JPS621135B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はギア駆動装置、特に同期エクストル
ーダーつる巻軸を具えた複ネジ式エクストルーダ
ー用のギア駆動装置に関するものである。

この種ギア装置においては、つる巻軸の軸芯間
の距離は係合するエクストルーダーつる巻線の径
によつて定まつてくる。従つてつる巻軸上のギア
径はこの構造によつて決まり、つる巻軸自身の直
径よりあまり大きくはなり得ない。即ち、これら
のギアは互に噛合係合する事ができず、つる巻軸
上に相互に軸方向について互い違いに配設されな
ければならない。

より大きなトルクを伝動したいという現今の技
術的要請の故に、これらのギアにおける強い制約
にも拘らず、特別なトルク伝動原理やギア設計を
採用する必要が出てきた。例えばギアを繁雑に噛
合係合させて複動力路もしくは多動力路を構成す
る場合等がそれである。

この様な場合、エクストルーダーつる巻軸がど
の様な負荷状態下にあつても、終始一貫した動力
伝動路が保証されなければならない。いかなる負
荷条件下でも幾何学的に完全な接触係合（非接触
回転中の双方のエクストルーダーつる巻軸の正確
かつ同期した相対関係）を得るには、つる巻線が
絶対同期する事、及び、前記したつる巻軸ギアの
軸方向交互配置に結果されて軸部の差長によつて
くるつる巻軸のねじれの相異が補償される事、が
必要である。ギア構造を適切なものとすれば、特
に製造工程を複雑にしなくとも、エクストルーダ
ーつる巻線の幾何学的に完全でかつ非接触な係合
を、容易に調節できる筈である。

加えて、エクストルーダーつる巻軸ギアの駆動
はできるだけ剪断応力が掛らない様にしなければ
ならない。更に、作動中にエクストルーダーつる
巻軸に掛る背圧力も緩和してやらなければならな
い。

ドイツ国特許公告第1031075号には２方向ギア
のためのトルク釣合法が開示されている。こゝで
は、入力もしくは出力ギアを軸受中に支承しない
で、自在歯付継手によつて駆動と出力とを行う事
により、入力駆動軸から出力軸への変速伝動を行
つている。しかしこの特許には、対称な多動力伝
動路を介して１本の入力軸から２本のエクストル
ーダーつる巻軸を同期駆動する方法については、
何等の開示も教唆もなされていないのである。

ドイツ国特許出願第2647102号の技術にあつて
は、エクストルーダーの反回転つる巻線の駆動に
おいて、第１つる巻軸上の駆動ギアから第２つる
巻線のための駆動力を引出し、多動力路を経てこ
れを第２つる巻軸上の駆動ギアに伝えている。
こゝでは純粋に機械的かもしくは水力学的な装置
によつてトルクの釣合いをとつている。しかしこ
の構造の場合には、後方に延在する軸を介して第
１つる巻軸からの全ての駆動トルクを導かねばな
らず、この種の軸の径は、既に述べた理由から、
噛合つているギアそれ自身よりも大きくする事が
できず、トルクを伝動するために既に目一杯に歪
んで負荷が掛けられているのである。エクストル
ーダーつる巻線への多動力路は、一方では第１の
つる巻軸から第１のつる巻線へと構成され、他方
では第１つる巻軸上の出力ギアから中間ギアを経
てエクストルーダーの他のつる巻軸へと構成され
ている。かくして、トルクに関する限りでは、エ
クストルーダーの実際の軸は半分だけが利用され
ている事になる。かゝる構造のギア装置では、エ
クストルーダーつる巻軸を介して大きなトルクを
伝動する事は不可能である。

アメリカ国特許第3434365号の開示するところ
によれば、ギア歯の芯出しにまつわる欠点を除く
には、中間遊びギアを軸承してこれにより軸の芯
狂いを補償できるとされている。しかし、この特
許の技術内容からは、多動力路又はエクストルー
ダーの駆動に関しては、何等の教唆も引出せない
のである。

この発明の目的は、以上述べた従来技術では得
られない、複つる巻線エクストルーダーのつる巻
線の同期駆動を、行なう事にあり、その要旨構成
は下記各項に述べた事項の組合せにある。

(a) １組以上の減速ギアユニツトによつて第１の
多動力伝動機構の分配ギアを駆動する。

(b) この分配ギアと第１の多動力伝動機構の前方
に配設された伝動分割ギア列及び同じく後方に
配設された伝動分割ギア列の２個の中央ギア間
に２本の歯付継手軸を介在させる。

