JPS6149363B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS6149363B2 JPS6149363B2 JP10797180A JP10797180A JPS6149363B2 JP S6149363 B2 JPS6149363 B2 JP S6149363B2 JP 10797180 A JP10797180 A JP 10797180A JP 10797180 A JP10797180 A JP 10797180A JP S6149363 B2 JPS6149363 B2 JP S6149363B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- blowing
- slag
- dephosphorization
- iron oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 claims description 65
- 239000010959 steel Substances 0.000 claims description 65
- UQSXHKLRYXJYBZ-UHFFFAOYSA-N Iron oxide Chemical compound [Fe]=O UQSXHKLRYXJYBZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 46
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 43
- 238000007664 blowing Methods 0.000 claims description 34
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 32
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 15
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 claims description 15
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 13
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 claims description 13
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 claims description 13
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 8
- 238000009628 steelmaking Methods 0.000 claims description 5
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 37
- 239000002893 slag Substances 0.000 description 28
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 18
- 229910052698 phosphorus Inorganic materials 0.000 description 13
- 239000011574 phosphorus Substances 0.000 description 13
- OAICVXFJPJFONN-UHFFFAOYSA-N Phosphorus Chemical compound [P] OAICVXFJPJFONN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 12
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 9
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 9
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 8
- ODINCKMPIJJUCX-UHFFFAOYSA-N Calcium oxide Chemical compound [Ca]=O ODINCKMPIJJUCX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 6
- 230000001737 promoting effect Effects 0.000 description 5
