JPS6142686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、揺動運動型の治具装置等における治
具その他のアタツチメントの着脱装置に関する。
従来この種装置においては、前後に揺動自在の治
具装置その他の機体に備えるブラケツトに、治具
その他のアタツチメントをこれに突設した前後方
向に長手の係合ピンにおいて挿通係止させ、該ア
タツチメントの着脱時、これを受具に保持させた
状態で該機体を後方の退去位置に揺動させて該ピ
ンと該ブラケツトとを離脱させるを一般とする
が、この場合該ブラケツトは該機体の揺動に伴い
その揺動支点を中心とする円運動を生ずるもの
で、該ピンの方向と該ブラケツトの移動方向とが
完全に合致せず、該ピンとのこじり合いを生じ
て、離脱が円滑に行われない不都合を伴う。

本考案は、かかる不都合を解消した装置を提供
することをその目的とするもので、前後に揺動自
在の機体１に備えるブラケツト２に、治具その他
のアタツチメント３をそれに突設する前後方向に
長手の係合ピン４において挿通係止させるように
したものにおいて、該ピン４を挿通係止する該ブ
ラケツト２側の受部５を該ブラケツト２上に備え
るシフトシリンダ６で前後方向に進退自在として
成る。

第１図は溶接位置Ａにおいて自動車車体のフロ
アW₁とルーフW₂とにサイドパネルW₃を組付けて
溶接する溶接治具７のセツト位置Ｂへの反転で、
揺動運動型のプリセツト治具装置８に備えるプリ
セツト治具３に後方のプリセツト位置において予
めセツトしたサイドパネルW₃を該プリセツト治
具３を介して該溶接治具３にセツトするようにし
た自動車車体の溶接装置を示し、該プリセツト治
具３の着脱装置として本案装置を適用するものと
した。

該プリセツト治具装置８は、前後に揺動される
機体１を左右１対に備え、該機体１に取付けたブ
ラケツト２上の受部５において第２図及び第３図
に示す如く該プリセツト治具３のフレームシヤフ
ト３ａの各端部に突設した前後方向に長手の係合
ピン４を挿通係止するもので、更に図示のもので
は該ブラケツト２を該機体１に反転自在に軸支し
て、該ブラケツト２の反転シリンダ９による反転
と該機体１の揺動シリンダ１０による揺動とで該
プリセツト治具３を前記セツト位置Ｂとその後方
のプリセツト位置Ｃとの間に前向き姿勢と後向き
姿勢とに反転して往復動させるようにした。

該受部５は、前記係合ピン４を挿入する挿入孔
１１と、該ピン４に直交して横方向に進退自在の
固定具１２と、該固定具１２を進退する係脱シリ
ンダ１３とを備える枠体で構成されるもので、該
受部５をブラケツト２上のガイドプレート１４に
ガイドローラ１５を介して前後動自在に支持させ
ると共に、該ブラケツト２に固定のシフトシリン
ダ６に備える前後方向のピストンロツド６ａに連
結して、該シリンダ６により前後方向に進退させ
るようにした。

該固定具１２は、第２図及び第３図に示す如く
その背部の傾斜面１２ａと、前後に貫通する鍵穴
形状の係合孔１２ｂとを備えるもので、横方向内
方への移動で該係合孔１２ｂの一端の大径部１２
ｃを前記挿入孔１１に合致させた状態で係合ピン
４を挿入すれば、該固定具１２の外方への移動で
該ピン４の膨大頭部４ａに第４図に示す如く該傾
斜面１２ａが当接されて楔効果により該ピン４が
該受部５に挿入係合されるようにし、逆に該固定
具１２の内方への移動によれば該ピン４の係合が
解かれるようにした。

図面で１６はプリセツト治具３と溶接治具７と
をセツト位置Ｂにおいてドツキングさせるドツキ
ング機構を示し、該ドツキング機構１６は、該溶
接治具７に突設したドツキングポール１７と、該
ポール１７の先端の凹孔１８に嵌合するテーパ状
の位置決めピン１９を備えた該プリセツト治具３
上の受枠２０と、該受枠２０上のクランプ装置２
１とで構成され、該クランプ装置２１はシリンダ
２２に連結されたクランプアーム２３と、ばね２
４で付勢されて該アーム２３を閉じ側に押圧する
押圧片２５とで構成されるものとし、該シリンダ
２２の作動で該アーム２３を該押圧片２５に抗し
て開いた状態で該ピン１９を該凹孔１８に嵌合さ
せ、次いで該シリンダ２２の作動解除で該アーム
２３を該押圧片２５により閉じ、該ポール１７を
該受枠２０にクランプして両治具３，７のドツキ
ングを行うようにした。

次いで作動を説明するに、プリセツト治具３の
着脱はセツト位置Ｂで行うもので、この場合予め
受部５をシフトシリンダ６により第３図に仮想線
で示す如く後退位置に退去させておいて機体１の
所定位置への揺動後、該受部５の前進でプリセツ
ト治具３を直線的に溶接治具７側に移動して上記
の如くドツキング機構１６で該溶接治具７にドツ
キングさせ、次いで固定具１２による係合ピン４
の係合を解いて、該受部５を再度後退位置に退去
させる。これによれば、該ピン４の方向と該受部
５の退動方向とが完全に合致して、該ピン４は該
受部５とのこじり合いを生ずることなく該受部５
から円滑に離脱される。

次いで、該機体１を後方に揺動させ、クレーン
等を用いて該プリセツト治具３を該溶接治具７と
のドツキングを解いて単独で或いは該溶接治具７
とドツキングさせたまま適所に搬出して治具交換
を行う。

以上プリセツト治具３の着脱に本案装置を適用
した実施例について説明したが、本考案は揺動自
在の機体１に溶接治具やそれ以外のアタツチメン
ト３を備える場合にも同様に適用できる。

この様に本考案によるときは、アタツチメント
３の係合ピン４を挿入係合するブラケツト２側の
受部５を該ブラケツト２に対し進退自在とするも
ので、該受部５の直線的な動きで該ピン４を該受
部５とのこじり合いを生ずることなく円滑且つ確
実に該受部５から離脱でき、上記した従来例のも
のにおける不都合を確実に解消し得る効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置を適用した自動車車体の溶接
装置の部分裁断側面図、第２図は第１図の−
線から見た要部の背面図、第３図は第２図の−
線裁断平面図、第４図は第３図の−線裁断
側面図である。 １……機体、２……ブラケツト、３……プリセ
ツト治具（アタツチメント）、４……係合ピン、
５……受部、６……シフトシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後に揺動自在の機体１に備えるブラケツト２
   に、治具その他のアタツチメント３をこれに突設
   する前後方向に長手の係合ピン４において挿通係
   止させるようにしたものにおいて該ピン４を挿通
   係止する該ブラケツト２側の受部５を該ブラケツ
   ト２上に備えるシフトシリンダ６で前後方向に進
   退自在として成る治具等のアタツチメントの着脱
   装置。