JP3975154B2 - 電力融通装置及びその運転方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は系統周波数が異なる電力系統間で、誘導機によって電力の融通を行う電力融通装置の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力系統において、合理的、能率的な広域計画を進める上で、電力系統を相互に連系して電力の融通を行う電力融通装置は重要なキーコンポーネントである。電力融通を行うことで電源開発の地域的条件に拘束されることなく設備の大容量化が可能になる。また、電力系統を連系し電力を融通し合うことにより、一方の系統で事故が起こった場合でも他方の系統から電力の供給を受けることができ、電力の供給信頼度を高めることができる。さらに、日常の運用においても、余剰電力の相互融通により経済的効果も得られる。
【0003】
図7は、従来の電力融通装置の基本システムを示す構成図である。図7において1はf1なる系統周波数を有する第1の電力系統(以下単に系統と称する)、2は第1の系統と異なる系統周波数f2を有し、第1の系統と連系する第2の系統、3は第1の誘導機で、固定子側を構成する1次巻線31が第1の系統1に接続され、回転子側を構成する2次巻線32が第2の系統2にそれぞれ接続されている。4は第2の誘導機で、同じく固定子側を構成する1次巻線41が第1の系統1に接続され、回転子側を構成する2次巻線42が第2の系統2にそれぞれ接続されている。
【0004】
また第2の誘導機4の回転子4Aは第1の誘導機3の回転子3Aとギアなどで構成されている変速装置5を介して機械的に結合され、変速装置5は誘導機4の回転速度を増速するように機能する。6は第2の誘導機4の2次巻線42と第2の系統2との間に接続された静止形電力変換器で、電力融通装置を系統に並入する時、および電力融通運転時に動作して第2の誘導機4の2次巻線42に可変周波数電流を供給する。
【0005】
このように構成された電力融通装置は、静止形電力変換器6で第2の誘導機4を二次励磁制御し、回転子4Aの軸トルクを制御することによって第1の誘導機3の固定子と回転子との電気相差角を制御し、第1の系統1と第2の系統2との間の潮流電力を制御し、電力融通を行うシステムであり、回転機と静止形電力変換装置とを組み合わせただけの簡単な構造で装置の小型化、性能向上を図った電力融通装置である。
【0006】
一例として第1の系統1の系統周波数f1が60Hz、第2の系統2の系統周波数f2が50Hzで、系統2から系統1に電力を融通する場合を例にとり電力の流れを説明する。
【0007】
この場合の第1の誘導機3のすべりsは次の式(1)で与えられる。
s=(60−10)/60 ……… (1)
=83.3%
【0008】
第1の誘導機3の1次巻線31の出力をP1、第1の誘導機3の2次巻線32の出力をP2とするとP2=sP1で与えられるのでP2はP1の約83%の出力となる。残りの17%は第2の誘導機4から回転軸を介して機械的に出力が与えられる。
【0009】
変速装置がないと第2の誘導機4は第1の誘導機3と比較して出力は17%と小さいが、回転速度も第1の誘導機3の同期速度の1/6と遅いため機械トルクは第1の誘導機3と同等となり機械の寸法も同程度になる。変速装置5を採用することにより第2の誘導機4の出力を一定のまま回転速度を上げ、機械の寸法のコンパクト化を可能にしている(例えば特許文献1,2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−157499号公報(第4頁左欄2行目〜同33行目、図1)
【特許文献2】
特開2001−211550号公報(第2頁右欄27行目〜第3頁左欄2行目、図14)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
