JPS6138138Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、フロツピーデイスクで代表される
磁気デイスクカートリツジに係り、そのジヤケツ
トへの磁気デイスクの挿入が支障なくスムーズに
行なえるようにしたものである。

つまり、この種の磁気デイスクカートリツジ
は、第１図に示すように、ジヤケツト１とこれに
可回転に封入される磁気デイスク２とからなる。
そのジヤケツト１は合成樹脂のアウターカバー３
に不織布ライナー４を内張りしてなり、第７図に
示すように一旦、デイスク挿入口１２を有する矩
形の袋状に形成される。そして、デイスク挿入口
１２を介してジヤケツト内に磁気デイスク２を挿
入したのち、該挿入口１２が封着されるものとな
つている。

しかるに、不織布ライナー４はアウターカバー
３に部分的に熱溶着されているだけである。しか
もライナー４はアウターカバー３に強力に熱溶着
すると、アウターカバー３に熱変形が生じるの
で、軽く熱溶着されている。そのため、従来のジ
ヤケツトにおいては、第８図に示す如く、磁気デ
イスク２の挿入時に、デイスク挿入口１２に臨む
ライナー４の両端縁部９ａ・９ｂのうち一方の前
後中央部分が磁気デイスク２に当つて捲くれ上が
り、そのままデイスク挿入口１２が封着されて製
品化されることがあつた。かかるトラブルは磁気
デイスク２の回転不良を招く直接の原因となるも
のであり、皆無であるべきであるが、磁気デイス
ク２の挿入を自動機械化して行なう際には、チエ
ツクが困難であるところに問題があつた。

この考案は、かかる事実に着目し、ジヤケツト
に磁気デイスクを挿入するに際して、ジヤケツト
のデイスク挿入口に臨むライナーの両端縁部の中
央部分が簡単に捲くれないようにしようとするも
のである。

以下、その具体例を図面にしたがつて説明す
る。

第１図及び第２図はフロツピーデイスクを例示
しており、これはジヤケツト１と、これの内部に
可回転に封入された磁気デイスク２とからなる。
ジヤケツト１は、塩化ビニル製のアウターカバー
３の内面にポリプロピレンなどの合成繊維からな
る不織布製ライナー４を後述するように付着して
なり、駆動軸挿入孔５、磁気ヘツド挿入孔６、イ
ンデツクス孔７などが穿設された標準仕様のもの
である。

このジヤケツト１の製造工程を順に説明する
と、まず第３図に示すように、アウターカバー３
になる合成樹脂シート３ａを左右横長の長方形状
に裁断して用意し、このシート３ａの上にこれよ
り僅かに小さく裁断したライナー素材４ａを位置
決め載置する。そして、第４図に示すように、ラ
イナー素材４ａの図上右端縁部９ａをシート３ａ
に前後の２点P₁でスポツト熱溶着するとともに、
前後の中央部分を前後方向に走る一連の線状パタ
ーンＡで一定長さ熱溶着し、ライナー素材４ａの
図上左端縁部９ｂをシート３ａに５点P₂で前後方
向の適当間隔置きにスポツト熱溶着する。更に、
前記駆動軸挿入孔５及び磁気ヘツド挿入孔６に合
わせた環状パターンＢ・Ｃでライナー素材４ａを
シート３ａに熱溶着するとともに、ライナー素材
４ａを全面にわたつて左右方向に走る多数の平行
線状パターンＤでシート３ａに熱溶着する。この
平行線状パターンＤに熱溶着するに際しては、加
熱されるパターン付与用の上ローラと、強制冷却
される下ローラとの間にライナー素材付きのシー
ト３ａを挾持状態で通過させることにより、ライ
ナー素材４ａがシート３ａの内側表面に軽く熱溶
着されるようにし、シート３ａの外側表面にまで
熱変形が及ばないように配慮されている。

この熱溶着工程が完了すると、次に打抜き工程
に入り、シート外形と前述した各種孔５・６・７
とを打抜き、第５図に示す如き展開状態のジヤケ
ツト１を得る。このとき、シート右半部の三方周
縁に溶着代１０ａ・１０ｂ・１０ｃが形成され
る。

次に、第６図に示すように、展開状態のジヤケ
ツト１を左右の中央部から内側に二つ折りし、ま
ず前後の溶着代１０ａ・１０ｂを折曲げ重合して
熱溶着することにより、三方開口周縁部のうち前
後を封着し、以つてジヤケツト１を左右の一側方
にデイスク挿入口１２を開口した矩形の袋状に一
旦形成する。

しかるのち、第７図に示すように、このジヤケ
ツト１の内部にデイスク挿入口１２より磁気デイ
スク２を挿入し、最後に残りの溶着代１０ｃを折
曲げ重合して熱溶着することにより、デイスク挿
入口１２を封着し、以つて第１図に示す製品フロ
ツピーデイスクを得るようにしたものである。

