JPS6159844B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は連続して搬送されるストリツプ鋼板等
帯状材料をその搬送ライン上で所定寸法に走間切
断するために用いられるフライングシヤに関す
る。従来、この種フライングシヤは第１図乃至第
３図に示すように、互いに180゜の位相差をもた
せた２組の偏心部２０，２１からなるクランク軸
２２を正面視Ｕ字形をしたベースフレーム１の両
側枠に架設し、上刃を備え、かつ正面視逆Ｕ字形
をしたゲートフレーム７の両側枠中程を上記した
クランク軸の１組の偏心部２０に軸支させると共
に、その側枠基端部をベースフレーム１にリンク
２３によつて可動連結し、又上記クランク軸の他
の組の偏心部２１にはゲートフレーム７のスライ
ド部１０にその両端をガイドさせるようにした下
刃付下刃ホルダ９をコンロツド１４で可動連結す
るようにしており、上刃及び下刃を第３図に示す
ように横長の楕円形状軌跡を描いて作動させ、制
御系を備えた電動機１５の作動により減速機２４
を介しクランク軸２２を第４図のように電気的に
回転制御して切断過程における材料の移動速度に
対し刃先の水平方向移動速度を同調制御させ材料
を所定寸法に剪断するようにしているが電動機に
よる制御可能な範囲は上刃で考えた場合切断過程
であるクランク軸下死点を境にしてその前後30゜
程度とされており、高速状態で搬送されている材
料を短尺に切断する場合や上刃に大きなレーキ
（この場合のレーキとは仮想水平線に対する傾斜
角度をいう。）を必要とするフイルム状シートを
高速状態での移動中に切断する場合には切断開始
時のクランク角ならびに切断開始と切断終了との
間のクランク角が大きくなつてしまい制御系を備
えた電動機による切断過程における材料の移動速
度に対する刃先の水平方向移動速度の同調制御が
できず切断精度（長さの精度・直角度の精度・真
直度の精度）が悪かつた。そのため短尺切断やフ
イルム状シートを切断する場合にはラインスピー
ドを遅くして切断操作しており作業能率が悪かつ
た。

本発明は上記した従来の欠点を除去するために
なされたものでラインスピードを高速状態のまま
で短尺切断やフイルム状シートを切断する場合に
も制御系を備えた電動機により切断過程における
材料の移動速度に対する刃先の水平方向移動速度
の同調制御をなしうるフライングシヤを提供しよ
うとするものである。

以下、その実施例を図面について説明すると、
第５図乃至第７図においてまず図中１は正面視Ｕ
字形のベースフレームでその両側枠内には一連に
咬合わせた歯車群を各々内蔵している。この歯車
群において歯車３，３′は同径同歯数の歯車とし
歯車２より歯数を大としているがその歯数比は必
要に応じ任意に変更してよい。４はアイドラ歯車
で前記歯車３，３′と共に後述する各クランク軸
の同調装置を構成している。歯車３，３′を固着
した軸５，５′の内端には各々クランク軸６，
６′を連設しているがこれは偏心軸でもよい。そ
してこれらのクランク軸６，６′でＵ字形ベース
フレーム内に配設した正面視逆Ｕ字形のゲートフ
レーム７を水平状態の姿勢で上下及び前後に平行
移動可能に支承している。８はゲートフレーム７
に固着した上刃である。９はゲートフレーム７の
両側枠に形成されたスライド部１０にその両端が
案内され上下動可能とした下刃ホルダで該下刃ホ
ルダ９の上端部には前記ゲートフレーム７の上刃
８に対向して下刃１１が取付けられている。１２
はベースフレーム両側枠に内蔵した歯車２を駆動
回転する駆動軸で、その中程には偏心部１３が形
成され、この偏心部１３と前記下刃ホルダ９とが
コンロツド１４で可動連結されている。１５は駆
動軸１２を駆動回転させる電動機で該電動機１５
には図示していないが、切断過程における駆動軸
１２の角速度を電気的に制御する制御系を備えて
いる。第８図乃至第１０図は他の実施例を示した
もので、上記実施例との大きな相違点は下刃１１
を備えた下刃ホルダ９をベースフレーム１にコン
ロツド１４で可動連結し、上刃８を備えたゲート
フレーム７の昇降を電動機１５の全駆動回転力で
行なわせるようにした点である。

