JPS6139164Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、マニユアルバルブのデイテント機
構、詳しくは車室内に設けるコントロールレバー
の動きに連動して油路の切り替えを行なうマニユ
アルバルブのデイテント機構に関する。

一般にこの種マニユアルバルブは、バルブボデ
イに形成してなる内腔部に、移動自由に内装され
ており、又、このマニユアルバルブの位置決め並
びに前記マニユアルバルブを操作するコントロー
ルレバーのシフト動作が間歇的なクリツク動作と
なるようにすべく、前記マニユアルバルブのスプ
ールに形成したデイテント構に、スプリングによ
り附勢されるロツクボールなどの止具を係合させ
ているのである。

而して前記スプリング並びに止具は、前記バル
ブボデイに、該ボデイの内腔部に開口する貫通孔
を形成して、該貫通孔の外側開口部から前記貫通
孔内部に挿嵌して内装しているが、これらスプリ
ング及び止具は、前記貫通孔の外側開口部より外
部に飛び出さないように、前記貫通孔内に保持せ
しめる必要がある。この保持方法として、従来
は、前記貫通孔と直交する方向に形成したピン孔
にローラピンを圧入し嵌合せしめるか、あるいは
ピンの挿通端部をかしめるなどして前記ピンをピ
ン孔に固定し、斯くの如く固定されるピンによ
り、前記貫通孔の外側開口部を遮断するごとくし
て、前記スプリング及び止具の貫通孔よりの離脱
を防止しているのである。

従つて、以上の如く構成する従来のマニユアル
バルブのデイテント機構によれば、前記ロールピ
ンがピン孔に固定されてしまうため、一度これを
組み立てると再度分解することが極めて困難で、
前記バルブの点検修理あるいは前記スプリングの
交換が行なえなかつたのである。

以上の問題に対しては、例えば実公昭45−
25832号公報に示されているごとく、前記貫通孔
の開口端部内周にねじを形成して、該貫通孔の開
口部にボルトを螺着して、該ボルトにより前記ス
プリング及び止具を前記貫通孔に保持するごとく
したものも開発されているが、以上の構造のもの
では、前記ボルトを前記貫通孔に組付けるための
組付手段、即ち前記ボルトを螺着するためのねじ
を形成しなければならず、加工手間を要するばか
りか、前記ボルトの前記貫通孔への装着性もあま
り良いとは云えなかつたのである。

本考案は以上の実情に鑑みて開発したものであ
つて、目的とするところは、構造簡単で、しかも
組み立て及び分解が極めて容易に行えるマニユア
ルバルブのデイテント機構を提供せんとするにあ
る。

しかして本考案は、バルブボデイの内腔部に、
複数のデイテント溝を持つスプールを移動自由に
内装すると共に、前記バルブボデイに、該ボデイ
に着脱自由に固定するプレートを介してオイルス
トレーナを組付けるようにしたマニユアルバルブ
において、前記バルブボデイに、前記内腔部に開
口する貫通孔をもつた保持部を設けて、該保持部
の前記貫通孔に前記デイテント溝に係合する止具
と、該止具を前記デイテント溝に押圧するスプリ
ングとを保持すると共に、前記保持部に、前記貫
通孔と直交する段付ピン孔を貫通させて、該段付
ピン孔の大径孔部を、前記プレートの固定側開口
部に設ける一方、該ピン孔に頭付ピンを挿嵌し
て、該ピンの頭部を前記大径孔部に収容する一
方、前記プレートの前記ボデイへの固定により、
前記大径孔部を閉鎖するごとくしたことを特徴と
するものである。

以下本案の構成を図に示す実施例に従つて説明
する。

図において１は、４ランド形式のスプール１０
を用いてなるマニユアルバルブであつて、このス
プール１０の長さ方向一端には、パーキングレン
ジと４段階のシフトレンジとに対応するデイテン
ト溝１１，１１…を設けている。

２は前記マニユアルバルブ１を保持するバルブ
ボデイであつて、下面にはオイルストレーナ５を
取付ける吸込部２１を、また側部にはアキユムレ
ータ２２を一体に設けている。このバルブボデイ
２には、前記マニユアルバルブ１を移動自在に内
装する内腔部２３を形成するとともに、前記吸込
部２１の上部には、前記内腔部２３に開口する貫
通孔２４を備えた保持部２５を一体に形成するの
である。

前記貫通孔２４には、例えばロツクボールから
なる止具３１とコイルスプリング３２とを内装す
るのであつて、該スプリング３２の弾発力をして
前記止具３１を前記スプール１０における任意の
デイテント溝１１に係合させることにより、前記
マニユアルバルブ１の位置決めを行なうと同時
に、該バルブ１を操作するコントロールレバー
（図示せず）のシフト動作が間歇的なクリツク動
作となるごとくしている。

