JPS6151493B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、変圧器の保護装置、特に変圧器で
の事故を検出し、この事故から変圧器を保護する
装置に関するものである。

従来この種の装置として、第１図、第２図に示
すものがあつた。同図において、１は受電線のし
や断器、２は変圧器、３は変圧器２次側しや断
器、４は変圧器２を保護するためのバツクアツプ
用過電流継電器、５は比率差動継電器、６は変圧
器２次側及び母線を保護する過電流継電器であ
る。尚、５ａは比率差動継電器５の出力ａ接点
で、このａ接点はCB02，CB220をしや断させる
もので、４ａは過電流継電器４の出力ａ接点で、
これはCB02をしや断させるためのものである。

次に動作について説明する。変圧器２内部で事
故が発生すると、変圧器１次側CTには電流が流
れる為CTにより変換され、過電流継電器４及び
比率差動継電器５に導入れる。一方変圧器２次側
には、変圧器内部で事故が発生している為、２次
側電流は流れず、比率差動継電器には１次側のみ
流入し、２次側は流入しない為、差電流が発生す
る。従つてこの差電流の大きさにより、比率差動
保護継電器は動作し、しや断器CB02１及び
CB220３をしや断させ、事故のある変圧器を係統
から切り離す。この比率差動保護継電器５は、変
圧器のインラツシユ対策等により複雑な機構とな
つている。ところで変圧器２の１次側の過電流継
電器４は、この変圧器保護用の比率差動保護継電
器５のバツフアツプのためのもので、変圧器２の
１次側の事故まで検出することが出来る。正常時
は、変圧器４の１次側及び２次側には電流が流れ
ており、比率差動継電器５の動作力は差動入力が
零であるため、抑制力が１次側及び２次側電流に
より発生しており、比率差動継電器５は不働作で
ある。又変圧器４の外部事故の場合も同様であ
る。

従来の変圧器保護装置は以上のように構成され
ているので、事故検出装置がない為、信頼度を上
げる為には、同じものを２重化する必要があり、
また保守性を考えると２系列設沢置するなどの欠
点があつた。

この発明は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、変圧器１次側電流
と２次側電流との差電流で作動する差電流過電流
継電器を比率差動継電器と併用することにより、
従来の如き多重化の必要性を解決することを目的
としている。

以下、この発明の一実施例を図について説明す
る。

第３図には一相分が示してあり、同図におい
て、１は受電線しや断器、２は変圧器、３は変圧
器２次側しや断器、４は変圧器保護のバツクアツ
プ用過電流継電器、５は比率差動継電器、６は変
圧器２次側及び母線を保護する過電流継電器、７
は変圧器１次側電流と２次側電流の差電流を入力
とする抑制力を除いた差動過電流継電器である。

尚、５ａは比率差動継電器５の出力ａ接点で
CB02，220をしや断させるもの、又４ａは過電流
継電器４の出力ａ接点で、CB02をしや断させる
もの、７ａは差動過電流継電器７の出力ａ接点で
ある。

次に動作について説明する。変圧器保護のバツ
クアツプは変圧器２の１次側にある過電流継電器
４が使用されている。

しかしこの過電流の整定いかんによれば、変圧
器２次側の保護は検出出来ない場合も発生する。
比率差動継電器５は、変圧器１次側電流と２次電
流の差動流を入力とし、しかも比率をかけ、変圧
器励磁時のインラツシユ対策等が施されている。
この変圧器保護の事故検出装置として従来はあま
りいい方法がなく現在に至つている。変圧器保護
機能としては、変圧器の内部事故、いわゆる、
CTの設置されている、１次側及び２次側CT間の
事故を検出すればよく、この方法として、変圧器
保護継電器の入力と同じ、１次側と２次側電流の
差を入力とする差動過電流継電器７を設置し、こ
の差動過電流継電器７を変圧器保護の事故検出装
置とし、高信頼度な変圧器保護が可能となる。又
この差動過電流継電器は、変圧器１次側電流継電
器の事故検出装置ともなる。この差動過電流継電
器７は、差電流を入力と、比率差動継電器５等が
使用している抑制力等は使用せず、ただ差電流の
みで検出するものとする。又この差動過電流継電
器７はある時限（変圧器保護継電器の動作時間）
を持つものとする。第４図に示すようなシーケン
ス、比率差動継電器出力接点５ａと差動過電流継
電器出力接点７ａとのAND出力でCB02，220を
しや断させ、又過電流継電器出力接点４ａと差動
過電流継電器出力接点７ａとのAND出力でAB02
をしや断させる。

なお、上記実施例では、変圧器保護事故検出に
ついて示したが、差動保護の事故検出には同様の
効果がある。

又アナグ式及びデイジタル式保護継電装置共に
同様の効果がある。

以上のように、この発明によれば、簡単な差動
過電流継電器を事故検出装置とし、主保護継電器
である比率差動継電器とのAND構成としたの
で、比率差動継電器あるいは１次過電流継電器が
誤動作しても、差動過電流継電器が動作しない限
りは１次側あるいは２次側のしや断器が動作する
ことはない。したがつて、信頼性の高い変圧器保
護装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の保護システム構成を示す図、第
２図は従来のトリツプシーケンス図である。第３
図はこの発明による保護システム構成を示す図、
第４図はこの発明によるトリツプシーケンス図で
ある。 １は受電線しや断器、２は変圧器、３は変圧器
２次側しや断器、４は過電流継電器、４ａは過電
流継電器の出力ａ接点、５は比率差動継電器、５
ａは比率差動継電器の出力ａ接点、６は過電流継
電器、７は差動過電流継電器、７ａは差動過電流
継電器の出力ａ接点である。なお、図中、同一符
号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 変圧器の１次側電流を検出する１次検出器
   と、上記１次側検出器の検出値に応動する１次側
   過電流継電器と、上記変圧器の２次側電流を検出
   する２次側検出器と、上記２次側検出器の検出値
   に応動する２次側過電流継電器と、上記１次側過
   電流継電器と２次側過電流継器との間に直列接続
   された比率差動継電器及び差動過電流継電器と、
   上記差動過電流継器の接点と直列に接続され該差
   動過電流継電器の接点と共に閉成されたときに上
   記変圧器の１次側しや断器及び２次側しや断器を
   開放する上記比率差動継電器の接点と、上記差動
   過電流継電器の接点と比率差動継電器の接点との
   接続点に接続され該差動過電流継電器の接点と共
   に閉成されたときに上記変圧器の１次側しや断器
   を開放する上記１次側過電流継電器の接点とを備
   えた変圧器保護装置。