JPS6137788Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車等の２サイクル多気筒内燃
機関、特にロータリ弁吸気方式によるクランク室
予圧式の内燃機関に関する。

ロータリ弁吸気方式は、他の例えばピストンバ
ルブ方式等に比べ、吸気面積を大きくできる、吸
気のタイミングが自由にとれる、吹返しが少ない
等の点で優れていることは知られている。

この場合、ロータリ弁をクランク軸に設けると
構造が簡単となる。又吸気通路は出力を向上させ
る上でなるべく直線的にして通気抵抗を少なくす
るのが望ましい。そこでロータリ弁を一般にクラ
ンク軸の端部に設けているが、両端部に設けても
せいぜい２つしか設けられない。

従つて多気筒内燃機関、例えば２気筒内燃機関
に於て２つのシリンダに共通のクランク軸の一端
に発電機等を配置するときにはロータリ弁を１つ
しか設けることができない場合がある。又４気筒
内燃機関にあつてはクランク軸を少なくとも２本
にする必要があつた。

本考案は上記の点に鑑み提案されたもので、ロ
ータリ弁吸気方式によるクランク室予圧式２サイ
クル多気筒内燃機関を構造簡単に構成することを
目的とする。

その目的を達成するために隣り合うシリンダ
１・１をクランク室２を共通にして上昇・下降工
程が同位相で作動する同爆形に構成し、クランク
軸３上に上記両シリンダ１・１に共用のロータリ
弁４を設けたものである。

第１・２図はＶ型に配置した２個１組の同爆形
のシリンダ１・１を同一クランク軸３上に２組配
置した４気筒内燃機関を例示する。

即ち、上記各組毎にその組をなす両シリンダに
共通のクランク室２を設け、その各クランク室２
にロータリ弁４で開閉される吸気通路５を設け
る。

６はクランクケース、７はピストン、８はコン
ロツドを示す。

上記吸気通路５は第２図鎖線示のように、Ｖ型
に配置したシリンダ１・１の交差位置にクランク
軸３と略平行に直線状に形成することによつて、
通気抵抗を少なくして出力の向上を図るを可とす
る。９は気化器、９ａは絞り弁を示す。

クランク軸３はその軸線方向に略２等分し、中
央部を動力取出用歯車１０の軸穴１０ａに圧入嵌
合して連結したもので、そのクランク軸３の両端
に上記吸気通路５を横切るようにロータリ弁４を
取付ける。４ａはロータリ弁４に形成した通気開
口、１１は掃気通路、１２は排気通路、１３はブ
ースト通路である。

本考案の２サイクル多気筒内燃機関は上記の構
成により、１つのロータリ弁を複数の気筒に共用
できるから、各気筒毎にロータリ弁を設ける面倒
がないもので、例えば４気筒内燃機関にあつては
図示例のように少なくとも２つのシリンダに対す
るロータリ弁を共用させて、２つ以下にできると
共に、１つのクランク軸上に４つのシリンダを配
置することも可能となる。又２気筒の場合には２
つのシリンダに共用のロータリ弁を１つ設ければ
よいから、クランク軸３の一端に発電機等を配置
する場合にはそれと反対側に設ければよいもの
で、この種のロータリ弁吸気方式によるクランク
室予圧式２サイクル多気筒内燃機関を構造簡単に
構成できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案２サイクル多気筒内燃機関の縦
断正面図、第２図は第１図−線断面図であ
る。 １はシリンダ、２はクランク室、３はクランク
軸、４はロータリ弁、５は吸気通路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ロータリ弁吸気方式によるクランク室予圧式
   ２サイクル多気筒内燃機関に於て、隣り合うシ
   リンダをクランク室を共通にした同爆形に構成
   し、クランク軸上に上記両シリンダに共用のロ
   ータリ弁を設けた２サイクル多気筒内燃機関。 (2) 上記の隣り合うシリンダをＶ型に配置し、そ
   の両シリンダの交差位置に上記ロータリ弁に通
   じる略直線状の吸気通路を設けた実用新案登録
   請求の範囲第(1)項記載の２サイクル多気筒内燃
   機関。