JPS6131436A - クロスで補強された一方向材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 繊維強化プラスチツクパイプ（以下ＦＲＰパイプ）の製
造法としては例えば、マンドレルにプリプレグを巻付は
硬化せしめた後マンドレルを引去る方法がある。この方
法で作られたＦＲＰバイブは釣竿、ゴルフシャフト等、
竿体として多く実用化されている。

Ｆ　ＲＰ　パイプ等の繊維強化プラスチック（以下ＦＲ
Ｐ）にあっては、その使用目的に添って補強用繊維の配
向が決定される。例えば、釣竿にあっては一方向ブリプ
レグを構成する補強繊維全パイプの長手方向に添って巻
上げて作られが一般的である。これを解決する手段とし
て、該一方向プリプレグに予め経緯糸から成る織物を貼
合せ積層し緯糸により９０°方向の補強された一方向プ
リプレグを用いてＦＲＰパイプの成型を行７．（いその
潰し強度の向上を図っている。

この様な目的に使用される一方向プリブレグ用補強クロ
ス（以下クロス）に要求される性能としては、緯糸とし
てＦＲＰパイプの周方向（９０°方向）の強度付与のた
め、出来る丈強度、剛性の高い繊維材料から成ることが
好ましく、一方経糸は、強度に寄与する効果が少ないの
で最少の糸量（重量及び断面積より）であることが必要
である。

かβ）る理由から従来この目的のために用いられている
クロスは、ガラス長繊維により製造されて来た。即ち、
ガラス長繊維は高強度であり、かつ高弾性であるために
補強効果が尚く補強用クロスとして多用されている。し
かし、従来用いられてきたガラスクロスには全く問題が
ない訳ではなく、下記の如き改良されるべき問題を内在
している。

ガラス繊維は、引張弾性率が極めて高いため、一方向プ
リプレグに貼合せる際、その張力調整がむつかしく、貼
合せ時に於て該ガラスクロスに張力が加えられ伸長され
た状態で一方向ブリブレグに貼合されると、貼合せ後時
間の経過と共に該ガラスクロスと一方向プリプレグに歪
の差に応じた収縮ないし伸長が生じ、両者間で最終的に
は剥離を生ずることである。本発明者等は上記従来のガ
ラスクロスの問題点解決のために研究を行い不発゛明に
至ったものである。

現在前記目的のために用いられているガラスクロスの経
糸は、経済的側面を考慮しつつ出来る丈細いガラス長繊
維を用い、かつ可能なかぎり低密度となるように設計さ
れており、一方緯糸は一方向プリブレグの９０°方向に
要求される補強効果を満足するようにガラス長繊維の番
手、打込み本数等が決定される。この様な従来用いられ
てきたガスクロスの前記問題点（一方向プリプレグに貼
合せたときの剥離現象を起す点）は、経糸に起因する現
象としてとらえることが出来る。

即ち、従来のガラスクロスは一般に５０ｇ／１２　以下
の極めて低目付のクロスであり、かつ経糸は前述の如く
可能なかぎり細繊度のものを用い、かつクロス中では低
密度となる条件が採用される。繊度は主としてコスト的
制約により決定されており、現状では＃９００のガラス
長繊維が用いられている。またクロス密度は、クロスの
目ズレを勘案して最低密度が決定さ□れており、現状で
は最低５０〜４０本／２５鴎程度″′Ｃある。この様に
従来用いられてきたガラスクロスは、細繊度のガラス長
繊維にて作られた低密度のものであるために伸長に対し
不安定であり、かつガラス繊維は弾性疲労が少ないため
に時間の経過にしたがい収縮を起し、前記した如きガラ
スクロス補強方向プリプレグの剥離が生ずるものと考え
られる。

本発明者等は、上述した如き補強用ガラスクロスによる
不都合を解消しうる材料について探索を行った結果、本
発明に至ったものであ７！。

その骨子は、補強用クロスの経糸が熱可塑性繊維で構成
されたクロスを一方向繊維補強ブリブレグに対し熱＋１
ｉＴｆｆｉ性繊維の配向方向が一方向プリブレグに対し
０°の方向となるように積層することを特徴とするクロ
スで補強された一方向プリプレグにある。

以下本発明の内容を詳細に説明する。

本発明の実施に際して用いる補強用クロスは経糸が熱可
塑性繊維で作られているため一方向材に貼合せる場合、
クロスに緊張が加えられることにより発生した応力を消
去しうるよ５にすること、即ち補強クロスを一方向材に
貼合せるに際し、加熱することによりクロスの経糸に発
生する応力を緩和せしめることによって前述した如き不
都合の生じないクロスで補強された一方向材を得ること
に成功したのである。

本発明を実施するに際して用いる補強用クロスを構成す
る経糸は比較的クリープを起しゃすい熱可塑性の合繊繊
維を使用したものであるところに特徴かあ・９、この様
な熱可塑性繊維としてはポリエステル繊維、ナイロン繊
維が好適である。その理由は、ＦＲＰに於て使用される
マトリックス樹脂に対し接着性が良いこと、マトリック
ス樹脂の硬化温度に於て極端な収縮等の不都合が生じに
くいことなどであり、かかる意味ではポリプロピレン繊
維等は不適当である。

また前述の如く、補強クロスの経糸には出来る丈細い糸
条が用いるのがよいが、一般的に入手しえる細繊度の熱
可塑性繊維は１５デニール〜２０デニールである。この
様な峻度の糸条としてはマルチフィラメントとモノフィ
ラメントが存在し、それぞれの特徴がある。マルチフィ
ラメント糸条を経糸とした補強用クロスは、織物組織は
軽油り構造（経糸が組織点に於て屈曲し緯糸は比較的直
線状形態を保つ）をとりやすく、このため、同一密度で
あっても目ずれが起りにくい。しかし、一方では繊維組
織の緻密化が進んでおり、一方向材に積層する際にはや
や応力緩和がしにくい点もあり、その増扱いには留意を
要する。

