JPS6138737B2

JPS6138737B2 -

Info

Publication number: JPS6138737B2
Application number: JP55028396A
Authority: JP
Inventors: Hirotaka Tsucha; Masahiro Shimoyamada
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1980-03-06
Filing date: 1980-03-06
Publication date: 1986-08-30
Also published as: JPS56125435A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、プラスチツクフイルムの全面または
一部に、持続性の優れた防曇性を有する食品包装
用フイルム及びその製造法に関する。一般に、含水性食品を包装する食品包装用フイ
ルムにおいては、食品中に含有される水分あるい
は食品表面に付着した水分によつて、包装物を低
温下に保持した場合、包装フイルムの内面に水滴
による曇りを生じ、内容物が透視できず、外観上
好ましくない。この現象は、一般に食品包装用フ
イルムの内面がポリエチレン等の疎水性材料から
なることに起因している。このような曇りを改善するために、界面活性剤
を混練した樹脂層を包装フイルムの最内層に積層
するか、あるいは、最内層に界面活性剤を塗布す
ることが行われる。しかし、混練する方法は現在
使用されているが、防曇性を必要としない包装袋
の裏面、印刷面を含めて、全面に防曇性を付与す
ることになり、不必要に界面活性剤を使用してい
る点において無駄がある。また、界面活性剤を混
練する層の積層に困難があり、加工上コストがか
さむ。一方、塗布法は必要とする部分にのみ、防曇性
を付与することが可能であり、また製造法も容易
であり、安価である。しかし、防曇性の持続性に乏しい。本発明は前記の二方法の欠点を改善した食品包
装用防曇性フイルム及びその製造法を提供するこ
とを目的とするものである。即ち、防曇性を必要
とする部分にのみ、これを付与させることによ
り、界面活性剤の使用量を減らし、しかも、持続
性の優れた防曇性を有する食品包装用防曇性フイ
ルムを製造するものである。すなわち、本発明は、製袋後に内側となる面に
熱融着性樹脂からなる層を有する二層以上からな
る包装用フイルムあるいは熱融着性樹脂フイルム
単体の片面の防曇性を付与したい部分に、分子内
にエチレン性不飽和二重結合を有する非イオン性
界面活性剤のアルコール溶液を塗布した後、該塗
布面に電子線を照射し、しかる後アルコールを蒸
散させる方法を要旨とする。本発明の特徴は、プラスチツク表面に塗布した
分子内にエチレン性不飽和二重結合を有する非イ
オン性界面活性剤を作用させて界面活性剤をプラ
スチツク表面に固定化することにより従来の塗布
面における欠点である防曇効果の持続性を改良す
る点にあり、また、この際に、界面活性剤の溶媒
であるアルコールを蒸散させる以前に、電子線を
照射することにある。従来、プラスチツク表面に親水性を付与させる
に、アクリル酸、アクリルニトリル、メタアクリ
ル酸等のアクリル系モノマーをグラフトすること
はなされていた。しかし、このようなモノマーは
衛生上、本発明に関わる食品包装材料には適さな
い。また、プラスチツク表面へのモノマーのグラ
フトのために光を用いる方法もあるが、この方法
では増感剤が必要であることから、この衛生性の
問題から、食品包装材料としては使用できない。
この点、本発明における電子線照射は問題が無
く、固定化も光に比べ、はるかに高い。固定化を高めるために、被硬化面が親水性プラ
スチツクの場合、水あるいは親水性溶媒を存在さ
せるこては知られているが、本発明に関わる被硬
化面は疎水性であるにもかかわらず、アルコール
を蒸散させる以前に電子線を照射することによ
り、非イオン性界面活性剤の固定化は高まること
を見出した。本発明の製造法について図面を用いて説明す
る。図面は、本発明の製造法の工程を概念的に示
す説明図であつて、本発明に従い、まず、給紙部
１から防曇性を付与したい包装用プラスチツクフ
イルム２を供給し、コーテイング部３において分
子内にエチレン性不飽和二重結合を有する非イオ
ン性界面活性剤のアルコール溶液を、上記フイル
ム２の防曇性を付与したい部分に塗布する。これ
に、電子線照射装置４において電子線を照射する
ことにより、非イオン性界面活性剤をプラスチツ
クフイルム面に作用させ、次いで乾燥炉５におい
てアルコールを蒸散させ、さらに排紙部６に巻取
る。上記本発明において、プラスチツクフイルムと
は、熱融着性樹脂単体フイルムあるいは、熱融着
性樹脂層を片面に有する二層以上からなるフイル
ムである。単体フイルムは本発明の製造法による
加工を施してそのまま使用するか、あるいはさら
に他の樹脂層を積層することにより所望の包装用
フイルムとすることができる。ここでいう熱融着
性樹脂とは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、
ポリプロピレン、エチレン−α−オレフイン共重
合体ポリブテン等である。本発明における、分子内にエチレン性不飽和二
重結合を有する非イオン性界面活性剤とは、ポリ
オキシエチレンオレイルエーテル、ソルビタンモ
ノオレート、ソルビタントリオレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレート、ポリエチレン
グリコールモノオレート、オレイン酸モノグリセ
ライド、グリセロールモノオレート等であり、こ
れらの１種あるいは２種以上を混合して使用す
る。また、これを溶解するアルコールとは、メチル
アルコール、エチルアルコール等である。通常、
0.05〜２重量％の濃度で溶解させる。非イオン性
界面活性剤を溶解させたアルコールをプラスチツ
クフイルム面に塗布する方法は、ロールコート
法、リバースロールコート法、グラビアコート
法、ドクターナイフコート法等による。塗布量は
溶液状態にて0.1〜20ｇ/m²である。本発明の製造法における電子線とは、コツクロ
フトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器
型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン
型、高周波型、リニアフイラメント型等の電子線
加速機から放出れる、50〜1000KV好ましくは100
〜300KeVの範囲のエネルギーを持つ電子線を言
う。また、照射する線量は、プラスチツクの劣化
を最小限に抑えるため、低線量であることが好ま
しく、0.1〜10Mradが適当である。本発明の製造法により、望む部分に持続性のあ
る防曇性を付与させた食品包装用防曇性フイルム
が安価に得られる。以下に本発明の実施例および
比較例を示す。実施例１〜３、比較例１厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トと、40μの低密度ポリエチレンとからなる二層
フイルムの低密度ポリエチレン面に、表−１に示
す非イオン性界面活性剤を0.5重量となるように
エチルアルコールに溶解させた溶液を、グラビア
ロールで引取り速度60ｍ／分で塗布した。さら
に、窒素雰囲気中で150KV、５ｍＡの電子線照射
装置（エレクトロカーテン、米国ESI社製）によ
り1Mradの線量を照射し、約80℃でアルコールを
乾燥した。比較例１は、上記方法において、電子線照射を
行なわない場合である。これら、実施例１〜３、
比較例１によつて得られた防曇性フイルムの防曇
性評価結果を併せて表−１に示す。

