JPS6134303Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内部補強タンクに関する。

円筒縦型タンクにおいては、貯蔵物の圧力によ
りタンク側板が外方に変形し、これによりタンク
底板が浮きあがり危険な状態となる。このため、
タンク側板の外周に補強リングを設けることが試
みられている。

一方、浮屋根型タンクにおいては、雨水の侵入
を防止するために、タンク内周壁と浮屋根の外周
壁間に特殊シール装置を設け、さらにその上方に
ウエザーシールを設けることが行なわれている。
しかし、このような手段を構じても雨水の侵入を
十分に防止することができず、降雨時にはタンク
側板に沿つて雨水が侵入し、タンク内製品の品質
低下やタンク底板の腐食の原因となつている。こ
のため、タンク底板に貯まつた水は定期的に水量
確認の上、バルブ操作により水切り作業を行なつ
ている。しかし、この作業では水のみを選択的に
抜くことが難かしく、公害防止対策上、後処理が
必要とされるばかりでなく、多大の労力を必要と
する。

本考案は上記欠点を解消してタンクの補強を行
ない、かつ浮屋根型タンク内へ侵入した雨水の集
水と排水機能をも有するタンクの構造を提供する
ことを目的としている。

本考案は浮屋根型タンクの側板内周壁の底板と
接する位置あるいは底板より僅か上方の位置に補
強用リングを該リングとタンク側板との間で断面
凹状の溝を形成し、かつ勾配をつけて取付けると
共に該溝を水抜き口と連通させてなる内部補強タ
ンクである。

第１図は本考案の浮屋根型タンクの概略図であ
る。図示したようにタンク側板１の内周壁の底板
と接する位置あるいは底板より僅か上方の位置に
補強用リング２を取付ける。補強用リングの一部
がタンク側板に垂直な鍔を形成し、かつタンク側
板との間で断面凹状の溝を形成せしめることが望
ましい。そして、この溝はタンク屋根から壁に沿
つて落下する雨滴を効果的に集水、排水するため
に必要である。第２図ａ〜ｆは補強用リングの
種々の態様を示したものである。

補強用リングの取付けにあたり、第１図に示し
た如く3/1000程度の勾配をつけて排水を容易にす
ることが望ましい。

本考案によれば、タンク内部において断面凹状
の溝を形成するように補強用リングを取付けるた
め、補強効率が高く、材料の使用量を軽減するこ
とができる。しかも、タンクの外観に全く影響を
与えない。

また、浮屋根型タンク内に侵入した雨水が水滴
となつてタンク側板をつたわり、補強用リングと
タンク側板とにより形成された溝に集まるため、
タンク全体に拡散することがない。しかも、雨水
は底板に達しないため、底板の腐食を防ぐことが
できる。集水された雨水はタンク内に設けたます
を介してタンク外部へ効率よく排出することがで
きる。また、補強用リングは勾配をつけて取付け
てあり水抜き口を１個所に集中できるため、排水
管を短かくして設備費の軽減を図ることができ
る。さらに水抜き作業が容易で、作業回数や労力
を大巾に減少せしめることが可能である。また、
タンク側板にワツクスその他のスラツジが生じた
場合に、これらを排出するためにも利用できる。
したがつて、本考案は石油工業、化学工業等の分
野における各種貯蔵タンクに対して有効に適用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の浮屋根型タンクの概略図、第
２図ａ〜ｆは補強用リングの実施態様を示したも
のである。 １……タンク側板、２……補強用リング、３…
…溝、４……タンク底板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浮屋根型タンクの側板内周壁の底板と接する位
   置あるいは底板より僅か上方の位置に補強用リン
   グを該リングとタンク側板との間で断面凹状の溝
   を形成し、かつ勾配をつけて取付けると共に該溝
   を水抜き口と連通させてなる内部補強浮屋根型タ
   ンク。