JPS6129957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジンのエアクリーナ、特にサイ
クロン式エアクリーナの改良に関するものであ
る。

従来より、エンジンのエアクリーナとして、筒
状のケース内に筒状のエアクリーナエレメントを
収容し、このエレメント外周空間に配設したサイ
クロンフインにより、流入空気に旋回運動を与
え、砂塵等のダストを遠心力によつて分離するよ
うにしたサイクロン式エアクリーナが公知である
（例えば、特開昭53−58867号公報参照）。

しかるに、上記サイクロン式エアクリーナにお
いては、遠心力によつて分離されダストパンに落
下したダストがエンジン振動あるいは車体振動等
の影響を受けて、該ダストパン内で回転運動し、
再びエアクリーナエレメント側に逆流してその清
浄性能に悪影響を与える不具合を有する。

本考案はかかる点に鑑み、ダストパン内でのダ
ストの回転運動を阻止してダストの逆流を防止
し、効率よくダストを排出するようにしたエンジ
ンのエアクリーナを提供せんとするものである。

すなわち、本考案のエンジンのエアクリーナ
は、サイクロン式エアクリーナにおいて、底部に
ダスト排出口を有するダストパンを漏斗状に形成
するとともに、該ダストパン底面にダスト排出口
から放射状に延びるビードを設けてなり、ビード
によつてダストの回転運動を阻止すると同時に、
漏斗形状によつてダストをダスト排出口に集合さ
せ、効率よくダストを排出せんとするものであ
る。

以下、本考案の実施例を図面に沿つて説明す
る。第１図および第２図に示すサイクロン式エア
クリーナ１において、２は筒状のケース、３は該
ケース２の上部開口を閉じる蓋体であつて、ケー
ス２側面の上部には空気入口４が、蓋体３上面の
中央部には空気出口５が開設されている。

また、６は上記ケース２内に収容された筒状の
エアクリーナエレメント、７は該エアクリーナエ
レメント６の上面から外周部に配設されたガイド
板、８は該ガイド板７の下端部外周に形成された
サイクロンフインであり、空気入口４から流入し
た空気がガイド板７によつて下方に案内され、サ
イクロンフイン８で旋回運動が与えられ、エアク
リーナエレメント６を通過して、空気出口５から
清浄化された空気が流出する。

なお、９および１０は上記蓋体３とケース２お
よびエアクリーナエレメント６（ガイド板７）と
の間のシールを行うパツキングである。

また、１１はケース２の下部内面に固設された
仕切板で、上記エアクリーナエレメント６の下端
部を支持している。さらに、１２は上記ケース２
の下端部に連設されて底面を構成するダストパン
で、該ダストパン１２と仕切板１１とによつてダ
スト貯留室１３が形成されている。

上記仕切板１１には空気入口４側の外周部にの
みダスト導入口１４が開設され、前記サイクロン
フイン８の作用によつて分離された砂塵等のダス
トがこのダスト導入口１４からダスト貯留室１３
に流入する。

一方、上記ダストパン１２には、上記ダスト導
入口１４と反対側の離れた位置にダスト排出口１
５が開設され、ダストパン１２の底面は該ダスト
排出口１５に向つて傾斜した漏斗状に形成されて
いる。

該ダストパン１２の底面には、ダスト排出口１
５から放射状に延びるビート１６（図示の場合７
本）が設けられ、このビート１６はダスト貯留室
１３において溝を構成するように下方に突出して
形成されている。また、上記ビート１６は、ダス
ト排出口１５の下方およびその近傍を除外して配
設されている（第２図参照）。

さらに、上記ダスト排出口１５にはアンローダ
バルブ１７が設置され、該アンローダバルブ１７
はダスト貯留室１３に負圧が発生しているときに
ダスト排出口１５を閉じる一方、負圧の減少もし
くはダストの重量によつてダスト排出口１５を開
き、ダスト貯留室１３内のダストを排出するもの
である。

上記実施例においては、空気入口４から空気と
共に流入したダストは、サイクロンフイン８の作
用にて遠心力が付与されて、エアクリーナエレメ
ント６に接触することなく分離され、仕切板１１
のダスト導入口１４を通つてダストパン１２上に
落下する。

上記ダストパン１２上に落下したダストは、サ
イクロンフイン８による旋回力もしくはエアクリ
ーナ１全体に作用するエンジンの振動等の影響を
受けて回転運動するものであるが、この回転運動
はビード１６によつて阻止され、このビード１６
に沿つて漏斗状の底面をダクト排出口１５の方向
に移動し、該ダスト排出口１５の近傍に集合して
貯留される。

その際、ダストの回転運動がビート１６で阻止
され、ダスト導入口１４の近傍にはダストが滞留
しないことから、ダスト導入口１４に作用する吸
気負圧によつてもダスト貯留室１３内のダストが
吸引されることはない。

特に、上記ダストパン１２のビート１６は、ダ
スト導入口１４の下方およびその近傍に配設され
ていないことから、ダスト貯留室１３内のダスト
が吸引されることは殆どなく、その逆流防止効果
が向上する。

上記ダスト貯留室１３に貯留されたダストは、
エンジン停止時等においてアンローダバルブ１７
が開いたときに、ダスト排出口１５から外部に排
出される。

以上説明したように、本考案エアクリーナによ
れば、ダストパンを漏斗状に形成するとともに、
該ダストパン底面にダスト排出口から放射状に延
びるビードを設けてなり、ダストパン内でのダス
トの回転運動をビードによつて阻止し、漏斗形状
によつてダストをダスト排出口に集合させること
により、ダストの逆流を防止して、効率よくダス
トを排出することができ、サイクロン式エアクリ
ーナの特性を十分に発揮させることができる利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は中央
縦断面図、第２図は第１図の−線に沿う断面
図である。 １……エアクリーナ、２……ケース、３……蓋
体、４……空気入口、５……空気出口、６……エ
アクリーナエレメント、７……ガイド板、８……
サイクロンフイン、１１……仕切板、１２……ダ
ストパン、１３……ダスト貯留室、１４……ダス
ト導入口、１５……ダスト排出口、１６……ビー
ド、１７……アンローダバルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サイクロン式エアクリーナにおいて、底部にダ
   スト排出口を有するダストパンを漏斗状に形成す
   るとともに、該ダストパン底面にダスト排出口か
   ら放射状に延びるビードを設けたことを特徴とす
   るエンジンのエアクリーナ。