JP3690230B2 - 屋根上菜園 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、家庭用の屋根上菜園に関し、詳しくは、傾斜した屋根上に花壇等の菜園を構成しながら、手入れを容易におこなえるようにしようとする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年は、宅地の高騰もあり、庭の面積を広くすることができないが、ガーデニングブームもあることから、家庭で草花等の手入れや育成をおこないたいという希望がある。一方、ベランダなどでプランターを使って花壇等の菜園を営むこともあるが、日当りがよくなく、スペースが狭く、特に、潅水等が面倒であるものである。他方、屋根面に植物マットを設ける場合もあるが、世話ができなく、潅水等をしなくてもよい芝等の植物に限られるものであった。
【0003】
したがって、屋根上に花壇等の菜園を造ることができないものとなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、傾斜した屋根上に花壇等の菜園を造りながら、手入れを容易におこなえる屋根上菜園を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1においては、傾斜した屋根1に栽培容器2を略水平にして保持することができる載設架台8を設け、屋根1に手入れ用の天窓のような開口部5を形成し、開口部5は小屋裏より開閉自在に構成するとともに開口部5より人が乗り出すことができるように構成し、栽培容器2を収納して保持する受台3を載設架台8にスライド自在に設けて開口部5に対して受台3を遠近方向に移動自在に構成してあることを特徴とするものである。このような構成によれば、屋根上において栽培容器2を載設架台8に略水平に保持して潅水することができ、潅水も含めた草花等の世話をおこなうことができ、日当りのよい屋根上において花壇等の菜園を簡単に造ることができる。
【0006】
また、請求項1においては、屋根1に手入れ用の天窓のような開口部5を形成し、開口部5を開閉自在に構成してあることを特徴とするものである。このような構成によれば、天窓32のような開口部5を有効に利用することで、栽培容器2において栽培している草花等の世話をおこなうことができる。
更に、請求項1においては、開口部5は小屋裏より開閉することができるとともに開口部5より人が乗り出すことができるように構成してあることを特徴とするものである。このような構成によれば、天窓32のような開口部5から身を乗り出すことで、潅水等の世話を、一層、容易におこなえる。
【0007】
また、請求項1においては、栽培容器2を収納して保持する受台3を載設架台8にスライド自在に構成して開口部5に対して受台3を遠近方向に移動自在にしてあることを特徴とするものである。このような構成によれば、受台3を開口部5に対して遠ざけたり、近づけたりすることができて、屋根上の栽培スペースを広げることができる。
【0008】
請求項2においては、受台3は枠フレーム3aを備え、栽培容器2の下半部を枠フレーム3aに落とし込んで保持していることを特徴とするものである。このような構成によれば、受台3の枠フレーム3aに栽培容器2の下半部を落とし込んで保持していて受台3を移動させても栽培容器2を落とすようなことがなく、安全である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1(a)は概略断面図、同図(b)は全体斜視図である。図2(a)は載設架台の取付け構造を示す部分概略断面図、同図(b)は部分平面図、同図(c)は部分拡大断面図である。図3は栽培容器のスライド構造を示し、同図(a)はスライド方向とは直交する方向の断面図、同図(b)はスライド方向の正面図である。
【0011】
家屋の屋根1には勾配(例えば、4〜5/10程度)を形成してあり、屋根1の上に直角三角形状となってその上面が略水平となる載設架台8を取付けている。載設架台8はスチールやアルミニウム等の金属製であり、屋根1を貫通するボルトにより固定されている。載設架台8の棟側の高さHは約200mm、軒長さ方向の長さLは約900mmであるが、このような寸法及び形状は変更することができるものである。
【0012】
載設架台8の周部上縁には軒長さ方向に長いレール6、6が屋内外方向に対向して上方に突出している。受台3は底部がスノコとなって排水がおこなえるパレット状に形成されていて、例えば、プランターのような栽培容器2の3個を並列に載置して収納することができるようにしている。受台3の前後縁部には凹溝10、10が形成され、凹溝10にローラー11が軸12の回りに回転自在に設けられるともに屋内側の縁部に把手13が取付けられている。
【0013】
屋根1において、載設架台8の近くには開口部5を形成して天窓32を開閉自在に設けてある。天窓32は例えば枢軸14において開閉自在に構成しているが、スライドによって開閉するようにしてもよい。小屋裏である天井裏には、天井収納用のはしごユニット15が設置されていて、天井裏に登って天窓32の開閉を人手にておこなうことができるようにしている。ところで、潅水は家庭において水遣り当番等を決めて開口部5から人手によっておこなうようにしてもよいものであるが、手で水栓を開いておこなっても、又、自動的におこなうようにしてもよい。以下に潅水をおこなう構成の一例を述べる。
【0014】
図5(b)に示すように、パレット状の受台3には例えば注水ノズル16を付設してあり、注水ノズル16とポンプ17とがフレキシブルホース18によって接続され、ポンプ17を例えばタイマー回路によって作動させることで、ポンプ17に接続されている配管を介して水道水を注水ノズル16から注水して、プランターのような栽培容器2内の草花等に潅水するようにしている。
