JPS6151919B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は加熱釜を縦向きにしてその両側に無
数の蒸気噴出孔を穿つた仕上面を形成し、加熱釜
の両側で仕上げを行うことができるようにした繊
維製品用竪形仕上機において専ら使用されるハン
ガーに関する。

加熱釜に装着された衣類にこてを当てゝ加圧し
仕上げるプレス仕上機はもとより実公昭56―8637
号に示されるようにこてを当てないでそのまゝ或
いは所要箇所に部分的にこてを当てゝ全体として
ふつくらと風合よく仕上げられるようにしたパフ
仕上機においても従来の加熱釜は横向きでその上
面を仕上面としており、衣類等の上記仕上げを行
うのに際しては通常被加工部を仕上面上にセツト
して上記仕上げを行つては衣類をずらし新たな被
加工部を仕上面上にセツトし直して行つている。

これに対し加熱釜を縦向きにすれば仕上面を両
側に設けて一度の作業で行える仕上量を倍増させ
ることができ、しかも加熱釜にセツトした衣類の
プリーツ部分や折り目部分がくずれにくゝプレス
仕上りがきれいにかつまた芯出しや位置決めを容
易に行うことができる利点がある。

本発明はかゝる仕上機において衣類を加熱釜に
セツトするためのハンガーを提供しようとするも
ので、第一の目的はハンガーを加熱釜上のセツト
位置と加熱釜より離れ、衣類の着脱に障害となる
もののない着脱位置に旋回可能で、かつ上下動可
能にして衣類ことに婦人服などの筒状の衣類を容
易に加熱釜にセツトできるようにすることにあ
る。本発明によれば衣類の加熱釜へのセツトはハ
ンガーを加熱釜より離れた着脱位置で降下させて
衣類を装着したのち、ハンガーを上昇させてセツ
ト位置まで旋回させ、該位置で降下させることに
よつて行う。本発明の第二の目的はハンガーを装
着される衣類のサイズに合わせて調節可能に構成
し、上衣はもとより種々のサイズのスカートやズ
ボン更にはワンピースの所望の箇所を吊持するこ
とができるようにすることにあり、第三の目的は
ハンガーを装着される衣類のサイズに合わせて調
節可能にするとともに回動可能にして加熱釜に被
せた衣類を加熱釜の周りに回動できるようにし、
しかもハンガーの上記調節と回動が共通の機構に
よつて行えるようにすることにある。

本発明に係るハンガーは加熱釜を縦向きにした
竪形仕上機において専ら使用され、竪形仕上機に
は加熱釜両側上面にこてを配したプレス専用仕上
機や、こてを設けないパフ専用仕上機更にはこて
を使用位置と非使用位置に切換可能に構成し、プ
レス仕上機としてもパフ仕上機としても使用する
ことのできる兼用機がある。図示するものは兼用
機を示すもので、加熱釜１は縦向きで左右対称形
をなしており左右両側面には無数の蒸気噴出孔を
穿設した仕上面として形成され、ブロワー（図示
しない）より加熱釜１に至る流路内に配置され、
足踏ペダルの踏込み操作によつて加熱釜１へのエ
アーの吸排を切換えられるようにした切換弁装置
２上に上記流路の一部を構成するダクト３によつ
て好ましくは回転可能に支持される。

加熱釜１にはまた二本のフレキシブルパイプ
５，６が取着され、一方のパイプ５は図示しない
ボイラーにバルブを介して接続されるようになつ
ており、他方のパイプ６には外気への開口部を有
して蒸気を外部に排出できるようになつているか
或いは蒸気留器に接続され、加熱釜より排出され
た蒸気を凝縮できるようにしている。こて８は加
熱釜１の仕上面とほゞ同形同大に形成され、加熱
釜１が嵌まるコ字形の支持板９の溝を挾んだ両側
に向い合わせにして配置され、それぞれ支持板９
に立設のボツクス１０に進退可能に支持されてい
る。そしてボツクス内に設けた作動機構Ａにより
押出されて加熱釜１の仕上面に押付けられるか或
いは仕上面より後退して引離されるようにしてあ
る。こて８はまた支持板９か基枠１２上に加熱釜
１を挾んで並設した一対のレール１３にスライド
可能に支持されることによつて加熱釜１の仕上面
に対峠した第２図の一点鎖線で示す使用位置と仕
上面より離れた実線で示す非使用位置とに切換え
られるようにしてある。

しかして加熱釜１に被せられてセツトされた衣
類をプレス仕上げする際にはこて８を使用位置に
おいて仕上面に押付け、またこてを使用しないで
衣類を内部より噴射する蒸気で処理し、エアーで
乾燥させてふつくらと仕上げる際にはこて８が非
使用位置に移動される。

