JPS6131046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、多目的に使用可能な砂入り人工芝
生製運動競技場に係り、さらに詳しくいえば、競
技の種別に応じて引かれる改良されたラインを有
する人工芝生製運動競技場に関するものである。

運動競技場の人工芝生面に所定の競技（区画）
ラインを形成する最も簡単な方法はペイントによ
る線引きである。しかしながら、この競技場がテ
ニス、バレー、サツカー等の競技に専用される場
合は問題ないが、多目的の用途に兼用される運動
競技場においては、上記のペイントによる方法で
は、一旦線引された競技ラインが人工芝生の葉面
に固着されているため、これを消去するのにかな
り難渋する。また、一つの競技面に同時に併記し
ておける競技ラインはせいぜい２種類程度で、そ
れ以上になると各ラインが錯綜して競技に支障を
もたらす。他方、ライン引きする部分を予め帯状
に切欠いておき、この切欠き部分に、白色や黄色
等に着色されたライン用人工芝生と通常の緑色人
工芝生とを両面接着テープ等を介して選択的に埋
込んで、種々の競技ラインを変更する方法も知ら
れているが、取扱いが面倒であり、コスト的にも
好ましくない。また、ライン部分に段差がついて
しまう虞れがある。

したがつて、この考案の目的は、競技の種類に
応じてその目的に適う競技ラインを簡単に引き直
すことができる多目的に使用可能な人工芝生製運
動競技場を提供することにある。

この考案によれば、上記競技ラインは白色もし
くは黄色等の明瞭に視認し得る色に着色された鉱
物粒、例えば砂やガラスビーズ等を人工芝生の芝
目内に撤布して、予めその芝目内に充填されてい
る川砂等の無機質粒状物層の上に積層することに
より形成される。

以下、この考案の好適な実施例を添付図面を参
照しながら詳細に明する。

この運動競技場は、基盤１上に敷設された人工
芝生２を備えている。なお、この基盤１は例えば
地面を堀り下げて構築された図示しない路床上に
順次積層された粒調砕石層３と、密粒アスフアル
ト・コンクリート層４とからなる。人工芝生２
は、公知のものであつてよく、例えばポリアミ
ド、ポリウレタンなどの合成樹脂を用いて鋳型成
形法により基盤１に無数の細長帯片を一体的に立
設した構造のものを用いることができるが、好ま
しくは外観、風合い等の面で天然芝生により類似
し、かつ、ボールのバウンドや靴底のすべり等の
運動競技上のコンデイシヨンに密接に関与する耐
ヘタリ性、および人工芝生自体の耐久性に関与す
る引張強度、引裂強度、耐侯性、寸法安定性等の
物理的、機械的特性の面からすれば、ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン等のフ
イルムを細切りしたスリツトヤーンをパイル糸と
するか、または溶融紡糸により異形断面孔を有す
るノズルを通して扁平糸をつくり、これをパイル
糸として裏打基布５に植毛して形成された構造の
ものがよい。

この人工芝生２の芝目内には、主として無機質
からなる粒状物層６が形成されている。この粒状
物層６は人工芝生２上に散布することによりその
芝目内に充填されるのであるが、用いられる粒状
物としては川砂、海砂、硅砂等の硅酸塩鉱物粒、
すなわち無機質粒子が最も好ましい。なお、粒度
としてはいわゆる硅砂５号ないし８号程度のもの
が好適であり、また、その厚みは適用される競技
の種類に応じて要求される緩衝性能、スパイクの
引掛り防止能力、および水分吸収能力等を考慮し
て定められる。この実施例においては、人工芝生
２の葉長は約20mmであり、その芝目内には16mm〜
18mm位の厚みで粒状物層６が埋込まれている。そ
して、この考案によれば、上記粒状物層６の上面
のライン引きすべき位置に、例えば石灰をまぶさ
れて白色に着色された砂やガラスビーズ等の鉱物
粒７が人工芝生２の葉先がほとんど埋没する程
度、すなわちこの実施例では約２mm〜４mm程度の
厚さで積層され、上記の鉱物粒７による競技ライ
ンが形成されている。

上記の如く、着色鉱物粒７を人工芝生２の葉先
がかくれる程度に撤布、充填して積層することに
より、その葉先を抵抗体として形成されたライン
の移動拡散が効果的に防止される。

なお、上記実施例では、砂やガラスビーズ等か
らなる鉱物粒７は石灰によつて白色に着色されて
いるが、そのほか人工芝生の色との関係において
明瞭に視認できて競技ラインとして適する色、例
えば黄色染料を用いてその鉱物粒７を着色するよ
うにしてもよいことは勿論である。また、この考
案においては、鉱物粒７に着色染料をまぶして、
それを芝目内に撤布、充填するのであるから、上
記競技ラインは鉱物粒と着色染料との混合物から
形成されていると理解しても差支えない。一方、
この運動競技場を他の競技種目に使用する場合に
は、好ましくは砂をその上から新たに補充した上
で上記着色鉱物粒７を箒やブラシ等でかき混ぜて
その競技ラインを消し、目的に適う新たな競技ラ
インを引き直せばよい。

上記した実施例の説明から明らかなように、こ
の考案によれば、人工芝生に対して種々の競技ラ
インを簡単に引き直すことができ、きわめて実用
的である。この場合、従来の石灰粉による競技ラ
インでは、その比重がきわめて軽いこともあつて
人工芝生の芝目内に入り込みにくいため、風によ
る影響や競技者の踏み付け等により簡単にかき乱
されしまうが、この考案においては、ラインマー
カ等によつて人工芝生面上に撤布するだけで上記
着色鉱物粒はその自重により自然と芝目内に入り
込むため、少なくとも一試合が終了するまでの時
間はその競技ラインを有効に形成されておくこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案による人工芝生製運動競技場の
一部断面図である。 図中、１は基盤、２は人工芝生、６は粒状物
（砂）層、７は着色鉱物粒である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 セメント、アスフアルト等よりなる基盤上に人
   工芝生を敷設し、該人工芝生の芝目内に主として
   川砂等の無機質粒状物を散布充填してなる人工芝
   生製運動競技場において、 前記人工芝生の芝目内には、白色もしくは黄色
   等の明瞭に視認し得る色に着色された鉱物粒が予
   定された競技ラインに沿つて積層されていること
   を特徴とする人工芝生製運動競技場。