【0015】
このような潅水に当たって、図5(a)に示すように、注水ノズル16と水道管とを直結して注水ノズル16の近傍に開閉栓Vを設けて開閉栓Vを必要時に開くことで潅水をおこなえるようにしてもよいものである。
【0016】
又、図1(a)に示すように、棟部に潅水ホース33を敷設して潅水ホース33からシャワーのように潅水するようにしてもよいものである。
【0017】
このように、栽培容器2に向けて潅水する構成を潅水する手段4と総称するが、その構成は変更することができるものである。
【0018】
このように、本発明においては、傾斜した屋根1には、載設架台8が取付けられ、載設架台8に栽培容器2を略水平にして載置させることができる受台3を設け、受台3に載置した栽培容器2に対して潅水することから、屋根上において栽潅水も含めた草花等の世話をおこなうことができ、日当りのよい屋根上において花壇等の菜園を簡単に造ることができるものである。
【0019】
この場合、天窓32を開けることで、栽培容器2において栽培している草花等の世話をおこなうことができるのであり、更に、載設架台8にスライド自在に設けた受台3を開口部5に対して遠近方向にスライド移動させることから、受台3を開口部5に対して遠ざけたり、近づけたりすることができて、屋根上の栽培スペースを広げることができるのである。しかも、受台3は枠フレーム3aを備え、栽培容器2の下半部を枠フレーム3aに落とし込んで保持していることから、受台3を移動させても栽培容器2を落とすようなことがなく、安全である。かつ、開口部5は小屋裏より開閉することができるとともに開口部5より人が乗り出すことができることから、潅水等の世話を、一層、容易におこなえるものである。
【0020】
ところで、載設架台8を屋根1に取付けるのに際して、図2(c)に示すように、野地板19に補強桟20を接着剤によって接着してシールを図るとともに仮止めし、補強桟20、野地板19、平板瓦21及び載設架台8をボルト9によって貫通させ、ナット23を螺合させて載設架台8を取付けるものである。この場合、ボルト9の頭部の周部には断熱ゲル剤24を塗布し、合成樹脂製の断熱カバー25にて覆い、木ネジ26にて固定するものである。ところで、載設架台8には長孔31が形成されていて、ボルト9を挿通しやすくしている。図中、22は防水シール材、27は滑り止めワッシャー、28は抜止めピンである。尚、パレット状の受台3の3個をまとめて覆う霜除けカバー29を着脱自在に付設しておくとよい。
【0021】
【発明の効果】
請求項1においては、傾斜した屋根に栽培容器を略水平にして保持することができる載設架台を設け、屋根に手入れ用の天窓のような開口部を形成し、開口部は小屋裏より開閉自在に構成するとともに開口部より人が乗り出すことができるように構成し、栽培容器を収納して保持する受台を載設架台にスライド自在に設けて開口部に対して受台を遠近方向に移動自在に構成してあるから、屋根上において栽培容器を載設架台に略水平に保持して潅水することができ、潅水も含めた草花等の世話をおこなうことができ、日当りのよい屋根上において花壇等の菜園を簡単に造ることができるという利点がある。
【0022】
また、請求項1においては、屋根に手入れ用の天窓のような開口部を形成し、開口部を開閉自在に構成してあるから、天窓のような開口部を開けることで、栽培容器において栽培している草花等の世話をおこなうことができるという利点がある。
更に、請求項1においては、開口部は小屋裏より開閉することができるとともに開口部より人が乗り出すことができるように構成してあることを特徴とするものである。このような構成によれば、天窓のような開口部から身を乗り出すことで、潅水等の世話を、一層、容易におこなえるという利点がある。
【0023】
また、請求項1においては、栽培容器を収納して保持する受台を載設架台にスライド自在に構成して開口部に対して受台を遠近方向に移動自在に構成してあるから、受台を開口部に対して遠ざけたり、近づけたりすることができて、屋根上の栽培スペースを広げることができるという利点がある。
【0024】
請求項2においては、受台は枠フレームを備え、栽培容器の下半部を枠フレームに落とし込んで保持しているから、受台の枠フレームに栽培容器の下半部を落とし込んで保持していて受台を移動させても栽培容器を落とすようなことがなく、安全であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、(a)は概略断面図、(b)は全体斜視図である。
【図2】同上の載設架台の取付け構造を示し、(a)は部分概略断面図、(b)は部分平面図、(c)は部分拡大断面図である。
【図3】同上の栽培容器のスライド構造を示し、(a)はスライド方向とは直交する方向の断面図、(b)はスライド方向の正面図である。
【図4】(a)は同上の天窓のような開口部と栽培容器との関係を示す説明図、(b)は概略正面図、(c)は一部破断した断面図である。
【図5】(a)(b)は同上の潅水する手段を示す説明図である。
【符号の説明】
1 屋根
2 栽培容器
3 受台
5 開口部
8 載設架台

Claims (2)

  1. 傾斜した屋根に栽培容器を略水平にして保持することができる載設架台を設け、屋根に手入れ用の天窓のような開口部を形成し、開口部は小屋裏より開閉自在に構成するとともに開口部より人が乗り出すことができるように構成し、栽培容器を収納して保持する受台を載設架台にスライド自在に設けて開口部に対して受台を遠近方向に移動自在に構成して成ることを特徴とする屋根上菜園。
  2. 受台は枠フレームを備え、栽培容器の下半部を枠フレームに落とし込んで保持して成ることを特徴とする請求項1記載の屋根上菜園。
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