JPS617046A - 薄肉鋳片連続鋳造用鋳型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、薄肉鋳片を連続鋳造するための連続鋳造用
鋳型に関するものである。

薄肉鋳片を連続鋳造するための鋳型として番よ、例えば
下方引抜方式の移動ベルト式鋳型の場合、従来第１図に
示すような鋳型が知られている。第１図に示す鋳型は、
対向する１対の短辺部１と、これも対向する１対の長辺
部２とよりなり、長辺部２はベルト状にされて引抜き方
向に移動可能とされている。第２図および第３図に示す
ように短辺部１は溶湯の注湯部３から下方に向けて徐々
にその幅を減じるように形成されている。この従来の薄
肉鋳片連続鋳造用鋳型によれば、鋳型に注入された溶湯
が凝固した鋳片は長辺部２としてのベルトの移動ととも
に下方に引抜かれ、それによって徐々に厚み方向に絞り
込まれ、その結果所要の厚みを有する薄肉鋳片が得られ
る。

しかし、以上の従来の薄肉鋳片連続鋳造用鋳型では第２
図および第３図に示されるように、溶湯の凝固殻を厚み
方向に一方的に絞り込むことによって薄鋳片とされるた
め、凝固殻に座屈が生じることは避けられず、製造され
る薄鋳片の短辺部１側表面の状態が不良であるという欠
点があった。

言い換えれば、前述した従来の鋳型では凝固殻を座屈さ
せることによって薄鋳片に絞り込まれるのであり、その
ように凝固殻が座屈しない場合には、ブレークアウトを
起こし鋳片の引抜きそれ自体ができなかった。

この発明は以上の従来の事情に鑑みてな−されたもので
あって、薄肉鋳片の連続鋳造を行なうにあたってわずか
な引抜力でブレークアウトを起こすことなく鋳片を引抜
くことができ、しかもその用法過程で座屈を起こさずに
表面状態が良好な薄肉鋳片を得ることができる薄肉鋳片
連続鋳造用鋳型を提供することを目的とするものである
。

すなわちこの発明の薄肉鋳片連続鋳造用鋳型は、凝固殻
生成開始位置から目的とする薄肉鋳片の断面形状を形取
る部分に至るまでの簡の鋳型内面が、鋳片厚み方向の内
面間隔を鋳片引抜方向へ向けて徐々に縮小させると共に
鋳片幅方向の内面間隔を鋳片引抜方向へ向けて徐々に拡
大させるように作られており、かつ前記凝固殻生成開始
位置から目的とする鋳片の断面形状を形取る部分に至る
までの間の鋳片引抜方向に対し直交する面内における鋳
型内面周長が凝固殻生成開始位置の妨型内面周長を基準
としてその０．７〜１．１倍の大きさを保つように作ら
れていることを特徴とするものである。

以下にこの発明の実施例を図面を参照して説明する。

第４図は、この発明を移動ベルト式の下方引抜鋳型に適
用した一実施例の薄肉鋳片連続鋳造用鋳型の要部を示す
切欠斜視図である。図に示されるように対向する１対の
短辺部１ａと、これも対向する１対の長辺部すなわち移
動ベルト２ａとによって鋳型が形成されている。この実
施例の場合、短辺部１ａの上端よりも若干下方の位置が
鋳込むべく注湯した金属溶湯のメニスカス部となり、そ
してこの実施例の如き下方引抜方式ではメニスカス部が
凝固殻生成開始位置と実質的に同じとなる。

また短辺部１ａの下端附近が最終的に得るべき薄肉鋳片
の断面形状を形取る部分に相当する。

第５図〜第７図にはそれぞれ第４図に示す鋳型の短辺部
１ａの平面図、正面図、側面図を示す。

第６図に示すように短辺部１ａの１対のＲ８辺は、両辺
が相互に近寄るような態様で緩かな円弧状に形成されて
いる。また第７図に示すようにＲ８辺を側方から見た１
０辺は直線状をなすようにされている。その結果、第５
図に示すように短辺部１ａの引抜方向に垂直な断面形状
は「略くの字状」を呈するようにされている。

