JPS6214246B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、主としてハム、ベーコン、ソーセー
ジ等の食肉加工品の原料肉を漬け込む際に使用さ
れる食肉加工品の原料肉の回転式漬込装置に関す
るものである。

［発明の技術的背景とその問題点］ 従来、この種の食肉加工品の製造時において原
料肉を漬せ込む際には、ピツクル液注入工程、筋
切工程、マツサージ工程等の少なくとも３つの作
業工程が必要で、しかも作業時間が略48時間（２
日間）程度必要であつた。そのため、作業工程が
多く、且つ作業時間が長く、食肉加工品の原料肉
が空気に触れる回数及び触れる時間が増え、衛生
管理及び品質管理の低下を招いていた。

［発明の目的］ そこで、本発明は、前述のような問題点を解消
するために創出されたもので、食肉加工品の原料
肉を漬け込む際に、ピツクル液注入工程、筋切工
程、マツサージ工程等の３つの作業工程を１つの
作業工程にし、且つ作業時間を略３〜４時間程度
でできるようにして、作業工程の削減と作業時間
の短縮とを図れるようにすると共に、食肉加工品
の原料肉が空気に触れる回数及び触れる時間を減
らして、衛生管理及び品質管理の向上を図れるよ
うな食肉加工品の原料肉の回転式漬込装置を提供
するものである。

［発明の概要］ 本発明の要旨とするところは、食肉加工品の原
料肉を投入して漬け込む略樽形状の漬込タンクの
両端壁中心部の各軸を架台に回転自在に支持し、
この漬込タンクの相対向する一方の周壁に設けら
れた口部には蓋を開閉自在に取付け、且つその相
対向する他方の周壁内側にはピツクル液注入用の
数本の注入針を軸方向へ適宜間隔に配設し、この
各注入針の両側には前記原料肉案内用のガイド片
を突設し、その他方の周壁外側に設けられたピツ
クル液注入用のジヤケツトと前記一方の軸内との
相互間にはピツクル液送込用の送液管を設け、こ
の送液管と下端がピツクル液の液タンク内に入れ
られたピツクル液送込用の送液具付き送液管と
を、回転管継手を介して連結すると共に、前記他
方の軸内に設けられた空気流通用の通気管と、下
端が漬込タンク内減圧用の真空ポンプに連結され
た通気管とを、回転管継手を介して連結したこと
に存するものである。

［発明の実施例］ 以下、本発明の一実施例を図面に基いて説明す
る。

図において１はハム、ベーコン、ソーセージ等
の食肉加工品の原料肉Ｍを投入して漬け込む略樽
形状の漬込タンクであつて、この漬込タンク１
は、両端壁中心部に軸２，３を突設し、相対向す
る一方の周壁（図中は上壁）には口部４を穿設
し、この口部４に蓋５を締付金具６にて開閉自在
に取付け、また、その相対向する他方の周壁（図
中は下壁）の内側には、長さが若干異なり且つ先
端が鋭利状に切断されたピツクル液Ｐ注入用の数
本の注入針７を、内外側が連通されるよう軸方向
へ２列に適宜間隔に配設し、この各注入針７の両
端には食肉加工品の原料肉Ｍ案内用のガイド片８
を突設する。更に、その他方の周壁（図中は下
壁）の外側には前記各注入針７に連通するピツク
ル液Ｐ注入用のジヤケツト９を設け、このジヤケ
ツト９の一端と前記一方の軸２の内部との相互間
にはジヤケツト９に連通されるピツクル液Ｐ送込
用の送液管１０を設け、そして、前記他方の軸３
の内部には内外側が連通される空気流通用の通気
管１１を設けるように形成されている。

このように形成された漬込タンク１の両端壁中
心部の軸２，３を正面上向きコ字形状の架台１２
の両側支柱１３上端に、軸受１４を介して回転自
在に支持し、その漬込タンク１の一方の軸２内の
送液管１０と、下端がピツクル液Ｐの液タンク１
５内に入れられた送液管１６とを、軸２の外側端
に回転管継手１７を介して連結し、この送液管１
６の長手方向中央部にはピツクル液Ｐ送込用のポ
ンプ又はシリンダの送液具１８と、ピツクル液Ｐ
送込量を一定にするための流量計又は送り回数計
の計器１９とを取付ける。更に、漬込タンク１の
他方の軸３内の通気管１１と、下端が漬込タンク
１内減圧用の真空ポンプ２０に連結された通気管
２１とを、軸３の外側端に回転管継手２２を介し
て連結し、そして、漬込タンク１の各軸２，３の
適所には漬込タンク１回転駆動用のモータ（図示
せず）を接続したものである。