(c) これら２個の中央ギアから下側及び上側の伝
動分割ギア列への第２の多動力伝動機構を形成
する。

(d) これら伝動分割ギア列の対応するギアの軸芯
面中にこれらの中央ギアを非支承状に配設す
る。

(e) ４組の多動力路の夫々にタンブラー支承式の
中間ギアを設ける。

(f) これら中間ギアによつて、夫々対応するつる
巻軸ギアと係合する下側および／又は上側多動
力路からの２個のつる巻軸ギアの動力集中を行
う。

以下添付の図面によつて更に詳細にこの発明に
ついて説明する。

以下の各図に示すギア装置の駆動は、ギア１の
軸に連結された図示しない駆動モーターによつ
て、これを行う。ギア１と２及び３と４は、モー
ター回転数を減らすためのギア段を構成してい
る。分配ギア４は輪状でその内周上に歯を有して
おり、この分配ギア４からはまず第１の多動力伝
動路が形成されている。即ち、歯付継手軸１２ｖ
から中央ギア５ｖを介して前方に配設された伝動
分割ギア列へ、又歯付継手軸１２ｈから中央ギア
５ｈを介して後方に配置された伝動分割ギア列へ
と、夫々動力伝動路が延設されている。

前方の中央ギア５ｖは軸受に支承される事な
く、下側のギア６vu及び上側のギア６voと噛合
つており、かくして前方分割ギア列は更に前方下
側及び前方上側分割ギア列へと発展してゆく。後
方の中央ギア５ｈも同様に軸受に支承される事は
く、下側のギア６hu及び上側のギア６hoと噛合
つており、かくして後方分割ギア列は更に後方下
側及び後方上側分割ギア列へと発展してゆく。こ
れらの中央ギア５ｖ及び５ｈは、夫々ギア６vu
と６voの軸面及びギア６huと６hoの軸面内に配
設されている。

第１〜３図及び６〜１０図に示すギア装置にお
いては、分配ギア４から４列の多動力伝動路が派
生している。更に各ギア６からはその軸を介し
て、ギア７、タンブラーに支承された中間ギア
８、つる巻軸ギア９等へ動力伝動が行われる。後
方下側中間ギア８huと後方上側中間ギア８hoは
左方エクストルーダーつる巻軸１０liの後方つる
巻軸ギア９ｈ（第７図に示されており、かつ、第
８図のギア９ｖの軸の後方に位置している）に噛
合つて、動力集中を行つている。前方下側中間ギ
ア８vuと前方上側中間ギア８voは右方エクスト
ルーダーつる巻軸１０reの前方つる巻軸ギア９ｖ
に噛合つている。

上記の構造によつた結果、分配ギア４から派生
する第１の多動力伝動路は次の如くなる。

前方分配ギア列 ５ｖ―６vu―７vu―８vu ―９ｖ及び５ｖ―６vo―７vo―８vo―９ｖ 後方分割ギア列 ５ｈ―６hu―７hu―８hu ―９ｈ及び５ｈ―６ho―７ho―８ho―９ho 換言するならば、支承されていない中央ギア５
ｖ及び５ｈから、夫々第２の多動力伝動路が派生
しているのである。

更に詳しくは、前方中央ギア５ｖからは、前方
下側分割ギア列６vu―７vu―８vu―９ｖ及び前
方上側分割ギア列６vo―７vo―８vo―９ｖが派
生している。又、後方中央ギア５ｈからは、後方
下側分割ギア列６hu―７hu―８hu―９ｈ及び後
方上側分割ギア列６ho―７ho―８ho―９ｈが派
生している。前方下側及び上側分割ギア列は前方
つる巻軸ギア９ｖの動力集中のため、又後方下側
及び上側分割ギア列は後方つる巻軸ギア９ｈの動
力集中のためのものである。つる巻の同期作用
は、全ての多動力伝動列の力が第１分配ギア４の
上の歯付継手軸１２ｖ，１２ｈに同時に働く事、
及びギア列が同程度に対称構造を有している事、
によつて可能となるものである。

エクストルーダーつる巻線の完全かつ非接触な
係合（即ち、相互接触なしに固転中に双方のエク
ストルーダーつる巻線を正確に同期係合させる
事）は、製造工程を複雑化する事なく、ギアを組
合せる際に行う事ができるのである。即ち、歯付
継手軸１２ｖ，１２ｈの内一方を軸方向に引出
し、一方のエクストルーダーつる巻軸１０li又は
１０reを他方のエクストルーダーつる巻線につい
て回転し（即ち軸に何等ねじり応力を加える事な
く前方及び後方動力分割ギア列の一方を他方に対
して回転させる）、しかる後引出した軸を元に戻
せばよいのである。この点に関して有利な事は、
中央ギア８ｈ及び５ｖから各つる巻軸１０li，１
０reに至る動力伝動路の伝動比が歯付継手軸１２
ｖ，１２ｈのピツチによつて定まる回転角を減少
させるという点である。

エクストルーダーつる巻軸ギア９ｖ，９ｈが軸
方向に変位した配置である事から、長さの異るつ
る巻軸１０li，１０reにねじりこわさの差が生ず
るが、これは歯付継手軸１２ｖ及び／又は１２ｈ
の寸法仕様（径及び長さ）を適宜定める事により
補正できる。

つる巻軸１０li，１０reに働く作用に起生する
背圧力はこれらの軸によつて剛体のカラー板１４
に導かれる。このカラー板１４内には、軸受１３
によつて２本のつる巻軸１０li，１０reが支承さ
れており、かつこのカラー板１４は張力ロツド１
１ｕ，１１ｏを介してこれら背圧力をエクストル
ーダーのケースに戻すのである。タンブラー軸受
によつて中間ギア８vu，８vo，８hu，８hoが架
設されている張力ロツド１１ｕと１１ｏは、第１
及び第２のエクストルーダーつる巻軸１０li，１
０reの軸芯を通りかつ両軸間に位置する面内に対
称に位置し、かつ、ギアケース内を軸方向に摺動
する事ができる。

