JPS6210610Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のシガレツトライターの電源端
子へ取付け、シガレツトライターの作動不良時に
誘起される発熱部の異常過熱に係る取付部の熱変
形、変質もしくは燃焼等の現象を未然に回避せん
とする自動車のシガレツトライター温度ヒユーズ
装置に関するものである。

従来から自動車のシガレツトライターの使用に
際しては、ノブを押込むと、該シガレツトライタ
ーに備えた熱線に通電し、熱線を赤熱させ、一定
時間経過後、当該ノブが飛出すものである。

しかし、異物附着に起因する作動不良や、シガ
レツトライターのソケツト側を電源ソケツトとし
て使用する市販部品の着脱等で、正規の使用状態
を維持出来ないことに起因し、ノブ飛出し不能と
なることがあり、プラスチツク製のシガレツトラ
イター取付部等が燃焼し、火災等を誘発すること
があつた。

かかる不具合に対し、該シガレツトライターが
所定の温度以上に過熱した場合、例えば第１図ま
たは第２図等で示すような温度ヒユーズの装着で
電源をしや断する装置が知られているが、いずれ
もそれぞれ性能及び価格等において欠点を有する
ものであつた。即ち、第１図の構成においては、
シガレツトライター１の電源のターミナル２に螺
合した難燃性可塑性樹脂のケース３の他端先端に
鍔部４ａを設けた他のターミナル４を嵌挿し、該
鍔部４ａとケース内壁間にスプリング５を巻装
し、常時は前記ターミナル２とが電気的通電状態
を維持するように構成されており、シガレツトラ
イター１が所定の温度以上に過熱すると、電源の
ターミナル２よりの熱を受けるケース３の螺合部
が溶解し、スプリング５との協働でターミナル２
から他のターミナル４及びスプリング５と共にケ
ース３が離脱し電源６からの通電をしや断する作
用をなすものであるが、該装置においては、過熱
からしや断までに至るまでの時間が、所定時間に
特定されない欠点があつた、それは他のターミナ
ル４へ接続されるリード線７の引廻し状態に起因
するもので、即ちリード線７が自由状態で、該リ
ード線７の自重が他のターミナル４に加わるよう
な自然状態の場合と、他方、前記リード線７が何
等かの方法で、例えばクランパー等で他のターミ
ナル４の近辺で保持されている場合とでは、ケー
ス３の離脱までの時間に差異が生じ、即ち後者の
場合が長い時間となり、所望の時間内でしや断し
ない場合も惹起された。

また第２図に示す構成においては、シガレツト
ライター８の電源のターミナル軸９に螺合し固着
されるナツト部材１０の他端面に固着され、前記
シガレツトライター８からの伝導熱により一定温
度以上で溶断して電源６からの通電をしや断する
温度ヒユーズ素子、例えば、半田等で形成したタ
ーミナル１１とでなるもので、該構成において
は、過熱によりターミナル１１が溶断し、ナツト
部材１０から離脱した場合、該溶断したターミナ
ル１１がリード線７の先端に露出されているた
め、これが車両側の金属部に触れることがあり、
電源６の短絡事故等２次的問題が惹起される欠点
を有していた。

本考案は上記欠点を解消すると共により確実
で、より安全に、更に安価に製造出来る構成でな
る、即ち、シガレツトライターが過熱した場合、
所定の時間で確実に電源の通電をしや断する開離
接点部を設け、リード線の脱落等を必要としない
自動車のシガレツトライター温度ヒユーズ装置を
提供することを目的とするものである。

以下、本考案に係る自動車のシガレツトライタ
ー温度ヒユーズ装置の好適な実施例を第３図、第
４図、第５図、第６図及び第７図に基づき詳述す
る。

１２はシガレツトライターのソケツト本体であ
り、該ソケツト本体１２の内側の底部をなす端面
から絶縁碍子１３を介してバイメタル電極１４を
固着した電極軸１５を突出し、更に絶縁ワツシヤ
ー１６とスプリングワツシヤー１７を外側に介し
てナツト部材をなすターミナル１８で前記ソケツ
ト本体１２へバイメタル電極１４を取付固定して
いる。１９はインシユレーターであり、該インシ
ユレーター１９は接続端子２０を嵌着保持するた
めの溝１９ａを外周に周設しており、該溝１９ａ
へ接続端子２０を嵌着せしめ前記ターミナル１８
へ螺合し固定される。