【表】実施例４〜６、比較例２厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トと厚さ40μのポリプロピレンとの積層フイルム
のポリプロピレン面に表−２に示す非イオン性界
面活性剤を0.4重量％となるようにエチルアルコ
ールに溶解させた溶液を、グラビアロールで引取
り速度60ｍ／分で塗布した。さらに窒素雰囲気中
で150keV3.85ｍＡの電子線照射装置（エレクト
ロカーテン）により0.75Mradの線量を照射し、
約80℃でアルコールを乾燥した。比較例２は上記
方法において、電子線照射を行なわない場合であ
る。これら、実施例４〜６、比較例２によつて得
られた防曇性フイルムの防曇性評価結果を併せて
表−２に示す。

【表】【図面の簡単な説明】

図面は本発明の製造法の工程を概念的に示す説
明図である。１……給紙部、２……プラスチツクフイルム、
３……コーテイング部、４……電子線照射装置、
５……乾燥炉、６……排紙部。

Claims

【特許請求の範囲】１熱融着性樹脂からなるプラスチツクフイルム
の一方の面の全面又は一部あるいは片面に熱融着
性樹脂層を有するプラスチツクフイルムの該層の
全面又は一部に、分子内にエチレン性不飽和二重
結合を有する非イオン性界面活性剤による電子線
硬化層を有することを特徴とする食品包装用防曇
性フイルム。２熱融着性樹脂からなるプラスチツクフイルム
の一方の面の全面又は一部あるいは片面に熱融着
性樹脂層を有するプラスチツクフイルムの該層の
全面または一部に、分子内にエチレン性不飽和二
重結合を有する非イオン性界面活性剤のアルコー
ル溶液を塗布した後、該塗布面に、電子線を照射
し、その後にアルコールを蒸散させることを特徴
とする食品包装用防曇性フイルムの製造法。