JPS6138731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテンシヨンブライドルロール装置にお
ける駆動力配分装置に関する。

従来、この種装置は最高トルクが負荷されるブ
ライドルロールと他のブライドルロールとを差動
歯車装置で連結し、原動軸よりの駆動力を一定の
割合で配分して各々のブライドルロールに伝達
し、最高トルクが負荷されるブライドルロールの
負荷トルクの軽減と、最高トルクが負荷されるブ
ライドルロールとこれに巻付けている帯板との間
の相対すべりにより生じる帯板表面傷の防止とを
図るようにしているが、伝動装置が複雑なものと
なる。又、従来装置では駆動力の配分比が一定で
あるため、例えば帯板の性状変化等レベリング条
件の変更により摩擦係数が大きくなつた場合、ロ
ール許容トルクを越えた負荷トルクを受けてブラ
イドルロールが破損したり弾性スリツプ領域の増
大により帯板にすべり傷を生じる欠点があつた。

本考案は上記の欠点を除去するためになされた
もので、ブライドルロールの負荷トルクを検出
し、この検出値が設定範囲を外れた場合ガイドロ
ールを移動操作してブライドルロールに対する帯
板の巻付角度を増減制御するようにして、各ブラ
イドルロールに対する動力配分変更を行ないブラ
イドルロールにおける負荷トルクの過大化を防止
すると共に、帯板に対し安定した張力付加並びに
帯板のすべり傷防止が図れるテンシヨンブライド
ルロール装置における駆動力配分装置を提供しよ
うとするものである。

以下、その実施例を図面について説明する。図
示のものは圧延機あるいはテンシヨンレベラ等の
入側設備として用いられるドラグブライドル特に
４本ドラグブライドルである。図中１，２，３，
４は金属帯板５が一連に巻付けられたブライドル
ロールで、これらブライドルロールは歯車装置６
を介して駆動軸７に直結されており、帯板５の張
力を出側に向けて順次増大するようにしている。
８，８′，８″，８は各ブライドルロールの外周
部に可動設置され帯板を案内するようにしたガイ
ドロールで該ガイドロール８，…は油圧シリンダ
等作動機９の作動力を受け、帯板５のブライドル
ロールに対する巻付角度を制御する。１０，１
０′，１０″，１０はブライドルロール軸１′，
２′，３′，４′に設置されたトルク検出器であ
る。そして前記作動機９とトルク検出器の検出信
号と設定器１１の設定信号とを比較する演算器１
２と、演算器１２の出力信号に応じて作動機９を
作動する作動源１３と、作動機９の作動量を演算
器１２にフイードバツクするフイードバツク回路
１４とでブライドルロールに対する帯板の巻付角
度制御装置が構成されている。１５は変換器、１
６は位置検出器を示す。

本考案はこのように構成されているので、ドラ
グブライドルにおいて最も高トルクが負荷される
ブライドルロール４の発生トルクが帯板性状変化
による摩擦係数の増大により過大となつた場合、
ブライドルロール４の発生トルクがトルク検出器
１０で検出され、該検出器１０の検出信号と設定
トルク信号とが演算器１２で比較され、演算器出
力が作動源１３に入力され、入力信号量に応じた
作動源１３からの出力により作動機９が縮小し、
作動機９に連結しているガイドロール８が破線の
位置に移動し、ブライドルロール４の帯板巻付角
度がθ_４からθ₄′に減少するので速かにブライド
ルロール４の負荷トルクが許容トルク内に納ま
る。又、巻付角度の減少により帯板自体の弾性ス
リツプ領域も減少するので帯板に受ける弾性スリ
ツプ傷も防止できる。上記作用の結果、必要張力
（ドラグブライドル出側帯板張力）の不足分は、
前段のブライドルロール３に分担される。そし
て、ブライドルロール３においても負荷トルクが
一定以上になつた場合には、前記と同様にしてガ
イドロール８′が作動し、巻付角度の減少制御が
行なわれる。

尚、上記実施例は４本ドラグブライドルについ
て説明したが、２本以上のドラグブライドルある
いは圧延機やテンシヨンレベラ等の出側設備に用
いられる２本以上のブルブライドルにも同構造を
適用できることは言うまでもない。

以上のように、本考案によるとブライドルロー
ルの動力配分変更が行なえるので、例えば帯板の
性状変化による摩擦力の増大があつた場合ブライ
ドルロールトルクの過大化を確実に防止できブラ
イドルロールの破損を未然に防止できる他、ブラ
イドルロールとこれに巻付けられた帯板との間に
おけるスリツプ傷の発生も防止できるし、又、差
動歯車装置の省略によりブライドルロール駆動経
路が簡素化できる等多大の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るテンシヨンブライドルロ
ール装置における駆動力配分装置の概略説明図、
第２図は第１図線に沿う平面図である。 １，２，３，４……ブライドルロール、５……
金属帯板、８，８′，８″，８……ガイドロー
ル、｛９……作動機、１２……演算器、１３……
作動源、１４……フイードバツク回路｝制御装
置、１０，１０′，１０″，１０……トルク検出
器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２本以上のブライドルロールに一連に金属帯板
   を巻付けて張力を発生させるテンシヨンブライド
   ルロール装置において、それぞれのブライドルロ
   ールごとに、その負荷トルクを検出するトルク検
   出器及びブライドルロールの外周部に遠近可動可
   能に設置され帯板を案内するようにしたガイドロ
   ールを設け、トルク検出器の検出値が設定範囲を
   外れた際このトルク検出器が具備されたブライド
   ルロールに対しガイドロールを遠近移動操作して
   ブライドルロールに対する帯板の巻付角度を制御
   する制御装置を備え、それぞれのブライドルロー
   ルに対する帯板の巻付角度を高負荷側ロールから
   低負荷側ロールに向つて順次調整するように構成
   したことを特徴とするテンシヨンブライドルロー
   ル装置における駆動力配分装置。