JPS6159064B2

JPS6159064B2 -

Info

Publication number: JPS6159064B2
Application number: JP2322779A
Authority: JP
Inventors: Shigeyuki Mizuno; Kozo Takagi
Original assignee: Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1979-02-28
Filing date: 1979-02-28
Publication date: 1986-12-15
Also published as: JPS55117479A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は静止形周波数変換装置により加速運
転される同期電動機の制御装置に関する。

従来、同期電動機を起動する装置としては、静
止形周波数変換装置を用いた起動装置がある。こ
の起動装置による電動機の起動方法は、速度制御
域を電流断続起動制御域、定電流加速制御域、揃
速制御域に分けて、順次その制御域において次の
ような電動機制御を行なうものである。まず、電
流断続起動制御域では、初期起動時に電流を断続
して流し、同期電動機の起動が行なわれる。次
に、定電流加速制御域では、同期電動機の電機子
電流を連続的に流し、同期電動機の加速が行われ
る。そして、揃速制御域では、同期電動機の回転
速度が同期速度近くになると交流電源と同期電動
機の交流側端子電圧の周波数差、電圧差、位相差
および大きさとをそれぞれある許容範囲内に制御
し、静止形周波数変換装置から交流電源への同期
並入が行なわれる。このような制御を行なう静止
形周波数変換装置を用いた制御装置を、ここでは
一括して同期電動機の速度制御装置と称する。

ところで、同期電動機の加速トルクは、電機子
電流と界磁巻線に流れる励磁電流による界磁束と
で発生するトルクと、その回転数における反抗ト
ルクとの差であり、同期電動機を起動、加速する
には同期電動機に界磁電流を与える必要があるこ
と、および界磁電流を変化させると加速トルクが
変化することは周知の通りである。また、同期電
動機はその起動特性と静止形周波数変換装置の機
能の制限により、初期起動時には、界磁電圧調整
装置により一定励磁状態で起動される。さらに、
加速時間を早くするには同期電動機の加速トルク
を増加させなければならず、そのためには界磁電
流を増加させなければならない。このため、同期
電動機の静止形周波数変換装置による加速期間
に、その界磁回路を界磁電圧調整装置による励磁
から自動電圧調整装置による励磁にしておく必要
がある。すなわち、加速時間を速くするには同期
電動機の加速期間に界磁電流を増加させ、同期電
動機の交流側端子電圧を交流電源電圧に等しくな
るように制御する必要がある。

しかし、静止形周波数変換装置は定電流加速制
御であるため、同期電動機の端子電圧は同期電動
機の回転数に比例した電圧となる。このため、定
電流加速制御域で界磁電圧調整装置による一定励
磁から自動電圧調整装置による励磁に切換える
と、界磁電圧調整装置と自動電圧調整装置との設
定値の基準値に偏差があるため界磁が変動して、
同期電動機の端子電圧および電機子電流が変化
し、加速制御の安定性が失なわれる。

この発明はこのような事情を考慮してなされた
もので、その目的とするところは、同期電動機の
起動時に界磁、同期電動機の端子電圧および電機
子電流が変動することなく、また同期電動機の起
動時間が短縮されると共に同期電動機の起動特性
が向上し、起動電力損失を少なくできる同期電動
機の制御装置を提供することにある。

以下、この発明の一実施例について図面を参照
して説明する。

第１図はこの発明の一実施例を示す構成図であ
る。第１図において１は同期電動機である。この
同期電動機１には、固定子と回転子との相対位置
を検出する位置検出器（図示してない）および回
転数を検出する回転数検出用発電機（図示してな
い）が取付けられている。同期電動機１の電機子
は、しや断器２を介して交流電源母線３に接続さ
れている。また、同期電動機１の電機子と電源母
線３との間にしや断器４、静止形周波数変換装置
５、しや断器６を直列にして接続されている。上
記周波数変換装置としては、例えばインバータや
サイクロコンバータ等が使用されている。前記同
期電動機１の位置検出器および回転数検出用発電
機からの信号は、制御信号変換器７に加えられ
る。この制御信号変換器７は、位置検出器からの
信号および回転数検出用発電機からの回転数に相
当する信号を制御信号に変換するものである。こ
の制御信号変換器７からの制御信号は、速度制御
装置８に加えられる。この速度制御装置８は、前
記周波数変換装置５にサイリスタゲート制御信号
を与えて前記同期電動機１の電機子に流れる電機
子電流を制御するものである。この速度制御装置
８の駆動電源としては、交流電源母線３よりしや
断器６を介して得ている。

