JPS6213527B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、回転軸特にガスタービン駆動軸の振
動を抑制し減衰させる分割ベアリングの改良に係
るものである。更に具体的にいえば本発明は、回
転組立体が特に低い仕事率で臨界速度を通過する
とき回転組立体の不均衡によつて生じる振動の大
きな振幅を著しく減衰し、そして又ベアリングの
全容積を変えないで軸ベアリングの弾性を、従つ
て臨界速度を意のまゝに変更することのできる分
割揺動式ベアリングの簡単で且つ有効な振動減衰
システムに係るものである。

振動をうけ易い大きな軸を支持しなければなら
ないときには一般に分割揺動式ベアリングを使用
するが、それはこのベアリングが大きな負荷を支
持できそして振動を減衰することができるからで
ある。

既知の分割揺動式ベアリングを実質的に構成し
ているのは、外側支持ケーシングに含まれ、そし
て支えようとする軸の周りに配置された環状のシ
ユー支持部材の内面に同じ角度だけ離してそれぞ
れ揺動するように取付けた減摩材料の一組のシユ
ーであつて、これらのシユーを配置した室には加
圧した潤滑油を満たしている。

この型式のベアリングで軸振動により発生する
振動に対し減衰作用が生じる理由は、揺動するよ
うに取付けたシユーはその振動によつて揺動し
て、シユーと支持されている軸との環状のシユー
支持部材との間の間隙は常に変化して、そこに形
成される空所内で急激に油を動かし、その結果と
して生じる圧送と吸込み作用が減衰効果を生じて
いるのである。然しながらこの既知のベアリング
には一連の欠点があり、そのうちの最も重大な欠
点はある大きさの不均衡を完全に吸収することが
できないということである。それというのは減衰
効果の程度を決める上述の間隙の変化の程度が非
常に小さいからである。又、構造上の剛性、すな
わち分割揺動式ベアリングの弾性を変えることが
できないことが、臨界速度制限を適当に変えて臨
界速度を軸の正規の動作範囲の外へ出すことがで
きないという別の欠点をもたらす。

最後に注意しなければならないことは、既知の
ベアリングとそれを支える構造とは水平面と垂直
面とで剛性が同じではなく、そのため理論的な臨
界速度が分けられてしまうということである。

本発明の目的はこれらの欠点を解消することで
あつて、本発明の分割揺動式ベアリングは振動減
衰に非常に有効であり、臨界速度制限を変えるた
めに必要な弾性の変更が容易であり、そして既知
のベアリングと比較して全体の寸法を変えずに半
径方向の剛性を均一にしている。

このことは、環状のシユー支持部材の外面と外
側の支持ケーシングの内面との間に同じ角度だけ
離して板ばねを配置することにより達成されるの
であり、これらの板ばねは潤滑油に漬けられてい
る。

更に具体的にいえば、外側支持ケーシング内に
収容されており、そして支持しようとする軸の周
りに配置された環状のシユー支持部材の内面に同
じ角度だけ離して揺動できるよう取付けた剛性の
減摩材料の一組のシユーにより分割揺動式ベアリ
ングは構成されており、外側支持ケーシングの前
壁に潤滑油のための密封ガスケツトを設け、シユ
ーを配置した室に潤滑油を満たしており、本発明
の特徴としてはシユー支持部材の外面とその上に
なつている外側支持ケーシングの内面との間に同
じ角度だけ離して一組の板ばねを外側支持ケーシ
ングが支持する横ピンにより保持し、これらのピ
ンが配置されている環状室にも潤滑油を満たし、
外側支持ケーシングの前壁の一つに環状支持部材
を軸方向で弾性的に押しつける手段も講じている
ということである。

このように構成したことによる利点はすぐに明
らかとなる。

先ず、シユーを有する支持部材は、板ばねの剛
性に抗しての軸の移動を追つて動く。換言すれ
ば、このシステムは剛性ではなくて弾性的であ
り、それの弾性はばね板を単なる剛性のばね板を
取代えることにより意のまゝに容易に変えれる。
更に、もし支えようとする軸の不均衡によりシユ
ー支持環が動くのならば、このシユー支持環は板
ばねを曲げることにより板ばねを圧縮し、板ばね
と環状シユー支持部材と外側の支持ケーシングと
の間隙を変える。これらの間隙変更は大きなもの
であり、大きな面積にわたり、その結果大きな油
の運動を生じてそれにより大きな減衰効果を生じ
る。上に述べた手段により弾性的に押しつけ合つ
ている外側支持ケーシングの前壁と環状シユー支
持部材との間の摩擦によりベアリングの減衰効果
は更に増大する。

別の利点は構造全体がかなりコンパクトである
ということであり、全体の大きさは既知のベアリ
ングの全体の大きさに比して半径方向に僅かに増
大するが、軸方向には増大しない。

本発明の好ましい実施例によれば板ばねの幅は
環状シユー支持部材の長さに等しく、そしてシユ
ー支持環の半径より大きな半径の一つのリングを
切つて板ばねを形成している。

このようにして、非常に厳格なトラレンスをも
つたばねの半径と厚みとを経済的で簡単な仕方で
得ることができ、ばねによりつくられる間隙を一
様に、従つて一様な荷重分布を実現し、そしてす
べての方向で剛性が一様となつている構造として
いる。

