JPS6134918B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、固液分離を目的とするスクリユウプ
レスに関するものである。

果実、酒、醤油等の食品、下水等の汚水、化学
物質等を固体と液体とに分離するために、従来か
らスクリユウプレスが使用されていることは周知
のとおりである。

このように、固液分離を目的とするスクリユウ
プレスを構成するに際して従来では、外周に細孔
を設けた円周の内部にスクリユウを軸架し、この
スクリユウの送り羽根が形成する移送空間の容積
を順次小さくすることにより、スクリユウの圧縮
作用を利用して搾液を前記細孔から円筒の外部に
流出させて固体を円筒の端部から押し出すように
構成していた。

従つて、このような従来のスクリユウプレスに
おいては、運転中はスクリユウを洗浄できないの
で円筒に形成した搾液排出用の細孔が目詰まりを
起して固液分離効率が時間の経過とともに低下し
てしまうといつた欠点があつた。

又、円筒に細孔を設ける代りに、スクリユウを
中空状に形成し、送り羽根に設けた細孔を介して
スクリユウの内外を連通させることによつて搾液
をスクリユウの内部を経て取出するようにしたも
のもあつたが、この場合には原料の共廻りを防止
するためにスクリユウに設けた送り羽根を部分的
に切除し、前記円筒の内周面に固定したナイフバ
ーを前記切除した部分で移送空間に突入させ、あ
るいは、共廻りを防止するために円筒の内周面を
凹凸状に形成する必要があるので構造が複雑にな
ると共に、前記した従来例のものと同様に運転中
は細孔が形成されているスクリユウを洗浄できな
いので目詰まりが発生し易くなり、しかも、細孔
を形成する面積が限定されるので固液分離面積
（搾液の流出面積）が小さくなつて固液分離効率
が低下するといつた不具合があつた。

本発明は、このような従来の不具合を解消する
ためになされたものであつて、その目的とすると
ころは、圧縮・送り作用をするスクリユウと搾液
作用（固液分離作用）をするスクリユウとを独立
させることにより、運転中においても細孔の洗浄
を可能として目詰まりによる固液分離効率の低下
を防止することにある。

斯る目的を達成するために本発明は、外周面に
突設した螺旋状の送り羽根が形成する移送空間の
容積が次第に小さくなるように構成した圧縮スク
リユウを収容した上部シリンダと、前記送り羽根
が所定の隙間をもつて突入嵌合する凹溝を外周面
に形成した中空の搾液スクリユウを収容した下部
シリンダとを一部を重複させて上下に隣接形成
し、前記搾液スクリユウの内外を連通させる細孔
を該スクリユウの周面に形成すると共に、下部シ
リンダの底壁面に開口を設けたことにより、圧縮
スクリユウに形成した送り羽根と搾液スクリユウ
に形成した凹溝との噛み合いによつて原料の共廻
りを防止しつつ、搾液スクリユウを下部シリンダ
の底壁面に形成した開口から洗浄することで細孔
の目詰まりをも防止し、以つて、長時間の運転に
際しても所期の搾液効率を持続できるようにして
いる。

以下に本発明の実施例を説明する。

図は本発明の一実施例を示すものであり、円筒
状に形成された上部シリンダ１には外周面に螺旋
状に突設した送り羽根２のピツチを次第に小さく
することで移送空間の容積を次第に小さくした圧
縮スクリユウ３を収容し、この圧縮スクリユウ３
を図示しないモータ等によつて所定の速度で回転
駆動できるようにしている。又、前記上部シリン
ダの底部に上端部を重合させて形成した下部シリ
ンダ４には中空の搾液スクリユウ５を軸架してい
る。この搾液スクリユウ４の外周面には、前記圧
縮スクリユウ３の送り羽根２が所定の隙間をもつ
て突入嵌合する凹溝６を螺旋状に形成しており、
この搾液スクリユウ５を前記圧縮スクリユウ３と
同期させて回転駆動させるように構成している。

又、前記搾液スクリユウ５の周面には、該スク
リユウ５の内外、つまり、搾液スクリユウ５の内
部と下部シリンダ４の内部とを連通させる搾液孔
７，７を形成すると共に、この搾液孔７，７の外
端開口部を覆うカバー８，８に多数個の細孔９，
９をそれぞれ形成している。そして、下部シリン
ダ４の底壁面に複数個の開口１０，１０を形成す
ることにより、この開口を介して搾液スクリユウ
５の表面を下部シリンダ４の外部に露出させてい
る。１１は圧縮スクリユウ３の移送終端部に固定
したコーンポイント、１２は開口から下部シリン
ダ４内部の搾液スクリユウ５に洗浄液を噴射する
洗浄ノズル、１３，１３は上部シリンダ１及び下
部シリンダ４を形成するケース、１４は原料の投
入口、１５はケーキ出口である。

