JPS6211827Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は家畜の飼料を貯配するタンクの本体を被
包してタンク内の温度の上昇を抑止することによ
り飼料の品質低下を防止できる飼料タンク用カバ
ーに関する。

従来より家畜飼料はたとえば地上から一定の高
さのところに、じようご型になつたステンレス製
や強化プラスチツク製の貯配タンクの中に貯配さ
れている。

このタンクは日光に曝されることからタンク内
の温度が異常に上昇し、内部に貯配されている家
畜飼料は高温によるビタミン群の破壊減少、油性
の酸化、高温、多湿による発酵等が生じる欠点が
あつた。

そこで、このようなタンクに被包してタンク内
温度の昇温を抑制しようというカバーとして、た
とえば、実開昭57−153626号公報に記載のものが
ある。これに開示されたカバーは扁平状織地等の
基材の片面に暗色合成樹脂フイルムを積層し、そ
の表面にアルミニウム箔を積層し、さらに、その
表面に無色の合成樹脂フイルムを積層し、基布の
裏面に合成樹脂フイルムを積層したものである。
しかしながら、このカバーはアルミニウム箔を熱
線反射機能を有するものとして利用しているので
熱線反射効率が劣り、かつクラツクが発生しやす
い欠点があり、結局、所期するところの効果を奏
しないばかりか、耐用性も短いという欠点があつ
た。

本案は、上述の問題点に鑑み成されたものであ
つて、貯配タンク本体に被包することによりタン
ク内の昇温防止をはかり、前述問題点を解消する
飼料タンク用カバーを提供することを目的とす
る。

以下、本案の構成を一実施例を示す添付図面に
もとづき説明する。

第１図は本案飼料タンク用カバーの構成材であ
る遮光シートの一部拡大断面図、第２図は本案飼
料タンク用カバーでもつて飼料タンク本体を被包
した状態を示す斜視図である。

これらの図面において符号１は遮光シートであ
つて、これはポリオレフインのフラツトヤーンに
より織成された扁平状織地５の片面上に裏面にア
ルミニウムの真空蒸着層３を設けたポリエステル
フイルム２の蒸着面側に透明合成樹脂ラミネート
７を施したものをそのラミネート面側より黒色合
成樹脂ラミネート層４で以て積層一体化し、前記
扁平状織地の裏面に黒色合成樹脂ラミネート層６
を設けたものである。

そして上述遮光シート１は、第３図ａないしｃ
のごとく飼料タンクの各部分を被包できる形状寸
法に裁断し、ハトメを設ける。

具体的にいえば、第３図ａ〜ｃにおいてａは飼
料タンクの天井部を被包し、ｂは同タンクの中央
胴体部を被包し、ｃは同タンクの下部を被包する
ものでいずれもアルミニウムの真空蒸着層側を外
向き（日光に曝される側）にして、同タンクの該
当各部分に被包し、ハトメ８をロープ９でつなぐ
ものとする。

尚、タンク容量の大きい場合には、前記遮光シ
ートを複数枚その端部にて接合して広幅のシート
としておく必要があるが、遮光性シートの端部で
は透明合成樹脂ラミネート層が露呈しており、該
ラミネート層上に他の遮光性シートの裏面の黒色
合成樹脂ラミネート層を当接して熱融着すること
によりきわめて簡単かつ確実におこなえる。

以上のごとく構成される本案飼料タンク用カバ
ーは前述のごとき遮光性シートでもつてつくられ
ており、アルミニウムの真空蒸着層側を外向き
（日光に曝される側）にしてタンク本体を被包す
るものであるから、日中、日光がタンクに照射し
てもアルミニウム箔の場合に比べて、より効率よ
く熱線を反射し、タンク内の温度の上昇が極力抑
制される。（ちなみに本案飼料タンク用カバーを
使用した場合と、使用しない場合には夏期日中で
15〜25℃程度タンク内温度に差があつた。） 又、本案カバーの構成材である遮光性シートは
その中間層と裏面層が黒色合成樹脂ラミネート層
で形成されているので遮光性のみならず、耐候性
にもきわめてすぐれており、基材としてポリオレ
フインのフラツトヤーンにより織成された扁平状
織地を用いているので機械的強度も大きく、その
取扱が少々乱暴であつても破損等は生じない。

そして、本カバーの構成材である遮光シートを
構成要素であるアルミニウム真空蒸着層（担体と
してポリエステルフイルムの存在が不可欠である
が）はアルミニウム箔に比べて耐屈曲疲労性に優
れているのでクラツクが発生しにくく、したがつ
て、カバー材自体の耐用性も助長されるメリツト
もある。

更に、本案飼料タンク用カバーは飼料タンク本
体下部のじようご状部分にもピツタリとフイツト
するように形成されているので、風にあおられて
ばたばたすることもない。

このように本案飼料タンク用カバーは飼料タン
クに被包することによりタンク内温度の昇温を効
果的に抑制でき、特にその効果は夏期において顕
著であり、タンク内の飼料中に含有されるビタミ
ン類の破壊減少、油性の酸化、発酵等の防止がは
かれるものであり、その素材構成から耐久性もあ
つて長期間の使用にも耐える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案飼料タンク用カバーの構成材であ
るシートの一部拡大断面図、第２図は本案飼料タ
ンク用カバーでもつて飼料タンク本体を被包した
状態を示す斜視図、第３図は飼料タンクの各部分
を被包できる形状・寸法に裁断し、ハトメを設け
た遮光シート材でａは飼料タンクの天井部を被包
し、ｂは同タンクの中央胴体部を被包し、ｃは同
タンクの下部を被包するものである。 １……遮光シート、２……ポリエステルフイル
ム、３……アルミニウムの真空蒸着層、４，６…
…黒色合成樹脂ラミネート層、５……扁平状織
地、７……透明合成樹脂ラミネート層、８……ハ
トメ、９……ロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポリオレフインのフラツトヤーンにより織成さ
   れた扁平状織地の片面上に裏面にアルミニウムの
   真空蒸着を施したポリエステルフイルムの蒸着面
   側に透明合成樹脂ラミネートを施したものをその
   ラミネート面側より黒色合成樹脂ラミネート層で
   以て積層一体化し、前記扁平状織地の裏面に黒色
   合成樹脂ラミネート層を設けたシートを、アルミ
   ニウムの真空蒸着面側を外向きにして飼料タンク
   本体を被包できるようにしたことを特徴とする飼
   料タンク用カバー。