通常の回転機の2次巻線は1次巻線と比較しそれほど大きな電力は流れないが、本電力融通装置の第1の誘導機3の2次巻線32には1次巻線の83%という大電力が流れる。この電力はコレクタブラシを介して2次巻線32に供給される。現在、可変速揚水発電所に適用している可変速発電電動機は同様の構造であるが、コレクタブラシに印加できる電圧や流せる電流はコレクタリングの絶縁性能や機械的構造の制約で制限され、2次巻線の出力も制約される。本電力融通装置についても同様に第1の誘導機3の2次巻線32の出力が制限されるため、システムの容量が上げられないという問題点があった。また、第1の誘導機3の2次巻線32に大きな電力が流れることからコレクタブラシを多数取り付ける必要があり、このためコレクタブラシの保守が面倒で、手間がかり、保守コストが高くなるという欠点があり、なるべく2次巻線に流れる電力を低減してコレクタブラシの数を少なくし、保守コストを低減させたいという要望があった。
【0012】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、第1の誘導機の2次巻線に流れる電力を低減し、システムの容量を増加することができ、コレクタブラシの数を少なくして保守コストを低減した電力融通装置の運転方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の電力融通装置の運転方法の発明は、第1の電力系統とこの第1の電力系統と系統周波数の異なる第2の電力系統間に設けられ、1次巻線を前記第1の電力系統に接続し2次巻線を前記第2の電力系統に接続した第1の誘導機と、前記第1の誘導機の2次巻線を備える回転子と機械的に接続された回転子を有し、1次巻線が前記第1の電力系統に接続され、2次巻線がこの2次巻線に可変周波数電流を供給する静止形電力変換装置を介して前記第2の電力系統に接続され、負のすべりで運転される第2の誘導機を備えることを特徴とする。
【0014】
そして、この発明によれば、第1の誘導機の2次巻線と第2の誘導機の2次巻線からの出力の向きを同一にできるため、融通される電力が第1の誘導機の2次巻線と第2の誘導機の2次巻線で分担され、第1の誘導機の2次巻線の出力を低減することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の電力融通装置の発明は、第1の電力系統とこの第1の電力系統と系統周波数の異なる第2の電力系統間に設けられ、1次巻線を前記第2の電力系統に接続し2次巻線を前記第1の電力系統に接続した第1の誘導機と、前記第1の誘導機の2次巻線を備える回転子と機械的に接続された回転子を有し、1次巻線が前記第1の電力系統に接続され、2次巻線がこの2次巻線に可変周波数電流を供給する静止形電力変換装置を介して前記第2の電力系統に接続され、正のすべりで運転される第2の誘導機を備えることを特徴とする。
そして、この発明によれば、第2の誘導機の1次巻線の出力を大きくとることができるため、第1の誘導機の2次巻線の出力を低減することができる。
【0016】
さらに、請求項3に記載の電力融通装置の発明は、第1の電力系統とこの第1の電力系統と系統周波数の異なる第2の電力系統間に設けられ、1次巻線を前記第1の電力系統に接続し2次巻線を前記第2の電力系統に接続した第1の誘導機と、前記第1の電力系統及び第2の電力系統の一方に1次巻線が接続され、他方に2次巻線がこの2次巻線に可変周波数電流を供給する静止形電力変換装置を介して接続され、回転子を前記第1の誘導機の回転子と機械的に結合された第2の誘導機を備える電力融通装置の運転方法において、前記第2の誘導機の1次巻線が前記第1の電力系統と接続され、前記第2の誘導機の2次巻線が前記第2の電力系統と接続された場合、前記第2の誘導機を負のすべりで運転し、前記第2の誘導機の1次巻線が前記第2の電力系統と接続され、前記第2の誘導機の2次巻線が前記第1の電力系統と接続された場合、前記第2の誘導機を正のすべりで運転することを特徴とする。
【0017】
そして、この発明によれば、第2の誘導機の1次巻線と2次巻線がそれぞれ第1の誘導機の1次巻線及び2次巻線が接続されているのと同じ電力系統に接続されている場合第2の誘導機を負のすべりで運転し、融通される電力を第1の誘導機の2次巻線と第2の誘導機の2次巻線で分担することによって第1の誘導機の2次巻線の出力を低減し、第2の誘導機の1次巻線が第1の誘導機の2次巻線の接続されている電力系統に接続され、第2の誘導機の2次巻線が第1の誘導機の1次巻線の接続されている電力系統に接続されている場合第2の誘導機を正のすべりで運転し、第2の誘導機の1次巻線の出力を大きくとることによって第1の誘導機の2次巻線の出力を低減することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1乃至図3は本発明の第1の実施の形態を説明する電力融通装置の構成図である。
