JPS6131005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は高速連続伸線機に用いる線材ガイドロー
ラに関するものである。

従来から用いられているガイドローラは回転用
のベアリングを介して軸支するようにしたプラス
チツク、アルミニウムなどの軽量材からなる円盤
体の外周部に、耐摩耗性、機械的強度のすぐれた
セラミツクリングを嵌着したものが用いられてい
る。

しかしながら、伸線材が接するセラミツクリン
グは２枚の円盤体を合体させることにより形成さ
れる凹陥部中に挾持させた構造のものが多く、し
たがつてローラー全体としての重量が大きく、こ
のため、ローラの回転貫性が大きくなり、特に径
の小さな細線を線引きするような場合、駆動開始
時及び停止時には線材の動きにローラが追従でき
ず、線材とローラの間でスリツプが生じ、線材が
偏摩耗するため、表面に傷を生じたり、断線する
事態が往々にして起つていた。しかも２枚の円盤
状体を複数個の結合用のネジを締付けて合体させ
組立てるようにしたものであるから構造が複雑で
コスト的にも高価なものとなつていた。

本案は上述の如き従来の伸線用ガイドローラの
欠点に鑑みて案出したものであつて、以下実施例
により具体的に説明すれば、１は耐摩耗性、機械
的強度の優れたセラミツクを材質とするセラミツ
クリングで、該セラミツクリング１の外周面には
線材をガイドする溝Ｍが形成されている。また、
２はアルミニウム、軽合金、プラスチツク等で作
られた円盤状体で外周部にはセラミツクリング１
を挾持、嵌着するための凹陥部形成用のＬ字型を
した段部２ａが形成され、この段部２ａの底面に
はネジ溝２ｂが施されており、しかも、外周面と
して、上記セラミツクリング１の溝部Ｍの壁面と
同斜角の斜面２ｃが形成してある。このような円
盤状体２の外周部に設けられたＬ字型段部２ａに
は前記セラミツクリング１が嵌め込まれた後、該
セラミツクリング１の溝部Ｍの壁面と同斜角で前
記斜面２ｃと対称な斜面３ａを備え環状体３の内
周部に施したネジ溝３ｂを円盤状体２に施したネ
ジ溝２ｂに螺合することによつて該円盤状体にて
セラミツクリング１を締め付け挾着する如く環状
体３が螺着される。

なお、４は固定支軸５に回転自在に支承するた
めのベアリングを内蔵したベアリングホルダーで
あり円盤状体２、セラミツクリング１等により成
るローラの回転中心部に取付けられている。

上述の如く、本案ガイドローラは、一つの円盤
状体２の円周部に環状体３を螺合してセラミツク
リング１を挾着せしめた構造のものであるから、
部品点数が少く、かつ、極めて軽量であるため回
転時の慣性力は小さく、伸線時のガイド特性が大
巾に向上し、しかも取付構造も簡単であるため、
組立も容易であり、生産性に優れ、生産コストの
低減化も期待できる線材ガイドローラをもたらす
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本案実施例による伸線用ガイドローラの断
面を示したものである。 １……セラミツクリング、２……円盤状体、３
……環状体、４……ベアリングホルダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 線材が接するセラミツクリングの外周面に設け
   た溝部壁面と同斜角の斜面を有し、上記セラミツ
   クリングが嵌め込まれる凹陥部形成用の段部を備
   え、該段部の下面にネジ部を形成した円盤状体に
   対し、上記溝部壁面と同じ斜角の斜面を有し、内
   周部にネジ部を形成してなる環状体を螺合一体化
   することにより形成される凹陥部中に、上記セラ
   ミツクリングを挾着包持したことを特徴とする線
   材ガイドローラ。