JPS6136758Y2

JPS6136758Y2 -

Info

Publication number: JPS6136758Y2
Application number: JP8948881U
Authority: JP
Priority date: 1981-06-19
Filing date: 1981-06-19
Publication date: 1986-10-24
Also published as: JPS57202726U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は過給機付デイーゼル機関にガス燃料供
給手段を付加してなるガス・デイーゼル二元燃料
機関における空燃比（燃料に対する空気過剰率）
の自動調整装置に関するものである。

このようなガス・デイーゼル二元燃料機関にお
いては、ノツキング域および失火域を回避し、燃
料消費率および排気ガス特性を改善するために、
各負荷率における前記空燃比を最適な値にするこ
とが要請されている。

この要請に対し、従来は、ガス燃料量調整弁の
出口部の圧力をそのまま空気圧増幅器に導き、同
空気圧にて過給機コンプレツサ出入口をバイパス
させることにより、空燃比を調整しようとする装
置が知られていた。

しかしながら、このように空気圧を直接用いて
機械的に制御する従来の装置では、原理的に任意
パターンの制御ができず、その精度に限界があ
り、また装置的にも空気圧源を余分に要し、構造
が複雑でコストが高いという欠点があつた。

本考案の目的は、このような従来の空気圧機械
制御式の装置の欠点を克服し、任意パターンの制
御ができ、その精度を向上させ、しかも構造が簡
単で低コストの空燃比自動調整装置を提供するこ
とにある。

この目的を達成するため、本考案は、パイロツ
ト噴射量の設定手段および該パイロツト噴射量の
設定値に基づきパイロツト噴射量を変更する手段
を有するものにおいて、過給機付デイーゼル機関
にガス燃料量調整弁を有するガス燃料供給ライン
を付加するとともに、ガス燃料運転時のデイーゼ
ル燃料パイロツト噴射量の検出手段を設け、前記
ガス燃料量調整弁に弁開度センサを設け、過給機
検出口とデイーゼル機関吸気口との間にある給気
圧逃し口に、電気式アクチユエータによつて駆動
される給気圧逃し量調整弁および弁開度センサを
設け、さらに、前記ガス燃料量調整弁の開度と前
記給気圧逃し量調整弁の開度との所定の関係を記
憶・演算し、かつガス燃料量調整弁の弁開度セン
サの信号にもとづいて、給気圧逃し量調整弁の開
度を増減させる信号を出力するマイクロコンピユ
ータを設けてなるものである。

以下、図によつて本考案を具体的に説明する。

図は、本考案の一実施例よりなる空燃比自動調
整装置の概略構成図である。

図において、１はデイーゼル機関（図示せず）
に付加したガス燃料供給ライン、２はその途中に
設けたガス燃料量調整弁、３はその弁開度セン
サ、４は機関の回転速度を検出するための回転セ
ンサ、５はガス燃料量調整弁２の開度を制御する
ための電子ガバナ、ｇは機関の燃料室（図示せ
ず）へ供給されるガス燃料である。なお、ガス燃
料量運転時には、別途手段（後述する）により、
一定量のデイーゼル燃料がパイロツト噴射され
る。

一方、ａは過給される空気であり、６は過給機
コンプレツサ、７は過給機出口と機関吸気口（図
示せず）との間に設けられた給気圧逃し口、８は
給気圧逃し量調整弁、９はその弁開度センサ、１
０は給気圧逃し量調整弁８を駆動する電気式アク
チユエータとしてのモータである。給気逃し量調
整弁８の出口は図示のような大気側に開放しても
よいし、あるいは過給機コンプレツサ６の入口に
つなぐようにしてもよい。

さらに、１１は中央処理素子（以下、CPUと
いう）、１２は読出専用記憶素子（以下、ROMと
いう）、１３は書込・読出記憶素子（以下、RAM
という）、１４は出力ポート、および１５はバス
ラインであり、データバス・アドレスバスおよび
コントロールバスからなつている。

CPU１１〜出力ポート１４は、マイクロコン
ピユータシステムとしてそれぞれ別個のLSI（大
規模集積回路）で構成し得るのみならず、２点鎖
線で囲んだように、CPU１１〜出力ポート１４
およびバスライン１５をすべて内蔵したワンチツ
プマイクロコンピユータ１６を用いることもでき
る。１７はマルチプレクサ・Ａ／Ｄコンバータで
あり、弁開度センサ３および９から入力されるア
ナログ量をデイジタル量に変えて、バスライン１
５を介して出力するものである。１８はパワート
ランジスタないしリレー等による増幅器である。

そして、１９はデイーゼル燃料ｄのパイロツト
噴射量設定器、２０はその出力を受けるポジシヨ
ンコントローラ、２１はデイーゼル燃料噴射ポン
プ、２２は噴射ポンプ２１のラツク位置（すなわ
ち噴射量）センサである。

このような構成よりなる本考案の空燃比自動調
整装置の作動について、次に説明する。

まず、ROM１２に記憶させてあるプログラム
のシーケンスにもとづいて、CPU１１はガス燃
料量調整弁２の開度およびデイーゼル燃料噴射ポ
ンプ２１のラツク位置を、弁開度センサ３および
ラツク位置センサ２２の検出信号としてＡ／Ｄコ
ンバータ１７を通して読む。その弁開度およびラ
ツク位置に対し、同じくROM１２に収納してあ
る（ガス燃料量調整弁開度）、（デイーゼル燃料噴
射ポンプラツク位置）対（給気圧逃し量調整弁開
度）の数表を、COU１１が読出して参照し、そ
のときガス燃料量調整弁の開度およびデイーゼル
燃料のパイロツト噴射量（ラツク位置に比例）に
対応した所定の給気圧逃し量調整弁の開度を算出
する。

