JPS6142780B2 - - Google Patents
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- JPS6142780B2 JPS6142780B2 JP14941982A JP14941982A JPS6142780B2 JP S6142780 B2 JPS6142780 B2 JP S6142780B2 JP 14941982 A JP14941982 A JP 14941982A JP 14941982 A JP14941982 A JP 14941982A JP S6142780 B2 JPS6142780 B2 JP S6142780B2
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Description
本発明は、耐熱鋳鋼に関し、特に高温クリープ
破断強度、耐熱衝撃性および耐浸炭性等を改善し
たものである。 石油化学工業におけるエチレンクラツキングチ
ユーブ材、リフオーマチユーブ材としては、従来
ASTM HK40材、HP材に代表されるCr―Ni―Fe
系耐熱鋳鋼が使用され、またその高温特性改良材
として、Hp材にNbおよびWを含有させたCr―Ni
―Nb―W―Fe系耐熱鋳鋼が開発され実用に供さ
れている。しかしながら、操業条件の苛酷化に対
処するために、高温特性、とりわけ高温クリープ
破断強度、耐熱衝撃特性、耐浸炭性等の一そうの
改善が要請されている。 本発明者等はこの要請に応えるために、Cr―
Ni―Nb―W―Fe系耐熱鋳鋼について、高温特性
に対する各種合金元素の影響に関する詳細な研究
を重ねた結果、N、Ti、Al、BおよびCuの各元
素の特定量の複合添加によつて、1000℃をこえる
高温域でのクリープ破断強度、耐熱衝撃性、耐浸
炭性等を著しく高め得ることを見出し、本発明を
完成するに到つた。 本発明は、C0.3〜0.6%、(重量%、以下同
じ)、Si2.0%以下、Mn2.0%以下、Cr20〜30%、
Ni30〜40%、Nb0.3〜1.5%、W0.5〜3.0%、
N0.04〜0.15%、Ti0.04〜0.5%、Al0.02〜0.5%、
B0.0002〜0.004%、Cu3.0%以下、残部実質的に
Feからなる耐熱鋳鋼を提供する。 以下、本発明の成分限定理由について詳しく説
明する。 C:0.3〜0.6% Cは鋳造の鋳造性を改善するほか、後記Nbと
結合して一次炭化物を形成し、クリープ破断強度
を高める。このために少くとも0.3%を必要とす
る。C量の増加とともにその効果も大きくなる
が、多量に含有すると二次炭化物の過剰析出によ
り使用後の靭性低下が著しく、また溶接性も悪化
するので0.6%を上限とする。 Si:2.0%以下 Siは溶湯の脱酸元素であり、かつ鋳造性を高め
るほか、耐浸炭性改善効果を有する。しかし、多
量に含有すると溶接性を損うので、2.0%以下と
する。 Mn:2.0%以下 Mnは溶湯の脱酸、並びに鋼中の不純物元素S
を固定・無害化する作用を果すが、多量の含有
は、耐酸化性の低下を招くので、2.0%を上限と
する。 Cr:20〜30% Crは後記Niと共存して鋳造組織をオーステナ
イト組織とし、高温強度や耐酸化性を高める。特
に、1000℃以上の高温域で高強度、高耐酸化性を
保持するためには、少くとも20%以上であること
を要する。この効果は含有量の増加とともに大き
くなるが、あまり多く含むと、使用後の靭性が低
下するので、30%を上限とする。 Ni:30〜40% Niは上記のようにCrとの共存下にオーステナ
イト組織を形成し、組織的安定性を高めるととも
に、耐酸化性および高温強度の確保に有効な元素
である。1000℃以上の高温域での耐酸化性や強度
をすぐれたものとするには、30%以上の含有を要
