JPS6129518Y2

JPS6129518Y2 -

Info

Publication number: JPS6129518Y2
Application number: JP1981032755U
Authority: JP
Priority date: 1981-03-11
Filing date: 1981-03-11
Publication date: 1986-08-30
Also published as: JPS57148490U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は多数の回転板を汚水の処理槽中に一部
浸漬して回転させることにより回転板に好気性微
生物を付着生成させ汚水中の汚濁物質等を生物学
的に酸化処理するための回転板式汚水処理装置に
おける特に回転板の改良に関するものである。回
転板式の汚水処理装置については、既に多くのも
のが提案されているが、多数枚の回転板を一定間
隔で保持する手段につき夫々一長一短がある。例
えば、薄い平板からなる回転板の場合には、回転
板が自立不可のため、回転板の中心部以外にもス
ペーサーを配設して板同志の間隔を保持する必要
があり、回転板自体は軽量であるが、全体として
重量の増大、製作費が崇むという不利がある。ま
た、回転板自身が自立できるようにするため材質
としてFRP等を用い、中心部にスペーサーを介
在させるようにしたものもあるが、この方法であ
ると回転板の重量が増し、回転軸径も大となつて
動力費が崇むという欠点がある。さらに、回転板
の表面を凹凸状に成形し、板体同志を溶着して必
要枚数分を１つのブロツクとしたものもあるが、
この方法であると溶着箇所が相当多くなり、製作
に手間が掛るほか、凹凸に囲まれる部分が多くな
り、流通性が悪化して接触効率が低下するという
不具合があり、板面に多数の流通孔を穿設しなけ
ればならなくなる。また、各回転板にダボ（突
起）を突設し、このダボを順次重ね合わせること
によつて回転板同志の間隔を保持するようにした
構造のものもあり、これによつた場合、前記した
回転板よりは製作、組立が容易となるが、ダボ同
志の嵌合によつて閉鎖空間が生じ、該空間内に溜
まつた汚水が腐敗し処理に悪影響を及ぼすという
不利があり、また回転板の微妙なソリ等でダボ同
志が均一に嵌合せず、接着剤を使用しなければな
らなくなることもあり、嵌合深さが不揃いとなつ
て回転板同志の間隔が不正確になるという問題が
ある。

本考案の目的は、前記した従来装置における回
転板の不具合点を除去し、スペーサー部とダボ部
を一体的に設けた中空二段突起を各回転板の表面
に複数個配設して接触効率を低下させることな
く、回転板同志の間隔を正確に保持し得るように
し、且つ製作、組立の容易な回転板式汚水処理装
置を提供することにある。

以下、本考案の具体的構成を図示の実施例に基
づき詳細に説明する。

本考案は、多数枚の回転板１を所定間隔を保つ
て連設し、処理槽２内に設置する回転板式汚水処
理装置において、各回転板１の表面に、放射状台
型に突出成形した所定高さを有するスペーサー部
３と、このスペーサー部３の放射状台型の各放射
部４と重ならず、且つ当該放射部４の頂部平面５
及び裾面上部６が嵌合し得る容積を有する台型状
のダボ部７を前記スペーサー部３より低位置に一
体的に設けた中空二段突起８を、前方に位置する
回転板１のダボ部７内側に後方の回転板１におけ
るスペーサー部３の各放射部４が嵌合し得るよう
に複数個配設してなるものである。

回転板１の表面に配設する中空二段突起８はス
ペーサー部３とダボ部７とからなるもので、図示
の実施例においては、スペーサー部３はその中心
部から三方向に120度づつ位置をずらして略Ｙ字
状に突出成形したものである。また、ダボ部７は
図示の実施例の場合、スペーサー部３の各放射部
４より60度づつ位置をずらして３個突出成形した
ものであるが、放射部４及びダボ部７の個数につ
いては図示のものに限られるものではなく、例え
ば四方向に延びる十字状の放射部４となし、ダボ
部７をこれより45度づつずらして各放射部４に対
応するよう４個突出成形するようにしてもよいも
のである。

