JPS6210163B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は発泡性熱可塑性樹脂粒子の予備発泡
方法および装置に関し、さらに詳しくはボイラ設
備のない所でも簡易に予備発泡を行なえるように
した点に特徴を有している。

従来より発泡性ポリスチレン粒子（ポリスチレ
ンビーズ）等の発泡性熱可塑性樹脂粒子を予備発
泡させるには、ボイラーにて蒸気を発生させ、こ
の蒸気を発泡槽、発泡釜等に導入させ、前記樹脂
粒子を蒸気加熱によつて予備発泡させていた。

しかしながら、発泡性熱可塑性樹脂粒子の使用
目的として、工場の中にボイラー、成形機等を設
置して成形するためには従来のごときボイラーに
て発生させた蒸気の導入による予備発泡が最適と
なるが、前記樹脂粒子のみを建築現場その他の使
用目的場所で用いようとする場合にはボイラー設
備がなく、予備発泡させることが不可能であつ
た。

そこで、この発明では上記したごときボイラー
設備のない所においても前記樹脂粒子を予備発泡
させ得る目的で発明されており、先ずその方法と
しては以下のごとき特徴を有している。

即ち、発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡槽、発泡
釜へ連続的に供給し、これを予備発泡させ、連続
式に発泡槽、発泡釜等から取出す連続予備発泡方
法において、発泡槽、発泡釜等に直結した水槽内
の水を加熱することによつて生ずる蒸気によつて
前記樹脂粒子を予備発泡させるようにした方法で
ある。

次いで、この発明方法についてその実施に使用
する予備発泡装置と共に図を参照しながら以下に
例示する。

１は発泡槽１０、発泡釜等を有する予備発泡装
置の本体部であり、上部には攪拌用モータ１１が
取付けられ、該モータ１１に直結して発泡槽１０
内には攪拌用軸部１２が導入され、複数の攪拌用
羽根１３が該軸部１２に取付けられている。

また本体部１の側面下方部には樹脂粒子の供給
孔１４が開孔されていて、該供給孔１４にスクリ
ユーフイーダ１５が連結され、原料の発泡性熱可
塑性樹脂粒子（ビーズ）を発泡槽１０内へ送給で
きるようになつている。

さらに上記スクリユーフイーダ１５には駆動用
モータ１６が取付けられ、原料樹脂粒子の供給用
ホツパー１７がスクリユーフイーダ１５に連結さ
れてある。

上記本体部１の側面上方部には開孔部１８を設
け、シユータ１９を取付けて、発泡後の樹脂粒子
を発泡槽外部へ取出せるようになつている。また
本体部１の下端部にはフランジ部２０を設け、該
フランジ部２０に合致するように熱板２１が取付
けられて発泡槽１０の下部を構成している。この
熱板２１には蒸気通過用細孔２２（コアーベント
も使用可能）が開孔されていて、中央部には攪拌
用軸部１２に対する軸受部２３が取付けられてい
る。

そして発泡槽１０には熱板２１の下方に水槽３
０を直結し、該水槽３０の上縁部を前記フランジ
部２０にてボルト等にて固定し、発泡槽１０とそ
の下部の熱板２１および水槽３０とを合着させて
ある。

上記水槽３０に対しては、外部或は内部に水槽
３０内の水を加熱する手段を備えるもので、図示
する場合では水槽３０より下方にプロパンガスバ
ーナ４０を設け、水槽３０を加熱できるようにし
ている。４１はプロパンガスボンベで、上記バー
ナ４０とはゴムホース４２等にて連結されてい
る。

なお、図中５０は発泡装置支承用の架台、３１
は液面計、３２は水供給用ストツプバルブを示
す。

上記のごとき構成の予備発泡装置を用いて、先
ず液面計３１を見ながら水供給用ストツプバルブ
３２を開いて水槽３０内に水を供給しておく。

次に前記バーナ４０を点火して水槽３０を加熱
し、水が沸騰した段階で攪拌用羽根１３を回転さ
せると共に原料供給側のスクリユーフイーダ１５
を回転させる。そしてホツパー１７から原料樹脂
粒子を供給すると、原料樹脂粒子はスクリユーフ
イーダ１５にて送給され開孔部１４から発泡槽１
０内に入れられる。

上記発泡槽１０内に入つた原料樹脂粒子は前記
水槽３０の加熱によつて生じた蒸気が熱板２１の
細孔２２を通つて発泡槽１０内に入り、加熱され
た熱板２１と蒸気により発泡し、順次送給される
新たな樹脂粒子にて発泡槽１０内にて押し上げら
れ、本体部１の上部開孔部１８よりシユータ１９
を通つて外部へ取出される。

上記のごとくガスバーナ４０にて水槽３０を加
熱して実施したところ発泡樹脂粒子はやや水分を
含んだ状態のものとなり、ブロツク化し難いこと
となり、良好に予備発泡されたが、前記ガスバー
ナ４０に代え、例えば電気棒ヒータを水中に設置
して水槽３０内の水を加熱することも実施上可能
で、水槽１０に対する加熱手段としては種々実施
可能である。

また、実施上、液面計３１を見ながらストツプ
バルブ３２を調整すれば液面は或る程度蒸発量と
の関係で安定させることができる。また、液面計
３１とストツプバルブ３２とを電気的に自動制御
することも実施上可能で至便なものとなる。

以上のように、この発明方法にあつては、原料
樹脂粒子に対し連続予備発泡をなす発泡槽、発泡
釜等に対し直結してある水槽内の水を加熱するこ
とによつて生ずる蒸気によつて原料樹脂粒子を予
備発泡させるようにした方法ゆえ、蒸気ボイラー
設備のない所でも充分発泡させることができ、使
用現場で簡単に予備発泡を行ない得る。従つて体
積の小さい原料樹脂粒子を輸送して輸送コストの
低下に寄与できると共に、建築現場その他の使用
目的場所では使用する分のみを発泡できる利点が
あり、発泡樹脂粒子の管理保管面でもきわめて好
都合な方法となる。

さらに上記発明方法実施のために使用される装
置としても新設されるほか、従来の連続予備発泡
装置に改良を加えて構成させることもでき、構造
上も簡素で設置コストの点でも著しく経済的であ
る等使用効果の高いもので、前記発明方法を安価
に実施する上で大いに貢献できる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施装置を示す概要断面図であ
る。 １…本体部、１０…発泡槽、２１…熱板、２２
…蒸気通過用の細孔、３０…水槽、４０…加熱手
段となるガスバーナ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡槽、発泡釜等
   へ連続的に供給し、これを予備発泡させ、連続式
   に発泡槽、発泡釜等から取出す連続予備発泡方法
   において、発泡槽、発泡釜等に直結した水槽内の
   水を加熱することによつて生ずる蒸気によつて前
   記樹脂粒子を予備発泡させることを特徴とする発
   泡性熱可塑性樹脂粒子の予備発泡方法。 ２ 発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡槽、発泡釜等
   へ連続的に供給し、これを予備発泡させ、連続的
   に発泡槽、発泡釜等から取出す連続予備発泡装置
   において、発泡槽、発泡釜等の下部に水槽を直結
   し、水槽の外部或は内部に水槽内の水を加熱する
   手段を備えてなることを特徴とする発泡性熱可塑
   性樹脂粒子の予備発泡装置。 ３ 水槽内の水を加熱する手段が水槽外部に有し
   たガスバーナからなる上記特許請求の範囲第２項
   記載の予備発泡装置。 ４ 水槽内の水を加熱する手段が水槽内部に有し
   たヒータからなる上記特許請求の範囲第２項記載
   の予備発泡装置。