JPS621125Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンベヤの頭部放荷シユート内面の
ライナを極めて短時間に容易に取り替えることが
できる、コンベヤの着脱式構造のシユートに関す
る。

ベルトコンベヤの頭部放荷シユート（以下単に
シユートという）は、コンベヤの放荷部を囲うケ
ーシングを設け、その内面にライナを取り付けた
構造となつており、ライナが摩耗すれば取り替え
できるようになつている。

近年ベエルトコンベヤの搬送能力は著しく上昇
し、例えば１時間当り１万屯以上の搬送物を運搬
できるなど能力アツプしたことに伴い、シユート
のライナ寿命も短くなり、ライナ取り替えの頻度
が増大している。このライナ取り替え作業は、シ
ユートの内外に作業者を配し、環境劣悪な、狭隘
で足場の悪い汚れたシユート内で、多数の重いラ
イナを取り外はずし再び新ライナを取りつける長
時間の作業を要し、手間がかかると共に安全性に
も問題があり、改善が要望されていた。

また、コンベヤの搬送物中には予期しない異物
が混入することがり、例えばトラツクのバンパー
などの金物とか、また大量土砂運搬コンベヤ等で
は木根や特殊な形状の岩石などが混入し、これら
によつて時折シユート詰まりが発生する。このよ
うな場合もシユート部で長時間の困難な処理作業
を要し、安全上の問題がある。

本考案は上記問題点を解決することを目的とす
るもので、コンベヤラインのシユートのライナ取
替作業を高能率で行うことができ、僅かな時間で
極めて簡単に一式のライナを一度に交換できるシ
ユートを開発し提供するものである。

また本考案はシユート詰まりを生じた場合に、
閉塞したシユートをコンベヤライン外に取り出す
ことができ、シユート詰まり処理作業による不安
全作業と長時間のダウンタイムとを排除すること
を目的とするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図は従来のシユートの側面断面図を示
し、そのＡ−Ａ矢視を第２図に示す。図におい
て、１は上流側コンベヤ、２は下流側コンベヤ、
３は搬送物、４はシユートである。シユート４の
ケーシング５の内面や緩衝板６の表面にはライナ
７が内張され、ライナ７は例えばボルトナツト、
コツター、その他の手段で取りつけられている。
例えば、第３図のようにケーシング５の内外に貫
通したボルト８、ナツト９によつて取りつけられ
たライナ７の取替えは、シユートのケーシング５
の内外に作業員を配して取外し取付けを行わなけ
ればならない。

第４図、第５図は本考案の実施例を示す。

本考案は、コンベヤの頭部放荷部の鉛直四面を
箱形に囲んで設けられ、上流側のコンベヤから放
荷された搬送物を下流側に誘導するシユートにお
いて、 ａ シユート４を外側ケーシング５と、この外側
ケーシング５とは別体の内側ケーシング１１と
からなる二重構造に形成し、 ｂ 外側ケーシング５のフレーム上端には内側ケ
ーシング５の上端を支持する受台２１を設け、 ｃ ライナ７を内張りした内側ケーシング１１
は、被支持部材例えば支持ロツド１２を上端に
備え、この被支持部材から垂下した両側のサイ
ドプレート１３，１３と、この両側のサイドプ
レート１３，１３を連結するつなぎ梁１５，１
７と、このサイドプレート１３，１３に取り付
けた緩衝板１４，１６とを一体に組み合わせて
成り、 ｄ 被支持部材例えば支持ロツド１２を前記受台
２１上に載置して内側ケーシング５を外側ケー
シング１１内に装脱可能に吊下したことを特徴
としている。

第４図は本考案のシユートの実施例の側面断面
図、第５図はそのＢ−Ｂ矢視図で、第５図に一点
鎖線で示した内側ケーシング１１はシユートの上
方に抜き出した状態を図示したものである。

内側ケーシング１１は、被支持部材である支持
ロツド１２から垂下した両側のサイドプレート１
３、緩衝板１４、つなぎ梁１５、下部緩衝板１
６、つなぎ梁１７、スカート１８からなる。

支持ロツド１２は、本考案のシユートの内側ケ
ーシング１１一式を吊り下げ、シユートのフレー
ムに設けられた受台２１に載置されて位置ぎめさ
れる。支持ロツド１２はその両端部にロープ３１
を掛ける受け溝２２などを設け、クレーン等によ
り、容易に吊上げできるような構造となつてい
る。