図1において、1はf1なる系統周波数を有する第1の系統、2はf2なる系統周波数を有し、第1の系統と連系する第2の系統、3は第1の誘導機で、固定子側を構成する1次巻線31が第1の系統1に接続され、回転子側を構成する2次巻線32が第2の系統2にそれぞれ接続されている。4は第2の誘導機で、同じく固定子側を構成する1次巻線41が第1の系統1に接続され、回転子側を構成する2次巻線42が第2の系統2にそれぞれ接続されている。
【0019】
また、第2の誘導機4の回転子4Aは第1の誘導機3の回転子3Aとギアなどで構成されている変速装置5を介して機械的に結合され、誘導機4の回転速度を増速するように機能する。6は第2の誘導機4の2次巻線42に可変周波数電流を供給する静止形電力変換器である。
【0020】
今、図1に示すように融通電力の方向が系統2から系統1に対しての場合、第1の誘導機3の1次巻線31の出力P11は1次巻線31から第1の系統1の方向へ、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12は第2の系統2から第1の誘導機3の2次巻線32の方向へ流れる。このため、機械出力Pmは第2の誘導機4から第1の誘導機3に与えられ、第2の誘導機4の1次巻線41の出力P21は第1の系統1から1次巻線41の方向へ流れる。
【0021】
この時に、第2の誘導機4を負のすべりで運転する。この運転により、第2の誘導機4の2次巻線42の出力P22は第2の系統2から第2の誘導機4の2次巻線42の方向へ流れる。そして、電力融通装置は融通電力、すなわちP11−P21が一定になるよう制御される。
【0022】
本実施の形態はこのように第2の誘導機4を負のすべりで運転するものであるが、この理由を以下に示す。
図1に示したように、第2の誘導機4を負のすべりで運転する場合、誘導機3、4のそれぞれの出力P11、P12、P21、P22及び機械出力Pmには次のような関係が成り立つ。
【0023】
Pm=P11−P12=P21+P22 ……… (2)
(2)式より
P11−P21=P22+P12=Const(一定)
P12=Const−P22 ……… (3)
【0024】
つぎに、第2の誘導機4を正のすべりで運転した場合について図2を用いて説明する。図2は、図1と同様に構成された電力融通装置の構成図であり、第2の誘導機4を正のすべりで運転した場合、すなわち第2の誘導機4の2次巻線42の出力P22が第2の誘導機4の2次巻線42から第2の系統2の方向に流れるように運転した場合を示している。なお、図2はこの点以外は図1と同一であり、この電力融通装置は融通電力、すなわちP11−P21が一定になるよう制御される。このとき、誘導機3、4のそれぞれの出力P11、P12、P21、P22及び機械出力Pmには次のような関係がある。
【0025】
Pm=P11−P12=P21−P22 ……… (4)
(4)式より
P11−P21=P12−P22=Const(一定)
P12=Const+P22 ……… (5)
【0026】
(3)式及び(5)式にて、Const.(一定)として示した値はP11−P21、すなわち第2の系統か2から第1の系統1への融通電力そのものであるので、これらの(3)式及び(5)式から、第2の誘導機4を負のすべりで運転すれば第1の誘導機3の2次巻線32に流れる出力P12を低減できることがわかる。
【0027】
本実施の形態において、電力融通の方向が決定した場合、第1の誘導機3の1次巻線31の出力P11、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12、機械出力Pm及び第2の誘導機4の1次巻線41の出力P21について、それぞれの方向が一義的に定まる。このため、第2の誘導機4のすべりを正とするか負とするかは、第2の誘導機4の2次巻線42への出力P22の方向によって決定される。つまり、本実施の形態は、第2の誘導機4の2次巻線42からの出力の方向を第2の誘導機4のすべりが負となるようにすることによって、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12を低減するようにしたものである。
【0028】
