JPS6156769B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、発電機などの回転電機が機内に過
熱などの異常が生じたとき、発生する微粒子を所
要量試料として抽出するための微粒子試料捕集装
置に関する。

全閉形の回転電機は、機内で部分的過熱など異
常があると、その部分の絶縁物、絶縁ワニス、塗
料、あるいは潤滑油などの有機物から微粒子や異
常ガスが発生し、機内を循環している冷却気体
（例えば水素ガス）中に混入する。大容量の回転
電機、例えばタービン発電機では、冷却気体を小
流量機外に分岐して機内異常監視装置に通し、含
有微粒子を検出して異常を検知し、分岐冷却気体
の流路を微粒子捕集器側に切替え微粒子さらには
異常ガスを試料として捕集するようにしているも
のがある。

従来この種の微粒子試料捕集装置は、第１図に
概要構成図で示すようになつていた。１は発電機
などの回転電機で、水素ガスなどの冷却気体が回
転子のフアン（図示は略す）により、機内を矢印
のように循環し冷却している。この冷却して温度
の上つた冷却気体は、循環経路中のガス冷却器
（図示は略す）を通り冷却される。２は異常監視
器で、分岐導管５により回転電機１内の冷却気体
が高圧側Ｈから分岐して通され、戻し導管６によ
り低圧側Ｌに返る。異常監視器２は次のようにな
つている。導入した気体を放射線源で照射してイ
オン化し、これを高電圧と負電圧との１対のコレ
クタ電極間に通す。冷却気体中に微粒子が混入し
ていると、コレクタ電極間の電流が減少する。こ
れにより、機内に過熱箇所があることが検知さ
れ、指示計により指示し、記録器により記録し、
また、警報器により警報するようにしている。

３は微粒子捕集器で、フイルタ（図示は略す）
を内蔵しており、三方コツク付電磁弁９の切替え
により分岐導管７から冷却気体が通され、戻し管
８を経て戻し導管６側へ返る。冷却気体中に混入
していた微粒子は内蔵のフイルタにより捕集され
る。４はタイマで、異常監視器２が異常を検知す
ると、この信号が接続電線１０を通して与えられ
て作動し、出力信号を電磁弁９に接続電線１１を
通して加え、分岐冷却気体の流路を分岐導管７側
に切替えさせ、設定時間後復帰動作をし電磁弁９
を切替え復帰させ、分岐冷却気体の流通を異常監
視器２側に戻させる。

上記従来の装置において、回転電機１の運転中
は、常時異常監視器２へ冷却気体が小流量分岐さ
れて検査されている。このとき、電磁弁９は異常
監視器２側を開き、分岐導管７側は閉じている。

機内に事故が発生し過熱箇所が生じると、過熱
された有機物から発生した微粒子が冷却気体中に
混入する。この冷却気体が分岐されて通されてい
る異常監視器２は混入微粒子を検知し、タイマ４
を作動させる。このタイマにより電磁弁９が分岐
導管７側を開に切替え、微粒子を含有している分
岐冷却気体は微粒子捕集器３に通され、タイマ４
の設定時間（約10分間）だけこの状態が維持され
る。設定時間が過ぎると、タイマ４が復帰動作を
し、電磁弁９は異常監視器２側を開に切替える。
微粒子捕集器３のフイルタで捕集された微粒子試
料は、質量分析計、ガスクロマトグラフ等で分析
される。

従来の装置は、タイマ４により微粒子捕集器２
で設定時間（約10分間）中微粒子を捕集するよう
にしており、実際の捕集量はわからないまま、試
料として捕集されていた。ところが、各種分析器
には試料の分析検出限界の最低限度量があるが、
従来の装置では多くの場合、微粒子試料の捕集量
が不足で、分析ができず、回転電機内の過熱部位
の究明ができない欠点があつた。

この場合、タイマ４を手動にして時間を長くし
ても、分析器の感度にかかる必要量の微粒子量が
捕集されたかどうかの推定はできない。この微粒
子試料の捕集は、そのときの異常に対し１回限り
であり、捕集量が不足であつた場合、一たん停止
した回転電機を再運転して再捕集することはでき
ない。これは、異常の原因が解明され除去されな
いのに、再運転するわけにはいかないからであ
る。

この発明は、微粒子捕集器の微粒子試料の捕集
量が設定量に達すると検知手段により検知し、分
岐冷却気体を異常監視器側に切替えるようにし、
分析可能な量の微粒子試料が捕集され、事故対策
が迅速にできるようにした信頼度の高い微粒子試
料捕集装置を提供することを目的としている。