- 238000010079 rubber tapping Methods 0.000 description 4
- 235000012255 calcium oxide Nutrition 0.000 description 3
- 239000000292 calcium oxide Substances 0.000 description 3
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 3
- 238000009844 basic oxygen steelmaking Methods 0.000 description 2
- 238000009835 boiling Methods 0.000 description 2
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 2
- 229910004261 CaF 2 Inorganic materials 0.000 description 1
- 235000008733 Citrus aurantifolia Nutrition 0.000 description 1
- 229910000655 Killed steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000805 Pig iron Inorganic materials 0.000 description 1
- 235000011941 Tilia x europaea Nutrition 0.000 description 1
- 230000009286 beneficial effect Effects 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- WUKWITHWXAAZEY-UHFFFAOYSA-L calcium difluoride Chemical compound [F-].[F-].[Ca+2] WUKWITHWXAAZEY-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 238000000354 decomposition reaction Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 239000010436 fluorite Substances 0.000 description 1
- 239000004571 lime Substances 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- CPLXHLVBOLITMK-UHFFFAOYSA-N magnesium oxide Inorganic materials [Mg]=O CPLXHLVBOLITMK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 230000001590 oxidative effect Effects 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 238000009423 ventilation Methods 0.000 description 1
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C5/00—Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
- C21C5/28—Manufacture of steel in the converter
- C21C5/30—Regulating or controlling the blowing
- C21C5/32—Blowing from above
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
Description
この発明は塩基性酸素転炉製鋼法において溶鋼
中の燐を効果的に除去する方法に関するものであ
る。 最近に至り、低温用鋼など、特に低温において
高い靭性を示す鋼材の需要が高まり、そのため低
温靭性を損う燐の含有量が可及的に少ない鋼、望
ましくは燐が0.010%以下の鋼を低コストでしか
も安定して製出し得る製鋼法の開発が望まれてい
る。 ところで従来の塩基性酸素製鋼の通常の実操業
における燐のスラグ―メタル間分配比は、研究室
的に求められている平衡値例えばヒーリー
