JPS6142627Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はゴルフ用パタークラブに関し、特にそ
のヘツドの改良に関する。

従来技術と問題点 一般にゴルフクラブにおいて、スイートスポツ
トの広さは、そのヘツドの重量、重心或いはそれ
に伴う慣性モーメント等に密接な関係を持つてお
り、ヘツド本体のトウ部とヒール部とに重量を分
離するとヘツドの重心周りの慣性モーメントが増
大しスイートスポツトがヘツドの中央部分で拡大
することが知られている。この理論はパタークラ
ブのヘツドでも同様であり、ボールの方向性を良
くするためにスイートスポツトを拡大することは
望ましいことである。

従来から、パタークラブのヘツドにおいても、
ヘツドの重量をトウ部とヒール部とに分配させる
構造が考えられている。例えば実開昭52−17663
号公報には、ヘツド本体の中央上部にヘツド本体
の裏面側に開口する凹部を設けてヘツド本体のト
ウ部とヒール部とに重量体を組み込むようにした
パタークラブのヘツドが開示されている。

しかしながら、このヘツドにおいては、トウ部
とヒール部との間でフエイス面を形成する部分が
トウ部およびヒール部と一体に形成されているた
め、ヘツド本体の重量の一部がトウ部とヒール部
との間のフエイス面部分に比較的高い比率で存在
している。このような構造のヘツドにおいては、
ヘツドの重心周りの慣性モーメントを高めるため
にはトウ部およびヒール部に重い重量体を設ける
必要が生じるため、ヘツド全体の重量増を招く欠
点がある。

また、この公知のヘツドにおいては、ヘツド本
体のスイートスポツト付近が一様に肉薄に形成さ
れているため、ボールの反発力が充分でないとい
う欠点がある。

一方、実開昭53−151765号公報には、ヘツド本
体にそのフエイス面の中央に開口する空洞を設
け、ヘツド本体のフエイス面全体に超硬質合金製
の板状体を取り付けたパタークラブのヘツドが開
示されている。

しかしながら、この公知のヘツドにおいても、
ヘツドのスイートスポツト付近が一様に肉薄に形
成されているため、ボールの反発力が充分でない
という欠点がある。

問題点を解決するための手段 上記問題点に鑑み、本考案は、金属材より形成
したヘツド本体の中央上部からソールに向かつて
該ヘツド本体のフエイス面と裏面とに開口する凹
部を設け、該凹部のフエイス面側開口部を横切つ
て前記ヘツド本体のトウ部側端部からヒール部側
端部にわたつて延びる平板状のフエイス体を前記
ヘツド本体のフエイス面に接合して設け、前記ヘ
ツド本体のトウ部およびヒール部にはフエイス面
および凹部に開口する溝をそれぞれ形成し、前記
フエイス体の上下のほぼ中間部には該フエイス体
の裏面より後方に突出し、且つ、前記凹部を横切
つて延びて前記ヘツド本体のトウ部の溝とヒール
部の溝とにそれぞれ嵌合する補強用突条を一体に
設け、前記フエイス体および前記補強用突条を前
記ヘツド本体よりも比重の小さい材料で形成した
ことを特徴とするパタークラブのヘツドを提供す
る。

作 用 本考案による上記手段によれば、フエイス体の
上下のほぼ中間部において、フエイス体には該フ
エイス体の裏面より後方に突出し、且つ、ヘツド
本体のフエイス面に開口する凹部を横切つて延び
てヘツド本体のトウ部の溝とヒール部の溝とにそ
れぞれ嵌合する補強用突条が一体に設けられてい
るから、スイートスポツト付近の肉厚が著しく増
加し、ボールの反発力が高まることとなる。

しかも、フエイス体およびそれと一体の補強用
突条はヘツド本体よりも比重の小さい材料からな
るので、フエイス体や補強用突条がフエイス面お
よび裏面に開口する凹部を有するヘツド本体の重
量配分に与える影響は充分小さいものとなる。従
つて、ヘツドの全重量を増加させることなくヘツ
ドの重心周りの慣性モーメントを大きくできるこ
ととなる。

実施例 以下、図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
ものである。これらの図を参照すると、パターク
ラブのヘツドはステンレス鋼、黄銅、鉄等の金属
材よりなるヘツド本体１を有している。ヘツド本
体１はその中央上部からソール２に向かつて形成
された凹部３を有している。凹部３はヘツド本体
１のフエイス面４および裏面５にそれぞれ開口し
ている。これにより、ヘツド本体１の重量の大半
がトウ部６とヒール部７とに配分されている。

