JPS6133360B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 電磁継手と固定子を持つた交流回転電機とを電
気的並びに機械的に結合した装置で連続的に速度
制御させるために、電磁継手の電機子巻線と交流
回転電機の電機子巻線の間に周波数変換装置を接
続する駆動装置は特許第904294号（特許出願公告
昭52―33267号）の例にもあるように公知であ
る。然し、このような公知の駆動装置には次に示
すような欠点がある。すなわち、電磁継手の電機
子巻線と固定子を持つ交流回転電機の固定子巻線
の間に単に周波数変換装置を設けるだけで、この
同期機や誘導機など固定子を持つ交流回転電機の
速度を制御する場合には特許第904294号に見られ
るように、その周波数変換装置としては複雑な自
励式の装置を必要とし、高価であるし、作動も確
実ではない。

本発明は従来公知のこのような駆動装置の欠点
を改善し、原動機の回転方向を一定に保ちつゝ、
負荷の回転方向を正逆転換しうる配列としながら
速度制御のための周波数変換装置を簡単確実な他
励式構成とすることを目的とする。

このような目的を達成せしめるため、本発明で
は、本発明の実施例として画かれた具体的電気接
続図例の第１図に示すように、相対的に回転する
二つの相対向する回転子３と４を有する電磁継手
２の一方の回転子４に電機子巻線１０を設け、こ
の電磁継手２の一方の回転子４と巻線形誘導電動
機５の回転子７とを機械的に結合し、それにより
負荷９を駆動するように配列し、一方電磁継手２
の他方の回転子３を原動機１により駆動するよう
に配列し、上記巻線形誘導電動機５の回転子７に
設けられた電機子巻線１１と上記電磁継手２の電
機子巻線１０とを電気接続し、更に上記巻線形誘
導電動機５の固定子６に設けられた電機子巻線１
２と上記巻線形誘導電動機５の回転子７の電機子
巻線１１の間に周波数変換装置１７，１８，１９
を電気的に接続するのである。

電磁継手２の一方の回転子４と巻線形誘導電動
機５の回転子７との機械的結合とは第１図に示し
たようにタンデム結合とする場合もあるが、これ
ら回転子４と７を一体化し、その回転子４，７の
内側に電磁継手２の電機子巻線１０を設け、その
回転子４，７の外側に巻線形誘導電動機５の電機
子巻線１１を設ける場合も考えられる。第１図の
場合、巻線形誘導電動機５の回転子７に設けられ
た電機子巻線１１は電磁継手２の電機子巻線１０
より電力を受けて、巻線形誘導電動機５の一次巻
線を形成する。この一次巻線１１に対し二次巻線
１２が電力を受けて、その端子より順変換装置１
７、リアクトル１９を経て逆変換装置１８を通し
てスリツプリング８から電磁継手２の電機子巻線
１０或いは巻線形誘導電動機５の一次巻線１１へ
電力を返還すべく電気接続される。順変換装置１
７の出力端子からリアクトル１９を経て電力をこ
の逆変換装置１８の入力端子へ興えることにより
上記他励式逆変換装置が成立するのであるが、こ
の順変換装置１７はその制御装置２０の操作によ
り、その入力端子に加えられた固定子巻線１２か
らの交流電力を出力側端子より直流出力として出
すことになる。固定子巻線１２は回転子巻線１１
と電磁結合されているために、結局順変換装置１
７へは回転子巻線１１から電力が興えられること
になる。又回転子電機子巻線１１は電磁継手２の
電機子巻線１０より電力を受ける。このようにし
て電機子巻線１１に関係するスリツプリングは８
で示す三個しか必要でない。

原動機１に駆動される側の電磁継手回転子３に
界磁巻線１３が設けられ、スリツプリング１４と
その電気接続電線１５を経て直流電源からその励
磁電力を受ける。

第１図で制御素子付き整流器を用いて順変換装
置１７と逆変換装置１８を構成しているが、その
制御装置２０及び２１の接続と操作或いは主回路
の切りかえにより、電機子巻線１２と接続する変
換装置１７を逆変換装置とし、他方の変換装置１
８を順変換装置とすることも出来る。換言すれば
周波数変換装置１７，１８，１９の電力の流れを
正逆何れの方向にも向けうる。もし第１図におい
て制御装置２０の位相制御機構により逆変換装置
１７から電機子巻線１２へ、その滑りＳが１より
も大きくなりうるようにすれば、回転子７は電磁
継手２の原動機１側と結合される回転子３の回転
方向と反対方向に回転することになる。

以上の内容を更に詳述すれば次のようになる。
すなわち滑りＳが１より大きいと云状態は交流母
線より固定子巻線へ交流励磁電流を供給する通常
の誘導電動機においてはその交流励磁電流によつ
て造られる回転磁界の回転方向に対して回転子の
回転方向が反対方向となる場合の状態である。然
し、これを逆に、第１図に示すように、誘導電動
機の回転子へ交流励磁電流を供給する場合には交
流励磁電流によつて造られる回転磁界の回転方向
に対して回転子の回転方向が同一方向になる場合
の状態である。一方フレミングの法則により、電
流、磁場、力の三方向が互いに直角方向であり、
通常の誘導電動機の場合、固定子電機子巻線に流
れる電流で造られる回転磁界の回転方向とそれに
より回転子電機子巻線に発生する起電力の方向と
同一方向に電流が流れた場合に、回転子に生じる
回転力の回転方向は回転磁界の回転方向と同一方
向である。もしこの中の一要素である回転子電機
子巻線に流れる電流の方向を上記の場合と逆に
し、逆変換装置から回転子電機子巻線へ電力が供
給されると、回転子の回転方向が上記とは逆に回
転磁界の回転方向と逆向きの方向となる。