する。これらの高温特性は含有量の増加に従つて
向上するが、40%をこえると、効果はほぼ飽和
し、それ以上の含有は経済的に不利である。従つ
て、40%を上限とする。 Nb:0.3〜1.5% Nbはクリープ破断強度および耐浸炭性を高め
る。このためには0.3%以上の含有を要するが、
あまり多くなると、かえつてクリープ破断強度が
低下するので、1.5%を上限とする。なお、Nbは
通常これと同効元素であるTaを随伴するので、
その場合は、Taとの合計の含有量が0.3〜1.5%で
あればよい。 W:0.5〜3.0% Wは前記Nbとの組合せにより高温強度を高め
る効果を有する。そのために、0.5%以上を要す
るが、あまり多くなると耐酸化性が悪くなるの
で、上限を3.0%とする。 本発明鋳鋼は上記諸元素とともに、N、Ti、
Al、BおよびCuを複合的に含有する点に最大の
特徴を有する。TiはC、Nと結合して炭化物、
窒化物、炭窒化物を形成し、BおよびAlはこれ
らの化合物を微細に分散析出させて結晶粒界を強
化し、耐粒界割れ性を高めることにより、高温ク
リープ破断強度、高温熱衝撃特性、長時間クリー
プ破断強度等の顕著な向上をもたらす。また、
TiはAlとの相乗効果として耐浸炭性を著しく高
め、更にCuはTiおよびAlとの相乗効果により耐
熱衝撃性を大幅に改善する。 N:0.04〜0.15% Nは固溶窒素の形態でオーステナイト相を安定
化および強化する一方、Ti等の窒化物、炭窒化
物の形成にも関与する。この化合物が前記のよう
にAl、Bとの共存下に微細に分散析出して結晶
粒を微細化し、粗成長を阻止することによつてク
リープ破断強度や耐熱衝撃性が高められる。この
効果を確保するために、少くとも0.04%の含有を
要するが、多量になると前記化合物の過剰析出、
粗大化が生じ、却つて耐熱衝撃性が悪くなるの
で、0.15%を上限とする。 Ti:0.04〜0.5% Tiは窒化物等を形成し上記のように高温強
度、耐熱衝撃性を高めるほか、Alとの共存下に
耐浸炭性を強化する。これらの効果を十分なもの
とするために少くとも0.04%を要する。含有量の
増加にともなつてその効果も増すが、あまり多く
なると、析出物の粗大化、酸化物系介在物の増加
により、かえつて強度が低下する。よつて、0.5
%を上限とし、特に強度を重視する場合は、0.15
%以下とするのが好ましい。 Al:0.02〜0.5% Alはクリープ破断強度の改善効果のほかに、
Tiとの共存により耐浸炭性の向上に著効を発揮
する。クリープ破断強度の改善を重視する場合
は、その含有量は0.02〜0.07%が好ましい。ま
た、特に耐浸炭性強化を重視するときには、0.07
%をこえる量とするのが好ましく、含有量の増加
につれ耐浸炭性の向上をみる。しかし、その一方
で強度低下の傾向を伴うので、0.5〜を上限とす
る。なお、TiおよびAl含有材を浸炭試験後、X
線マイクロアナライザー(EPMA)に付すと、試
験片の表層部にAlリツチ層が認められる。この
Alリツチ層が強力な浸炭防止効果を発揮するの
である。 B:0.0002〜0.004% Bは結晶粒界の強化のほか、前記Ti化合物の
微細析出と、析出後の凝集粗大化遅延効果により
クリープ破断強度向上に寄与する。このための含
有量は0.0002%以上を要するが、あまり増量する
と強度向上が緩慢になるばかりか、溶接性が悪く
なるので、0.004%を上限とする。 Cu:3.0%以下 CuはTi、Alとの共存下に耐熱衝撃性の改善に
著効を有する。この効果は含有量の増加につれて
増大するが、3.0%をこえると、耐熱衝撃性向上
の度合いが緩慢となるほか、溶接性の低下を伴う
ので、3.0%以下とする。また、Cuは耐浸炭性を
高める効果を有する。これらの効果を十分に発揮
させるための好ましい含有量は0.2〜3.0%、更に