ここで、本実施の形態では、第1の誘導機3、第2の誘導機4とも、その1次巻線が第1の系統1に接続され、2次巻線が第2の系統2に接続されている。このため、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12を低減するためには、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12と、第2の誘導機4の2次巻線42の出力P22が同じ方向とすればよい。このことはつまり、融通される電力を第1の誘導機3の2次巻線32と第2の誘導機4の2次巻線42とで分担することに相当し、これによって第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12を低減できる。そして、このように運転するためには、上記のように第2の誘導機4をすべりが負となるように運転すればよい。
【0029】
また、図1に対して電力融通の方向が逆転した場合を図3に示す。この場合、融通電力の向きが第1の系統1から第2の系統2となるため、第1の誘導機3の1次巻線31の出力P11は第1の系統1から1次巻線31の方向に、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12は2次巻線32から第2の系統2の方向に流れる。そして、機械出力Pmは第1の誘導機3から第2の誘導機4に与えられ、第2の誘導機4の1次巻線41の出力P21は1次巻線41から第1の系統1の方向に流れる。そしてこの場合であっても、第2の誘導機4を負のすべりで運転すると第2の誘導機4の2次巻線42の出力P22は2次巻線42から第2の系統2の方向に流れ、第2の系統2へ融通される電力を第1の誘導機3の2次巻線32と第2の誘導機4の2次巻線42とで分担できる。これに対して、図3において第2の誘導機4を正のすべりで運転する場合、第2の誘導機4の2次巻線42の出力P22は第2の系統2から第2の誘導機4の2次巻線42の方向に流れ、第1の誘導機3の2次巻線32に流れる電力が大きくなってしまう。このため図1に対して電力融通の方向が逆になった場合であっても、第2の誘導機4を負のすべりで運転することによって第1の誘導機3の2次巻線32に流れる出力P12を低減することができる。
【0030】
次に本発明の第2の実施の形態について図4乃至図6を参照して説明する。図4乃至図6は本発明の第2の実施の形態を説明する電力融通装置の構成図である。なお、図1乃至図3と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
【0031】
第1の実施の形態においては、第1の誘導機3、第2の誘導機4とも、その1次巻線31、41が第1の系統1に接続され、2次巻線32、42が第2の系統2に接続されていたが、本実施の形態では、第1の誘導機3の2次巻線32と第2の誘導機4の1次巻線41とが第1の系統1に接続され、第1の誘導機3の1次巻線31と第2の誘導機4の2次巻線42が第2の系統2に接続されている点が異なる。
【0032】
今、図4に示すように融通電力の方向が第1の系統1から第2の系統2に対しての場合、第1の誘導機3の1次巻線31の出力P11は1次巻線31から第2の系統2の方向へ、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12は第1の系統1から2次巻線32の方向へ流れる。このため、機械出力Pmは第2の誘導機4から第1の誘導機3に与えられ、第2の誘導機4の1次巻線41の出力P21は第1の系統1から第2の誘導機4の1次巻線41の方向へ流れる。
【0033】
この時に、第2の誘導機4を正のすべりで運転する。この運転により、第2の誘導機4の2次巻線42の出力P22は第2の誘導機4の2次巻線42から第2の系統2の方向へ流れる。そして、電力融通装置は融通電力、すなわちP11+P22が一定になるよう制御される。
本実施の形態はこのように第2の誘導機4を正のすべりで運転するものであるが、この理由を以下に示す。
【0034】
図4に示したように、第2の誘導機4を正のすべりで運転する場合、誘導機3、4のそれぞれの出力P11、P12、P21、P22及び機械出力Pmには次のような関係がある。
【0035】
Pm=P11−P12=P21−P22 ……… (6)
(6)式より
P11+P22=P21+P12=Const(一定)