今もし誘導機５の回転子７における電機子巻線
１１が電磁継手２の電機子巻線１０から電力を受
ける場合、その電機子巻線１１に流れる電流によ
つてその造られる回転磁界の回転方向が通常運転
時、原動機１又は回転子３の回転方向と逆向きで
あれば、周波数変換装置１７，１８，１９にける
電力の流れが１７から１８の方向へ流れる時、す
なわち電機子巻線１２から周波数変換装置１７，
１８，１９を経てスリツプリング８へ向い、この
誘導電動機５の回転子７の回転力が電磁継手２の
回転子４の回転力に加算されるとになる。

そこで、このように誘導機５の回転子７の電機
子巻線１１に流れる電流によつて、その造られる
回転磁界の回転方向が原動機１又は回転子３の回
転方向と逆向きであり、且つ周波数変換装置１
７，１８，１９より電機子巻線１２へ電力を流し
込み、上記の場合と逆向きの電流を電機子巻線１
２へ流すと、誘導機５は滑りＳが１より大きくな
り、誘導電動機５の回転子７の回転力は回転子３
の回転方向と逆向きに働らくことになる。従つて
もし、この場合、誘導電動機５の回転子７の回転
力が電磁継手２の回転力と負荷９の所要回転力の
合計よりも大きいと、回転子７の回転方向は回転
子３の回転方向とは反対向きになるのである。

要は第１図から判るように、本発明では、原動
機１により電磁継手２を駆動し、電磁継手２の原
動機側回転子３から負荷側回転子４へ電磁力によ
り負荷９へ第一の回転力を伝達すると共に、電磁
継手２の両回転子３と４の回転速度差によつて生
じる起電力をもとに発電機として電磁継手２を使
い、その電力を巻線形誘導電動機に興え、それに
よつて生じる第二の回転力を上記の第一の回転力
に加えて負荷を駆動することを基本的な作動と
し、且つ負荷９の回転方向を原動機１の回転方向
と同一とすることも逆にすることも可能ならしめ
うると云うことになるのである。

第１図において接触器２２を開き、接触器２３
を閉じると、巻線形誘導電動機５はその二次回路
を閉じた状態で運転されることになる。又接触器
２２と２３を開き、接触器２４を閉じると、電機
子巻線１２は直流電源１６から励磁電力を受けて
同期電動機として運転されうる。それによると、
巻線形誘導電動機５の空隙を若干大きくしても最
高運転速度で効率高く運転しうる。

以上の本発明装置の作用効果をまとめると、次
のようになる。

原動機の出力を負荷へ動力伝達する装置におい
て、原動機の回転方向と回転速度を一定に保ちな
がら、負荷の回転速度を連続制御し、回転方向を
正逆転換しうる配列において、速度制御のための
周波数変換装置を他励式とすることが出来、簡単
確実な構成となしうる。第１図の変換装置１７や
１８を逆変換装置とする時、それらは交流側の周
波数に従つて転流する所謂他励式となしうるので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例として示された具体的
電気接続図である。又図の主要な部分をあらわす
符号には次のようなものがある。 １……原動機、２……電磁継手、３……原動機
１と結合される電磁継手回転子、４……負荷側と
結合される電磁継手回転子、５……巻線形誘導電
動機、６……巻線形誘導電動機の固定子、７……
巻線形誘導電動機の回転子、８……スリツプリン
グ、９……負荷、１０……電磁継手の電機子巻
線、１１……巻線形誘導電動機５の回転子電機子
巻線、１２……巻線形誘導電動機５の固定子電機
子巻線、１３……電磁継手の界磁巻線、１４……
スリツプリング、１５……電気接続電線、１６…
…直流電源、１７……変換装置、１８……変換装
置、１９……リアクトル、２０……制御装置、２
１……制御装置、２２……接触器、２３……接触
器、２４……接触器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 相対的に回転する二つの相対向する回転子を
   有する電磁継手の一方の回転子に電機子巻線を設
   け、この電磁継手の一方の回転子と巻線形誘導電
   動機の回転子とを機械的に結合し、それにより負
   荷を駆動するように配列し、一方電磁継手の他方
   の回転子を原動機により駆動するように配列し、
   上記巻線形誘導電動機の回転子に設けられた電機
   子巻線と上記電磁継手の電機子巻線とを電気接続
   し、更に上記巻線形誘導電動機固定子に設けられ
   た電機子巻線と上記巻線形誘導電動機回転子電機
   子巻線の間に周波数変換装置を電気的に接続した
   電磁継手と巻線形誘導電動機の結合による動力伝
   達装置。