好ましくは0.5〜3.0%である。 P、S、その他不可避的に混入する不純物は、
むろん可及的に少いことが望ましいが、この種の
鋼に通常許容される範囲内であれば何らさしつか
えない。 次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例 高周波溶解炉(大気中)にて溶製した鋳鋼を遠
心鋳造に付し、第1表に示す成分組成の鋳鋼管
(外径136mm×肉厚20mm×長さ500mm)を得、それ
ぞれから試験片を調製し、クリープ配断試験、耐
熱衝撃性試験および耐浸炭性試験を行つた。試験
結果を第2表に示す。 試番1〜6は比較例、101〜107は本発明例であ
る。比較例のうち、No.1はNb、Wを含む従来の
HP改良材(N、Ti、Al、B、Cuのいずれも含ま
ない)、No.2〜5はN、Ti、Al、Bを含むが、Cu
が本発明の規定から逸脱する例、No.6は所要量の
Cuを含むが、Ti、Alの含有量が不足する例であ
る。 各試験条件は次のとおりである。 〔〕 クリープ破断試験 JIS Z 2272の規定による。ただし、(A)温度
1093℃・荷重1.9Kgf/mm2、および(B)温度850℃・
荷重7.3Kgf/mm2の2通りの条件で行い、その破
断時間(Hr)を測定。 〔〕 耐熱衝撃性試験 第1図に示す形状・寸法の試片(肉厚8mm)を
温度900℃に加熱保持(保持時間30分)したのち
水冷する加熱・冷却操作を繰返す。その操作を10
回反復するごとに、試片に発生したクラツクの長
さを測定する。耐熱衝撃性は、クラツク長さが5
mmに達したときの繰返し回数で評価した。第2表
中、「耐熱衝撃性」欄の数値はその回数であり、
回数の多い程、耐熱衝撃性がすぐれる。 〔〕 耐浸炭性試験 試片(直径12mm×長さ60mm)を固体浸炭剤(デ
グサKG30,BaCO3の含有)中、温度1300℃で300
時間保持したのち、試片の表面から深さ1mmまで
の層、および1〜2mmの層のそれぞれから切粉を
採取し、C量分析により、増加C量(wt%)を
求めた。第2表中、「耐浸炭性」欄はその増加C
量を示す。C量増加の少い程、耐浸炭性がすぐれ
る。
破断強度、耐熱衝撃性および耐浸炭性等を改善し
たものである。 石油化学工業におけるエチレンクラツキングチ
ユーブ材、リフオーマチユーブ材としては、従来
ASTM HK40材、HP材に代表されるCr―Ni―Fe
系耐熱鋳鋼が使用され、またその高温特性改良材
として、Hp材にNbおよびWを含有させたCr―Ni
―Nb―W―Fe系耐熱鋳鋼が開発され実用に供さ
れている。しかしながら、操業条件の苛酷化に対
処するために、高温特性、とりわけ高温クリープ
破断強度、耐熱衝撃特性、耐浸炭性等の一そうの
改善が要請されている。 本発明者等はこの要請に応えるために、Cr―
Ni―Nb―W―Fe系耐熱鋳鋼について、高温特性
に対する各種合金元素の影響に関する詳細な研究
を重ねた結果、N、Ti、Al、BおよびCuの各元
素の特定量の複合添加によつて、1000℃をこえる
高温域でのクリープ破断強度、耐熱衝撃性、耐浸
炭性等を著しく高め得ることを見出し、本発明を
完成するに到つた。 本発明は、C0.3〜0.6%、(重量%、以下同
じ)、Si2.0%以下、Mn2.0%以下、Cr20〜30%、
Ni30〜40%、Nb0.3〜1.5%、W0.5〜3.0%、
N0.04〜0.15%、Ti0.04〜0.5%、Al0.02〜0.5%、
B0.0002〜0.004%、Cu3.0%以下、残部実質的に
Feからなる耐熱鋳鋼を提供する。 以下、本発明の成分限定理由について詳しく説
明する。 C:0.3〜0.6% Cは鋳造の鋳造性を改善するほか、後記Nbと
結合して一次炭化物を形成し、クリープ破断強度
を高める。このために少くとも0.3%を必要とす
る。C量の増加とともにその効果も大きくなる