［発明の効果］ 本発明は、前述のように構成したから、使用時
において食肉加工品の原料肉Ｍを漬け込む際に
は、先ず液タンク１５内に所定のピツクル液Ｐを
入れ、次に漬込タンク１の蓋５を解放して漬込タ
ンク１内に食肉加工品の原料肉Ｍを口部４から所
定量投入した後、口部４に蓋５を締付金具６で閉
鎖し、次いで真空ポンプ２０を作動させて漬込タ
ンク１内の空気を通気管１１，２１から所定量抜
いて減圧した後、漬込タンク１をモータにて回転
させてからポンプ又はシリンダの送液具１８を作
動させる。更に、漬込タンク１の回転によりジヤ
ケツト９が下方へ近ずくに従つて食肉加工品の原
料肉Ｍが自重でガイド片８に沿つて各注入針７に
突き刺さり、これと同時に送液具１８の力により
ピツクル液Ｐが原料肉Ｍ内部に注入され、このピ
ツクル液Ｐの一定量注入後、ピツクル液Ｐの注入
作業が停止し、更に漬込タンク１が90度回転して
側方へ近ずくに従つて食肉加工品の原料肉Ｍが自
重で各注入針７から外れ、これらの作業を漬込タ
ンク１の回転に伴なつて繰返して、ピツクル液Ｐ
の所定量注入後は送液具１８を停止して漬込タン
ク１の回転作業のみを行なう。このような漬込タ
ンク１の回転作業を略３〜４時間程度行なつた
後、蓋５を下向きにして漬込タンク１の回転を停
止し、最後に真空ポンプ２０を作動させて漬込タ
ンク１内を常圧にして、口部４の蓋５を解放して
漬込タンク１内の食肉加工品の原料肉Ｍを取出す
ことにより漬け込み作業が終了する。

すなわち、漬込タンク１の回転に伴なつてジヤ
ケツト９が下方に位置した際に食肉加工品の原料
肉Ｍが自重で各注入針７に突き刺さつて原料肉Ｍ
の内部にピツクル液Ｐを注入できるため、ピツク
ル液Ｐ注入工程ができ、また食肉加工品の原料肉
Ｍが自重で各注入針７に突き刺さる際に原料肉Ｍ
の筋が各注入針７の先端で切れるため、筋切工程
ができ、更に漬込タンク１の回転時に漬込タンク
１のガイド片８によつて食肉加工品の原料肉Ｍが
持ち上げられたり、或いは落下したりして、ピツ
クル液Ｐを原料肉Ｍ内で拡散及び均一化を図れる
と共に、真空ポンプ２０で漬込タンク１内を減圧
することによつて原料肉Ｍ内の空気等を除去でき
るため、マツサージ工程ができる。従つて、これ
らの３つの作業工程を１つの作業工程ででき、且
つ作業時間を略３〜４時間程度でできるため、作
業工程の削減と作業時間の短縮とを著しく図るこ
とができる。しかも、食肉加工品の原料肉Ｍが空
気に触れる回数及び触れる時間が減るため、衛生
管理及び品質管理の向上を頗る図ることができ
る。

以上説明したように、本発明によれば、食肉加
工品の原料肉を漬け込む際に、ピツクル液注入工
程、筋切工程、マツサージ工程等の３つの作業工
程を１つの作業工程ででき、且つ作業時間を略３
〜４時間程度でできるため、作業工程の削減と作
業時間の短縮とが著しく図れると共に、食肉加工
品の原料肉が空気に触れる回数及び触れる時間が
減るため、衛生管理及び品質管理の向上が頗る図
れ、更に構造簡単で安価に提供できる等の諸効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は一部切欠正面図、第２図は漬込タンクの縦断右
側面図である。 １……漬込タンク、２……軸、３……軸、４…
…口部、５……蓋、６……締付金具、７……注入
針、８……ガイド片、９……ジヤケツト、１０…
…送液管、１１……通気管、１２……架台、１３
……支柱、１４……軸受、１５……液タンク、１
６……送液管、１７……回転管継手、１８……送
液具、１９……計器、２０……真空ポンプ、２１
……通気管、２２……回転管継手、Ｍ……原料
肉、Ｐ……ピツクル液。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 食肉加工品の原料肉を投入して漬け込む略樽
   形状の漬込タンクの両端壁中心部の各軸を架台に
   回転自在に支持し、この漬込タンクの相対向する
   一方の周壁に設けられた口部には蓋を開閉自在に
   取付け、且つその相対向する他方の周壁内側には
   ピツクル液注入用の数本の注入針を軸方向へ適宜
   間隔に配設し、この各注入針の両側には前記原料
   肉案内用のガイド片を突設し、その他方の周壁外
   側に設けられたピツクル液注込用のジヤケツトと
   前記一方の軸内との相互間にはピツクル液送込用
   の送液管を設け、この送液管と下端がピツクル液
   の液タンク内に入れられたピツクル液送込用の送
   液具付き送液管とを、回転管継手を介して連結す
   ると共に、前記他方の軸内に設けられた空気流通
   用の通気管と、下端が漬込タンク内減圧用の真空
   ポンプに連結された通気管とを、回転管継手を介
   して連結したことを特徴とする食肉加工品の原料
   肉の回転式漬込装置。