以上明らかな様にこの発明によれば、冒頭に記
した様な諸要求は全て理想的に満足され、エクス
トルーダーのつる巻軸は夫々その設計仕様によつ
てくる最大のトルクを伝動できるのである。つる
巻軸９ｖ，９ｈ及びこれらの駆動軸の軸芯が同一
平面上にないから（第２，３図参照）、つる巻軸
９ｖ，９ｈについてギア８vu，８vo，８hu，８
hoの歯の噛合せは互に正確に180゜の変位をもつ
て起きる事はなく、従つて剪断力補正が不完全で
あつても許される。しかし、この結果生じるエク
ストルーダーつる巻軸に掛る剪断力は小さな値で
ある。中間ギア８vu，８vo，８hu，８hoを設け
た事及びその作用のおかげで、つる巻軸ギア９
ｖ，９ｈのつる巻軸のぶれや芯狂いはギア係合状
態との関連において完全に補正されるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図；この発明の駆動ギア装置の一例を示す
平面図。第２図；後方多動力伝動ギア列を示す前
面図。第３図；前方多動力伝動ギア列を示す前面
図。第４図；第２図中線―に沿つてとつた説
明図。第５図；上記ギア装置の背面図。第６図；
第５図中線―に沿つてとつた断面図。第７
図；第５図中、装置を水平面上で180°回動し
て、線―に沿つてとつた断面図。第８図；第
５図中線―に沿つてとつた断面図。第９図；
第５図中線―に沿つてとつた断面図。第１０
図；第５図中線―に沿つてとつた断面図。 ４……分配ギア、５……中央ギア、８……中間
ギア、９……つる巻軸ギア、１０……つる巻軸、
１１……張力ロツド、１２……歯付継手軸、１３
……軸受、１４……カラー板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ケースに架設された第１の動力伝動機構が分
   配ギア４のための減速ギアユニツトを有してお
   り、 第１、第２の歯付継手軸１２ｖ，１２ｈが該分
   配ギアと噛合係合しており、 前方中央ギア５ｖが第１の歯付継手軸１２ｖと
   噛合係合しており、 後方中央ギア５ｈが第２の歯付継手軸１２ｈと
   噛合係合しており、 第１、第２のエクストルーダーつる巻軸１０
   re，１０liが回転可能にケースに架設されてお
   り、 前方下側及び上側ギア列６vu，７vu，８vu，
   ９ｖ；６vo，７vo，８vo，９ｖが上記前方中央
   ギアと第１エクストルーダーつる巻軸１０re間に
   介設されており、 後方下側及び上側ギア列６hu，７hu，８hu，
   ９ｈ；６ho，７ho，８ho，９ｈが上記後方中央
   ギアと第２エクストルーダーつる巻軸１０li間に
   介設されており、 上記各ギア列がタンブラー支承の中間ギア８
   vu，８vo，８hu又は８hoを有しており、 前記前方中央ギア５ｖがケース内において支承
   されておらず、しかも、前記前方下側及び上側ギ
   ア列内においてそれが噛合係合するギアの軸芯面
   内にあり、かつ、 前記後方中央ギア５ｈがケース内において支承
   されておらず、しかも、前記後方下側及び上側ギ
   ア列内においてそれが噛合係合するギアの軸芯面
   内にある 事を特徴とするギア駆動装置。 ２ 剛体のカラー板１４が前記第１、第２のエク
   ストルーダーつる巻軸に軸支承を提供しており、 下側及び上側の張力ロツド１１ｕ，１１ｏが該
   カラー板に架設されており、かつ、 該下側及び上側のロツドが、第１及び第２のエ
   クストルーダーつる巻軸の軸芯を通りかつ両軸間
   に直交位置する面内に対称に位置し、更にエクス
   トルーダーのケースに連結されている 事を特徴とする特許請求の範囲第１項記載のギア
   駆動装置。 ３ 前記の中間ギア８vu，８vo，８hu，８ho
   が、タンブラー軸受を介して、張力ロツドに架設
   されている 事を特徴とする特許請求の範囲第２項記載のギア
   駆動装置。 ４ 前記の第１及び第２エクストルーダーつる巻
   軸の一方の他方に対する回転が、前記の歯付継手
   軸の一方の他方についての独立回転によつて、起
   生される 事を特徴とする特許請求の範囲第１又は２又は３
   項記載のギア駆動装置。 ５ エクストルーダーつる巻軸１０re，１０liが
   ねじりこわさ及び長さにおいて相異しており、か
   つ、 歯付継手軸１２ｖ，１２ｈの径及び長さの差
   が、エクストルーダーつる巻軸のねじりこわさ及
   び長さの差を、補償しかつ釣合わせている 事を特徴とする特許請求の範囲第１又は２又は３
   項記載のギア駆動装置。