JPS6142859Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、従来使捨て式であつたマーキングペ
ンをインク補充が容易なように改良することを目
的としたものである。

従来から、マーキングペンのインクを補充でき
るようにした考案はいくつか開示されてきたが、
実用上の諸問題を解決し得るような配慮がなされ
ていなかつた。

たとえば従来の提案では、尾栓に吸蔵体が直接
一体的に取り付けられていたため、軸筒から吸蔵
体を取り出す際に、尾栓を左右にこじ開けるよう
な動きが吸蔵体に伝わつて、吸蔵体と尾栓が外れ
てしまつたり、吸蔵体からインクが絞り出されて
しまつたり、インクを吸い上げる際に吸蔵体中の
空気の逃げ場が不充分なために吸蔵体中の残存空
気がインクのスムーズな吸い上げを防止して、非
常に長時間を要するか、あるいは吸蔵体の途中ま
でしか吸い上がらないという欠陥があつた。

本考案はこれらの欠点を完全に、しかも極めて
安価に改良したもので、以下図面に従つてその構
造を詳述する。

先細状に形成した軸筒１の先端部斜面に通気孔
２を設け、軸筒先端開口部には毛細多孔質のペン
先３を装着し、軸筒他端には尾栓４、を取り外し
可能に嵌合し、軸筒内にはインクを含浸させた毛
細多孔質の吸蔵体５を挿入して、前記ペン先とイ
ンク吸蔵体を連携させて吸蔵体からペン先にイン
クを供給する、いわゆるマーキングペンにおい
て、インク吸蔵体の外周全面は柔軟な皮膜６で被
覆されており、インク吸蔵体の後端部には硬質の
合成樹脂、または金属等よりなる、保持具７を嵌
入固着する。

保持具の先端には、吸蔵体外周皮膜との掛け止
め部７０１を設けると共にその先端部は吸蔵体中
に少ない抵抗で挿入出来るような先細部７０２を
設ける。

更に保持具の後端は指で取り出しやすいように
保持部７０３を設けて吸蔵体端部より突出させて
おく。

また、インク吸い上げ時に、吸蔵体中に残存す
る空気がインクの吸い上げを妨げないように、保
持具の掛け止め部の断面は吸蔵体の断面とは異形
状となし、場合によつては第４図に示すような異
形の一例として通気溝７０４を設けてもよい。

保持具は尾栓または後軸とは別体に形成すると
共に、尾栓取り外し時に、軸筒後端面から保持部
７０３が一部突出するよう設けて、指で容易につ
まんで引き抜けるようになつている。

また、軸筒と嵌合している尾栓を取り外す際
に、尾栓をこじる動きが、そのまま保持具に伝わ
つて保持具と吸蔵体が離脱しないよう、吸蔵体後
端部より突出している保持部と尾栓の内面との間
には充分な隙間８を設けてある。

本考案は、このように構成したから、インク補
充のために尾栓をこじ開けても、その動きが伝わ
つて保持具と尾栓とが離れたり、尾栓のこじ開け
の際にインクを絞り出したりする恐れはなく。ま
た、吸蔵体を軸筒から取り出す際にも吸蔵体に係
止されている保持具の保持部が軸筒から突出して
いるので、手指を汚す恐れがなく、しかも吸蔵体
と保持具はしつかり食い込んで係止されているの
でインクを充分吸い込ませて重くなつても、吸蔵
体が保持具から抜け落ちて、汚染する恐れがな
い。更に吸蔵体の端面が保持具の掛止め部によつ
て密閉されないよう、断面が異形の関係になつて
いるのでインクの補充がスムーズに短時間で出来
るという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のマーキングペンの縦断面
図、第２図、第３図、第４図は保持具７の各実施
例の斜視図である。 図中、１……軸筒、２……通気孔、３……ペン
先、４……尾栓、５……インク吸蔵体、６……皮
膜、７……保持具、８……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 図面に示すように、先細状に形成した軸筒先端
   開口部に、毛細多孔質のペン先を装着し、軸筒他
   端には尾栓を取り外し可能に嵌合し、軸筒内には
   インクを含浸させた毛細多孔質の吸蔵体を挿入し
   て、前記ペン先とインク吸蔵体を連携させて吸蔵
   体からペン先にインクを供給する、いわゆるマー
   キングペンにおいて、前記インク吸蔵体の外周皮
   膜の内径よりやや大径でインク吸蔵体断面とは異
   形の断面からなる掛止め部７０１を有する金属ま
   たは硬質合成樹脂製の保持具７を、保持部７０３
   を残して先細部７０２から掛止め部７０１を吸蔵
   体中に押圧挿入して前記掛止め部を吸蔵体外周の
   皮膜に食い込ませ、軸筒から突出している前記保
   持部と尾栓４の内壁との間に充分な隙間８を設け
   たことを特徴とするインク補充式筆記具。