サイドプレート１３、緩衝板１４、下部緩衝板
１６にはライナ７を内張りしてあり、従来のよう
にシユートの外側ケーシング５にライナを内張り
することは行われない。

緩衝板１４は搬送物３の衝突力を緩和するもの
で、支持ロツド１２から揺動可能に垂下され、つ
なぎ梁１５と空気ばね２０が衝撃力を吸収する。

下部緩衝板１６は左右のサイドプレート１３の
つなぎ梁を兼用する。

緩衝板１４、下部緩衝板１６に取りつけられた
ライナ７もボルトナツトなどで取替可能に取りつ
けられている。

つなぎ梁１７は、サイドプレート１３の下部を
連結すると共に、連続落下する搬送物３が下流側
コンベヤ２のベルトを直撃するのを緩和する役目
を兼ねている。

スカート１８は搬送物３を下流側コンベヤ２か
ら溢れないように載荷するガイドをなし、スカー
ト押え１９によつてサイドプレート１３に取りつ
けられる。

内側ケーシング１１は、以上の各部が一体とな
つて外側ケーシング５内に吊下装着され、一体の
まま吊り上げ、一式取替えることができる。一般
にコンベヤのシユートは、上方が開放されている
かまたは容易に開放できるので、内側ケーシング
１１は上方に抜きとるのが便利であるが、設置条
件により水平または斜上に抜き取る構造とするこ
とを妨げるものではない。

ライナが摩耗して取替えの必要が生じたとき、
または、金物や木の根等がシユート内に引つかか
りシユート詰まりを起こしたとき、クレーン等を
用いてロープ３１を介して内側ケーシング１１を
吊り上げ、極めて短時間に予備の内側ケーシング
１１と取替えることができる。

取外された内側ケーシング１１は修理工場にお
いて専用工具を用いて良好な作業条件の下で計画
的に合理的にライナ取替えを行い、整備済みの予
備品として備蓄しておくことができる。

シユート詰まりの修復作業も、コンベヤライン
外で行うことができる。

本考案の着脱式シユートにより、狭い場所での
不安全な汚れ作業や、足場の悪い作業条件下で重
いライナを取替える作業などはすべて解消すると
共に、ベルトコンベヤのダウンタイムを減少する
ことができ、省力と生産向上に大きく寄与する効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコンベヤシユートの側面断面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ矢視、第３図はライ
ナ取付け部の例示断面図である。第４図は本考案
の着脱式シユートの実施例の側面断面図、第５図
は第４図のＢ−Ｂ矢視図で、第５図中に一点鎖線
で示したものは本考案の内側ケーシングが吊り上
げられた状態を示すものである。 １……上流側コンベヤ、２……下流側コンベ
ヤ、３……搬送物、４……シユート、５……ケー
シング、６……緩衝板、７……ライナ、８，９…
…ボルトナツト、１１……内側ケーシング、１２
……支持ロツド、１３……サイドプレート、１４
……緩衝板、１５，１７……つなぎ梁、１６……
下部緩衝板、１８……スカート、１９……スカー
ト押え、２０……空気ばね、２１……支持ロツド
受台、２２……ロープ受け溝、３１……ロープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コンベヤの頭部放荷部の鉛直四面を箱形に囲ん
   で設けられ、上流側のコンベヤから放荷された搬
   送物を下流側に誘導するシユートにおいて、 該シユートを外側ケーシングと、該外側ケーシ
   ングとは別体の内側ケーシングとからなる二重構
   造に形成し、 前記外側ケーシングのフレーム上端には前記内
   側ケーシングの上端を支持する受台を設け、 ライナを内張りした前記内側ケーシングは、被
   支持部材を上端に備え、該被支持部材から垂下し
   た両側のサイドプレートと、該両側のサイドプレ
   ートを連結するつなぎ梁と、該サイドプレートに
   取り付けた緩衝板とを一体に組み合わせて成り、 前記被支持部材を前記受台上に載置して前記内
   側ケーシングを前記外側ケーシング内に装脱可能
   に吊下したことを特徴とするコンベヤの着脱式シ
   ユート。