加熱釜１に衣類を被せセツトするためにハンガ
ー１５が設けられる。

このハンガー１５は基枠１２に立設される縦形
のエアーシリンダ１６のロツド１７を中心に回動
可能に支持されるアーム１８に軸１９により回動
可能に軸支され、加熱釜１上のセツト位置と加熱
釜より離れた衣類の脱着位置とにロツド１７を中
心として旋回可能かつ昇降可能であり、アーム１
８を旋回かつ昇降可能にするためにロツド上端部
に台板２０を取着して該台板上にロツド突出端部
に軸着し、かつアーム１８と一体をなすピニオン
２１と、台板２０に固着されるエアーシリンダ２
２と、該エアーシリンダのロツド２３に固着さ
れ、上記ピニオンに噛合するラツク２４とを設
け、該ラツクの往行或いは復動によりアーム１８
かロツド１７を中心に回動し、一定長往復動する
ラツク２４のストロークの一端においてハンガー
１５が加熱釜上のセツト位置に位置決めされるよ
うにしている。アーム１８に軸支されるハンガー
１５の昇降はエアーシリンダ１６の作動によるロ
ツド１７の上下動によつて行われるか、アーム等
を安定した状態で支持し、かつその昇降をスムー
ズに行わせるため図示するものではエアーシリン
ダ１６に隣接してガイド２６を立設し、該ガイド
に上端を台板２０に固定した案内棒２７を上下動
可能に嵌挿している。

衣類をハンガー１５に装着し、加熱釜１にセツ
トするには加熱釜１より離れた脱着位置に降下し
た状態のハンガー１５に衣類を装着したのち上昇
させかつ加熱釜上のセツト位置まで旋回させてか
ら裾を払いながら加熱釜に被さるよう降下させ
る。

衣類を加熱釜にセツトする場合、ことにコート
やブレザーなど前開きが可能で、加熱釜の周りに
回して装着できる衣類では加熱釜上のハンガーに
直接装着することも可能であるが、上記のような
方法によれば筒状の衣類は無論の事上記のような
衣類でも加熱釜が邪魔となることなく容易に衣類
の加熱釜へのセツト或いは除去を行うことができ
るようになる。なお、上述するハンガーの上昇、
旋回及び降下は各エアーシリンダ１６及び２２を
シーケンス制御して連続的に行えるようにするの
が望ましい。また、図示するものでは上記ハンガ
ーが左右に一対設けてある。これは一方のハンガ
ーを加熱釜上のセツト位置において衣類の仕上げ
を行うときには他方のハンガーを脱着位置におい
て衣類の脱着を行い、これにより１台の仕上機で
行える処理量を増大させるためである。

ハンガー１５はまた軸１９を中心に回動可能で
装着された衣類を加熱釜１の周りに回して所望の
箇所を仕上面に向け仕上げることができるように
なつているとともに装着される衣類のサイズに合
わせてそのサイズを調節することが可能で上衣は
もとよりスカート、更にはワンピースの任意の箇
所を吊持することができるようにされ、しかもハ
ンガーのサイズの調節がハンガーの回動機構によ
つて行えるようにしてある。すなわちアーム１８
の適所にはモータ２９が取付けられ、該モータの
プーリー３０とハンガー１５を吊持する軸１９の
上端に取着されるプーリー３１との間に掛けられ
たベルト３２によつてハンガー１５がベルト駆動
され回動するようになつており、またハンガー１
５は第４，５図に示すように本体３３と該本体の
両腕部に進退可能に装着され好ましくは図示する
ように向い合わせに突設される案内棒３４を本体
３３に突出形成の突条部３５にスライド可能に嵌
挿して横方向に動くよう案内され、上側端部が好
ましくは図示する如く彎曲状に形成される補助腕
３６とにより構成され、各補助腕３６は上記突条
部３５に回動可能に嵌挿して突出する上記軸１９
の下端部に中央部を固着したクランク３７の各端
部とそれぞれリンク３８によつて連結され、本体
３３に対し、軸１９が第５図の時計方向に回動す
ると、各補助腕３６が本体内に引込み、逆に反時
計方向に回動すると本体の腕部より突出するよう
になつており、その突出量は軸１９の回動量によ
つて調整される。スカートなどを吊持する場合に
はその上端部を補助腕上（該部にはすべり止めの
ため好ましくは摩擦係数の大なるシート片が取付
けられる）に被せ軽く押えてハンガーの回転を止
めた状態でモータ２９を駆動して軸１９を時計方
向に回し、補助腕３６を突出させてスカート等の
腰部を内側より突張つた状態にして張持し、モー
タの駆動を停止する。ワンピースなどでは腰部な
ど所望の箇所を上記と同様にして吊持することが
できる。モータの駆動及び停止はペダルなどの操
作部材の手動操作によつて行われる。