(Healy)の式などによる平衡値よりも大きく脱
燐不良側へシフトしているのが実情であり、その
ため通常の吹錬方法では0.010%程度以下まで脱
燐することは実際には極めて困難であり、特に出
鋼温度が高いキルド鋼等においてはその傾向が著
しかつた。そこで脱燐効果を高めるために脱燐用
造滓材であるCaO,MgO,CaF2等の配合量を加
することも考えられるが、これらの脱燐用造滓材
をいたずらに増量させても安定して0.010%以下
まで脱燐することは困難であり、しかもこれらの
脱燐用造滓材を増量させればコストが上昇する間
題が生じていた。また吹錬終期の酸素吹錬圧力を
低下させるソフトブローや超ソフトブローにより
ある程度脱燐効果を高めることが可能であるが、
それでも0.010%以下まで安定して脱燐すること
は困難であつた。 一方、吹錬中途において一時的に吹錬を中断し
て排滓し、改めて造滓材等を添加して造滓するい
わゆるダブルスラグ法も一部では実施されてお
り、この方法によれば0.010%程度以下まで脱燐
することが可能である。しかしながらダブルスラ
グ法では、中間排滓時にスラグのほかメタル(溶
鋼)も同時に流出してしまうことを完全に抑止す
ることは困難であり、それに加えて中間排滓時に
溶鋼温度が相当に低下するため冷材である鉄鉱石
やスケールの投入量が制限され、これらのために
製出鋼歩留が極端に低下してしまう重大な欠陥が
あり、またダブルスラグ法では中間排滓作業のた
めに能率が低下するとともに操作も面倒となるな
どの間題もあつた。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、脱燐用造滓材を増量させることなく、かつ製
出鋼歩留を低下させる等のダブルスラグ法の欠点
を招来することなく、ダブルスラグ法における脱
燐と同程度の脱燐を安定して実現し得るようにす
ることを目的とするものである。 すなわちこの発明の塩基性酸素転炉製鋼法にお
ける脱燐方法は、溶鋼の炭素濃度が特定の範囲内
に至つた段階で、鉄鉱石やスケール等の酸化鉄系
材料を従来の一般的な製鋼法よりも大量に一括的
に投入して脱燐を促進させることを特徴とするも
のである。より具体的には、この発明の脱燐方法
は、溶鋼の炭素濃度が3.0〜1.5%の範囲内に至つ
た段階で酸化鉄系材料を10Kg/t steel以上一
括的に投入することを特徴とするものである。 以下この発明の脱燐方法につき具体的に説明す
る。 この発明の脱燐方法は、LD転炉等、塩基性転
炉における通常の酸素吹錬製鋼過程において実施
するものであり、したがつて前述のような大量の
酸化鉄系材料の投入に関する条件以外は、公知の
方法と同様に設定して実施すれば良い。そしてこ
の発明では上述のような通常の吹錬過程で特に溶
鋼中の炭素濃度が3.0〜1.5%の範囲内の値に至つ
たときに、10Kg/t steel以上の大量の酸化鉄
系材料を一括的に投入することによつて脱燐が促
進されるのである。このように大量に投入される
酸化系材料としては、鉄鉱石、スケール、あるい
はこれらの混合物や、そのほか焼結鉱などがあ
る。ここで従来の通常の製鋼法においても鉄鉱石
やスケールを投入することが行なわれているが、
その場合吹錬中は鉄鉱石やスケールは1.5〜3
Kg/t steel程度の小量を分割して投入するの
が通常であり、また大量に一括投入する場合は鉄
鉱石やスケールは吹錬開始前に投入することが多
く、またその投入目的は主として鉄鉱石やスケー
ルの分解による吸熱を利用して溶鋼の冷却(出鋼
温度調整)を行うためである場合がほとんどであ
り、したがつてこの発明の方法とは異なるもので
ある。 前述のように炭素濃度が3.0〜1.5%となつた段
階で投入する10Kg/t steel以上の大量の酸化
鉄系材料は、その全量を一度に投入することが望
ましいが、場合によつては10Kg/t steel以上
の量を分割して複数回にわたり投入しても良い。
ただし後者の場合には溶鋼に対し10Kg/t
steel以上の量の酸化鉄系材料が同時的に作用す
るよう、投入間隔を置かずに投入することが望ま
しい。またもちろん10Kg/t steel以上の量の
酸化鉄系材料を2回以上投入しても良い。なお、
転炉の排風設備の関係から、大量の鉄鉱石やスケ
ールを吹錬中に一括的に投入することが困難とな
る場合が多く、その場合には炭素濃度が3.0〜1.5
%となつたときに一旦吹錬を中断し、その状態で
鉄鉱石やスケール等の酸化鉄系材料を10Kg/t
steel以上投入し、その後吹錬を再開すれば良
い。 第1図A〜Cおよび第2図A〜Cにこの発明の
方法を適用して製鋼した場合と、従来の通常の吹
錬により製鋼した場合および従来のダブルスラグ