上記の構成において、各スクリユウ３，５を回
転させて原料を投入口１４から上部シリンダ１の
内部に投入すると、圧縮スクリユウ３の圧縮移送
作用を受けて原料が圧縮されつつ次第に第１図で
右側に移送される。

このように圧縮作用にともなつて原料が次第に
固体と搾液とに分離されるが、搾液は搾液スクリ
ユウ５の周面に形成した細孔９，９から搾液孔
７，７を通つて搾液スクリユウ５の内部に流入
し、下部に位置する搾液孔７，７から細孔９，９
を通つて下部シリンダ４の内部に流出し、重力に
よつて開口１０，１０から外部に流出する。

一方、搾液が分離された固体は次第に圧縮され
つつ移送され、その後も搾液と分離されて上部シ
リンダ１の内部を次第に移送されてついにはケー
キ出口１５から外部に排出される。尚、コーンポ
イント１１の位置を変更することでケーキ出口１
５の開口面積を変更できるので、圧縮スクリユウ
３による原料の圧縮度（ケーキに含まれる搾液の
分量）を調整できることは詳述するまでもない。

斯る固液分離作用において、圧縮スクリユウ３
が回転すると、これにともなつて原料が共廻りし
ようとするが、第２図に示すように圧縮スクリユ
ウ３の送り羽根２が搾液スクリユウ５の凹溝６に
所定の隙間をもつて突入嵌合しているので、原料
の共廻りは完全に阻止される。従つて、圧縮スク
リユウ３による圧縮移送が確実に行なわれるた
め、従来のように効率を犠牲にしてまで送り羽根
の一部を切除する必要性がなくなる。

又、搾液作用をする搾液スクリユウ５は回転
し、搾液とは関係のない下部シリンダ４の底部ま
で回転してきたときに該スクリユウ５の表面が順
次開口１０，１０を介して外部に露出される。こ
のために、実施例のように開口１０，１０の外方
に洗浄ノズル１０，１０を配設した場合は、この
ノズル１０，１０から噴射される洗浄液によつて
搾液スクリユウ５を常時洗浄でき、あるいは、搾
液スクリユウ５の外周面を図示しないブラシ等で
洗浄できる。従つて、圧縮作用が行なわれる上部
シリンダ１の底壁には目詰まりのない細孔９，９
が循環供給されるので長時間に互つて搾液効率を
高くできる。

尚、実施例では圧縮スクリユウの外周面に設け
た送り羽根のピツチを次第に小さくすることで移
送空間の容積を次第に小さくするようにしている
が、圧縮スクリユウの軸部の外径を次第に大きく
するか、あるいは、送り羽根の厚さを次第に大き
くすることによつても移送空間の容積を次第に小
さくすることができるというように、圧縮スクリ
ユウの具体構成は任意である。

又、実施例では上部シリンダの底部に設けた開
口の外方に洗浄ノズルを配設し、このノズルから
噴射された洗浄液で搾液スクリユウの外周面を洗
浄して細孔の目詰まりを防止するようにしている
が、他の手段によつて細孔の目詰まりを防止する
こともできる。

以上説明したように本発明によれば、原料の圧
縮と移送とを上部シリンダに収容した圧縮スクリ
ユウで行なわせ、このスクリユウの送り羽根が突
入嵌合する凹溝を形成した搾液スクリユウを下部
シリンダに収容して圧縮と搾液とを分離し、しか
も、搾液作用をする搾液スクリユウを下部シリン
ダの底壁面に形成した開口から外部に露出させて
運転中においても搾液スクリユウを洗浄できるよ
うにしているので搾液を長時間に亙つて安定よく
外部に流出させることができ、固液分離効率を高
くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の断面図、第２図は
第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は搾液スクリユウ
の拡大断面図である。 １……上部シリンダ、２……送り羽根、３……
圧縮スクリユウ、４……下部シリンダ、５……搾
液スクリユウ、６……凹溝、９……細孔、１０…
…開口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外周面に突設した螺旋状の送り羽根が形成す
   る移送空間の容積が次第に小さくなるように構成
   した圧縮スクリユウを収容した上部シリンダと、
   前記送り羽根が所定の隙間をもつて突入嵌合する
   凹溝を外周面に形成した中空の搾液スクリユウを
   収容した下部シリンダとを一部を重複させて上下
   に隣接形成し、前記搾液スクリユウの内外を連通
   させる細孔を該スクリユウの周面に形成すると共
   に、下部シリンダの底壁面に開口を設けたことを
   特徴とするスクリユウプレス。