前記同期電動機１の界磁巻線９は界磁しや断器
１０および直流変換器１１を直列に介して交流電
源１２に接続されている。上記直流変換器１１は
例えばサイリスタをブリツジ結線したもので、そ
のゲート制御により界磁巻線９に流れる直流電流
を制御するものである。上記界磁巻線９に流れる
界磁電流は、界磁電圧調整装置１３に加えられ
る。この界磁電圧調整装置１３は、定励磁設定器
１４の設定出力と界磁電圧とを受けて、前記同期
電動機１の制御形態が初期起動制御域（電流断続
起動制御域）および定電流加速制御域では、上記
界磁巻線９の電圧が一定になるように直流変換器
１１を制御し、揃速制御域では前記同期電動機１
の交流側端子電圧を交流電源の電圧に等しくなる
ように直流変換器１１を制御するものである。

一方、１５は同期電動機１の電機子電圧が入力
される自動電圧調整装置である。この自動電圧調
整装置１５は、同期電動機１が交流電源に並入完
了したことにより電圧設定器１６の設定出力と電
機子電圧とを比較して、その出力により同期電動
機１の交流側電圧が任意に設定された電圧に等し
くなるように前記直流変換器１１を制御するもの
である。

次にこのように構成された同期電動機の速度制
御装置の動作について説明する。まず、同期電動
機１の起動に先立つて、しや断器４，６および界
磁しや断器１０を閉じる。これにより電源母線３
からしや断器６を介して周波数変換装置５に交流
電力が供給される。この交流電力は周波数変換装
置５により所定の周波数に変換され、その出力側
よりしや断器４を介して同期電動機１に電力が供
給される。

一方、直流変換器１１は界磁電圧調整装置１３
により制御され、これにより界磁巻線９は定励磁
設定器に設定された設定値となるように励磁さ
れ、一定励磁状態で同期電動機１は起動する。

第２図は同期電動機の運転制御形態を図示した
ものである。第２図ａは同期電動機１の回転数Ｎ
と時間ｔとの関係、第２図ｂは同期電動機１の端
子電圧Ｖおよび界磁電流Ifと時間ｔとの関係、第
２図ｃは電機子電流Ｉ_Mと時間との関係を示した
ものである。記号Ａは電流断続制御域、Ｂは定電
流加速制御域、Ｃは揃速制御域、Ｄは同期電動機
１を交流電源に並入した域である。

以下、この第２図ａ〜ｃを参照しながら同期電
動機の速度制御について述べる。まず、同期電動
機１の初期起動時は周波数変換装置５により電流
断続制御され、電機子電流Ｉ_Mは第２図ｃに示す
ように断談した短形波となり、同期電動機１は回
転を始める。同期電動機１の回転数Ｎがn₁に達す
ると定電流加速制御域Ｂに切換えられ、電機子電
流Ｉ_Mと界磁電流Ifとで発生するトルクと、その
回転数における反抗トルクとの差の加速トルクで
回転数Ｎは上昇する。