第８図は第４図に示す鋳型のメニスカス部の引抜方向に
垂直な方向の断面形状を示し、第１゛１図は第４図に示
す鋳型で目的とする鋳片の断面形状を形取る部分の引抜
方向に垂直な方向の断面形状を示す。また、第９図およ
び第゛１０図ぼ第８図に示す部分と第１１図に示す部分
との間の部分の断面形状を示し、第９図はメニスカス部
よりもやや下方の部分、第１０図は第９図に示す部分よ
りもやや下方の部分を示す。これらの第８図〜第１１図
に示すように、この実施例の連続鋳造用鋳型ではメニス
カス部から目的とする鋳片の断面形状を形取る部分に至
るまでの鋳型内面は次のように作られている。先ず、鋳
片厚み方向の内面間隔すなわち１対の対向するベルト２
ａ相互−間の距１１１１１１はメニスカス部から下方に
向かうにしたがい徐々に縮小せしめられている。逆に、
鋳片幅方向の内面間隔すなわち１対の対向する短辺部１
ａ相互間の距離Ｌ２はメニスカス部から下方に向かうに
したがい徐々に拡大せしめられている。また第８図〜第
１１図に示す鋳型内面各部の鋳片引抜方向に垂直な断面
周長は、第８図に示すメニスカス部の断面周長ａ１−　
ａ２−　ａｌ　−ａ４−　ａ５−　ａＢ　−ａ７−　ａ
Ｂ−ａｌを基準として次のようにされている。すなわち
、第９図に示す部分の断面周長す。

−ｂ２−　　　ｂａ　　−ｂ４−　　　ｂｓ　　−ｂｅ
　　−ｂｌ　−　　ｂ６　−ｂｌおよび第１０図に示す
部分の断面周長ｃ１−ｃ２−　（ｉ３−　ｃ４−　、ｃ
５−　ｃＢ　−０７−ｃＢ　−Ｃ１および第１１図に示
す部分の断面周長ｄｉ　−ｄ２−　ｄ３−　ｄ４−　ｄ
５−　ｄＢ　−ｄ７−　ｄＢ　−ｄｌの各々が、第８図
に示すメニスカス部の断面周長ａｌ−ａ２−　ａｌ　−
８４−ａ５−　ａＢ　−ａ７−　ａＢ　−ａｌとほぼ等
しい大きさを保つ。

以上の実施例の鋳型を用いれば、鋳型に注入された溶湯
は鋳型の壁面に接する部分から凝固殻を形成し、鋳片が
下方に引抜かれるのに伴ない凝固殻は下降する。その際
、金属凝固殻は曲げ変形を受けつつ鋳型の引抜方向に垂
直な断面の形状変化に伴ない断面積を減少させるが、前
述したように薄肉鋳片の引抜方向に垂直な断面周長がほ
ぼ一定に保たれることから、薄肉鋳片を引抜く過程で凝
固殻が座屈することはない。したがって、鋳片が容易に
引抜き得るのみでなく、得られる鋳片の表面状態は極め
て良好なものとなる。

したがって鋳型の凝固殻生成位置く下方引抜の場合メニ
スカス部）から目的とする鋳片の断面形状を形取る部分
に至るまでの間の各部における、鋳片引抜方向に対し直
交する面内における鋳型内面周長は、凝固殻生成開始位
置の鋳型内面周長とほぼ同一に保つのが望ましい。しか
し、この発明では、その断面周長変動の範囲は、金属の
相変態および温度変化による収縮あるいは膨張を考慮し
、凝固殻生成開始位置を基準として０．７〜１．１の範
囲で許容され、それによって凝固殻の周長変化に対応す
る適切な鋳型内周長さとすることがでる。

すなわち、断面周長が０．７未満となる場合、凝固殻に
座屈が生じ、表面状態の良好な薄鋳片は術られない。逆
に断面周長が凝固殻生成開始位置の鋳型内面周長の１．
１倍を越える場合には、鋳型と凝固殻の間にエアーギャ
ップが形成され凝固が遅れるためバルジング、ブレーク
アウトが発生する。

なお、鋳型内周を凝固殻生成開始位置の周長の０．７〜
１．１倍の範囲内とする必要がある部分は、凝固殻生成
開始位置より引抜方向側に限られ、それより後方（下方
引抜ではメニスカス部より上方）はその範囲内とする必
要はない。

また、前述した実施例では短辺部１ａとベルト２ａによ
って鋳型が形成されている。そのようなベルト式の鋳型
では一般に鋳型に注入された溶湯がメニスカス部におい
て短辺部１ａとベルト２ａとの隙間に入り込・み凝固片
が形成されるという不都合があった。しかし、上述の実
施例の鋳型では鋳片の引抜方向と垂直方向における鋳型
の断面形状が鋳片の引抜方向に沿って前述したように変
化する結果、溶湯の凝固片は鋳片の引抜方向に進行する
に伴ない露出し、形成される１１片の本体と一体化する
。その結果上述した実施例では、製造された１１片にフ
ィンが形成されるようなことはない。このことからこの
発明はべ°ルト式の連続鋳造用鋳型に特に好適に適用で
きる。