本発明は以上のように構成されているので、フ
イルム状シートやストリツプ鋼板等の材料１７が
送られている搬送ラインにこのフライングシヤを
配置し、電動機１５を作動するとその回転力が歯
車２→歯車３→アイドラ歯車４→歯車３′と伝達
され歯車３，３′の回転によりクランク軸６，
６′が回転し、上刃を取付けたゲートフレーム７
が水平状態の姿勢を保つたまま上下及び前後に平
行移動する。従つて上刃８は第７図のａ及びｂ各
上段に示したように真円状の軌跡を描いて作動す
る。又、下刃１１は下刃ホルダー９と共にゲート
フレーム７によつてその姿勢が保持され乍ら駆動
軸１２の偏心部１３の回転に連動されて上下動し
第７図ａ及びｂの各下段に示すよう波形状軌跡を
描いて作動する。従つて上刃と下刃は共にこれら
の刃の間を通過している材料に対し直角に作用す
ると共にクランク軸のクランク角及び切断開始と
切断終了との間のクランク角が小さくなりその切
断過程は上刃の下死点を境にしてその前後30゜の
範囲内で行なわれる。尚第７図ａは歯車２と歯車
３との歯数比が１：２の場合の上刃・下刃の軌跡
を示す。又第７図ｂはその歯数比が１：４の場合
の上刃・下刃の軌跡を示す。尚、他の実施例とし
て示した第８図のものの上刃・下刃の軌跡は第１
０図に示すように上刃は真円状となり、下刃は山
形状となる。

従つて短尺に切断する場合やナイフレーキを大
きく必要とする被切断材例えばフイルム状シート
等を切断する場合にも切断開始時のクランク軸の
クランク角及び切断開始と切断終了との間のクラ
ンク角を小さくすることができ、従来同様電動機
による駆動軸回転速度制御即ち切断過程における
材料の移動速度に対する刃先の水平方向移動速度
の同調制御ができ高速状態でこれらの材料の良好
な切断精度で切断することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフライングシヤの正断面図、第
２図は第１図Ａ線に沿う側断面図、第３図は上
刃・下刃の各刃先の軌跡を示す説明図、第４図は
クランク軸の角速度一時間線図、第５図は本発明
に係るフライングシヤの正断面図、第６図は第５
図Ｂ線に沿う側断面図、第７図は上刃・下刃の各
刃先の軌跡を示す説明図、第８図乃至第１０図は
他の実施例を示すもので第８図はフライングシヤ
の正断面図、第９図は第８図Ｃ線に沿う側断面
図、第１０図は上刃・下刃の各刃先の軌跡を示す
説明図である。 １……ベースフレーム、１４……コンロツド、
３，３′……歯車、１５……電動機、４……アイ
ドラ歯車、６，６′……クランク軸、７……ゲー
トフレーム、８……上刃、９……下刃ホルダ、１
０……スライド部、１１……下刃、１２……駆動
軸、１３……偏心部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下刃が装備された下刃ホルダを、下刃に対向
   して上刃が装備されたゲートフレームに上下方向
   に摺動可能に保持し、このゲートフレームは、同
   調回転する２組の偏心機構によつて水平状態の姿
   勢を保つたまま上下及び前後に平行移動可能にベ
   ースフレームに支持され、前記下刃ホルダは偏心
   機構の駆動系に前記偏心機構とは180゜の位相差
   をもたせてコンロツドによつて可動連結するか、
   もしくはベースフレームに直接コンロツドを介し
   て可動連結されていることを特徴とするフライン
   グシヤ。