同期電動機１の回転数Ｎがn₂に達すると揃速制
御域Ｃに切換わる。同期電動機１は同期電動機並
入装置（図示せず）により揃速制御が開始され
る。すなわち、周波数、位相制御は同期電動機並
入装置からの信号を速度制御装置８に与えること
により同期電動機１の電機子電流Ｉ_Mを制御し、
また電圧制御は同期電動機並入装置からの信号に
より定励磁設定器１４を制御し、同期電動機１の
界磁電流Ifを調整する。これにより周波数、電
圧、位相差が許容範囲内になるとしや断器２を投
入すると同時にしや断器４，６を引き外す。これ
により同期電動機１にはしや断器２を介して電力
が供給される。この状態で同期電動機１の界磁回
路を界磁電圧制御から同期電動機１の端子電圧制
御すなわち自動電圧調整装置１５による制御に切
換える。このような過程で起動される同期電動機
１の励磁状態を第２図において実線で示す。ま
た、一定励磁の定電流制御域Ｂで一定励磁から自
動電圧調整装置１５による制御に切換えた場合を
破線で示す。これは界磁回路の切換えを行なつた
時界磁電流Ifが増減することにより同期電動機１
と静止形周波数変換装置５との電力平衡状態が失
なわれたためである。

かくして、同期電動機１の制御形態が定電流加
速制御域では同期電動機１の一定励磁を行ない、
揃速制御域では図示しない同期電動機並入装置の
号により定励磁設定器１４の設定値を制御して交
流側電源電圧と同期電動機１の交流側端子電圧を
一致させるようにしたので、同期電動機１の界磁
回路を切換えることなく起動を行なうことができ
る。これにより界磁電流、同期電動機１の端子電
圧および電機子電流が変動することがなく、かつ
同期電動機１の起動時間を短縮することができ
る。したがつて、同期電動機１の運転特性が向上
し、しかも起動電力損失を少なくすることができ
る。また、界磁電圧調整装置１３は揃速制御域に
おいて同期電動機１の端子電圧を一定にする働き
を有するので、万一自動電圧調整装置１５が故障
しても同期電動機１の運転は可能であり、同期電
動機１の制御装置の信頼性を高めることができ
る。

以上詳述したようにこの発明によれば、界磁電
圧調整装置により同期電動機の制御形態が定電流
加速制御域では一定励磁を、揃速制御域では同期
電動機の交流側端子電圧を交流電源電圧と等しく
なるように直流電源装置を制御するようにしたの
で、同期電動機の加速期間に界磁の変動がなく、
これにより同期電動機の端子電圧および電機子電
流を変動させることがないばかりか、同期電動機
の起動時間を短縮でき、したがつて電動機の運転
特性が向上し、しかも起動電力損失を少なくする
ことができる同期電動機の制御装置を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す構成図、第
２図ａ〜ｃは同期電動機の運転制御形態を示した
図である。１……同期電動機、５……静止形周波数変換装
置、９……界磁巻線、１１……直流変換器、１３
……界磁電圧調整装置、１４……定励磁設定器、
１５……自動電圧調整装置、１６……電圧設定
器。

Claims

【特許請求の範囲】

１交流電源電力を周波数変換して同期電動機に
供給する周波数変換装置と、前記同期電動機の回
転数に相当する信号および前記交流電源からの信
号が入力され前記周波数変換装置より前記同期電
動機に供給される電力を初期起動制御域、定電流
加速制御域および揃速制御域に分けて順次制御す
る速度制御装置と、前記同期電動機の界磁巻線に
励磁電流を供給する電流制御可能な直流電源装置
と、前記同期電動機の界磁電圧を検出し前記速度
制御装置の制御形態が初期起動制御域および定電
流加速制御域において前記同期電動機の界磁巻線
に一定励磁電流が供給されるように前記直流電源
装置を制御し揃速制御域においては前記同期電動
機の端子電圧が前記交流電源の電圧に等しくなる
ように前記直流電源装置を制御する界磁電圧調整
装置と、前記同期電動機の交流側の端子電圧を検
出してこの端子電圧が一定値になるように前記直
流電源装置を制御する自動電圧調整装置と、前記
速度制御装置の揃速制御域での制御により前記同
期電動機の端子電圧が前記交流電源の電圧に等し
くなると前記同期電動機に供給される電力を前記
周波数変換装置から前記交流電源に切換えて前記
同期電動機を前記交流電源に同期並入すると共に
前記直流電源装置による前記同期電動機の界磁制
御を前記界磁調整装置から前記自動電圧調整装置
に切換える開閉装置とを具備したことを特徴とす
る同期電動機の制御装置。