なお、前記数表は、そのデイーゼル機関の試験
運転結果にもとづいて得られるものであるが、
ROM１２に記憶させるに際しては、前記二つの
弁開度およびラツク位置のいずれも量子化する必
要がある。したがつて、この数表をグラフ化する
とステツプ状にならざるをえないが、それに対し
ては、ROM１２の記憶容量を大きくしてより細
かなステツプにするか、またはCPU１１で読出
すときに補間演算する等の処理をほどこすことが
できる。

あるいは、前記数表ではなく、（ガス燃料量調
整弁開度）、（デイーゼル燃料噴射ポンプラツク位
置）対（給気圧逃し量調整弁開度）の関係を数式
化したものをROM１２に収納しておき、そのつ
どCPU１１によつてその数式を解かせ、あり得
べき給気圧逃し量調整弁の開度を算出するように
してもよい。

次に、CPU１１は給気圧逃し量調整弁８の開
度を、弁開度センサ９の検出信号としてＡ／Ｄコ
ンパータ１７を通して読み、その検出値と上記算
出値とを比較する。

その比較結果にもとづいて、CPU１１は一定
の許容幅を含めたうえで前記検出値と算出値とを
一致させるべく、出力ポート１４および増幅器１
８を介して電気式アクチユエータ１０に正転、逆
転あるいは停止の信号を出力する。

すなわち、給気圧逃し量調整弁８の開度は、そ
の時点でのガス燃料量調整弁２の開度およびデイ
ーゼル燃料噴射ポンプ２１のラツク位置（パイロ
ツト噴射量）に応じて、CPU１１〜バスライン
１５よりなる記憶・演算・出力手段を介して自動
的に増減されることになり、望ましい空燃比にな
るように自動調整することができる。

本考案において、弁開度センサ３およびラツク
位置センサ２２としては、たとえばポテンシヨメ
ータをつかうことができる。また、給気圧逃し量
調整弁８の開閉用電気式アクチユエータ１０とし
ては、実施例（図）に示したモータのみならず、
サーボソレノイドを用いることもできる。サーボ
ソレノイドを用いれば、より速い応答性が達成さ
れる。その場合には、増幅器１８としてパルス幅
変調増幅器を用いればよい。また、ポジシヨンコ
ントローラ２０としてもサーボソレノイドを用い
ることができる。

以上説明したように、本考案の空燃比自動調整
装置は、上記のような構成よりなつているため、
次のような効果を奏することができる。

従来の装置のような空気圧制御式に比べ、本
考案では電子制御式であるためより速い応答性
が達成され、しかも図に示したように開ループ
制御であるため、ハンチング等がおこりにくく
制御精度が向上する。

数表記憶等によるプログラム制御方式である
ため、任意パターンの制御が可能であり、ガス
燃料の組成変更等に対しても、簡便かつ確実に
対応することができる。

空気圧源等の大きな設備が不要であり、装置
全体としての構造が簡単で、信頼性が高く、低
コストである。

プラントのガス燃料発生量の変動に対して、
デイーゼル燃料のパイロツトの噴射量をそれに
応じて設定変更することができ、しかもその
際、常に最適な空燃比に自動調整できるので、
運転の自由度がきわめて大きい。

ガス燃料量調整弁の弁開度と給気圧逃し量調
整弁の弁開度との所定の弁開度センサの信号に
もとづいて、給気圧逃し量調整弁の開度を増減
させる信号をマイクロコンピユータにより出力
するようにしたため、予め決められた制御特性
に沿つた実際の運転性能を自動的に得ることが
でき、しかもその機械的構成は簡単であり、応
答性も良好である。

【図面の簡単な説明】

図は、本考案の一実施例よりなるガス・デイー
ゼル二元燃料機関の空燃比自動調整装置の概略構
成図である。１……ガス燃料供給ライン、２……ガス燃料量
調整弁、３，９……弁開度センサ、６……過給機
コンプレツサ、７……給気圧逃し口、８……給気
圧逃し量調整弁、１０……電気式アクチユエー
タ、１１……CPU、１２……ROM、１３……
RAM、１４……出力ポート、１５……バスライ
ン、１７……マルチプレクサＡ／Ｄコンバータ、
１８……増幅器。１９……デイーゼル燃料のパイ
ロツト噴射量設定器、２０……ポジシヨンコント
ローラ、２１……デイーゼル燃料噴射ポンプ、２
２……ラツク位置センサ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

パイロツト噴射量の設定手段および該パイロツ
ト噴射量の設定値に基づきパイロツト噴射量を変
更する手段を有する過給式デイーゼル機関におい
て、該過給機付デイーゼル機関にガス燃料量調整
弁を有するガス燃料供給ラインを付加するととも
に、ガス燃料運転時のデイーゼル燃料パイロツト
噴射量の検出手段を設け、前記ガス燃料量調整弁
に弁開度センサを設け、過給機出口とデイーゼル
機関吸気口との間にある給気圧逃し口に、電気式
アクチユエータによつて駆動される給気圧逃し量
調整弁および弁開度センサを設け、さらに、前記
ガス燃料量調整弁の開度およびパイロツト噴射量
検出と前記給気圧逃し量調整弁の開度との所定の
関係を記憶・演算し、かつガス燃料量調整弁の弁
開度センサの信号にもとづいて、給気圧逃し量調
整弁の開度を増幅させる信号を出力するマイクロ
コンピユータを設けてなる、ガス・デイーゼル二
元燃料機関の空燃比自動調整装置。