なお、図示例では前述の線状パターンＡが一連
につながつたものとしたが、多数のスポツト熱溶
着を密に並べて連続したものとしてもよい。また
ライナー４の両端縁部９ａ・９ｂの前後中央部分
に線状パターンＡが入るようにしてもよい。更に
各端縁部９ａ・９ｂの前後間にわたつて線状パタ
ーンＡを入れるようにしてもよいであろう。

以上説明したように、この考案によれば、ジヤ
ケツト１のデイスク挿入口１２に臨むライナー４
の両端縁部９ａ・９ｂの前後中央部分が、アウタ
ーカバー３に積極的に熱溶着されている。しか
も、ライナー４の少なくとも一方の端縁部９ａは
線状パターンＡで熱溶着した。したがつて、従来
のようにライナー４の一端縁部９ａが、前後の両
端２点P₁でアウターカバー３にスポツト熱溶着さ
れ、平行線状パターンＤで軽くアウターカバー３
に熱溶着されただけのものと異なり、この端縁部
９ａの前後中央部分が磁気デイスク２の挿入時に
アウターカバー２から剥れて捲くれることはな
い。また、他方の端縁部９ｂも多数箇所P₂でスポ
ツト熱溶着であれ、同様の線状パターンＤでの熱
溶着であれ、その前後中央部分はアウターカバー
３に確実に固定されているので、捲くれることは
ない。その結果、ジヤケツト１への磁気デイスク
２の挿入を自動機械化しても一切の支障なく円滑
に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る磁気デイスクカートリツ
ジを例示する一部切欠き全体斜視図、第２図はそ
の縦断面図である。第３図及び第４図は磁気デイ
スクカートリツジのジヤケツトの製造工程を説明
するそれぞれ平面図である。第５図はジヤケツト
の展開状態を示す平面図、第６図はジヤケツトの
折畳み状態を示す斜視図、第７図はジヤケツトへ
の磁気デイスクの挿入状態を示す平面図である。
第８図は従来例における不良状態の発生を説明す
る要部拡大縦断面図である。 １……ジヤケツト、２……磁気デイスク、３…
…アウターカバー、３ａ……アウターカバーの素
材である合成樹脂シート、４……不織布製ライナ
ー、４ａ……ライナー素材、５……駆動軸挿入
孔、６……磁気ヘツド挿入孔、７……インデツク
ス孔、９ａ・９ｂ……ライナーの左右の端縁部、
１０ａ・１０ｂ・１０ｃ……溶着代、１２……デ
イスク挿入口、Ａ……線状パターン、Ｂ・Ｃ……
環状パターン、Ｄ……平行線状パターン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ジヤケツト１と、これに封入される磁気デイ
   スク２とからなり、そのジヤケツト１は、合成
   樹脂製のアウターカバー３とこれの内面に部分
   的に熱溶着される合成繊維の不織布製ライナー
   ４とで左右の一側方にデイスク挿入口１２を有
   する矩形の袋状に一旦形成され、デイスク挿入
   口１２を介して内部に磁気デイスク２を挿入し
   たのちデイスク挿入口１２が封着されるものと
   なつている磁気デイスクカートリツジにおい
   て、ジヤケツト１のデイスク挿入口１２に臨む
   ライナー４の左右の両端縁部９ａ・９ｂの前後
   中央部分を、アウターカバー３に熱溶着するこ
   と、但しライナー４の少なくとも一方の端縁部
   ９ａは前後方向に走る線状パターンＡでアウタ
   ーカバー３に熱溶着するようにしたことを特徴
   とする磁気デイスクカートリツジ。 (2) ライナー４の一方の端縁部９ａは、前後２点
   がスポツト熱溶着されるとともに、その前後中
   央部分が前後方向に走る線状パターンＡで熱溶
   着され、ライナー４の他方の端縁部９ｂは、前
   後の適当間隔置いた多数個所でスポツト熱溶着
   される実用新案登録請求の範囲第１項記載の磁
   気デイスクカートリツジ。 (3) 線状パターンＡが、一連につながつたもので
   ある実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項
   記載の磁気デイスクカートリツジ。 (4) 線状パターンＡが、多数のスポツト熱溶着を
   密に連続したものである実用新案登録請求の範
   囲第１項又は第２項記載の磁気デイスクカート
   リツジ。 (5) ライナー４の両端縁部９ａ・９ｂの前後中央
   部分が、前後方向に走る線状パターンＡでアウ
   ターカバー３にそれぞれ熱溶着される実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の磁気デイスクカー
   トリツジ。