２０は接続端子であり、中央部には前記インシ
ユレーター１９が嵌着されるべく、例えば第７図
の如く一方を開放した孔２０ａを設けており、開
放部２０ｂから前記インシユレーター１９の溝１
９ａへ嵌着される。また一方端は、略コ字状に折
曲げられた端部が、二股状に分割されてそれぞれ
内側に接点２０ｃを有する弾接片２０ｄを形成し
ている。更に、他方端側はＬ字状に折曲げられ
て、接続片２０ｅを形成し、電源６へ接続される
リード線７のコネクター（図示せず）との結合接
続をなすものである。２１は難燃性可塑性樹脂材
例えば、ポリプロピレンでなるホルダーであり、
該ホルダー２１は前記電極軸１５の端部へ螺合さ
れ、前記接続端子２０の弾接片２０ｄを、該弾接
片２０ｄの外方への附勢されたバネ圧に抗して押
圧し、接点２０ｃをターミナル１８の端面に圧接
し、電気接続を維持せしめているものである。

２２はソケツト本体１２に螺合された外ケース
であり、ソケツト本体１２を車両側の取付面に固
定せしめるものである。２３は熱線（図示せず）
を装着した熱線キヤツプであり、他方端のノブ
（図示せず）と共にプラグを形成し、該ノブを押
込むことで前記熱線キヤツプ２３がバイメタル電
極１４に係止せられるものである。

次に作用を説明する。

シガレツトライターのプラグを押込んで熱線キ
ヤツプ２３をバイメタル電極１４に係止させ、該
シガレツトライターを作動せしめると、熱線キヤ
ツプ２３に装着された熱線は、次第に赤熱され、
所定時間内で所定温度に達すると、バイメタル電
極１４の作用で熱線キヤツプ２３の係止は解除さ
れ、OFFとなりシガレツトライターの働きをな
すものであるが、今何等かの理由で熱線キヤツプ
２３とバイメタル電極１４の係止が解除されず、
熱線の赤熱が持続されるとシガレツトライターは
異常に過熱される。ここで該過熱が所定の異常温
度に達すると、例えば、実施例においてはホルダ
ー２１が取付けられている電極軸１５の端部が
150℃〜170℃に達すると、難燃性可塑性樹脂でな
るホルダー２１は溶解し始め、弾接片２０ｄの接
点２０ｃを、該弾接片２０ｄに附勢されたバネ圧
に抗して圧接し、電気接続を維持せしめることが
不能となり、第６図に示すようにホルダー２１は
排除脱落される。このため弾接片２０ｄの接点２
０ｃはターミナル１８の端面より開離し、電源６
からの電流は接点２０ｃでしや断され熱線への通
電は解除されるものである。かくして車両側の取
付部等への悪影響例えば熱変形、変質もしくは燃
焼等が波及する前段階で、未然に防止されるもの
である。

上記構成、作用をなす本考案に係る自動車のシ
ガレツトライター温度ヒユーズ装置は下記の効果
を奏するものである。

(イ) 本考案に係る装置はターミナルの先端部にＬ
字状の二股接続端子を圧接すべくホルダーをね
じ止めしたので振動等が惹起した場合にもホル
ダーが脱落することがなく、Ｌ字状の二股接続
端子の接点がターミナルの端面に接触すること
が安定し得るものである。

(ロ) 本考案に係る装置は、ホルダーが小さく設計
できるので、シガレツトライターの背部の占積
スペースが小さくてよく、自動車用として最適
である。

(ハ) 本考案に係る装置はＬ字状の二股接続端子の
内面に複数の接点を固設したので、ターミナル
端面との接着度合が高く、接点機能が安定化し
得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車のシガレツトライター温
度ヒユーズ装置の一実施例を示す要部断面図であ
る。第２図は従来の自動車のシガレツトライター
温度ヒユーズ装置の他の実施例を示す要部断面図
である。第３図は本考案に係る自動車のシガレツ
トライター温度ヒユーズ装置の一実施例を示す要
部断面図である。第４図は第３図の矢視線Ａ−Ａ
方向の断面図である。第５図は第３図の正面図で
ある。第６図は本考案に係る自動車のシガレツト
ライター温度ヒユーズ装置の一実施例の作動状態
を示す説明図である。第７図は本考案に係る自動
車のシガレツトライター温度ヒユーズ装置の一実
施例の構成部品の一部を示す斜視図である。 １２……ソケツト本体、１８……ターミナル、
１９……インシユレーター、２０……接続端子、
２０ｄ……弾接片、２０ｅ……接続片、２１……
ホルダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱線キヤツプを保持するバイメタル電極に固定
   されかつ周囲にねじを刻設した電極軸と、該電極
   軸にねじ止めされたターミナルと、該ターミナル
   にインシユレータを介して固定されたＬ字状の二
   股接続端子と、該二股接続端子の内面に固設しか
   つ前記ターミナルの端面に当接する複数の接点
   と、前記Ｌ字状の二股接続端子を圧接すべく、前
   記ターミナルの先端部にねじ止めする難燃性可遡
   性樹脂材でなるホルダーとで構成されたことを特
   徴とする自動車のシガレツトライター温度ヒユー
   ズ装置。