JPS6140546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ペン芯ノツク式筆記具の改良に係
るものである。

一般のこの種筆記具は、本体を下向きにしてペ
ン芯を紙面等に押圧することにより、ペン芯に連
なる弁棒をばねの弾発力に抗して押し込み、弁座
のインキ流出口を開口してインキ容器内のインキ
を流出させて吸蔵体及びペン芯に含浸させた後、
筆記に供されるようになつている。しかしなが
ら、従来この種筆記具においては、弁棒が押し込
まれて弁座のインキ流出口が開口する際、弁座と
弁棒等の漏れ及び弁座のインキ流出口の狭さなど
により、インキと空気の置換が不安定となり、イ
ンキが１回のノツク動作で送り円滑かつ定量流出
し得ないという問題が生じ、そのため、吸蔵体及
びペン芯のインキ送給のためのノツク回数が不確
定となるばかりか、ノツクの過剰動作により吸蔵
体で保溜できる定量以上のインキを流出させてし
まい、その結果、ペン芯からインキをぼた落ちさ
せて紙面等を汚すという問題があつた。

この考案は、上記問題を解決することを企図し
てなされたもので、インキの流出を重力による自
然落下によらずに、シリンダとピストンによつて
強制的にかつ定量ずつ流出させるようにしたペン
芯ノツク式筆記具を提供しようとするものであ
る。

図中、１はインキ容器であつて、その開口部に
このインキ容器１内に突入するシリンダ２を内装
したシリンダ室と弁棒６の弁部６ａが就座する弁
座室とを止着形成されている。

そして、シリンダ室の端部フランジ２ａ及び弁
座室を構成する弁座３を介在して先軸４が装着さ
れている。

前記弁座室には、弁棒６の弁部６ａが就座する
インキ流出口５が設けられており、シリンダ室と
の中間部のバネ受壁２ｂの中心部には、シリンダ
室と連通する摺動孔及びインキ流通孔７が設けら
れている。また、シリンダ室にはシリンダ２の側
面に適宜数（図面では４個の場合を示す）のイン
キ流入口１２，１２，…が穿設されていると共
に、前記弁座室及びシリンダ室内には、インキ流
出口５及びバネ受壁２ｂの摺動孔を介して弁棒６
が遊嵌状に貫通形成されている。この弁座室内の
弁棒６には、インキ流出口５の弁座部３ａに就座
しうるテーパ状の弁部６ａが形成されると共に、
シリンダ室内の弁棒６の後端には、穿設されたイ
ンキ流入口１２，１２，…を選択的に開閉するピ
ストン１１が設けられている。

そして、テーパ状の弁部６ａとシリンダ２の中
間部に形成された流通孔７を有するバネ受壁２ｂ
との間に縮設されるバネ８の弾発力によつて弁部
６ａが常時インキ流出口５の周辺の弁座部３ａに
就座されるようになつている。また、この弁棒６
の一端である前端の先軸４側には、先軸４との間
に通気用スキ間９を残して先軸４から外方へ突出
するペン芯１０が連接されている。

なお、１３は先軸４内に内蔵される中綿、１４
はインキである。

上記のように構成されるこの考案の筆記具にお
いて、筆記時にペン芯１０を紙面に押し付ける
と、ペン芯１０に連接する弁棒６がインキ容器１
内側へばね８に抗して移動し、弁部６ａが弁座部
３ａから離隔しインキ流出口５が開放されると同
時に、ピストン１１も移動してシリンダ２のイン
キ流入口１２を開放する。このとき、インキと空
気とが置換されてシリンダ２内にインキ１４が流
入する。次に、ペン芯１０の押圧を解除すると、
弁棒６はばね８の弾発力によつて復帰し、ピスト
ン１１によつてシリンダ２内に流入したインキが
強制的に弁座３のインキ流出口５を流れて中綿１
３及びペン芯１０へ供給される。その後、弁棒６
の弁部６ａが弁座部３ａに就座してインキ流出口
５を閉塞すると同時に、ピストン１１がインキ流
入口１２を閉塞してインキ１４の送給が停止され
る。

以上に説明したように、この考案の筆記具によ
れば、インキ容器１の開口部にこのインキ容器１
内に突入するシリンダ２を内装したシリンダ室と
弁棒６の弁部６ａが就座する弁座室とを止着形成
し、先軸４を装着し、前記弁座室には弁部が就座
するインキ流出口５を設け、シリンダ室との中間
部のバネ受壁２ｂの中心部はシリンダ室と連通す
る摺動孔及びインキ流通孔７を設けておき、シリ
ンダ室にはシリンダ２の側面にインキ流入口１
２，１２，…を穿設すると共に、前記弁座室及び
シリンダ室内にはインキ流出口５及び摺動孔を介
して弁棒６が遊嵌状に貫通形成され、この弁座室
内の弁棒６にはインキ流出口５の弁座部３ａに就
座しうる弁部６ａが形成されると共に、シリンダ
室内の弁棒６の後端には穿設されたインキ流出口
１２，１２，…を選択的に開閉するピストン１１
を設け、かつ、この弁棒６の前端には前記先軸４
から外方へ突出するペン芯１０が連接されるよう
に形成したので、ペン芯１０を押圧してインキ流
入口１２，１２…を開きインキをシリンダ室内に
吸入した後、シリンダ１１によつてインキを弁座
室内に供給するため、従来の自然落下によるイン
キ供給方式に比して弁座や弁棒からの漏れやイン
キ流出口の狭さなどにかかわらず、インキを定量
かつ送り円滑にペン芯及び吸蔵体、すなわち中綿
へ供給することができる。したがつて、ペン芯の
ノツク回数が確定し、ノツク過剰操作によるペン
芯からのインキのぼた落ちを防止することができ
るなどの優れた効果が得られ、その利用価値は顕
著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の筆記具の断面図、第２図は
第１図の−線に沿う断面図である。 １……インキ容器、２……シリンダ、２ａ……
端部フランジ、３……弁座、３ａ……弁座部、４
……先軸、５……インキ流出口、６……弁棒、６
ａ……弁部、７……流通口、８……ばね、１０…
…ペン芯、１１……シリンダ、１２……インキ流
入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インキ容器の開口部にこのインキ容器内に突入
   するシリンダを内装したシリンダ室と弁棒の弁部
   が就座する弁座室とを止着形成し、先軸を装着
   し、前記弁座室には弁部が就座するインキ流出口
   を設け、シリンダ室との中間部のバネ受壁の中心
   部にはシリンダ室と連通する摺動孔及びインキ流
   通孔を設けておき、シリンダ室にはシリンダの側
   面にインキ流入口を穿設すると共に、前記弁座室
   及びシリンダ室内にはインキ流出口及び摺動孔を
   介して弁棒が遊嵌状に貫通形成され、この弁座室
   内の弁棒にはインキ流出口の弁座部に就座しうる
   弁部が形成されると共に、シリンダ室内の弁棒の
   後端には穿設されたインキ流入口を選択的に開閉
   するピストンを設け、かつ、この弁棒の前端には
   前記先軸から外方へ突出するペン芯が連接される
   ように形成したことを特徴とするペン芯ノツク式
   筆記具。