而して本考案は、前記保持部２５に、前記貫通
孔２４と直交し、且つ外側開口部が、前記吸込部
２１の下面に開口する段付ピン孔２６を貫通状に
設けるとともに、この段付ピン孔２６の大径孔部
２６ａを前記吸込部２１の下面側に形成し、且つ
該ピン孔２６に、頭部４１をもつたピン４を前記
頭部４１が、前記大径孔部２６ａに嵌合するごと
く挿通し、該ピン４にて第３図に示す如く前記貫
通孔２４の外側開口部を遮断することにより、前
記止具３１及びスプリング３２を前記貫通孔２４
内に保持するのである。

更に又、前記オイルストレーナ５は、前記バル
ブボデイ２の下面にビス７により固定されるプレ
ート６により保持するのであつて、前記プレート
６の固定により、前記ピン孔２６の大径孔部２６
ａ側開口を閉鎖し、該ピン孔２６に挿通されてい
る前記ピン４の抜け外れを防止するごとくしてい
る。

而して、以上の構成からなる本案マニユアルバ
ルブのデイテント機構を組立てるには、まずバル
ブボデイ２の内腔部２３に前記マニユアルバルブ
１を内装した後、前記止具３１及びスプリング３
２を前記貫通孔２４の前記内腔部２３側開口部と
は反対側開口部より挿通するとともに、前記ピン
４を、前記段付ピン孔２６に挿通し、該ピン４の
頭部４１を前記ピン孔２６の段部２６ａにて係止
することで、前記止具３１及びスプリング３２を
前記貫通孔２４内に保持し、更に前記頭部４１に
前記ストレーナ５を接触させた上で、前記プレー
ト６を、前記吸込部２１の下面にビス７で固定
し、前記ピン孔２６の大径孔部２６ａ側開口部を
閉鎖するのである。

以上のごとく本考案は、バルブボデイの内腔部
に、複数のデイテント溝を持つスプールを移動自
由に内装すると共に、前記バルブボデイに、該ボ
デイに着脱自由に固定するプレートを介してオイ
ルストレーナを組付けるようにしたマニユアルバ
ルブにおいて、前記バルブボデイに、前記内腔部
に開口する貫通孔をもつた保持部を設けて、該保
持部の前記貫通孔に前記デイテント溝に係合する
止具と、該止具を前記デイテント溝に押圧するス
プリングとを保持すると共に、前記保持部に、前
記貫通孔と直交する段付ピン孔を貫通させて、該
段付ピン孔の大径孔部を、前記プレートの固定側
開口部に設ける一方、該ピン孔に頭付ピンを挿嵌
して、該ピンの頭部を前記大径孔部に収容する一
方、前記プレートの前記ボデイへの固定により、
前記大径孔部を閉鎖するごとくしたことから、前
記プレートによる前記オイルストレーナの固定作
業と同時に前記段付ピンを前記プレートを介して
自動的に前記ピン孔からの抜け止めが行え、それ
だけ組立て作業性が向上するし、又分解も極めて
簡単に行えるのである。

しかも本考案によれば、前記段付ピン孔を貫通
孔としているので、該ピン孔の切削工程時に発生
する切り粉が、前記ピン孔に残留する虞が極めて
少なく、特に異物を嫌うバルブのデイテント機構
としては優れたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示し、第１図はその
要部を分解して示す斜視図、第２図は一部切欠平
面図、第３図は要部の拡大端面図である。 １……マニユアルバルブ、１１……デイテント
溝、２……バルブボデイ、２３……内腔部、２４
……貫通孔、２６……段付ピン孔、３１……止
具、３２……スプリング、４……頭付ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブボデイの内腔部に、複数のデイテント溝
   を持つスプールを移動自由に内装すると共に、前
   記バルブボデイに、該ボデイに着脱自由に固定す
   るプレートを介してオイルストレーナを組付ける
   ようにしたマニユアルバルブにおいて、前記バル
   ブボデイに、前記内腔部に開口する貫通孔をもつ
   た保持部を設けて、該保持部の前記貫通孔に前記
   デイテント溝に係合する止具と、該止具を前記デ
   イテント溝に押圧するスプリングとを保持すると
   共に、前記保持部に、前記貫通孔と直交する段付
   ピン孔を貫通させて、該段付ピン孔の大径孔部
   を、前記プレートの固定側開口部に設ける一方、
   該ピン孔に頭付ピンを挿嵌して、該ピンの頭部を
   前記大径孔部に収容する一方、前記プレートの前
   記ボデイへの固定により、前記大径孔部を閉鎖す
   るごとくしたことを特徴とするマニユアルバルブ
   のデイテント機構。