法により製鋼した場合とについてそれぞれ複数回
実験操業を行つた結果を示す。第1図は吹止出鋼
時の燐濃度の分布を示すヒストグラム、第2図は
製出鋼歩留を示すヒストグラムであり、各図のA
はダブルスラグ法によつた場合、Bはこの発明の
方法に従つた場合、Cは通常の方法によつた場合
をそれぞれ示す。但し、各法とも初期燐濃度は
0.120%程度であり、また焼石灰原単位はいずれ
も65Kg/t steel、吹錬酸素量はいずれも47〜
55Nm3/t steel程度、最終吹止温度は1680℃±
10℃、吹止出鋼時の炭素濃度は0.05〜0.06%程度
である。なおこの発明に従つたBの場合、いずれ
も溶鋼中の炭素濃度が2.0%前後で吹錬を中断
し、10Kg/t steel〜25Kg/t steel程度の鉄
鉱石を一括投入した後、吹錬を再開した。またダ
ブルスラグ法の場合A、溶鋼中の炭素濃度が2.5
%附近、燐濃度が0.04%程度の段階で吹錬を中断
して中間排滓を行つた。第1図から明らかなよう
に、この発明の方法による場合にはダブルスラグ
法による場合と同様に0.010%以下まで安定して
脱燐することができ、しかも第2図から明らかな
ように製出鋼歩留はダブルスラグ法による場合よ
りも格段に良好で通常吹錬による場合とほぼ同様
となつている。 上述のように大量の鉄鉱石やスケール等の酸化
鉄系材料を溶鋼中の炭素濃度が3.0〜1.5%の範囲
内の段階で一括的に投入すれば、それらの酸化鉄
系材料の主成分であるFe2O3がFeOとO2とに分解
し、そのO2が溶鋼中のCと反応して一挙に大量
のCOガスを発生させる。その際に激しいボイリ
ングが生じてスラグ―メタル間の界面が激しく撹
拌され、これによつて燐のスラグ―メタル間分配
比がより平衡値に近付き、その結果溶鋼の脱燐が
促進されるものと解される。したがつて短時間に
大量のCOガスを発生させることが重要であり、
そのために酸化鉄系材料は一括して、あるいは実
質的に一括して、すなわち一括的に投入されなけ
ればならない。例えば操作上は一括でなくても、
2箇所の投入口から同時に投入すれば同様の効果
が期待される。ここで大量の酸化鉄系材料の投入
時期を溶鋼中の炭素濃度が3.0〜1.5%の範囲に至
つたときと限定している理由について述べれば、
通常の吹錬過程においてスラグの滓化が進行する
のは炭素濃度が3.0%以下となつた時点であつ
て、そら以前に大量の酸化鉄系材料を投入しても
脱燐が固体反応となるため脱燐促進の効果が得ら
れず、一方炭素濃度が1.5%未満となれば溶鋼中
のCが不足し、そのため酸化鉄系材料を大量に投
入しても充分な量のCOガスが発生せず、そのた
めボイリングによる充分なスラグ―メタル間の撹
拌がなされず、前記同様に脱燐促進の効果が得ら
れない。なお、鉄鉱石やスケール等の酸化鉄系材
料の一括的投入量が10Kg/t steel未満では、
ある程度の脱燐促進効果は認められるものの、最
終燐濃度を安定して0.010%以下とすることは困
難であり、10Kg/t steel以上となつてはじめ
て0.010%以下まで安定して脱燐でき、したがつ
て酸化鉄系材料の一括的投入量は10Kg/t
steel以上であることが必要である。このような
酸化鉄系材料の投入量と脱燐効果との関係を第3
図に示す。この第3図は、初期P濃度を0.120%
程度である場合に鉄鉱石の一括投入量を約3Kg/
t steelから約21Kg/t steelまで変化させて
実験操業を行つた場合の各投入量に対する吹止出
鋼時の燐濃度を示すものであり、この実験におけ
る諸条件、装入材料等については後述する実施例
に準じて実施した。 なおまた、前述のように大量の酸化鉄系材料を
投入することによつて溶鋼温度が低下することが
予想されるが、10Kg/t steel〜20Kg/t
steel程度であれば、従来から主として温度調整
の目的で吹錬初期に投入している鉄鉱石もしくは
スケールの投入量や、溶銑とともに配合するスク
ラツプや冷銑の配合量などを溶銑温度と関係して
調整することにより溶鋼温度の低下をカバーする
ことができ、また場合によつては前述のように大
量に投入する酸化鉄系材料を予熱しておいても良
い。 次にこの発明の方法の具体的な実施例を記す。 実施例 1320℃の溶銑95tonおよびスクラツプ5tonをLD
転炉に装入して、スケール1.2tonを前装入後酸素
吹錬を開始し、その直後に焼石灰4ton、ホタル石
0.3tonを投入するとともに鉄鉱石0.8tonを分割投
入した。その後溶鋼中の炭素濃度が2.01%となつ
た時点で吹錬を中断し、鉄鉱石を1.30ton一括投
入した。この時点までの吹錬酸素量は2500Nm3で
ありまた吹錬中断時の溶鋼温度は1530℃であつ
た。鉄鉱石投入後、吹錬を再開し、かつその直後
