JPS621184B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、設定温度と外気温度との差が基準
温度差以下のとき、室内温度を感知する室温セン
サによる燃焼制御を停止するとともに、所定の燃
焼制御プログラムにより燃焼室の燃焼状態を制御
し、快適な室温制御を行なうようにした温風暖房
機に関する。

近年、空調機器において、室内温度を感知し、
感知した室内温度に基づいて室内を好みの温度に
自動制御する温風暖房機が急増しているが、この
種温風暖房機に使用される室温感知用の電子セン
サ、ガスセンサ等の室温センサでは、春先や晩秋
の日中時などのように、暖房機の設定温度と外気
温度との差が小さいとき、室温センサの周辺の雰
囲気温度に急激な温度変化を望むことができない
ため、室温センサによる室温制御では快適状態を
維持することは非常に困難である。すなわち、室
温センサにより暖房機の燃焼室の燃焼状態を制御
して室温制御を行なう際、室内設定温度と外気温
度との差がたとえば10℃の基準温度差以上のと
き、室内の暖房負荷と室外への熱損失量とが一致
する場合は、第１図ａに示すように、室内温度は
設定温度に一定に維持され、さらに、室内の暖房
負荷が室外への熱損失量により大きい場合は、同
図ｂに示すように、燃焼室での燃焼により室内温
度が上昇され、室温センサによる室内温度が設定
温度より2.0℃上昇すれば、燃焼室の燃焼を停止
し、燃焼停止により室内温度が設定温度より2.0
℃下降すれば、燃焼室の燃焼を再開し、室温セン
サにより、室内温度を設定温度に対して常に±２
℃内に制御している。しかし、室内の暖房負荷が
室外への熱損出量より大幅に大きい場合、すなわ
ち設定温度と外気温度との差が基準温度差以下の
場合は、室温センサにより室内温度が同図ｃに示
すように制御され、実際に居室する場合、快適性
の感覚が非常に悪くなる。そこで、この問題を解
決するために、暖房機の燃焼室の発熱量を多段に
変化させて室温制御を補正する方法がある。しか
し、これは発熱量が、たとえば1000〜5000kcal／
ｈのような大幅な範囲に渡つて正常に駆動するバ
ーナが必要であり、現在のところこのようなバー
ナはまだ十分完成されておらず、発熱量が
5000kcal／ｈにおいて正常に燃焼し、一酸化炭素
の発生が少なくても、1000〜2000kcal／ｈでは一
酸化炭素の多量の発生が生じているのが現状であ
る。

この発明は、以上の点に留意し、設定温度と外
気温との差が基準温度差以下のとき、室温センサ
による燃焼制御を停止するとともに、予め設定さ
れた所定の燃焼制御プログラムにより燃焼状態を
制御するようにしたものであり、つぎにこの発明
を、その１実施例を示した第２図以下の図面とと
もに詳細に説明する。

これらの図面において、１は室内に設置された
温風暖房機の筐体、２は筐体１内を下部の吸気室
３と上部の熱交換室４とに区画する基板、５は吸
気室３の底部に設けられた油タンク、６は基板２
の下面に取付けられたフアンケースであり、フア
ンケース６内に対流用フアン（図示せず）が回転
自在に設けられている。７はフアンのモータ、８
は熱交換室４に配設された燃焼装置の燃焼室、９
は燃焼室８に臨んで設けられたバーナ、１０は一
側が燃焼室８に連通した多数のパイプからなる熱
交換器、１１は熱交換器１０の他側に連通した集
排室、１２は油タンク５内の燃料をバーナ９に供
給する燃料供給装置であり、電磁ポンプ１３の駆
動により油タンク５内の燃料は給油パイプ１４を
通つてバーナ９内に供給される。１５は壁１６に
貫通して室外に突出して設けられ給気筒と排気筒
とからなる２重筒の給排気筒、１７は一端が給排
気筒１５の給気筒に接続されるとともに他端がバ
ーナ９に接続された給気管、１８は一端が集排室
１１に接続されるとともに他端が給排気筒１５の
排気筒に接続された排気管、１９は筐体１に内装
され温風暖房機の燃焼、送風等の制御を行なう電
装ボツクスであり、電装ボツクス１９にはマイク
ロコンピユータが内蔵されている。２０はフアン
ケース２０に設けられ室内温度を感知する室温セ
ンサ、２１は壁１６に装着されて室外に設けられ
外気温度を感知する外気温センサであり、室温セ
ンサ２０および外気温センサ２１は第３図ａ，ｂ
に示すように、陶器性の抵抗体２２とはんだ部２
３とリード線２４とから構成されており、抵抗体
２２とはんだ部２３にはラツカーが塗付されてい
る。２５は筐体１の上部前面に形成されたルーバ
である。そして、電装ボツクス１９には、暖房機
による室内温度の設定温度が設定され、さらに、
マイクロコンピユータには、設定温度と外気温セ
ンサ２１による外気温度との差がたとえば10℃の
基準温度差以下のとき、室温が一定になるよう燃
焼室８の燃焼状態を制御する燃焼制御プログラ
ム、たとえば、第４図ａに示すような３分間燃
焼、５分間停止を繰返す短時間リサイクルや、同
図ｂに示すような４分間燃焼、４分間停止、２分
間燃焼、４分間停止を繰返す間けつサイクルのプ
ログラムが予め設定されている。