が、多量に含有すると二次炭化物の過剰析出によ
り使用後の靭性低下が著しく、また溶接性も悪化
するので0.6%を上限とする。 Si:2.0%以下 Siは溶湯の脱酸元素であり、かつ鋳造性を高め
るほか、耐浸炭性改善効果を有する。しかし、多
量に含有すると溶接性を損うので、2.0%以下と
する。 Mn:2.0%以下 Mnは溶湯の脱酸、並びに鋼中の不純物元素S
を固定・無害化する作用を果すが、多量の含有
は、耐酸化性の低下を招くので、2.0%を上限と
する。 Cr:20〜30% Crは後記Niと共存して鋳造組織をオーステナ
イト組織とし、高温強度や耐酸化性を高める。特
に、1000℃以上の高温域で高強度、高耐酸化性を
保持するためには、少くとも20%以上であること
を要する。この効果は含有量の増加とともに大き
くなるが、あまり多く含むと、使用後の靭性が低
下するので、30%を上限とする。 Ni:30〜40% Niは上記のようにCrとの共存下にオーステナ
イト組織を形成し、組織的安定性を高めるととも
に、耐酸化性および高温強度の確保に有効な元素
である。1000℃以上の高温域での耐酸化性や強度
をすぐれたものとするには、30%以上の含有を要
する。これらの高温特性は含有量の増加に従つて
向上するが、40%をこえると、効果はほぼ飽和
し、それ以上の含有は経済的に不利である。従つ
て、40%を上限とする。 Nb:0.3〜1.5% Nbはクリープ破断強度および耐浸炭性を高め
る。このためには0.3%以上の含有を要するが、
あまり多くなると、かえつてクリープ破断強度が
低下するので、1.5%を上限とする。なお、Nbは
通常これと同効元素であるTaを随伴するので、
その場合は、Taとの合計の含有量が0.3〜1.5%で
あればよい。 W:0.5〜3.0% Wは前記Nbとの組合せにより高温強度を高め
る効果を有する。そのために、0.5%以上を要す
るが、あまり多くなると耐酸化性が悪くなるの
で、上限を3.0%とする。 本発明鋳鋼は上記諸元素とともに、N、Ti、
Al、BおよびCuを複合的に含有する点に最大の
特徴を有する。TiはC、Nと結合して炭化物、
窒化物、炭窒化物を形成し、BおよびAlはこれ
らの化合物を微細に分散析出させて結晶粒界を強
化し、耐粒界割れ性を高めることにより、高温ク
リープ破断強度、高温熱衝撃特性、長時間クリー
プ破断強度等の顕著な向上をもたらす。また、
TiはAlとの相乗効果として耐浸炭性を著しく高
め、更にCuはTiおよびAlとの相乗効果により耐
熱衝撃性を大幅に改善する。 N:0.04〜0.15% Nは固溶窒素の形態でオーステナイト相を安定
化および強化する一方、Ti等の窒化物、炭窒化
物の形成にも関与する。この化合物が前記のよう
にAl、Bとの共存下に微細に分散析出して結晶
粒を微細化し、粗成長を阻止することによつてク
リープ破断強度や耐熱衝撃性が高められる。この
効果を確保するために、少くとも0.04%の含有を
要するが、多量になると前記化合物の過剰析出、
粗大化が生じ、却つて耐熱衝撃性が悪くなるの
で、0.15%を上限とする。 Ti:0.04〜0.5% Tiは窒化物等を形成し上記のように高温強
度、耐熱衝撃性を高めるほか、Alとの共存下に
耐浸炭性を強化する。これらの効果を十分なもの
とするために少くとも0.04%を要する。含有量の
増加にともなつてその効果も増すが、あまり多く
なると、析出物の粗大化、酸化物系介在物の増加
により、かえつて強度が低下する。よつて、0.5
%を上限とし、特に強度を重視する場合は、0.15
%以下とするのが好ましい。 Al:0.02〜0.5% Alはクリープ破断強度の改善効果のほかに、
Tiとの共存により耐浸炭性の向上に著効を発揮
する。クリープ破断強度の改善を重視する場合
は、その含有量は0.02〜0.07%が好ましい。ま
た、特に耐浸炭性強化を重視するときには、0.07
