JPS6153562B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は紛失することのない締付け用雌部材に
よる取外しおよび再使用が可能な固定部品に関
し、固定、被固定要素に設けた穴に挿入する総プ
ラスチツク製固定部品に関する。

従来この分野で使用されている締め付け雄部材
による固定部品は、固定機能が良好であると同時
に取外しができ、しかも締付部材を紛失する恐れ
なく再使用できるというようなものはない。

本発明は、従来の固定部品の不都合がなく、容
易に取外しができて、締め付け部材の紛失の恐れ
が全くなく再使用ができるという利点をもつたプ
ラスチツク材料による固定部品を提供する。

本発明の固定部品は、本質的には次の様な特徴
を有する。即ち、２個のプラスチツク材料製嵌合
部材から成り、その１つは細長い筒状雌部材で、
その外周はこの雌部材を挿入する被固定要素の開
口の形状と一致し、この外周に設けられた弾性片
を含むと同時に他方の雄部材を挿入する中央孔部
を有し、且つ前記弾性片に作用を及ぼすことので
きる手段と、前記雄部材を止める手段を有してお
り、他方の雄部材は、前記孔部に挿入される締付
け部を形成し、雌部材の前記弾性片に作用すると
共に雌部材の止め手段にひつかかる装置がついて
おり、雌雄両部材が被固定要素の開口に入れられ
て嵌合し固定している状態で両部材を再使用のた
め抜出すときに互いに分離しないで取り出すこと
ができるようになつている。

本発明の好ましい実施例としては、雌部材の回
りに軸方向に開閉する一連の弾性切割片を形成す
る縦スリツトを設け、雌部材の中央孔部の下端は
円錐状部分で終るようにし、締め付け用雄部材を
挿入したときに、雄部材がこの円錐部を通ること
により直接前記弾性舌片に作用してそれを花弁状
に開かせるようにする。

前記締付け用雄部材を止める手段は、雌部材の
孔部の内側に突出している１個のリングまたは数
個のリング・セクシヨンとし、締付け雄部材に
は、雌部材への挿入時は雌部材の孔部の内側に突
出ている部分と直角をなして引つ込み、雄部材を
引抜くときは、雌部材の突出部分に引つかかる１
個または数個の弾性アームを設けるとよい。

挿入を止める装置は締付け雄部材に一体に設け
た鍔状のヘツドとすることができる。

雌部材には、その上部に被固定要素の表面に受
止められる鍔を備えさせるとよい。

以下、本発明を円形開口に挿入する固定部品を
示す図示の実施例を参照して説明する。尚、開口
は円形であることに限定されず、角形でもよく、
その場合は雌部材の外周形状は開口に適応した角
形とすればよい。

本発明に係わる固定部品は、下側の円筒形をし
た雌部材１と上側の締付け用雄部材７を含み、両
部材１，７はプラスチツクでできており、雄部材
７は雌部材１と一体成形され、雌部材に脆弱層８
でつながつている。

雌部材１は、円筒形の胴部３の上端に一体の鍔
２を有し、胴部３は周囲に形成された少くとも二
つのスリツト４により下から弾性舌片６に切割ら
れている。この弾性舌片には、場合によつては、
外側に出張つた突出部を設けてもよい。胴部３の
内部には円筒状の孔部１６が上から円錐部１７ま
で延びている。数個の弧状部または１個の環状部
で構成できる抜け止め５も、この孔あき胴部に設
けられる。抜け止め５はこの実施例ではスリツト
４の上端によつて弧状に形成されている。

雄部材７、即ち締め付け要素はヘツド９、円筒
形の軸部１０、１個または数個の弾性アーム１１
を含んでいる。

この雄部両部材からなる固定部品は次の様にし
て使用する。

先づ、被固定要素１３の開口１２に挿入し、次
に、胴部３の直径に合つた固定要素１４の開口１
５に挿入する。

鍔２が固定要素１４上に重なつている被固定要
素１３の上面に接したら雄部材７のヘツド９を下
に押し、脆弱層８を千切つて軸部１０を雌部材１
の孔部１６に挿入する。

この挿入の際、弾性アーム１１は孔部１６の孔
壁で内側に押し込まれて軸部１０の外面と同一面
になる。軸部の下端が円錐部１７に達し、更に押
下げが続くと胴部３にはスリツト４が入つている
ため、この胴部は花弁状に開き、弾性舌片６は固
定要素１４の開口１５の口壁にしつかり押付けら
れ、一方、弾性アーム１１は抜け止め５を下に通
過した瞬間に弾性で軸部１０の外に張り出す。更
に雄部材を押していくと、最後にヘツド９は鍔２
の上に重なり、１個のヘツドを形成する。