つぎに、前記実施例の動作について説明する。

暖房機のメインスイツチをオンにして運転を開
始すると、まず、バーナ９内が燃料を気化するに
最適な温度になるまで予熱され、その後、油タン
ク５より電磁ポンプ１３の駆動によりバーナ９内
に供給された燃料が気化されるとともに、給排気
筒１５より給気管１７を通つて供給された燃焼用
空気と混合されて燃焼室８に噴出され、燃焼室８
において点火、燃焼される。そして、燃焼室８で
燃焼された燃焼ガスは、熱交換器１０の多数のパ
イプを通過して集排室１１に集められ、排気管１
８を通つて給排気筒１５より室外に排出される。
また、この間、モータ７の駆動によるフアンの回
転により、室内空気は吸気室３内に吸気され、フ
アンケース６内に吸気されるとともに、上部の熱
交換室４に送風され、燃焼室８および熱交換器１
０に接して温気になり、ルーバ２５より室内に温
風として吹出され、室内の暖房が行なわれる。

そして、この動作は、予め設定された室内の設
定温度と外気温センサ２１による外気温度との差
が、基準温度差以上のときに、従来と同様に、室
温センサ２０により、すなわち室温センサ２０か
らの室温信号が入力された電装ボツクス１９の制
御により行なわれ、室内温度が常に設定温度に対
して±２℃内に保持されるよう燃焼室８の燃焼が
制御される。

また、設定温度と外気温センサ２１による外気
温度との差が基準温度差以下のとき、室温センサ
２０による燃焼室８の燃焼制御が停止されるとと
もに、電装ボツクス１９内のマイクロコンピユー
タにより、所定の燃焼制御プログラムによる燃焼
室８の燃焼状態の制御が行なわれ、第５図に示す
ような室温制御がなされる。

したがつて、春先や晩秋の日中時など、設定温
度と外気温度との差が小さく、室温センサ２０に
よる燃焼室８の燃焼制御では快適な暖房が行なえ
ないが、前記実施例によると、室温センサ２０に
よる燃焼制御を停止して、所定の燃焼制御プログ
ラムにより燃焼状態を制御したことにより、従来
の欠点は解消され、快適な室内の暖房を行なうこ
とができ、室温制御を改善することができる。

以上のように、この発明の温風暖房機による
と、室内に設置された筐体内に、燃焼室、熱交換
器、燃焼室および熱交換器に送風するフアンおよ
び室内温度を感知する室温センサを備え、室温セ
ンサにより燃焼室の燃焼状態を制御するようにし
た温風暖房機において、室外に外気温度を感知す
る外気温センサを設けるとともに、予め所定の燃
焼制御プログラムを設定し、設定温度と外気温セ
ンサによる外気温度との差が基準温度差以下のと
き、室温センサによる燃焼制御を停止するととも
に、所定の燃焼制御プログラムにより燃焼状態を
制御するようにしたことにより、春先や晩秋の日
中時などのような設定温度と外気温度との差が小
さく、基準温度差以下のときの室温制御を改善す
ることができ、快適な暖房を行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃは従来の温風暖房機の室温制
御を示す時間と温度との関係図、第２図以下の図
面はこの発明の温風暖房機の１実施例を示し、第
２図は一部切欠正面図、第３図は室温センサおよ
び外気温センサを示し、同図ａは平面図、同図ｂ
は正面図、第４図ａ，ｂは燃焼制御プログラムの
動作図、第５図は設定温度と外気温度との差が基
準温度差以下のときの室温制御を示す時間と温度
との関係図である。 １……筐体、８……燃焼室、１０……熱交換
器、２０……室温センサ、２１……外気温セン
サ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 室内に設置された筐体内に、燃焼室、熱交換
   器、前記燃焼室および熱交換器に送風するフアン
   および室内温度を感知する室温センサを備え、前
   記室温センサにより前記燃焼室の燃焼状態を制御
   するようにした温風暖房機において、室外に外気
   温度を感知する外気温センサを設けるとともに、
   予め所定の燃焼制御プログラムを設定し、設定温
   度と前記外気温センサによる外気温度との差が基
   準温度差以下のとき、前記室温センサによる燃焼
   制御を停止するとともに、前記所定の燃焼制御プ
   ログラムにより燃焼状態を制御するようにしたこ
   とを特徴とする温風暖房機。