に焼石灰2tonを追加投入した。そして吹錬再開後
の酸素量1760Nm3で吹錬を終止した。吹止温度は
1685℃、吹止Cは0.05%であり、また出鋼温度は
1647℃であつた。使用した溶銑、スクラツプ、お
よび吹錬中断時の溶鋼、出鋼された溶鋼の各成分
分析値は次表の通りである。
中の燐を効果的に除去する方法に関するものであ
る。 最近に至り、低温用鋼など、特に低温において
高い靭性を示す鋼材の需要が高まり、そのため低
温靭性を損う燐の含有量が可及的に少ない鋼、望
ましくは燐が0.010%以下の鋼を低コストでしか
も安定して製出し得る製鋼法の開発が望まれてい
る。 ところで従来の塩基性酸素製鋼の通常の実操業
における燐のスラグ―メタル間分配比は、研究室
的に求められている平衡値例えばヒーリー
(Healy)の式などによる平衡値よりも大きく脱
燐不良側へシフトしているのが実情であり、その
ため通常の吹錬方法では0.010%程度以下まで脱
燐することは実際には極めて困難であり、特に出
鋼温度が高いキルド鋼等においてはその傾向が著
しかつた。そこで脱燐効果を高めるために脱燐用
造滓材であるCaO,MgO,CaF2等の配合量を加
することも考えられるが、これらの脱燐用造滓材
をいたずらに増量させても安定して0.010%以下
まで脱燐することは困難であり、しかもこれらの
脱燐用造滓材を増量させればコストが上昇する間
題が生じていた。また吹錬終期の酸素吹錬圧力を
低下させるソフトブローや超ソフトブローにより
ある程度脱燐効果を高めることが可能であるが、
それでも0.010%以下まで安定して脱燐すること
は困難であつた。 一方、吹錬中途において一時的に吹錬を中断し
て排滓し、改めて造滓材等を添加して造滓するい
わゆるダブルスラグ法も一部では実施されてお
り、この方法によれば0.010%程度以下まで脱燐
することが可能である。しかしながらダブルスラ
グ法では、中間排滓時にスラグのほかメタル(溶
鋼)も同時に流出してしまうことを完全に抑止す
ることは困難であり、それに加えて中間排滓時に
溶鋼温度が相当に低下するため冷材である鉄鉱石
やスケールの投入量が制限され、これらのために
製出鋼歩留が極端に低下してしまう重大な欠陥が
あり、またダブルスラグ法では中間排滓作業のた
めに能率が低下するとともに操作も面倒となるな
どの間題もあつた。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、脱燐用造滓材を増量させることなく、かつ製
出鋼歩留を低下させる等のダブルスラグ法の欠点
を招来することなく、ダブルスラグ法における脱
燐と同程度の脱燐を安定して実現し得るようにす
ることを目的とするものである。 すなわちこの発明の塩基性酸素転炉製鋼法にお
ける脱燐方法は、溶鋼の炭素濃度が特定の範囲内
に至つた段階で、鉄鉱石やスケール等の酸化鉄系
材料を従来の一般的な製鋼法よりも大量に一括的
に投入して脱燐を促進させることを特徴とするも
のである。より具体的には、この発明の脱燐方法
は、溶鋼の炭素濃度が3.0〜1.5%の範囲内に至つ
た段階で酸化鉄系材料を10Kg/t steel以上一
括的に投入することを特徴とするものである。 以下この発明の脱燐方法につき具体的に説明す
る。 この発明の脱燐方法は、LD転炉等、塩基性転
炉における通常の酸素吹錬製鋼過程において実施
するものであり、したがつて前述のような大量の
酸化鉄系材料の投入に関する条件以外は、公知の
方法と同様に設定して実施すれば良い。そしてこ
の発明では上述のような通常の吹錬過程で特に溶
鋼中の炭素濃度が3.0〜1.5%の範囲内の値に至つ
たときに、10Kg/t steel以上の大量の酸化鉄
系材料を一括的に投入することによつて脱燐が促
進されるのである。このように大量に投入される
酸化系材料としては、鉄鉱石、スケール、あるい
はこれらの混合物や、そのほか焼結鉱などがあ
る。ここで従来の通常の製鋼法においても鉄鉱石
やスケールを投入することが行なわれているが、
その場合吹錬中は鉄鉱石やスケールは1.5〜3
Kg/t steel程度の小量を分割して投入するの
が通常であり、また大量に一括投入する場合は鉄
鉱石やスケールは吹錬開始前に投入することが多
く、またその投入目的は主として鉄鉱石やスケー
ルの分解による吸熱を利用して溶鋼の冷却(出鋼
温度調整)を行うためである場合がほとんどであ
り、したがつてこの発明の方法とは異なるもので
ある。 前述のように炭素濃度が3.0〜1.5%となつた段
階で投入する10Kg/t steel以上の大量の酸化
鉄系材料は、その全量を一度に投入することが望
ましいが、場合によつては10Kg/t steel以上
