JPS6131147Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の吸気装置に関するものであ
る。

内燃機関において、低負荷時燃焼速度を高める
ことにより、燃焼性を改善して燃費を向上させる
ため、吸気ポートをらせん状に形成したりあるい
はシユラウド等を設けて燃焼室に流入する吸気流
に強制的にスワールを与えるようにすることが既
に提案されている。しかし、このような吸気ポー
トでは、高負荷吸気ポートを流れる吸気の抵抗が
大きくなり、このため吸気充填効率が低下し、十
分な出力が得られないという不具合がある。

本考案は、上記に鑑みて提案されたもので、大
流量且つ大断面積の吸気通路部分と、同部分の途
中より分岐し、小流量且つ吸気流にスワールを与
える方向に湾曲した他の吸気通路部分とを設け、
しかも、上記両吸気通路部分の分岐点より上流側
の吸気通路壁に開口され、機関の負荷状態に応じ
て吸気を流出入させる制御ポートを設け、同制御
ポートの流出入吸気により高負荷時には上記吸気
通路部分側に、また低負荷時には上記他の吸気通
路部分側に吸気流を偏向させるように構成したこ
とを特徴とする内燃機関の吸気装置を要旨とする
ものである。

以下、本考案の実施例を添付図面を参照して詳
細に説明する。

第１図に示す本考案による吸気装置の第１実施
例は主吸気通路２と副吸気通路４とを有する内燃
機関に適用したものである。主吸気通路２は主吸
気ポート６及び同ポートを開閉する主吸気弁８を
介して燃焼室１０に連通し、副吸気通路４は副吸
気ポート１２及び同ポートを開閉する副吸気弁１
４を介して燃焼室１０に連通している。副吸気ポ
ー１２は主吸気ポート６よりも相当小さい断面積
を有し、低負荷高速度で吸入空気又は混合気を燃
焼室１０内に噴射させて主吸気ポート６から燃焼
室に流入する吸入混合気にスワールを与えるよう
に方向づけられている。なお、１６は主吸気通路
２の主スロツトル弁、１８は副吸気通路４の副ス
ロツトル弁、２０は排気ポート、２２は同ポート
を開閉する排気弁である。

本考案の吸気装置によれば、主吸気ポート６
は、第１図の２点鎖線で区分されているように、
大流量且つ大断面積を有し、比較的曲がりの少な
い吸気通路部分である部分２４と、小流量且つ小
断面積を有し、吸気流にスワールを与える方向に
らせん状に湾曲した他の吸気通路部分である部分
２６とから構成されている。主吸気ポート６と副
吸気ポート１２との間にはその上流側において制
御ポート２８が設けられ、両ポート６と１２を互
いに連通している。

上記構成の吸気装置によれば、内燃機関の低負
荷時副吸気ポート１２を通る吸気の流速は高く、
主吸気ポート６を通る吸気の流速は低い。従つ
て、副吸気ポート１２内の吸気の高流速により、
主吸気通路２を通る吸気の一部が実線で示すよう
に制御ポート２８を介して副吸気ポート内に吸入
される。流体素子として働くこの制御ポート２８
の作用により、吸気がらせん状に湾曲した部分２
６に沿つて流れようとするコアンダ効果が発揮さ
れ、主吸気ポート６を通る吸気流は部分２６側に
偏向される。その結果、主吸気ポート６からの吸
気はそれ自体スワールを生じながら燃焼室１０内
に流入し、また副吸気ポート１２からの高速度の
吸気流によりスワールがさらに増強され、従つて
極めて強い吸気のスワールにより低負荷時の燃焼
速度が大幅に高められ、燃焼性が改善されて燃費
を相当向上できるものである。

また、主吸気ポート６からの吸気はそれ自体ス
ワールを生じながら燃焼室１０内に流入されるた
め、スワールが低負荷時から中負荷時にかけても
良好に発生する。

高負荷時には、副吸気ポート１２を通る吸気の
抵抗が大となるため吸気の流速は低く、主吸気ポ
ート６を通る吸気の流速は高い。従つて、主吸気
ポート６内の吸気の高流速により、副吸気通路４
を通る吸気の一部が破線で示すように上記流体素
子として働く制御ポート８を介して主吸気ポート
内に吸入され、同ポート６を通る吸気流は曲りの
少ない部分２４側に偏向される。その結果、主吸
気ポート６を通る吸気の抵抗が減少し、吸気の充
填効率が増大して出力を向上できるものである。