上記実施例ではアーム１８はエアーシリンダ１
６のロツド１７を中心として回動するようになつ
ているが、台板２０に上記ロツドとは別の軸を設
けた該軸を中心として回動させるようにしてもよ
く、またアーム１８の回動をエアーシリンダ２２
によりピニオン２１に噛合するラツク２４を往復
動させて行う代りにアームにモータを設けて直接
或いは該モータより減速装置を介して行うことも
できる。

また更に軸１９を回動させるためのモータ２９
は軸１９上に設けて該軸を直接回動させるように
するか或いは減速装置を介して回動させるように
してもよく、更にハンガーの補助腕３６は上述す
るようなリンク機構の代りに例えば軸１９下端部
に取付けたカムの回動によつて行うようにするこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るハンガーを備えた竪形仕
上機の正面図、第２図は同側側図、第３図はハン
ガー支持装置の一部を切欠いた平面図、第４図は
ハンガーの断面図、第５図は同ハンガーの底面図
である。 １…加熱釜、８…こて、１５…ハンガー、１６
…エアーシリンダ、１８…アーム、１９…軸、２
０…台板、２１…ピニオン、２２…エアーシリン
ダ、２４…ラツク、２９…モータ、３３…本体、
３６…補助腕。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加熱釜を縦向きにしてその両側に無数の蒸気
   噴出孔を穿つた仕上面を形成し、加熱釜に装着さ
   れた衣類の被加工部を仕上面より噴出する蒸気で
   処理し、こてによる加圧を加えてプレス仕上げ
   し、或いはこてを当てないでそのまゝふつくらと
   仕上げることができるようにした繊維製品用竪形
   仕上機において、上下動可能でかつ一垂直軸線の
   回りに回動可能なアーム１８と、該アームを上下
   動させる装置と、アーム１８を上記垂直軸線の回
   りに回動させる装置とを有するハンガー支持装置
   の上記アームに支持され、該アームの旋回により
   加熱釜１上のセツト装置と加熱釜より離れた衣類
   の脱着位置とに移動可能でかつアームの上下動と
   ともに上下動するハンガー。 ２ アームを上下動させる装置はエアーシリンダ
   １６で、アーム１８は上記エアーシリンダ１６の
   ロツド１７に軸支されるか或いは該ロツドと平行
   をなす軸に軸支される特許請求の範囲第１項記載
   のハンガー。 ３ アームを回動させる装置は上記垂直軸線の回
   りにアームと一体に回動するピニオン２１と、ア
   ームとともに上下動するエアーシリンダ２２と該
   エアーシリンダのロツド２３に固着され、上記ピ
   ニオンに噛合するラツク２４である特許請求の範
   囲第１項記載のハンガー。 ４ アームを回動させる装置はアームに設けたモ
   ータである特許請求の範囲第１項記載のハンガ
   ー。 ５ ハンガーは一対設けられる特許請求の範囲第
   １項記載のハンガー。 ６ 加熱釜を縦向きにしてその両側に無数の蒸気
   噴出孔を穿つた仕上面を形成し加熱釜に装着され
   た衣類の被加工部を仕上面より噴出する蒸気で処
   理し、こてによる加圧を加えてプレス仕上げし、
   或いはこてを当てないでそのまゝふつくらと仕上
   げることができるようにした繊維製品用竪形仕上
   機において、アーム１８に軸１９により加熱釜１
   上において回動可能に支持され、モータ２９の駆
   動により上記軸１９を中心に回動するハンガー。 ７ 加熱釜を縦向きにしてその両側に無数の蒸気
   噴出孔を穿つた仕上面を形成し、加熱釜に装着さ
   れた衣類の被加工部を仕上面より噴出する蒸気で
   処理し、こてによる加圧を加えてプレス仕上げ
   し、或いはこてを当てないでそのまゝふつくらと
   仕上げることができるようにした繊維製品用竪形
   仕上機においてアーム１８に回動可能に軸支され
   モータ２９によつて回転駆動される軸１９と、該
   軸に回動可能に支持されるハンガー本体３３と、
   該本体の両腕部にそれぞれ進退可能に装着される
   補助腕３６と、軸１９に固着され該軸の上記本体
   ３３に対する相対的な回動により上記補助腕を進
   退させる装置とよりなるハンガー。 ８ 補助腕３６を進退させる装置は軸１９に中央
   部を固着したクランク３７と、該クランクの各端
   部と補助腕とをそれぞれ連結するリンク３８より
   なる特許請求の範囲第７項記載のハンガー。 ９ 補助腕３６を進退させる装置は軸に固着した
   カムである特許請求の範囲第７項記載のハンガ
   ー。 １０ 補助腕３６には案内棒３４が突設され、本
   体３３の突条部３５に横向にスライド可能に嵌挿
   される特許請求の範囲第７項記載のハンガー。 １１ 補助腕３６は上端部が彎曲状に形成される
   特許請求の範囲第７項記載のハンガー。 １２ 補助腕３６は上端部がすべり止めのため摩
   擦係数大に形成される特許請求の範囲第７項記載
   のハンガー。