P12=Const−P21 ……… (7)
【0036】
つぎに、第2の誘導機4を負のすべりで運転した場合について図5を用いて説明する。図5は、図4と同様に構成された電力融通装置の構成図であり、第2の誘導機4を負のすべりで運転した場合、すなわち第2の誘導機4の2次巻線42の出力P22が第2の系統2から第2の誘導機4の2次巻線42の方向に流れるように運転した場合を示している。なお、図5はこの点以外は図4と同一であり、電力融通装置は融通電力、すなわちP11−P22が一定になるよう制御される。このとき、誘導機3、4のそれぞれの出力P11、P12、P21、P22及び機械出力Pmには次の関係がある。
【0037】
Pm=P11−P12=P21+P22 ……… (8)
(8)式より
P11−P22=P12+P21=Const(一定)
P12=Const−P21 ……… (9)
【0038】
(7)式と(9)式は同じであるが、(7)式のP12は(9)式のP12より小さい。なぜなら、図4と図5においてPmは同じトルクでなので、図4におけるP21=Pm+P22と図5におけるP21=Pm−P22を比較した場合、前者の方が大きく、結果としてP12は(7)式の方が小さくなる。したがって、第2の誘導機4を正のすべりで運転すれば第1の誘導機3の2次巻線32に流れる出力P12を低減できることがわかる。
【0039】
本実施の形態において、電力融通の方向が決定した場合、第1の誘導機3の1次巻線31の出力P11、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12、機械出力Pm及び第2の誘導機4の1次巻線41の出力P21について、それぞれの方向が一義的に定まる。このため、第2の誘導機4のすべりを正とするか負とするかは、第2の誘導機4の2次巻線42への出力P22の方向によって決定される。つまり、本実施の形態は、第2の誘導機4の2次巻線42からの出力の方向を第2の誘導機4のすべりが正となるようにすることによって、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12を低減するようにしたものである。
【0040】
ここで、本実施の形態では、第1の系統1には第1の誘導機3の2次巻線32と第2の誘導機4の1次巻線41が接続されており、第2の系統2に第1の誘導機3の1次巻線31と第2の誘導機4の2次巻線42が接続されている。
【0041】
そして、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12と第2の誘導機4の1次巻線41の出力P21はそれぞれ第1の系統1から2次巻線32、および1次巻線41の方向となっており、同方向に流れる。つまり、第1の系統1から第2の系統2への電力融通量は、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12と第2の誘導機4の1次巻線41の出力P21との和であるため、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12を低減するためには第2の誘導機4の2次巻線42の出力P22を2次巻線42から第2の系統への方向で運転すればよく、第2の誘導機4をすべりが正となるように運転すればよい。
【0042】
また、図4に対して電力融通の方向が逆転した場合を図6に示す。この場合、融通電力の向きが第2の系統2から第1の系統1となるため、第1の誘導機3の1次巻線31の出力P11は第2の系統2から1次巻線31の方向に、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12は2次巻線32から第1の系統1の方向に流れる。そして、機械出力Pmは第1の誘導機3から第2の誘導機4に与えられ、第2の誘導機4の1次巻線41の出力P21は1次巻線41から第1の系統1の方向に流れる。そしてこの場合であっても、第2の誘導機4を正のすべりで運転すると第2の誘導機4の1次巻線42の出力P22が第2の系統2から2次巻線42の方向に流れるので、第2の誘導機4を介して第1の系統1へ融通される、第2の誘導機4の1次巻線41からの第1の系統1への出力P21を大きくすることが可能となり、第1の誘導機3の2次巻線32の出力P12を低減することができる。これに対して、図6において第2の誘導機4を負のすべりで運転する場合、第2の誘導機4の2次巻線42の出力P22は第2の誘導機4の2次巻線42から第2の系統2の方向に流れ、第2の誘導機4の1次巻線41からの第1の系統1への出力P21が小さくなるため、結果として第1の誘導機3の2次巻線32に流れる電力が大きくなってしまう。