%をこえる量とするのが好ましく、含有量の増加
につれ耐浸炭性の向上をみる。しかし、その一方
で強度低下の傾向を伴うので、0.5〜を上限とす
る。なお、TiおよびAl含有材を浸炭試験後、X
線マイクロアナライザー(EPMA)に付すと、試
験片の表層部にAlリツチ層が認められる。この
Alリツチ層が強力な浸炭防止効果を発揮するの
である。 B:0.0002〜0.004% Bは結晶粒界の強化のほか、前記Ti化合物の
微細析出と、析出後の凝集粗大化遅延効果により
クリープ破断強度向上に寄与する。このための含
有量は0.0002%以上を要するが、あまり増量する
と強度向上が緩慢になるばかりか、溶接性が悪く
なるので、0.004%を上限とする。 Cu:3.0%以下 CuはTi、Alとの共存下に耐熱衝撃性の改善に
著効を有する。この効果は含有量の増加につれて
増大するが、3.0%をこえると、耐熱衝撃性向上
の度合いが緩慢となるほか、溶接性の低下を伴う
ので、3.0%以下とする。また、Cuは耐浸炭性を
高める効果を有する。これらの効果を十分に発揮
させるための好ましい含有量は0.2〜3.0%、更に
好ましくは0.5〜3.0%である。 P、S、その他不可避的に混入する不純物は、
むろん可及的に少いことが望ましいが、この種の
鋼に通常許容される範囲内であれば何らさしつか
えない。 次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例 高周波溶解炉(大気中)にて溶製した鋳鋼を遠
心鋳造に付し、第1表に示す成分組成の鋳鋼管
(外径136mm×肉厚20mm×長さ500mm)を得、それ
ぞれから試験片を調製し、クリープ配断試験、耐
熱衝撃性試験および耐浸炭性試験を行つた。試験
結果を第2表に示す。 試番1〜6は比較例、101〜107は本発明例であ
る。比較例のうち、No.1はNb、Wを含む従来の
HP改良材(N、Ti、Al、B、Cuのいずれも含ま
ない)、No.2〜5はN、Ti、Al、Bを含むが、Cu
が本発明の規定から逸脱する例、No.6は所要量の
Cuを含むが、Ti、Alの含有量が不足する例であ
る。 各試験条件は次のとおりである。 〔〕 クリープ破断試験 JIS Z 2272の規定による。ただし、(A)温度
1093℃・荷重1.9Kgf/mm2、および(B)温度850℃・
荷重7.3Kgf/mm2の2通りの条件で行い、その破
断時間(Hr)を測定。 〔〕 耐熱衝撃性試験 第1図に示す形状・寸法の試片(肉厚8mm)を
温度900℃に加熱保持(保持時間30分)したのち
水冷する加熱・冷却操作を繰返す。その操作を10
回反復するごとに、試片に発生したクラツクの長
さを測定する。耐熱衝撃性は、クラツク長さが5
mmに達したときの繰返し回数で評価した。第2表
中、「耐熱衝撃性」欄の数値はその回数であり、
回数の多い程、耐熱衝撃性がすぐれる。 〔〕 耐浸炭性試験 試片(直径12mm×長さ60mm)を固体浸炭剤(デ
グサKG30,BaCO3の含有)中、温度1300℃で300
時間保持したのち、試片の表面から深さ1mmまで
の層、および1〜2mmの層のそれぞれから切粉を
採取し、C量分析により、増加C量(wt%)を
求めた。第2表中、「耐浸炭性」欄はその増加C
量を示す。C量増加の少い程、耐浸炭性がすぐれ
る。
【表】
【表】
【表】
上記試験結果から明らかなように、本発明材
(No.101〜107)は、高温クリープ破断強度、耐熱
衝撃性および耐浸炭性のいずれも、従来のHP改
良材(No.1)をはるかに凌ぐ良好な高温特性を有
している。また、その他の比較例(No.2〜6)
は、従来材No.1にくらべて好結果を示すが、各特
性の総合的評価においていずれも本発明材には及
ばない。なお、溶接試験において、過剰のCuを
含む供試材No.4,5は溶接不良が認められたが、
