JPS6155215B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はナトリウムの他に水銀とキセノンとを
含む放電管を具え、動作状態でのナトリウム蒸気
圧を50torrと200torrとの間とした高圧ナトリウ
ム蒸気放電ランプに関するものである。 このような高圧ナトリウム蒸気放電ランプは既
知であり、例えば米国特許第3519406号明細書に
開示されている。 この既知の放電ランプでは、キセノンが起動ガ
スとして働らき、水銀が緩衝ガスとして働らく。
この場合起動ガスは放電ランプの点弧に必要な起
動電圧を下げるものであり、緩衝ガスは熱伝導損
失を抑えるものである。既知のランプの欠点は例
えばルーメン／ワツトで表わした発光効率が相当
に低いことである。 本発明の目的は発光効率が高い上述した形式の
高圧ナトリウム蒸気放電ランプを提供するにあ
る。本発明の他の目的は所要電力が相当に小さ
く、しかも高い発光効率を有する高圧ナトリウム
蒸気放電ランプを提供するにある。本発明の更に
他の目的は高い発光効率と相当に低いランプ点弧
電圧とを、併せ有する高圧ナトリウム蒸気放電ラ
ンプを提供するにある。 ナトリウムの他に水銀とキセノンとを含む放電
管を具え、動作状態でのナトリウム蒸気圧を
50torrと200torrとの間とする本発明の高圧ナト
リウム蒸気放電ランプは、ランプの動作状態での
ナトリウム蒸気圧を100torr以上にし、且つ300〓
でのキセノンの圧力を50torrと100torrとの間と
したことを特徴とするものである。 ランプの動作状態でのキセノンの圧力は勿論動
作状態でのそのランプの放電管の絶対温度で測つ
た平均温度Ｔ_bによつても決まる。300〓で放電管
に注入するキセノン（冷たい）の注入圧力を例え
ばXtorrとすると、動作状態でのこのキセノンの
圧力は約Ｘ・Ｔ_ｂ／３００torrとなる。従つて、Ｔ_bは
普通 約2400〓であるから、ランプの動作状態でのキセ
ノンの圧力は略々400torrと8000torrとの間とな
る。 本発明による高圧ナトリウム蒸気放電ランプの
利点は、その発光効率を高くできることである。
その原因は本発明ランプではキセノンも緩衝ガス
として働らくという事実に主として基づくもので
ある。 説明上下記の点に注目されたい。高い効率で発
光させるに要する一つの条件は、ランプの動作状
態でのナトリウム蒸気圧を50torrと200torrとの
間とすることである。ランプの消費電力が比較的
低い場合は（400ワツト以下）、上記ナトリウム蒸
気圧範囲の高い方の部分、即ち100torrと200torr
との間の部分のナトリウム蒸気圧とすべきであ
る。 また十分に高い発光効率を実現するには、ラン
プの動作状態でのキセノンの圧力を400torrより
も高くするのが良いことを確めた。但し、ランプ
の動作状態でのキセノン圧力を8000torr以上とし
ても発光効率はそれ以上高くならなかつた。そし
て8000torrを越える範囲では、ランプの所要起動
電圧が許容できない程高い値になつてしまう。 ナトリウムの他にキセノンを含み、そのキセノ
ンの室温注入圧力を300torr以下とした放電管を
具える高圧ナトリウム蒸気放電ランプ自体は前記
米国特許第3519406号明細書で引用されている米
国特許第3248590号明細書から既知である。しか
し、この既知の放電ランプの放電管には、上記の
キセノン圧力の場合には水銀が含まれていない。
このため放射された光には緑が過度に含まれると
いう欠点を有する。 キセノンの他に水銀をも含み、キセノン圧力が
150torr以上である放電管を具えた高圧ナトリウ
ム蒸気放電ランプが特願昭50−45188号明細書に
記載されている。しかし、そこにはランプの動作
状態でのナトリウム蒸気圧の範囲については何等
記載されていない。 本発明ランプでは、ナトリウムと小銀とを組合
わせて水銀が少いアマルガム又は水銀が多いアマ
ルガムとして放電管に入れることができる。水銀
が少いアマルガムの場合は、発光色が緑がかるの
は事実である。しかし、放電管内に一切水銀を含