他方、熱可塑性樹脂モノフィラメントを経糸としたクロ
スは、繊維組織がルーズであり、一方向材に積層する際
応力緩和の程度が大きく、本発明の趣旨に合致するもの
である。また、表面積が最少とすることができるため、
プリプレグとした際の補強クロス中のマトリックス樹脂
量を下げられること或は一方向材と補強クロス中のマト
リックス樹脂量をはｇ同一量とすることにより、一方向
材の強化のより効率化が計りうる。

しかし、モノフィラメントを経糸とする織物は綿量り構
造となり、緯糸が目ずれを生じやすい点に留意するのが
よいが、プリプレグとしての特性には悪影響はほとんど
認められない。

マルチフィラメント及びモノフィラメント、には上記の
様な特徴があり、本発明に於ては２種何れかに限定する
ものではなく、倒れの場合も使用可能である。

クロスの経糸として熱可塑性繊維、特に細繊度の熱可塑
性繊維を用いる効果は、ＦＲＰ製品の軽量化に効果があ
る。ｖｌＩち、ガラス繊維の比重は２．７〜２．６であ
るのに対し、ポリエステル或はナイロンの比重は１．４
〜１．１であり、同一断面積の経糸を用いてもクロス中
の経糸重量は約％となり、この効果は釣竿等の軽量化の
ためには明らかに利点となる。

以下本発明の補強クロスの効果を実施例に基づき詳細に
説明する。

実施例１ 第１表に示す４種の補強用クロスを製作した。

第　　１　　表 ガラス長縁維　＃　９００　’１０　（Ｔｅｘ番手５．
６）ポリエステルｆｌ＞　　ポリエステルマルチフィラ
メン　ト　２０ｄ／１２ｆ ポリエステル（２）　　ポリエステルモノフィラメント
２０ｄ す　イ　ロ　ン　ナイロンモノフィラメント５ｄ この４種の補強クロスを第１図に概要を示すラミネータ
ーにより一方向プリプレグに貼合せた。即ち第１図に於
て、離型紙上に固定されたエポキシ樹脂をマトリックス
とし、樹脂含有率３５％を有する２　００１７ｍ２の炭
素繊維一方向プリプレグ１１）は一対の供給ローラー（
３）により、補強クロス（２）とクロス中の経糸がプリ
プレグの長さ方向に対し０°となるように連続的に重ね
合される。次いで、加熱ロール（５）と非加熱ロール（
４）との間で加圧し、かつ離型フィルム（６）を介在さ
せて、マトリックス樹脂により補強クロス（２）が一方
向ブリプレグ（１）上にラミネートする。

加熱ロール（５）は、本実施例では１２０℃まで加熱し
、処理速度は４　ｍ　／　ｍｉｎとした。

一対のロール＋４１、ｔ５）の間で加熱、加圧ラミネー
トされた補強された一方向プリプレグシートは、非加熱
ロール（４）上で冷風（７）によって冷却される。この
時補強クロスの経糸は、本発明の補強クロスに於ては熱
可塑性繊維であり非加熱ロール（４）の表面曲率によっ
て、該補強クロスより下層にある一方向プリプレグより
、わずかに伸長した状態で仮止めされることになり、こ
の状態で巻取りが行なわれ、巻取られた補強された一方
向プリプレグ（８）を得た。

以上に詳述したプロセスにより、前述の４種（Ａｌ　＋
　（”）　＊　（Ｃ）　ｓ　（ＤＪの補強クロスで９０
″補強をした４種の補強一方向プリプレグを得、これを
それぞれ５ｍ延長した状態で温度、湿度が調整されてい
々い室中に１０日間放置した後、発生したクロスの剥離
状趨を観察比較した。その結果を第２表に示す。

第　　２　　表 第２表に明らかな様に、本発明の補強クロスに於ては、
一方向材と補強クロスとの剥離現象に明らかな向上が認
められる。

この様な剥離現象の要因を考えた場合、クロス中の経糸
を熱可塑性繊維にすることにより発生した伸長応力は一
方向材に貼合セの際に加えられる熱により緩和され、そ
の後の冷却によって伸長された状態で仮固定される剥離
を発生するに十分な収縮応力が発生しないものと考えら
れると共に、ガラス長繊維の引張弾性率は６　ＴＯＮ／
ｍ’以上であるのに対し、ナイロン、ポリエステル等の
熱可塑性繊維は１〜０．５　ＴＯＮ／ｓ＋ａ２以下であ
り、かつモノフィラメントはマルチフィラメントに比し
さらに低い引張弾性率である点にあると考えられる。

また貼合セが一方向材のマトリックス樹脂の熱軟化によ
り行うものであり、経糸がモノフィラメントによる場合
最少の樹脂量により貼合せを行うことが出来、この結果
が補強一方向プリプレグの外観の差となって現れている
様に、接看効来が優れていると云える。

以上の如く、補強クロスの経糸として熱可塑性繊維を用
いることにより、９０°補強一方向プリプレグの品質が
大巾に同上し、かつプリプレグの軽量化が計られること
は大きな利点であり。

かつ経４４ｑ効果の大きい発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一方向材補強クロスの製造工程を示す
概要図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 一方向プリプレグに経糸が熱可塑性繊維で作られた補強
   クロスをクロスの経糸が一方向プリプレグの長さ方向に
   対しほゞ０°となるように積層されたクロスで補強され
   た一方向材。