本発明の別の特徴は、外側支持ケーシングの一
方の前壁に軸方向に環状シユー支持部材を弾性的
に押しつけるための手段は一組のらせんばねから
構成されていて、これらのばねは環状のシユー支
持部材の周辺に同じ角度だけ離して設けた軸方向
の空所内に挿入されており、そして外側支持ケー
シングの他方の前壁と協働する。

最後に、本発明の実施例によれば環状支持部材
は半径方向の孔と通じる周辺みぞをそれの外面に
有していて、潤滑油の通りを容易にしている。

本発明の実施例を以下に添付図を参照して詳細
に説明する。

添付図を参照する。ガスタービン軸１は分割揺
動式ベアリング２により支持されている。このベ
アリングは一組の剛性の減摩材料のシユー３_i
（第２図では３_１，３_２，３_３，３_４，３_５）か
ら成り、これらのシユーは軸１の周りに同じ角度
だけ離して配置されており、そして環状のシユー
支持部材５の内面にピボツト４により揺動できる
ように支持されている。この環状支持部材５は外
側支持ケーシング６に収容されており、２枚の前
壁７，８がねじ９により外側支持ケーシング６に
固定されて前面を閉じている。前壁７，８にも潤
滑油のための密封ガスケツト１０，１１を設けて
いる。この潤滑油はケーシング６の給送ダクト１
２を通して圧送され、シユー３_iを配置している
環状室１３を完全に満たす。環状のシユー支持部
材５の外面とその上になつている支持ケーシング
６の内側の環状面との間にも一組の板ばね１４_i
（第２図では１４_１，１４_２，１４_３，１４_４，
１４_５）が同じ角度だけ離して横ピンの対１５，
１６により保持されている。この横ピンはケーシ
ング６により支持されている。

板ばね１４_iの巾は環状のシユー支持部材の長
さに等しく（第１図）、そしてシユー支持部材５
の半径よりも大きい半径の単一のリングを切出す
ことにより形成されて、つくられる間隙１７，１
８の均一性を保証する。

ダクト１２から室１３への潤滑油の通過を容易
にして、板ばね１４_iを配置した環状室１９を完
全に充満するため環状のシユー支持部材１５の外
面に周縁みぞ２０を設け、そして半径方向の貫通
孔２１を設けている。

最後に環状のシユー支持部材５は一組の周辺の
軸方向の空所２２を備え、これらの空所は対応す
る一組のらせんばね２３を収容し、これらのばね
は外側支持ケーシング６の前壁７と協働して環状
シユー支持部材５を他方の前壁８に弾性的に押し
つけている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の振動減衰システムを組込んだ
分割揺動式ベアリングの部分断面図である。第２
図は第１図の線―に沿い矢の方向にみた分割
揺動式ベアリングの断面図である。 図中：１…軸、２…分割揺動式ベアリング、３
…シユー、４…ピボツト、５…環状のシユー支持
部材、６…外側支持ケーシング、７，８…前壁、
１０，１１…密封ガスケツト、１２…給送ダク
ト、１３…環状室、１４…板ばね、１５，１６…
横ピン、１７，１８…間隙、１９…環状室、２０
…周縁みぞ、２１…半径方向の貫通孔、２２…空
所、２３…らせんばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外側支持ケーシングに包囲され、支持しよう
   とする軸を包囲しているシユー支持部材の内面に
   同じ角度だけ離して一組の剛性減摩材料のシユー
   を配置し、シユーを配置した室を加圧充満する潤
   滑油のための密封ガスケツトを外側支持ケーシン
   グの前壁に設けた分割揺動式ベアリングにおい
   て、前記のシユー支持部材の外表面と前記の外側
   支持ケーシングの内表面との間に一組の板ばねを
   同じ角度だけ離して配置し、前記の外側支持ケー
   シングが支持する横ピンで前記の板ばねを保持
   し、前記の板ばねを配置した環状室も潤滑油で満
   たし、前記の環状のシユー支持部材を軸方向に弾
   性的に外側支持ケーシングの一方の前壁に押しつ
   ける手段を設けていることを特徴とした分割揺動
   式ベアリング。 ２ 環状シユー支持部材を軸方向に弾性的に外側
   支持ケーシングの一方の前壁に押しつける前記の
   手段が一組のらせんばねから成り、これらのばね
   は前記の環状のシユー支持部材の周縁に同じ角度
   だけ離して設けた一組の軸方向の空所に挿入され
   て、外側支持ケーシングの他方の前壁と協働する
   ようにした特許請求の範囲第１項に記載の分割揺
   動式ベアリング。 ３ 前記の板ばねの幅が前記の環状のシユー支持
   部材の長さに等しく、そしてシユー支持環の半径
   よりも大きい半径の一つのリングを切断して前記
   の板ばねを形成している特許請求の範囲第１項に
   記載の分割揺動式ベアリング。 ４ 前記の環状のシユー支持部材はそれの外表面
   に周縁みぞと半径方向の貫通孔とを備える特許請
   求の範囲の第１項に記載の分割揺動式ベアリン
   グ。