まない前記の従来技術のランプの場合ほどは、色
への影響が強くなく、それほど許容できないもの
ではない。 本発明高圧ナトリウム蒸気放電ランプの好適な
実施例では、放電管内のナトリウムに対する水銀
の重量比を８と1.5との間に選ぶ。 この好適な実施例の利点は、発光色が過度に緑
がかつてなく、しかもランプの発光効率も極めて
高いものができることである。発光色が余り緑が
かつていないという事実は前記重量比を1.5より
大きくしたためである。他方、発光効率が極めて
高いという事実は前記重量比を８以下としたため
である。 上記最後の好適な実施例を更に改良するには、
放電管内のナトリウムに対する水銀の重量比を約
３とする。 この改良により得られる利点は、一方では街灯
に必要な放射光のスペクトル分布と他方では高い
発光効率との間を極めて良好に妥協させたランプ
が得られることである。 本発明ランプを起動させる時には（冷めたい）
キセノンガスが起動を促進する。換言すれば、所
要起動電圧が低下する。しかし、これは放電管が
冷めたい状態でのキセノンガスの圧力が相当な場
合にのみ、しかも限られた程度で生ずるにすぎな
い。 ナトリウムの他に水銀とキセノンとを含み、ラ
ンプの動作状態でのナトリウム蒸気圧を50torrと
200torrとの間とする放電管であつて、その形を
細長形とし、その両端の各々にそれぞれの内部主
電極を設けた放電管を具える本発明の高圧ナトリ
ウム蒸気放電ランプは、300〓でのキセノン圧力
を50torrと1000torrとの間とし、且つ放電管に補
助電極を設け、この補助電極を、少くともランプ
の起動時中、使用時にはこの補助電極に起動を促
進する電圧を与える回路に接続することを特徴と
するものである。 この実施例の利点は、ランプの主電極間の所要
起動電圧を可成り低くでき、しかも動作状態での
発光効率を高くとれることである。 補助電極は、例えば、内部補助電極としてもよ
い。 この最後に述べた本発明の高圧ナトリウム蒸気
放電ランプの実施例を改良するには、補助電極を
放電管の外部に、その略々全長に亘つて延在させ
ることである。 この改良の利点は、斯かる補助電極を用いれ
ば、放電管の主電極間に印加する必要のある起動
電圧が著しく低くて済むことであり、これにより
ランプの起動が信頼度の高いものとなる。 図面につき本発明を説明する。 第１図において符号１は放電管を示す。放電管
１の外壁は稠密に焼成したアルミニウム酸化物か
ら成る。この放電管１は外管２内に設置する。符
号３はランプの口金を示す。放電管１には２個の
内部主電極４及び５を設け、その位置をこの放電
管１の夫々の端部近傍とする。電極の配置とその
給電端子部材の詳細は第２図に示す。主電極４は
給電端子部材（フイードスルー）６を介して金属
条片７に接続する。この金属条片７は導体ポール
８に接続する。導体ポール８の大部分は放電管１
に平行とする。この導体ポール８はランプの口金
３の一つの接点に電気的に接続する。導体ポール
８の延長部９は放電管１を外管２内の中心に保持
する役目をする。主電極５も管状給電端子部材１
０を介して金属導体条片１１に接続する。この金
属導体条片１１の他端はランプの口金３の別の接
点に接続する。 さらに放電管１には外部補助電極２０を設け
る。 これは放電管１のまわりに巻き付ける。補助電
極２０は主電極４の近傍でループ２０ａによつて
放電管１に固定する。放電管１の他端ではこの起
動用電極（補助電極）２０を引張りばね２１に接
続する。この引張りばね２１の他端は放電管１と
外管２との間の隙間に設置されたコンデンサ２２
に電気的に接続する。コンデンサ２２の他端は金
属条片１１に接続し、これは放電管１の主電極５
に通ずる。これにより、補助電極２０にはコンデ
ンサ２２を介して起動促進電圧が与えられる。 引張りばね２１は補助電極２０に引張荷重をか
ける。これにより、この補助電極２０は放電管１
の外壁と常時密着させられる。 放電管１に封入されるのはキセノン並びにナト
リウムと水銀である。放電管１と外壁２との間の
空間は排気する。 上に説明したランプは、例えばオランダ国特許
