JPS6141561Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は植木鉢その他の草木類の温室栽培に
最適な小型の家庭用温室就中前面並びに上面の開
閉の為の円滑且つ容易なフレーム構造になすと共
に余剰潅水分の円滑且つ清潔な排水構造とした新
しい簡易温室の開示に係わるものである。

而して従前に於けるこの種の小型温室類に於い
ては概ね採光並びに管理開口部の閉塞手段として
ビニルシートを被装ないしはガラス板の添装等が
一般的なものとされたものであるが、かかる従前
手法に於いてはフレームの開口、閉塞が煩雑であ
ると共にシール柱が粗雑なものとされ、草木類の
植栽管理の不便並びに冷気の侵入に伴う冷害事故
の発生等の原因とされたものである。

又、かかる従前小型温室類に於ける排水手段は
一般的なく、上部の植栽植木類に対する潅水余剰
分が直接下部植木類上に降り注ぐ結果となり、こ
れが下部植木類の葉、新芽、花芽等を汚損、枯死
し、あるいは潅水過剰による根腐れを誘起したも
のである。

本考案に斯かる従前例に於ける不都合に鑑み特
に案出されたものであつて植栽管理の簡便性並び
に確実性を期す目的に於いて、先ずフレーム開口
部分の開閉を一対の立設側枠に於ける内側周縁の
条設凹溝間に合成樹脂透明保温蓋を横架、摺動自
在に係合してボツクス状をなす温室フレームの開
口された上面並びに前面を開閉自在になすと共に
該立設側枠間に装脱自在に支承される受台に於け
る内奥部を受台前部より漸次下側方に斜傾し、且
つ漸次一側々枠方に斜傾する受溝を該受台内奥縁
に一体的に連設せしめるようになすと共に該受溝
終端に当接する側枠面に該側枠内中空部に連通す
る孔を開穿し、底部に設けた受水槽に連通する孔
を該側枠下部に開穿し、該受水槽にポンプを設
け、該ポンプに受台に設けられた散水ノズルを有
するフレキシブルチユーブを連結せしめるように
した構成をもつて解決せしめるようにしたもので
あり、かゝる構成要旨に附随する以下の具体的な
実施例並びに該実施例に附随する相当の設計変更
が予定されたものである。

以下本考案に係る温室構造の詳細を図面に示す
典型的な一実施例について説明するに、１は倒Ｕ
字状をなし、しかも上面の前縁より後縁を漸次高
くした一対の側枠であつて、台枠２に於ける左右
側縁に沿つて立設されたものである。次いで３は
温室フレーム背面を被装した断熱パネルであつ
て、通例アルミの押し出し型板３ａ面にインシユ
ーレーシヨン材３ｂを貼設する種々のパネル材構
造が予定されたものである。又側枠１に於ける側
面は通例アクリルないしは硬質塩化ビ板４が張設
され、上部の補強機１ａを介して空気孔５ａの開
設された適宜のプレート５が張設されたものであ
る。

かかるプレート構造をもつて開口された前面並
びに上面に透明の樹脂素材よりなる保温蓋６を被
装して、該開口部分の閉塞をなすようにしたもの
であつて、側枠１の内側面に操作溝７を条設し、
この操作溝７に保温蓋６の側縁を係合して、該蓋
６を開口部上に横架せしめるようになすと共に操
作溝７に沿つた摺動を可能としたものである。而
して該操作溝７は側枠１の前面下縁よに後面下縁
に到るものとし、前記断熱パネル３の内側面に密
着して蓋６が摺動するように構成され、蓋６の開
放時に於ける収納スペースを提供するようにした
ものである。

又、使用される保温蓋６は概ね硬質塩ビ、アク
リルないしはポルカーボ等の樹脂プレートが使用
され、平板状、波板状あるいは通例のシヤツター
に於けるように細長の波板を順次枢着した波板状
その他の種々の蓋６の使用が予定されたものであ
る。

かかる構成よりなる側枠１は通例焼付け塗装を
施されたスチール角パイプあるいはアルミ角パイ
プ等の内側の中空の通路１ｂを有するものが使用
され、受台８の受け具１ｃ〜１ｃを内側面の上下
方向に亘り設けるようにしたものである。

而して使用される受台８は前側縁より後側縁に
向けて漸次下側方に斜傾するテーパ面８ａを有
し、しかもその斜傾端に受溝８ｂを有したもので
あつて、該受溝８ｂは一方の側枠１方向に向けて
漸次その溝底面を下げるように構成したものであ
る。