第２図はこの発明の一実施例による微粒子試料
捕集装置の概要構成図であり、１〜３，５〜９は
上記従来装置と同一のものである。１２は異常監
視器２が分岐冷却気体中の微粒子を検知したと
き、この出力信号を電磁弁９に通じる接続電線で
あり、これにより、電磁弁は異常監視器２側を閉
じ分導管７側を開に切替える。１３は分岐導管７
に接続された圧力リレーであり、微粒子捕集器３
のフイルタに微粒子が試料として分析に十分な捕
集量に至したとき、分岐導管７内の気圧が上昇す
るが、あらかじめ設定していたこの気圧に至する
と圧力リレー１３が作動し、信号を接続電線１４
を通じて電磁弁９に与え、異常監視器２側を開に
切替え復帰させる。このように、分岐導管７内の
圧力変化を知ることにより、微粒子捕集器２での
捕集状況が判断でき、捕集量の自動制御ができ
る。

なお、上記実施例では、微粒子捕集器３の捕集
微粒子試料の捕集量に比例する物理変化を検出
し、設定量に達すると検知し信号を出す設定量検
知手段として、圧力リレー１３を用いたが、捕集
量の増加につれ分岐導管７，８内の分岐冷却気体
の減少する流量を検知する流量リレーを用いても
よい。また、微粒子捕集器３内のフイルタに滞積
した微粒子層に投光し、光の反射量、光の透過量
などにより検知し設定量に達すると電磁弁９を切
替え復帰させる設定量検知手段を用いてもよい。

なおまた、上記実施例では微粒子試料のみを捕
集したが、フイルタの後方に活性炭などの異常ガ
ス吸集体を装着し、異常ガス試料をも捕集するよ
うにしてもよい。

以上のように、この発明によれば、微粒子捕集
器で捕集した微粒子試料が所定量に達すると、設
定量検知手段により検知し、分岐冷却気体を電磁
弁により異常監視装置側へ切替え復帰さすように
しているので、微粒子試料量が確実に分析可能量
として捕集でき、事故対策が迅速にされ信頼度の
高い監視が行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の微粒子試料捕集装置を示す回転
電機の機内異常監視装置部の概略構成図、第２図
はこの発明の一実施例による微粒子試料捕集装置
を示す回転電機の機内異常監視装置部の概略構成
図である。 １……回転電機、２……異常監視器、３……微
粒子捕集器、５，７…分岐導管、６……戻し導
管、８……戻し管、９……電磁弁、１３……設定
量検知手段をなす圧力リレー。なお、図中同一符
号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転電機内を循環する冷却気体が分岐されて
   通され、機内の過熱により有機物から発生する微
   粒子を検出する異常監視器の検知信号により、上
   記分岐冷却気体の流路を微粒子捕集器側に切替え
   て通し、微粒子試料を捕集するようにした装置に
   おいて、上記微粒子捕集器の微粒子試料の捕集量
   に比例する物理的変化を検出し設定量に達すると
   検知して信号を出す設定量検知手段、及び上記異
   常監視器の検知信号により上記分岐冷却気体の流
   路を上記微粒子捕集器側に切替え微粒子試料を捕
   集させ、上記設定量検知手段の検知信号により上
   記分岐冷却気体の流路を上記異常監視器側へ切替
   え復帰させる電磁弁を備えたことを特徴とする回
   転電機の微粒子試料捕集装置。 ２ 設定量検知手段が微粒子捕集器側の導管内の
   気圧により作動する圧力リレーからなる特許請求
   の範囲第１項記載の回転電機の微粒子試料捕集装
   置。 ３ 設定量検知手段が微粒子捕集器側の導管内の
   流量により作動する流量リレーからなる特許請求
   の範囲第１項記載の回転電機の微粒子試料捕集装
   置。 ４ 設定量検知手段が、微粒子捕集器内の収集さ
   れた微粒子試料の滞積層に投光した光の反射量に
   より検知する手段からなる特許請求の範囲第１項
   記載の回転電機の微粒子試料捕集装置。 ５ 設定量検知手段が、微粒子捕集器内の収集さ
   れた微粒子試料の滞積層に投光した光の透過量に
   より検知する手段からなる特許請求の範囲第１項
   記載の回転電機の微粒子試料捕集装置。