の量を分割して複数回にわたり投入しても良い。
ただし後者の場合には溶鋼に対し10Kg/t
steel以上の量の酸化鉄系材料が同時的に作用す
るよう、投入間隔を置かずに投入することが望ま
しい。またもちろん10Kg/t steel以上の量の
酸化鉄系材料を2回以上投入しても良い。なお、
転炉の排風設備の関係から、大量の鉄鉱石やスケ
ールを吹錬中に一括的に投入することが困難とな
る場合が多く、その場合には炭素濃度が3.0〜1.5
%となつたときに一旦吹錬を中断し、その状態で
鉄鉱石やスケール等の酸化鉄系材料を10Kg/t
steel以上投入し、その後吹錬を再開すれば良
い。 第1図A〜Cおよび第2図A〜Cにこの発明の
方法を適用して製鋼した場合と、従来の通常の吹
錬により製鋼した場合および従来のダブルスラグ
法により製鋼した場合とについてそれぞれ複数回
実験操業を行つた結果を示す。第1図は吹止出鋼
時の燐濃度の分布を示すヒストグラム、第2図は
製出鋼歩留を示すヒストグラムであり、各図のA
はダブルスラグ法によつた場合、Bはこの発明の
方法に従つた場合、Cは通常の方法によつた場合
をそれぞれ示す。但し、各法とも初期燐濃度は
0.120%程度であり、また焼石灰原単位はいずれ
も65Kg/t steel、吹錬酸素量はいずれも47〜
55Nm3/t steel程度、最終吹止温度は1680℃±
10℃、吹止出鋼時の炭素濃度は0.05〜0.06%程度
である。なおこの発明に従つたBの場合、いずれ
も溶鋼中の炭素濃度が2.0%前後で吹錬を中断
し、10Kg/t steel〜25Kg/t steel程度の鉄
鉱石を一括投入した後、吹錬を再開した。またダ
ブルスラグ法の場合A、溶鋼中の炭素濃度が2.5
%附近、燐濃度が0.04%程度の段階で吹錬を中断
して中間排滓を行つた。第1図から明らかなよう
に、この発明の方法による場合にはダブルスラグ
法による場合と同様に0.010%以下まで安定して
脱燐することができ、しかも第2図から明らかな
ように製出鋼歩留はダブルスラグ法による場合よ
りも格段に良好で通常吹錬による場合とほぼ同様
となつている。 上述のように大量の鉄鉱石やスケール等の酸化
鉄系材料を溶鋼中の炭素濃度が3.0〜1.5%の範囲
内の段階で一括的に投入すれば、それらの酸化鉄
系材料の主成分であるFe2O3がFeOとO2とに分解
し、そのO2が溶鋼中のCと反応して一挙に大量
のCOガスを発生させる。その際に激しいボイリ
ングが生じてスラグ―メタル間の界面が激しく撹
拌され、これによつて燐のスラグ―メタル間分配
比がより平衡値に近付き、その結果溶鋼の脱燐が
促進されるものと解される。したがつて短時間に
大量のCOガスを発生させることが重要であり、
そのために酸化鉄系材料は一括して、あるいは実
質的に一括して、すなわち一括的に投入されなけ
ればならない。例えば操作上は一括でなくても、
2箇所の投入口から同時に投入すれば同様の効果
が期待される。ここで大量の酸化鉄系材料の投入
時期を溶鋼中の炭素濃度が3.0〜1.5%の範囲に至
つたときと限定している理由について述べれば、
通常の吹錬過程においてスラグの滓化が進行する
のは炭素濃度が3.0%以下となつた時点であつ
て、そら以前に大量の酸化鉄系材料を投入しても
脱燐が固体反応となるため脱燐促進の効果が得ら
れず、一方炭素濃度が1.5%未満となれば溶鋼中
のCが不足し、そのため酸化鉄系材料を大量に投
入しても充分な量のCOガスが発生せず、そのた
めボイリングによる充分なスラグ―メタル間の撹
拌がなされず、前記同様に脱燐促進の効果が得ら
れない。なお、鉄鉱石やスケール等の酸化鉄系材
料の一括的投入量が10Kg/t steel未満では、
ある程度の脱燐促進効果は認められるものの、最
終燐濃度を安定して0.010%以下とすることは困
難であり、10Kg/t steel以上となつてはじめ
て0.010%以下まで安定して脱燐でき、したがつ
て酸化鉄系材料の一括的投入量は10Kg/t
steel以上であることが必要である。このような
酸化鉄系材料の投入量と脱燐効果との関係を第3
図に示す。この第3図は、初期P濃度を0.120%
程度である場合に鉄鉱石の一括投入量を約3Kg/
t steelから約21Kg/t steelまで変化させて
実験操業を行つた場合の各投入量に対する吹止出
鋼時の燐濃度を示すものであり、この実験におけ
る諸条件、装入材料等については後述する実施例
に準じて実施した。 なおまた、前述のように大量の酸化鉄系材料を
投入することによつて溶鋼温度が低下することが
予想されるが、10Kg/t steel〜20Kg/t
steel程度であれば、従来から主として温度調整
の目的で吹錬初期に投入している鉄鉱石もしくは
スケールの投入量や、溶銑とともに配合するスク