本考案による吸気装置は、制御ポート２８から
流出入する吸気によつて主吸気ポート６内を通る
吸気流の流れ方向が偏向されてスワールの発生が
制御されるため、構造が簡単で安価でコンパクト
になる。

第２図に示す吸気装置の第２実施例は第１実施
例と極めて類似しており、類似する要素には同一
符号を付してある。この第２実施例は、主吸気ポ
ート６の部分２４が略直線状に形成され、らせん
状に湾曲した部分２６が壁３０によつて部分２４
から分離して形成されている点でのみ上記第１実
施例と相違しており、他の構造は同一である。ま
た、その作動及び効果においても上記第１実施例
と同一である。

第３図に示す吸気装置の第３実施例は単一の吸
気通路を有する内燃機関に適用したもので、第１
及び第２実施例と類似する要素には同一符号を付
してある。

この第３実施例において、吸気通路２に連通す
る吸気６は、第２実施例と同様に、大流量且つ大
断面積を有する略直線状の部分２４と、小流量且
つ小断面積を有し、壁３０によつて部分２４から
分離されたらせん状に湾曲している他の部分２６
とから構成されている。吸気ポート６の上流側に
設けられた制御ポート２８は通路３２を介してス
ロツトル弁１６の上流側で吸気通路２に設けられ
たベンチユリ３４に開口している。

この構成の吸気装置によれば、低負荷時スロツ
トル弁１６が絞られており、吸気ポート６内には
高い負圧が発生しているので、吸気通路２を通る
吸気の一部が実線で示すように通路３２及び制御
ポート２８を介して吸気ポート内に吸入される。
その結果、吸気ポート６を通る吸気流はらせん状
に湾曲した部分２６側に偏向され、同部分を通る
吸気により燃焼室１０内に流入する吸気がスワー
ルを生じ、低負荷時の燃焼速度が高められ、燃焼
性が改善されて燃費を向上できるものである。

高負荷時には、ベンチユリ３４を通る吸気の流
速が高いので、吸気通路２を通る吸気の一部が破
線で示すように制御ポート２８及び通路３２を介
して吸気通路のスロツトル弁１６の上流側に吸入
される。その結果、吸気ポート６を通る吸気流は
部分２４側に偏向され、吸気は同部分を通つて燃
焼室１０内に流入し、吸気の抵抗が減少し、吸気
の充填効率が増大して出力を向上できるものであ
る。

第３実施例の変更例として、通路３２をベンチ
ユリ３４に開口させる代りに、アイドル位置にお
けるスロツトル弁１６の端部（第３図においては
下方端部）のやや上流側で吸気通路２に開口させ
てもよい。この場合にも、第３実施例と同等の作
動及び効果を奏することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による内燃機関の吸気装置の第
１実施例を示す概略断面図、第２図は吸気装置の
第２実施例を示す概略断面図、第３図は吸気装置
の第３実施例を示す概略断面図である。 ２，４……吸気通路、６，１２……吸気ポー
ト、１０……燃焼室、１６，１８……スロツトル
弁、２４，２６……吸気ポートの部分、２８……
制御ポート、３２……通路、３４………ベンチユ
リ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大流量且つ大断面積の吸気通路部分と、同部分
   の途中より分岐し、小流量且つ吸気流にスワール
   を与える方向に湾曲した他の吸気通路部分とを設
   け、しかも、上記両吸気通路部分の分岐点より上
   流側の吸気通路壁に開口され、機関の負荷状態に
   応じて吸気を流出入させる制御ポートを設け、同
   制御ポートの流出入吸気により高負荷時には上記
   吸気通路部分側に、また低負荷時には上記他の吸
   気通路部分側に吸気流を偏向させるように構成し
   たことを特徴とする内燃機関の吸気装置。