JPS6149006B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ストリツプに繰返し引張り塑性曲
げを与えて、その形状を矯正するテンシヨンレベ
リング設備に関する。

一般に、テンシヨンレベラは、第１図に示すよ
うにストリツプ１に張力を付加する入、出側ブラ
イドルロール装置２，２′と、その間に配設され
た小径のワークロール３により、繰返し曲げを与
えて形状矯正を行なうレベリング装置４によつて
構成されている。

而して矯正されるストリツプは、圧延工程、熱
処理工程等により板巾方向で降伏点分布が異なる
場合がある。その代表的な例としては、第２図の
如く板巾両端で降伏点の低いいわゆるエツジリム
層を形成しているのが通常である。

従来、このエツジリム層を有するストリツプの
矯正に際しては、第３図に示すようにワークロー
ル３に、ベンデイグ力Pbを負荷し、降伏点分布
に応じた曲げ曲率を与えるか、あるいは、第４図
に示すように、板巾仕様に応じロール端部をテー
パ状に形成したテーパロール５を使用して前記同
様の曲率変化を与える等の手段が講じられてい
た。しかしながらこれらの方法によると、前者
は、ベンデイング機構をレベリング装置内に組込
まねばならず、装置が複雑化する問題があり、後
者は、各板巾、降伏点分布に応じたテーパロール
を準備せねばならず、しかもストリツプの仕様の
変化毎にレベリング装置内で作業するため、時間
的にもあるいは安全管理上にも問題がある。

この発明は、上記した従来の問題点を除去する
ことを目的とするものであつて、その要旨はもう
一つの矯正因子であるストリツプへの張力に着目
し、板巾方向の張力分布を変化させることによ
り、機械的性質が板巾方向で異なるストリツプの
矯正を容易に実施することのできるテンシヨンレ
ベリング設備を提供することにある。

以下第５図に示した実施例について説明する。

本発明によるテンシヨンレベリング設備は、従
来設備の外に、レベリング装置４と出側ブライド
ルロール装置２′との間に、板巾方向に張力を与
える張力分布制御装置６を配設した点に重要性が
ある。

この張力分布制御装置６は、ワークロール３よ
りも大径につくられた２本のロール６ａ，６ｂに
よつて構成され、いずれも片端をテーパ状に形成
してロール面との間に境界ができぬように滑らか
な曲面加工が施こしてある。そしてそのテーパ面
の向きが互に異なるようにストリツプ１を挾んで
前後に位置をずらせて相対的に配設されている。
この２本の張力分布制御ロール６ａ，６ｂは第６
図に示す如く、その両軸端をスライド９に保持さ
れたシリンダ７によつて支持され、シリンダ７の
作動により該制御ロールを自在に上下しうるよう
になつており、またスライド９はこれに連結され
たシリンダ８により夫々の制御ロール６ａ，６ｂ
を板巾方向に自在に移動調整しうるように構成さ
れている。

張力分布制御装置６の配設位置は上記に限定さ
れるものではなく、テンシヨンレベラ４の入側に
設けてもよいし、あるいはレベリング装置４の前
後に配設してもよい。

以上の通り構成されているから、本発明による
テンシヨンレベリング設備を使用してエツジリム
層を有するストリツプを矯正するには、入側及び
出側ブライドルロール装置２，２′により張力を
付加されたストリツプ１が、その移動によつてレ
ベリング装置４を通過する際の繰返し引張り、塑
性曲げにより形状矯正が行なわれるが、この時張
力分布制御装置６においては、シリンダ７の作動
により張力分布制御ロール６ａ，６ｂをストリツ
プ１に押圧している。このためストリツプには張
力分布制御ロール６ａ，６ｂの形状に沿つた張力
が付加されることになり、第２図に示した降伏点
分布に対応した張力分布をつくり出すことができ
る。

また板巾の変更や、降伏分布の変化がある場合
は、シリンダ８を作動してスライド９を板巾方向
に移動させることにより、張力分布を任意に変化
させることもできる。そしてこれらの操作は、別
途装置された形状検出装置からの指令信号により
自動的に行なわせることも可能である。

以上詳述したように本発明は極めて簡単な手段
により、エツジリム層を有するストリツプにレベ
ラ外から板巾、板厚、降伏点分布に対応した張力
分布を付加するようにしたため、レベリング装置
でのストリツプの矯正を容易ならしめ、これまで
のように、ロールベンデイング装置またはテーパ
ロールの準備や、さらにレベラ内での該テーパロ
ール交換等の必要もなく、省力化、作業性の向上
等に極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置のテンシヨンレベリング装置
の概念図、第２図はストリツプの板巾方向に対す
る降伏点分布曲線図、第３図はロールベンデイン
グ装置の概念図、第４図は従来のテーパロール概
念図、第５図は本発明によるテンシヨンレベリン
グ設備の概念図、第６図は張力分布制御装置の斜
視図である。 １……ストリツプ、２，２′……ブライドロー
ル、３……ワークロール、４……レベリング装
置、５……テーパロール、６……張力分布制御装
置、７，８……シリンダ、９……スライド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 入側もしくは出側ブライドルロールと、レベ
   リング装置の入側もしくは出側との間の少なくと
   も１方側に、ストリツプを挾んで前後に位置をず
   らせて相対し、テーパ状の小径部がストリツプの
   中心に対して相互に反対側に位置された一対のロ
   ールを上下ならびに板巾方向に移動調整可能に構
   成した張力分布制御装置を配設し、ストリツプに
   該制御装置を通過する際の押圧作動により、板巾
   方向の降伏点張力分布に対応した張力分布を付加
   するようにしたことを特徴とするテンシヨンレベ
   リング設備。