ラツプや冷銑の配合量などを溶銑温度と関係して
調整することにより溶鋼温度の低下をカバーする
ことができ、また場合によつては前述のように大
量に投入する酸化鉄系材料を予熱しておいても良
い。 次にこの発明の方法の具体的な実施例を記す。 実施例 1320℃の溶銑95tonおよびスクラツプ5tonをLD
転炉に装入して、スケール1.2tonを前装入後酸素
吹錬を開始し、その直後に焼石灰4ton、ホタル石
0.3tonを投入するとともに鉄鉱石0.8tonを分割投
入した。その後溶鋼中の炭素濃度が2.01%となつ
た時点で吹錬を中断し、鉄鉱石を1.30ton一括投
入した。この時点までの吹錬酸素量は2500Nm3で
ありまた吹錬中断時の溶鋼温度は1530℃であつ
た。鉄鉱石投入後、吹錬を再開し、かつその直後
に焼石灰2tonを追加投入した。そして吹錬再開後
の酸素量1760Nm3で吹錬を終止した。吹止温度は
1685℃、吹止Cは0.05%であり、また出鋼温度は
1647℃であつた。使用した溶銑、スクラツプ、お
よび吹錬中断時の溶鋼、出鋼された溶鋼の各成分
分析値は次表の通りである。
【表】
表の結果から、最終的に燐濃度は0.010%以下
まで確実に低下していることが明らかである。 以上の説明で明らかなようにこの発明の脱燐方
法によれば、脱燐用造滓材をいたずらに増量させ
ることなく、ダブルスラグ法と同程度の脱燐、す
なわち0.010%程度以下まで製出鋼の燐濃度を低
下させることが安定して実現可能となり、その結
果低い原材料コストで低燐鋼を得ることができ、
かつダブルスラグ法の如く中間排滓による製出鋼
歩留の低下を招来するおそれがなく、さらには中
間排滓のための時間を要さないとともにそのため
の操作も不要となるため、ダブルスラグ法と比較
して高能率となるとともに操作も簡単となるな
ど、塩基性酸素製鋼法に適用して有益な各種の効
果を得ることができる。
まで確実に低下していることが明らかである。 以上の説明で明らかなようにこの発明の脱燐方
法によれば、脱燐用造滓材をいたずらに増量させ
ることなく、ダブルスラグ法と同程度の脱燐、す
なわち0.010%程度以下まで製出鋼の燐濃度を低
下させることが安定して実現可能となり、その結
果低い原材料コストで低燐鋼を得ることができ、
かつダブルスラグ法の如く中間排滓による製出鋼
歩留の低下を招来するおそれがなく、さらには中
間排滓のための時間を要さないとともにそのため
の操作も不要となるため、ダブルスラグ法と比較
して高能率となるとともに操作も簡単となるな
ど、塩基性酸素製鋼法に適用して有益な各種の効
果を得ることができる。
第1図A〜Cは従来のダブルスラグ法、この発
明の方法、および従来の通常吹錬法における脱燐
効果の実験結果を示すヒストグラム、第2図A〜
Cは上記3方法における製出鋼歩留の実験結果を
示すヒストグラム、第3図は酸化鉄系材料の投入
量と脱燐効果との相関関係を示すグラフである。
明の方法、および従来の通常吹錬法における脱燐
効果の実験結果を示すヒストグラム、第2図A〜
Cは上記3方法における製出鋼歩留の実験結果を
示すヒストグラム、第3図は酸化鉄系材料の投入
量と脱燐効果との相関関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 塩基性転炉を用いて酸素吹錬により製鋼する
過程において、溶鋼中の炭素濃度が3.0〜1.5%の
範囲内となつた段階で10Kg/t steel以上の酸
化鉄系材料を一括的に投入することを特徴とする
塩基性酸素転炉製鋼法における脱燐方法。 2 溶鋼中の炭素濃度が前記範囲となつた段階で
酸素吹錬を中断し、その状態で前記量の酸化鉄系
材料を一括的に投入し、しかる後酸素吹錬を再開
する特許請求の範囲第1項記載の塩基性酸素転炉
製鋼法における脱燐方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10797180A JPS5732315A (en) | 1980-08-06 | 1980-08-06 | Method for dephosphorization in basic oxygen converter steel making method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10797180A JPS5732315A (en) | 1980-08-06 | 1980-08-06 | Method for dephosphorization in basic oxygen converter steel making method |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5732315A JPS5732315A (en) | 1982-02-22 |
