部材と付替えるようにすればよい。

以上のように、この考案によると、複数本のア
ームが突出する二つの回転部材と、両部材のアー
ムにわたつて取付ける扇形の羽根部材及び両回転
部材を回転軸に対して固定する固定機構とで構成
し、羽根部材の末広がりとなる両側縁にアームの
挿入部を設けたので、羽根部材を自由に着脱する
ことができ、汚損による使い捨てが行なえるの
で、手を汚すような洗浄作業を必要とすることな
く清浄化を行なうことができる。

また、二つの回転部材のアームに対して羽根部
材を取付、アームの挿入部が末広がりになつてい
るので、回転時の遠心力に対する抜止となり、特
別な固定手段を必要としないので、羽根部材の着
脱を極めて簡単に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る羽根構造の正面図、第
２図は同平面図、第３図は同上の分解斜視図、第
４図は同上における羽根部材の第１の例を示すア
ームへの取付途中の斜視図、第５図は、同上の取
付完了状態を示す斜視図、第６図は羽根部材の第
２の例を示すアームへの取付途中の斜視図、第７
図は同上の取付完了状態を示す斜視図である。 １は回転軸、２，３は回転部材、４は羽根部
材、６，８はアーム、１０は挿入部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸に対する取付部材の外周に複数本のアー
   ムを、円周方向に一定の間隔で放射状に配置して
   突設した第１の回転部材と、回転軸に対する取付
   部材の外周に第１の回転部材と同数のアームを円
   周方向に一定の間隔で放射状に配置して突設した
   第２の回転部材と、前記両回転部材を回転軸に対
   して固定する固定機構と、両回転部材の回転方向
   に変位するアームにわたつて取付ける扇形の羽根
   部材とで構成され、羽根部材は可撓性の材料を用
   い末広となる両側にアームの挿入部を設けて形成
   されている換気扇の羽根構造。