なお、上述の実施例の薄鋳片連続鋳造用鋳型において第
６図に示す辺Ｒ８は、必ずしも円弧の必要はなく直線状
または２次曲線状とすることができる。また、第６図お
よび第７図に鎖線で示すようにＲ８辺すなわちＰＵ辺の
下端附近を切欠いてＰＱＶで示される辺を形成するよう
にしてもよい。

なお、以上の実施例はベルト式の連続鋳造用鋳型にこの
発明を適用したものであるが、この発明の薄肉鋳片鋳造
用鋳型はベルト式に限られるものではない。

また、この発明の鋳型の凝固殻生成開始位置の引抜方向
に対し垂直な方向における断面形状も前記実施例の鋳型
の形状に限られるものではない。すなわち第１２図〜第
１７図にそれぞれ示すような形状としても良い。第１２
図〜第１５図において、実線は凝固殻生成開始位置の切
片引抜方向に対し垂直な方向における鋳型内面断面形状
の種々の変形例を示し、二点鎖線は目的とする薄肉鋳片
の断面形状を形取る部分の鋳型内面断面形状を示す。

また、第１６図および第１７図は（Ａ）が凝固殻生成開
始位置の鋳片引抜方向に対し垂直な方向における鋳型内
面断面形状、（Ｂ）が引抜部分に至る前の途中部の断面
形状、（Ｃ）が目的とする薄肉鋳片の断面形状を形取る
部分の鋳型内面断面形状を示す。

なおまた、この発明薄肉鋳片連続鋳造用鋳型は下方引抜
の場合にのみ適用されるものではなく、水平連続鋳造に
も適用することが可能である。

以上のようにこの発明の連続鋳造用鋳型によれば、凝固
殻生成位置から目的とする薄肉鋳片の断面形状を形取る
部分に至るまでの鋳型内面の、引抜方向に対し直交する
面内における周長が、凝固殻生成開始位置の鋳型内面周
長とほぼ等しくなるようにした口とによって、幅広の注
湯部に注入された溶湯の凝固殻を座屈させることなく薄
鋳片に変形させつつ容易に引抜くことができる。そのた
め、表面状態の良好な薄鋳片を安価に製造することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の薄肉鋳片連続＃ｉ造用鋳型の斜視図、第
２図は第１図に示す鋳型のメニスカス部水平方向断面図
、第３図は第１図の鋳型における目的とする鋳片を形取
る部分の水平方向断面図である。第４図はこの発明の一
実施例の薄肉鍔片３Ｉ続鋳造用鋳型の斜視図、第５図は
第４図の鋳型を構成する短辺部の平面図、第６図は同じ
く正面図、第７図は同じく側面図である。第８図は第４
図に示す鋳型のメニスカス部水平方向断面図、第９図は
同じくメニカス部よりやや下方位置の水平方向断面図、
第１０図は同じく第４図に示す鋳型の水平方向断面図で
あって、第９図に示す部分よりもさらに下方部分を示す
図、第１１図は第４図に示す鋳型の目的とする鋳片を形
取る部分の断面図である。第１２図はこの発明の他の実
施例の鋳型の溶湯凝固開始位置における鋳型内面形状模
式図、第１３図はさらに他の実施例の鋳型内面形状模式
図、第１４図は別の実施例の鋳型内面形状模式図、第１
５図はさらに別の実施例の鋳型内面形状模式図、第１６
図（Ａ＞は他の実施例の鋳型の溶湯凝固開始位置におけ
る鋳型内面形状模式図、第１６図（Ｂ）は第１６図（Ａ
）に示す鋳型の第１６図（Ａ＞に示す部分より下方位置
の鋳型内面形状模式図、第１７図（Ａ）はさらに他の別
の実施例の鋳型の溶湯凝固開始位置における鋳型内面形
状模式図、第１７図（Ｂ）は第１７図（Ａ＞に示す鋳型
の第１７図（Ａ）に示す部分より下方位置の鋳型内面形
状を示す模式図である。 １ａ・・・短辺部、　２ａ・・・ベルト（長辺部）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 凝固殻生成開始位置から目的とする薄肉鋳片の断面形状
   を形取る部分に至るまでの間の鋳型内面が、鋳片厚み方
   向の内面間隔を鋳片引抜方向へ向けて徐々に縮小させる
   と共に鋳片幅方向の内面間隔を鋳片引抜方向へ向けて徐
   々に拡大させるように作られており、かつ前記凝固殻生
   成開始位置から目的とする鋳片の断面形状を形取る部分
   に至るまでの間の鋳片引抜方向に対し直交する面内にお
   ける鋳型内面周長が凝固殻生成開始位置の鋳型内面周長
   を基準としてその０．７〜１．１倍の大きさを保つよう
   に作られていることを特徴とする薄肉鋳片連続鋳造用鋳
   型。