ヘツド本体１のフエイス面４にはヘツド本体１
よりも比重の小さい材料例えばアルミニウム、チ
タニウム又はこれらの合金等よりなるフエイス体
９が設けられている。フエイス体９の上下のほぼ
中央において、フエイス体９にはその裏面から後
方に突出する補強用突条１０が一体に形成されて
いる。補強用突条１０はフエイス体９のトウ側か
らヒール側にわたつて延びている。

ヘツド本体１のトウ部６およびヒール部７には
補強用突条１０に嵌合する溝８がそれぞれ形成さ
れている。溝８はフエイス面４と凹部３とにそれ
ぞれ開口している。

補強用突条１０をヘツド本体１のトウ部６側の
溝８とヒール部７側の溝８にそれぞれ接着剤を介
して嵌着することにより、フエイス体９がヘツド
本体１のフエイス面４上に固される。

上記構成を有するパタークラブのヘツドにおい
ては、補強用突条１０およびそれと一体のフエイ
ス体９はヘツド本体１よりも比重の小さい材料よ
り作られているのでヘツドの重量および重量配分
に及びす影響は小さい。従つて、従来のヘツドに
比べ全体重量を増加させることなくヘツドのトウ
部側とヒール部側への重量配分を大きくできるこ
ととなる。従つて、ヘツドの重心周りの慣性モー
メントが大きくなり、スイートスポツトが拡大し
てボールの飛びの方向性が良くなる。

一方、上記ヘツドにおいては、平板状のフエイ
ス体９の上下のほぼ中間の裏側に凹部３を横切つ
て延びる補強用突条１０が溝８にそれぞれ嵌合し
て延びているので、スイートスポツト付近のフエ
イス体９の肉厚が著しく増加し、これにより、ボ
ールの反発力を高めることができるものとなつて
いる。

ヘツド本体１が鍛造、鋳造等で全形態を一体的
に形成してもよく、また、溝８を後加工によつて
フライス加工等で形成することもできる。また、
ヘツド本体１に補強用突条１０と一体のフエイス
体９を固定する方法としては、第３図に示すよう
に、ヘツド本体１のトウ部６若しくはヒール部７
のソール面２側、より打ち込んだビス１１を補強
用突条１０に係合させて固定するようにしてもよ
い。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、スイートスポツト付近のボールの反発力をフ
エイス体の上下のほぼ中間部においてその裏側に
一体に設けた補強用突条により増加させることが
でき、しかも、ヘツドの総重量を増加させること
なくヘツドの重量の大半をトウ部側とヒール部側
とに配分してヘツドの重心周りの慣性モーメント
を増加させることができるパタークラブのヘツド
を提供できることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すパタークラブ
のヘツドの斜視図、第２図は第１図に示すヘツド
の分解斜視図、第３図は本考案の他の実施例を示
すパタークラブのヘツドのトウ部分の断面図であ
る。 １……ヘツド本体、２……ソール面、３……凹
部、４……フエイス面、５……裏面、６……トウ
部、７……ヒール部、８……溝、９……フエイス
体、１０……補強用突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属材より形成したヘツド本体１の中央上部か
   らソール面２に向かつて該ヘツド本体１のフエイ
   ス面４と裏面５とに開口する凹部３を設け、該凹
   部３のフエイス面側開口部を横切つて前記ヘツド
   本体１のトウ部６側端部からヒール部７側端部に
   わたつて延びる平板状のフエイス体９を前記ヘツ
   ド本体１のフエイス面４に接合して設け、前記ヘ
   ツド本体１のトウ部６およびヒール部７にはフエ
   イス面４および凹部３に開口する溝８をそれぞれ
   形成し、前記フエイス体９の上下のほぼ中間部に
   は該フエイス体９の裏面より後方に突出し、且
   つ、前記凹部を横切つて延びて前記ヘツド本体１
   のトウ部６の溝８とヒール部７の溝８とにそれぞ
   れ嵌合する補強用突条１０を一体に設け、前記フ
   エイス体９および前記補強用突条１０を前記ヘツ
   ド本体１よりも比重の小さい材料で形成したこと
   を特徴とするパタークラブのヘツド。