本発明材は良好な溶接性を有し、溶接構造材とし
て何ら問題はない。 以上のように、本発明の耐熱鋳鋼は、従来の
Nb、W含有HP材等に比し、高温特性、とりわけ
高温クリープ破断強度、耐熱衝撃性、耐浸炭性等
にすぐれているので、石油化学工業におけるエチ
レンクラツキングチユーブ、リフオーマチユーブ
等として、苛酷な使用条件によく耐え、そのほか
各種鉄鋼関連設備部材、例えばハースロール、ラ
ジアントチユーブ材等、1000℃をこえる高温用途
において従来材にまさる安定性、耐久性を保証す
るものである。
(No.101〜107)は、高温クリープ破断強度、耐熱
衝撃性および耐浸炭性のいずれも、従来のHP改
良材(No.1)をはるかに凌ぐ良好な高温特性を有
している。また、その他の比較例(No.2〜6)
は、従来材No.1にくらべて好結果を示すが、各特
性の総合的評価においていずれも本発明材には及
ばない。なお、溶接試験において、過剰のCuを
含む供試材No.4,5は溶接不良が認められたが、
本発明材は良好な溶接性を有し、溶接構造材とし
て何ら問題はない。 以上のように、本発明の耐熱鋳鋼は、従来の
Nb、W含有HP材等に比し、高温特性、とりわけ
高温クリープ破断強度、耐熱衝撃性、耐浸炭性等
にすぐれているので、石油化学工業におけるエチ
レンクラツキングチユーブ、リフオーマチユーブ
等として、苛酷な使用条件によく耐え、そのほか
各種鉄鋼関連設備部材、例えばハースロール、ラ
ジアントチユーブ材等、1000℃をこえる高温用途
において従来材にまさる安定性、耐久性を保証す
るものである。
第1図は実施例での耐熱衝撃性試験片の形状寸
法説明図である。
法説明図である。
Claims (1)
- 1 C0.3〜0.6%、Si2.0%以下、Mn2.0%以下、
Cr20〜30%、Ni30〜40%、Nb0.3〜1.5%、W0.5
〜3.0%、N0.04〜0.15%、Ti0.04〜0.5%、Al0.02
〜0.5%、B0.0002〜0.004%、Cu3.0%以下、残部
実質的にFeからなる耐熱鋳鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14941982A JPS5938364A (ja) | 1982-08-28 | 1982-08-28 | 耐熱鋳鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14941982A JPS5938364A (ja) | 1982-08-28 | 1982-08-28 | 耐熱鋳鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5938364A JPS5938364A (ja) | 1984-03-02 |
JPS6142780B2 true JPS6142780B2 (ja) | 1986-09-24 |
Family
ID=15474696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14941982A Granted JPS5938364A (ja) | 1982-08-28 | 1982-08-28 | 耐熱鋳鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5938364A (ja) |
-
1982
- 1982-08-28 JP JP14941982A patent/JPS5938364A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5938364A (ja) | 1984-03-02 |
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