【0043】
このように、図4に対して電力融通の方向が逆になった場合であっても、第2の誘導機4を正のすべりで運転することによって第1の誘導機3の2次巻線32に流れる出力P12を低減することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、第1の誘導機および第2の誘導機の各巻線と各電力系統との接続によって、第2の誘導機のすべりの正負をそれぞれ定めることにより第1の誘導機の2次巻線に流れる電力を低減することができ、電力融通装置の2次巻線に流れる電力が低減でき、電力融通装置のシステム容量の増加を可能とし、コレクタブラシの個数が少なくして保守コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による電力融通装置の運転方法を説明するためのシステム構成図。
【図2】図1に対し本発明を実施しない場合の電力融通装置の電力の流れを示すシステム構成図。
【図3】図1に対し融通電力の向きが逆転した場合の電力融通装置の電力の流れを示すシステム構成図。
【図4】本発明の第2の実施の形態による電力融通装置の運転方法を説明するためのシステム構成図。
【図5】図4に対し本発明を実施しない場合の電力融通装置の電力の流れを示すシステム構成図。
【図6】図4に対し融通電力の向きが逆転した場合の電力融通装置の電力の流れを示すシステム構成図。
【図7】従来の電力融通装置の運転方法を説明するためのシステム構成図。
【符号の説明】
1…第1の電力系統、2…第2の電力系統、3…第1の誘導機、4…第2の誘導機、5…変速装置、6…静止形電力変換装置、31…第1の誘導機の1次巻線、32…第1の誘導機の2次巻線、41…第2の誘導機の1次巻線、42…第2の誘導機の2次巻線、P11、P12、P21、P22…出力、f1、f2…系統周波数。

Claims (3)

  1. 第1の電力系統とこの第1の電力系統と系統周波数の異なる第2の電力系統間に設けられ、1次巻線を前記第1の電力系統に接続し2次巻線を前記第2の電力系統に接続した第1の誘導機と、
    前記第1の誘導機の2次巻線を備える回転子と機械的に接続された回転子を有し、1次巻線が前記第1の電力系統に接続され、2次巻線がこの2次巻線に可変周波数電流を供給する静止形電力変換装置を介して前記第2の電力系統に接続され、負のすべりで運転される第2の誘導機を備えることを特徴とする電力融通装置。
  2. 第1の電力系統とこの第1の電力系統と系統周波数の異なる第2の電力系統間に設けられ、1次巻線を前記第2の電力系統に接続し2次巻線を前記第1の電力系統に接続した第1の誘導機と、
    前記第1の誘導機の2次巻線を備える回転子と機械的に接続された回転子を有し、1次巻線が前記第1の電力系統に接続され、2次巻線がこの2次巻線に可変周波数電流を供給する静止形電力変換装置を介して前記第2の電力系統に接続され、正のすべりで運転される第2の誘導機を備えることを特徴とする電力融通装置。
  3. 第1の電力系統とこの第1の電力系統と系統周波数の異なる第2の電力系統間に設けられ、1次巻線を前記第1の電力系統に接続し2次巻線を前記第2の電力系統に接続した第1の誘導機と、前記第1の電力系統及び第2の電力系統の一方に1次巻線が接続され、他方に2次巻線がこの2次巻線に可変周波数電流を供給する静止形電力変換装置を介して接続され、回転子を前記第1の誘導機の回転子と機械的に結合された第2の誘導機を備える電力融通装置の運転方法において、
    前記第2の誘導機の1次巻線が前記第1の電力系統と接続され、前記第2の誘導機の2次巻線が前記第2の電力系統と接続された場合、前記第2の誘導機を負のすべりで運転し、
    前記第2の誘導機の1次巻線が前記第2の電力系統と接続され、前記第2の誘導機の2次巻線が前記第1の電力系統と接続された場合、前記第2の誘導機を正のすべりで運転することを特徴とする電力融通装置の運転方法。
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