これで固定状態になり、第２図に示したよう
に、被固定要素１３は固定要素１４にしつかり固
定され、１個または数個の弾性アーム１１はスリ
ツト４内で軸部１０から張り出す。

固定を外すには、ヘツド９を持つて雄部材７を
引き上げ、雌部材１から釈放すればよい。この取
外しを一層容易にするには、例えばヘツド９の直
径を鍔２よりも大きくし、ヘツド９の下に工具の
先端を滑り込ませることができる様にすればよ
い。

ヘツド９を持つて雄部材７を引上げると、１個
または数個の弾性アームが第３図に示したように
抜け止め５に受止められるまで軸部１０は雌部材
１から抜ける。この状態では雌部材の胴部３は雄
部材下側部分１の軸部１０で固定要素の開口１５
に押し付けられなくなり両要素の結合は外れ、同
時に雄部材の弾性アーム１１は雌部材の抜け止め
５で障害されるため雌雄両部材は分離せず、紛失
して役立たなくなることもなく、再使用可能であ
る。

本発明は図示の実施例に限定されず、特許請求
範囲に記載された技術思想に則り、種々に構造を
変更して実施することができる。

尚、この実施例の様に抜け止め５をスリツト４
の上端によつて形成する場合は、脆弱層８でつな
げて両部材１，７を一体に成形する際は、弾性ア
ーム１１がスリツト４ないし抜け止め５に向く様
に成形する。又、両部材１，７を別々に成形した
際は雄部材７を雌部材１に押込むときに弾性アー
ム１１の向きをスリツトないし抜け止めに合わせ
て押込むことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の固定部品の一実施例を示すも
ので、第１図は被固定、固定二つの要素の開口に
挿入する直前の状態にある固定部品の透視図、第
２図は両要素の開口に挿入して固定した状態の固
定部品の透視図、第３図は開口から引出した状態
における雌部材の一部を断面にして示した固定部
品の透視図、第４図は雌雄両部材を脆弱層でわざ
と千切つて分離した透視図で、 図中、１は雌部材、４はそのスリツト、５は止
め手段、６は弾性片ないし弾性舌片、７は雄部
材、１１はその弾性アーム、１６は雌部材の孔部
を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 夫々プラスチツクで成形された雌部材１と雄
   部材７とからなり、 上記雄部材７はヘツド９と、上記ヘツドの下面
   から垂下する軸部１０と、上記軸部の下端部から
   斜め上向きに張出し、内向きに押されることによ
   り撓んで軸部の外側面と同一面になる少なくとも
   一つの弾性アーム１１を一体に備え、 上記雌部材１は鍔２の下面から垂下する胴部３
   を一体に備え、上記胴部の断面形状は固定、被固
   定両要素１４，１３の開口１２，１５と一致し、
   且つ上記雌部材１には鍔から胴部の途中まで上か
   ら前記雄部材の軸部１０が通る孔部１６が開設さ
   れていると共に、上記孔部の下には下向きに直径
   が減少する円錐部１７が形成され、且つ胴部は下
   端から上記孔部１６の下端に達する上向きのスリ
   ツト４によつて切割られた複数の弾性舌片６……
   …を有し、 上記雄部材７の軸部１０を雌部材１の孔部１６
   に上から押込むことによつて弾性アーム１１は内
   向きに撓んで上記孔部１６を上から下に通過して
   雌部材のスリツト４中で元通りに開き、更に雄部
   材の軸部１０を雌部材中に押込むと軸部は雌部材
   の円錐部１７を経て前記スリツト４に割り込み、
   上記スリツト４により切割られた複数の弾性舌片
   ６………の花弁状に外方に開く様になつていると
   共に、上記スリツト４の上端は雄部材の軸部１０
   を雌部材から引抜くときに雄部材の弾性アーム１
   １の先端を受止めてそれ以上に軸部が上に抜ける
   のを防止する抜け止め部５になつていることを特
   徴とする分離して紛失することがない取外し、再
   使用可能な固定部品。 ２ 特許請求の範囲１に記載の固定部品におい
   て、雌部材と雄部材は別々にプラスチツクで成形
   されている固定部品。 ３ 特許請求の範囲１に記載の固定部品におい
   て、雄部材の軸部は雌部材の孔部中に突入し且つ
   上記軸部は孔部に千切れ易い脆弱部でつながれて
   一体に成形されている固定部品。