JPS6149363B2 true JPS6149363B2 (ja) | 1986-10-29 |
Family
ID=14472702
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10797180A Granted JPS5732315A (en) | 1980-08-06 | 1980-08-06 | Method for dephosphorization in basic oxygen converter steel making method |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5732315A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62205209A (ja) * | 1986-03-04 | 1987-09-09 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 転炉精錬方法 |
DE3866373D1 (de) * | 1987-02-17 | 1992-01-09 | Ube Industries | Verfahren zur herstellung eines alkalisalzes von 2-hydroxymethylen-3,3-dialkoxypropannitril und verfahren zur gewinnung eines diese substanz enthaltenden alkoholischen schlammes aus deren synthetischem reaktionsgemisch. |
US5897684A (en) * | 1997-04-17 | 1999-04-27 | Ltv Steel Company, Inc. | Basic oxygen process with iron oxide pellet addition |
-
1980
- 1980-08-06 JP JP10797180A patent/JPS5732315A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5732315A (en) | 1982-02-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6149363B2 (ja) | ||
JP3460595B2 (ja) | 極低硫鋼の溶製方法 | |
JPS59211519A (ja) | 低p含クロム鋼の製造法 | |
US4525209A (en) | Process for producing low P chromium-containing steel | |
JPH08104911A (ja) | 含燐鋼の溶製方法 | |
JPH0124855B2 (ja) | ||
JP4411934B2 (ja) | 低燐溶銑の製造方法 | |
JPS61276913A (ja) | 含燐銑鉄の精錬方法 | |
JPH0477046B2 (ja) | ||
US4065297A (en) | Process for dephosphorizing molten pig iron | |
JP3194212B2 (ja) | 転炉製鋼法 | |
JPH0762414A (ja) | 転炉製鋼法 | |
KR100264996B1 (ko) | 탈린용선을 이용한 전로 정련조업방법 | |
JPH089730B2 (ja) | 含クロム溶鋼の脱炭精錬法 | |
JP2003105421A (ja) | 溶鉄の脱バナジウム方法 | |
JPH111714A (ja) | 製鋼方法 | |
JPH01312020A (ja) | 溶銑の昇温脱燐法 | |
CN116377160A (zh) | 一种转炉冶炼低碳钢的炉渣控制方法 | |
JP2755027B2 (ja) | 製鋼方法 | |
US652226A (en) | Manufacture of open-hearth steel. | |
JPH0379712A (ja) | 転炉精錬方法 | |
US663701A (en) | Manufacture of open-hearth steel. | |
JPS6140005B2 (ja) | ||
JPH01142014A (ja) | 転炉造滓剤製造方法 | |
JP2009228101A (ja) | 溶銑予備処理方法 |