かゝる受台８に於ける溝８ｂに連通する孔１ｄ
を側枠１に於ける受け具１ｃ上部に開設すること
によつてテーパ面８ａ、受溝８ｂを介して捕集さ
れた潅水余剰分は孔１ｄ、通路１ｂを介して側枠
１下部の受水槽９をもつて捕捉されたものであ
る。

又、該受水槽９に設けたポンプ１４に夫々の受
台８に設けられた散水ノズル１２を有するフレキ
シブルチユーブ１３を連結せしめるようにし、受
水槽に溜つた水を循環潅水せしめ、ポンプ１４を
必要時に適宜作動するようにしたものであつて、
そのポンプにはモーターポンプ、足踏式ポンプ等
が条件に応じ予定されるものである。

尚、叙上に於ける簡易温室の室温の調節、特に
夜間時の加温を期す目的に於いてサーモスタツト
装置を有するヒーター１０を、又促成を目的とし
た受光用の照明器具１１並びに水道管に連結され
る撤水ノズル１２に対するフレキシブルチユーブ
１３を受台８又は側枠１等に設けるようにしたも
のである。

本考案は叙上に於ける特長ある構成、就中側枠
１に蓋６をシヤツター様に附設し、その開閉操作
を極めて容易且つ円滑なものになすと共に温室フ
レームに於ける開口部の閉塞性をより良好とし、
循環潅水用ポンプ１４をもつて、夫々の受台８に
於ける散水ノズル１２を有するフレキシブルチユ
ーブ１３へ水を送るようにし植物への水分供給を
簡便な作業としたものである。

即ち、叙上シヤツター様の蓋６の開閉に於いて
は蓋６の開閉がワンタツチ操作をもつて可能とさ
れると共に結着、その他の止着操作を一切不要と
し、又蓋６のタレ等による草木の毀傷損あるいは
蓋６よりする結露水滴下に伴う不都合を極力減じ
得たものである。

又、かゝる手法に於いては蓋６の周縁の納まり
が特に良好なものとされ、周縁部分よりする寒気
の浸入等による草木の冷害枯死等の生ずる余地を
も極力防止し得たものである。

更に、かゝる蓋６の閉止構造に於いては烈風等
の吹き当てに於いても蓋６の開放、引きはがれ、
破損等の生ずる余地は一切なく、風に弱い草木類
の植栽に特に意義を有したものである。

次いで受台８と側枠１の孔１ｄ並びに排水受９
の構成をもつて潅水された余剰水は収納した他の
草木類に一切触れることなく温室フレーム外に案
内され、受水槽９をもつて捕捉されたことよりし
て、上部受台８上の草木に対する潅水余剰分の滴
下あるいは流入による下部受台８上の草木に於け
る過剰潅水に伴う根腐、葉伸び、結花不良等の問
題を一掃すると共に流出肥料の混入排水の付着に
伴う変色、芽腐れ、結果不良等の生ずる余地をも
一掃せしめたものである。

又、循環潅水用ポンプにより必要時に手軽な水
分供給を可能とし得たものである。

本考案は叙上に於ける諸特性を有する温室フレ
ームであつて、その具体的な製作に於いては構成
各部材を組みつけ自在のユニツトとして提供し、
その搬送ないしは保管面に於いても更に工夫の施
された簡易温室として提供することが予定された
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の典型的な一実施例を示す斜視
図、第２図は蓋の取付け状態を示す断面図、第３
図は同要部縦断面図、第４図は受台の介装状態を
示す要部平断面図、第５図は同要部縦断面図、第
６図は同要部縦断面図である。 尚、図中１……側枠、２……台枠、３……断熱
パネル、４……板、５……プレート、６……蓋、
７……溝、８……受台、９……受水槽、１０……
ヒーター、１１……照明器具、１２……撤水ノズ
ル、１３……フレキシブルチユーブ、１４……ポ
ンプを示したものである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の立設側枠１における内側周縁の条設凹溝
   ７間に細長い波板を順次枢着した合成樹脂透明保
   温蓋６を横架、摺動自在に係合してボツクス状を
   なす温室フレームの開口された上面並びに前面を
   開閉自在になすと共に該立設側枠１間に装脱自在
   に支承される受台８における内奥部を受台８前部
   より漸次下側方に斜傾し、且つ漸次一側々枠方に
   斜傾する受溝８ｂを該受溝８内奥縁に一体的に連
   設すると共に該受溝８ｂ終端に当接する側枠面に
   該側枠１内中空部に連通する孔を開穿し、底部に
   設けた受水槽９に連通する孔を該側枠下部に開穿
   し、該受水槽９にポンプ１４を設け、該ポンプ１
   ４に受台８に設けられた散水ノズル１２を有する
   フレキシブルチユーブ１３を連結させたことを特
   徴とする簡易温室。