願第6904456号明細書に開示されているように、
サイリスタを設けたスタータ（図示せず）を用い
て点弧する。 上に述べたランプは動作中約0.3ヘンリーの誘
導性安定化インピーダンスを介して約220V、50
Hzの交流電源に接続される。上に説明したランプ
のこれ以上の詳細は下表に示す（この目的では表
の右欄を参照のこと）。比較のため表の中央欄に
外形寸法は本発明ランプと同じだが、キセノンガ
ス圧力が本発明ランプよりずつと低いランプの数
値を挙げた。この既知のランプでは、キセノンは
起動ガスとして働らくだけであるが、他方本発明
ランプでは、キセノンは水銀と共に緩衝ガスとし
て働らく。本発明ランプの動作状態での最低温度
の点の温度は約1000〓である。これは放電管１内
のナトリウム蒸気圧が約130torrの場合に相当す
る。ランプの動作状態での放電管１の平均温度は
約2400〓である。

【表】

【表】 上表を見ると、本発明ランプの発光効率（ルー
メン／ワツト）は本発明によらないランプより約
15％高い。両者の演色指標Ｒ_aは略々同じであ
る。 第２図は第１図の放電管１の一端部の長軸方向
断面図である。符号４は関連主電極を示す。符号
１は稠密に焼成したアルミニウム酸化物から成る
放電管の壁を表す。リング３０は、これまた稠密
に焼成したアルミニウム酸化物から成るが、放電
管１の内壁に焼成によつて固着する。給電端子部
６はニオブからできているが、上記リング３０に
設けた孔に通す。前記主電極４はこの給電端子部
材６に固定する。リング３０と給電端子部材６と
の間の隙間にはアルミニウム酸化物が主成分で、
それにカルシウム酸化物、バリウム酸化物および
マグネシウム酸化物が加わつた酸化物の混合物か
ら成る封止ガラス３２を充填する。リング３０は
放電管１の絶対的意味での端部ではなく、それか
ら約0.5mm内側にずれている。リング３０と放電
管１の端部との間の残りの隙間の一部は給電端子
部材６を取り巻いて上に述べたところと同一の封
止ガラスで充填する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明高圧ナトリウム蒸気放電ランプ
の斜視図、第２図は第１図の放電ランプの放電管
の一端部の長軸方向断面図である。 １……放電管、２……外管、３……口金、４，
５……主電極、６，１０……給電端子部材、７，
１１……金属条片、８……導体ポール、９……導
体ポールの延長部、２０……補助電極（起動用電
極）、２０ａ……ループ、２１……引張りばね、
２２……コンデンサ、３０……リング、３２……
封止ガラス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ナトリウムの他に水銀とキセノンとを含む放
   電管を具え、300゜Ｋにおけるキセノンの圧力を
   少くとも150torrとする高圧ナトリウム蒸気放電
   ランプにおいて、ランプの電力を150Wを超えな
   いようにし、ランプの動作状態でのナトリウム蒸
   気圧を100torrと200torrの間とし、かつ300゜Ｋ
   におけるキセノンの圧力を1000torr以下としたこ
   とを特徴とする高圧ナトリウム蒸気放電ランプ。 ２ 前記放電管においてナトリウムに対する水銀
   の重量比を８と1.5との間にしたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の高圧ナトリウム蒸
   気放電ランプ。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の高圧ナトリウム
   蒸気放電ランプにおいて、前記放電管には補助電
   極を設け、少くともランプの起動中、この補助電
   極に起動を促進する電圧を与える回路にこの補助
   電極を接続したことを特徴とする高圧ナトリウム
   蒸気放電ランプ。 ４ 前記補助電極を放電管の外側に略々その全長
   に亘つて延在させたことを特徴とする特許請求の
   範囲第３項記載の高圧ナトリウム蒸気放電ラン
   プ。