JPS6130666Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は蓄尿袋をベツドで支持する蓄尿袋支
持具に関する。

周知のように、入院又は療養中の泌尿器関係の
患者等においては、ベツドで寝たままの状態で排
尿しなければならない。このため、尿道に導尿管
を連結して、この導尿管からベツドに支持固定し
ている蓄尿袋に尿を溜めるようにしている。この
蓄尿袋は、合成樹脂の薄い材質からなる袋である
ために、ベツドに支持固定する必要がある。従来
におけるこの蓄尿袋のベツドへの支持固定の方法
には、例えば、ベツドの四隅の支柱のいずれかに
紐部材で蓄尿袋を連結固定したり、ベツドの側方
にある横棧に固定した取付部材に蓄尿袋を引掛け
て使用する方法などがある。

しかしながら、これら蓄尿袋のベツドへの支持
固定によると、蓄尿袋が空若しくはほとんど尿が
溜つていない状態においては、蓄尿袋に人体や寝
具が触れると、蓄尿袋が傾いたり、取付部材から
外れて落下する欠点がある。更に、ベツドの側方
は、看護者が看護の際に常に接触する場所である
ので、取付部材が邪魔になつて看護に支障を来す
恐れもあつた。更に又、取付部材の横棧への取付
の仕方が複雑であるので、脱着に手数がかかると
共に、構造が複雑であることから高価なものとな
つていた。

この考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
つて、極めて簡単な構造でしかも安価に製作で
き、且つ、ベツドへの脱着が簡単であると共に、
蓄尿袋が傾いたり落下することもなく、しかも、
看護者に対して看護の邪魔とならないことを目的
とする。

この考案の実施例について以下図面の記載に基
づいて説明する。

この考案の蓄尿袋支持具１は第１図に示すよう
に、一本の線材を閉じた形状に連結したものを蓄
尿袋Ａの引掛部２とベツドＢの底面ＣとマツトＤ
の間に挿入する支持部３を形成するように折曲げ
たものである。

引掛部２は、一本の線材からなる閉じた形状の
一方側を凸形に折曲げたものであつて、この凸形
の引掛部２は使用時において蓄尿袋Ａの手提げ穴
Ｅ内に挿入される。この凸形の横方向の長さを、
蓄尿袋Ａの手提げ穴Ｅの横巾とほぼ同じ位となる
ように形成すれば、蓄尿袋Ａがこの引掛部２によ
り堅固に支持固定される。

支持部３は、一本の線材からなる閉じた形状の
他方側を末広がりとなるように折曲げたものであ
つて、この末広がりの支持部３は、使用時におい
て、ベツドＢの底面ＣとマツトＤの間に挿入され
る。前記一本の線材は硬い金属の材質のものが好
ましいが、硬質合成樹脂その他の材質のものであ
つてもよく、その材質は限定されるものではな
い。

以上のような構成からなるこの考案の蓄尿袋支
持具１を使用する場合には、第５図に示すよう
に、支持部３をベツドＢの底面ＣとマツトＤの間
に押し込んで挿入した後、第２図に示すようにベ
ツドＢの側方へ突出している引掛部２に蓄尿袋Ａ
の手提げ穴Ｅを入れて引掛けるだけでよい。この
とき、手提げ穴Ｅの横巾と引掛部２の横方向の長
さがほぼ等しいときには、蓄尿袋Ａは引掛部２に
対して堅固に支持固定され、蓄尿袋Ａが空若しく
はほとんど尿が入つていない時でも、人体や寝具
が触れても傾いたり落下することをより一層防止
することが可能である。又、支持具３が末広がり
となつていることにより、ベツドＢの底面Ｃとマ
ツトＤの間に挿入された際に、これら底面Ｃとマ
ツトＤによる挾圧部分が大きくなるので、より確
実にベツドＢに支持固定される。そして、人体の
尿道から導尿管Ｆを通じて蓄尿袋Ａに導かれた尿
は、蓄尿袋Ａに溜められるが、このとき、蓄尿袋
Ａの排気孔Ｇよりその分に相当する空気が排出さ
れる。蓄尿袋Ａを取り外す際には、前記と全く逆
の操作によつて行う。すなわち、引掛部２から蓄
尿袋Ａの手提げ穴Ｅを抜き出すだけでよい。

そして、蓄尿袋Ａに溜つた尿は、排尿口Ｈを通
じて放出される。

次に、第３図に示すこの考案の他の使用例につ
いて説明する。この使用例は、蓄尿袋Ａの構造
が、手提げ穴Ｅを有していない蓄尿袋Ａの上方に
２つの通し穴が形成されているものの場合に有
効なものである。この場合には、弾力性のある金
属等の線材からなる取付具４に蓄尿袋Ａを取付け
てから、この取付具４を前記引掛部２に引掛けて
使用する。取付具４は、上方に２つの山型の突起
部５を有する上辺部６と下方には、一端側を前記
２つの山型の突起部５を形成する線材を折曲げた
ものに連続し、他端側の先端を前記２つの山型の
突起部５を形成する線材と連続した線材である側
線７の先端の鉤部８に引掛け取り外し自在となる
ように形成した下辺部９からなるものである。従
つて、この取付具４に蓄尿袋Ａを取付けるには、
下辺部９の他端側の先端を鉤部８から取り外して
から、蓄尿袋Ａの２つの通し穴にその先端を挿
入した後、鉤部８に引掛け、その後、２つの突起
部５を引掛部２の根元の支持部３に掛けるだけで
よい。

以上の説明からも明らかなように、この考案の
蓄尿袋支持具１は極めて簡単な構造であると共
に、その取り扱いも簡単であるので、老人や年少
者の患者であつても、操作することができる。し
かも、ベツドＢの側方から突出している引掛部２
の部分は、被服が引掛かつたり看護者の邪魔にな
つたりすることもないので、患者の看護に何らの
支障を生じさせない。更に、蓄尿袋Ａが空若しく
はほとんど尿の入つていない状態において、人体
や寝具が触れた場合であつても、傾いたり落下す
ることもないので安心して使用することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図はこの
考案の全体斜視図、第２図は蓄尿袋を引掛部に引
掛けた状態の説明図、第３図はこの考案の他の使
用例の全体斜視図、第４図は第３図の使用例のも
のに蓄尿袋を取付けた状態の説明図、第５図はベ
ツドに使用した場合の説明図をそれぞれ示す。 １……蓄尿袋支持具、２……引掛部、３……支
持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一本の線材からなる閉じた形状の一方側を凸形
   に折曲げた引掛部と、他方側を末広がりに折曲げ
   た支持部からなる蓄尿袋支持具。