ダボ部７は前記した放射部４の頂部平面５と裾
面上部６が嵌合できる容積をもつように台形状に
突出成形するもので、このため、前方に位置する
回転板１におけるダボ部７の内側に後続の回転板
１におけるスペーサー部３の放射部４が当接する
よう回転板１は、放射部４とダボ部７の位置をず
らしたもの２種類を準備する。従つて、前方に位
置する回転板１におけるダボ部７の内側に後続の
回転板１におけるスペーサー部３の放射部４を嵌
合させたとき、回転板１同志はスペーサー部３に
よつて所定間隔Ｈが保持されることになる（第３
図）。なお、中空二段突起８の回転板１における
突設位置は各回転板を通じて共通することはいう
までもないが、その突出方向については各回転板
１につき全ての中空二段突起８を同一方向に向け
て設けてもよいし、また、例えば回転板１の中心
付近に設ける中空二段突起８のみを、その外周に
配設する中空二段突起８の突出方向とは反対の方
向に向けて突出成形するようにしてもよい。

中空二段突起８を備えた回転板１は、これを同
時成形によつて一体的に製作するが、環状リブ９
によつて囲まれた中空二段突起８のみを独立して
成形し、これを回転板に開設した取付孔（図示せ
ず）に溶着乃至接着によつて一体的に設けるよう
にしてもよい。

以上のように構成した必要枚数の回転板１は各
中空二段突起８の嵌合によつて一定間隔Ｈを保つ
て積層され、回転板積層体１０の中心部に回転軸
１１を貫通し、汚水入口１２と処理水出口１３を
備えた汚水処理槽２内に一部浸漬するように配置
される。処理槽２内の回転板積層体１０が原動機
（図示せず）の駆動によつて緩速で回転すると、
汚水入口１２より流入した汚水は回転板１の微生
物膜により漸時生物酸化処理され汚泥となつて回
転板１に付着成生し、処理水を処理水出口１３よ
り排出するものである（第４図）。

而して、本考案によれば、回転板に配設した高
低の差がある中空二段突起が一種のリブ構造とな
るので、ねじれに極めて強く、充分なる強度の回
転板積層体が得られるし、軽量化の要請にも応え
ることができ、動力費の低減にも効果がある。

また、回転板同志が重なる部分はダボ部だけ
で、回転板全体の面積からみれば僅かであり、回
転板の有効面積を損なうことなく接触効率の良好
な処理装置を提供することができる。さらに、回
転板同志を積層した状態で、ダボ部と接触する放
射部を除いたスペーサー部の内側全体が開口して
流通可能となるので、汚水及び空気が充分に流通
し、固着微生物によるつまりや腐敗を起こすおそ
れがないし、回転板同志の積層も中空二段突起の
嵌合で行なうから作業が単純化し、組立作業の良
好な回転板式汚水処理装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置における回転板の一実施例
を示す一部平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面
図、第３図は回転板同志の積層状態を示す断面
図、第４図は本考案装置の一実施例を示す断面図
である。１…回転板、２…処理槽、３…スペーサー部、
４…放射部、５…頂部平面、６…裾面上部、７…
ダボ部、８…中空二段突起、９…環状リブ、１０
…回転板積層体、１１…回転軸、１２…汚水入
口、１３…処理水出口。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

多数枚の回転板を所定間隔を保つて連設し、処
理槽内に設置する回転板式汚水処理装置におい
て、前記各回転板の表面に、放射状台型に突出成
型した所定高さを有するスペーサー部と、このス
ペーサー部の放射状台型の各放射部と重ならず、
且つ当該放射部の頂部平面及び裾面上部が嵌合し
得る容積を有する台型状のダボ部を前記スペーサ
ー部より低位置に一体的に設けた中空二段突起
を、前方に位置する回転板のダボ部内側に後方の
回転板におけるスペーサー部の各放射部が嵌合し
得るように複数個配設したことを特徴とする回転
板式汚水処理装置。