JPS61292907A - 巻鉄心の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は変圧器などに用いられる非晶質磁性合金薄板か
らなる巻鉄心に焼鈍を行なう巻鉄心の製造方法に関する
。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

近時、変圧器などにおける巻鉄心の材料として非晶質磁
性合金薄板を用いることが検討されつつある。非晶質磁
性合金板は、従来からの巻鉄心材料であるけい素鋼板に
比して鉄損（損失）が１／３〜１／４と小さく、磁気特
性に優れている。

しかし、非晶質磁性合金板は、超急冷法により製造する
ために、急冷時の歪により、鉄損の増大など磁気特性が
極熾に低下しており、本来の優れた磁気特性が得られな
い。このため、非晶質磁性合金薄板からなる鉄心は、鉄
心組立後に歪取り焼鈍を行なって、非晶質磁性合金本来
の磁気特性の回復を図うている。この焼鈍は、鉄心を磁
場中に置いて、磁気異方性を与え、磁気特性の改善を図
る方法である。一般に、非晶質磁性合金薄板は、適正な
焼鈍温度条件の範囲が狭い。例えば、代表的な非晶質磁
性材料である米国アライド社製のＭＥＴＧＬＡＳ　２６
０５　Ｓ　２（商品名〕は、第５図の線図で示すように
焼鈍温度が約４００℃で、その温度範囲が±１５℃と狭
い。また、焼鈍必要時間も短かく、これが長い場合には
、非晶質磁性合金薄板の結晶化が進んでしまうことにな
る。このため、非晶質磁性合金薄板をこの材料が本来有
している優れた磁気特性を損なう仁となく歪取シ焼鈍す
るためには、鉄心の各部分を短時間で各々適正な焼鈍温
度範囲に均一に加熱することが必要である。

従来、非晶質磁性合金薄板からなる巻鉄心に対する歪取
シ焼鈍は外部加熱方式が採用されている。すなわち、第
６図で示すように非晶質磁性合金薄板２を巻回してなる
巻鉄心１に磁界印加用の磁界コイル３を巻装し、この巻
鉄心１を電熱ヒータ（図示せず）を熱源とする恒温槽４
の内部に収容する。そして、直流電源５により磁界コイ
ル３に直流電流を流して、巻鉄心ＩＫ母界を印加すると
ともに、電熱ヒータの発熱により、恒温槽４内部を所定
の焼鈍温度まで上昇させて巻鉄心１を加熱することによ
シ焼鈍を行なっている。

しかしながら、このような焼鈍方法においては、巻鉄心
１を電熱ヒータの輻射熱によシ外部から加熱するので、
巻鉄心１内部まで良好に加熱できず、巻鉄心１表面と巻
鉄心１内部とでは温度分布が不均一となる。第７図は、
従来の焼鈍方法によＱ鉄心重量６１Ｃ９の巻鉄心を焼鈍
温度４００℃で加熱した場合における巻鉄心各部の加熱
時間と温度上昇との関係を示す線図である。第８図は前
記巻鉄心において温度を測定した箇所を示す説明図であ
る。第７図及び第８図において、Ａ点は巻鉄心１の薄板
巻厚方向中央部、Ｂ点は薄板巻厚方向外周部、０点は巻
鉄心１の外周面を各々示している。なお、Ｄ点は恒温槽
４の内部空間の温度を示している。第７図によれば巻鉄
心１を加熱して３時間経過した時点において、巻鉄心１
のＢ点では約２８０℃に温度上昇するが、Ａ点では約２
３０℃までしか温度上昇せず、両者間に約５０℃の温度
差を生じる。また、巻鉄心１の０点では約３９０℃まで
温度上昇し、Ａ点との間で約１６０℃の温度差を生じた
。このように巻鉄心１表面は巻鉄心１内部に比して温度
上昇が大きく、巻鉄心１全体として温度分布が不均一に
なる。そして、巻鉄心１全体を均一な温度にするために
は、さらに巻鉄心１を長時間加熱することになり、その
結果温度が早く上昇する巻鉄心１表面は長時間高温にさ
らされることになシ、非晶質磁性合金板の磁気特性が劣
化する。しかも、この焼鈍方法において巻鉄心１に変圧
器コイルを巻回して焼鈍を行なうと、変圧器コイルが外
部から４００℃まで加熱されて損傷するので、変圧器コ
イルを巻回して焼鈍することができない。しかも、焼鈍
後の巻鉄心は非晶質磁性合金薄板が脆化するので、コイ
ル巻回などの組立作業を行なうと、非晶質磁性合金薄板
が破損するおそれがある。

−万、最近非晶質磁性合金薄板からなる巻鉄心に巻回し
たコイルに励磁用高周波電流を通して巻鉄心を励磁し、
この励磁によシ巻鉄心に生ずる損失で巻鉄心自身を発熱
昇温させて焼鈍する高周波励磁焼鈍方法が開発されてい
る。

この方法は変圧器コイルの巻回作業や変圧器中身の組立
作業の大部分を焼鈍の前工程として行なうことができ、
焼鈍によシ非晶質磁性合金薄板が脆化した後の巻鉄心の
取扱いを極力少なくして非晶質磁性合金板に外力が加わ
る機会を少なくできる利点、がある。

しかるに、この方法は外部加熱方法に比して巻鉄心を短
時間で加熱することができるが、巻鉄心周方向の面圧の
不均一や巻鉄心内外の放熱面積の違い等によシ巻鉄心の
温度分布が均一になりにくいという問題がある。特に矩
形状の巻鉄心においては、巻き締″１シによシ、コーナ
一部の面圧が脚部や継鉄部の直線部分の面圧に比し高く
なっており、加えて非晶質磁性合金薄板には絶縁被膜が
なく、層間抵抗が低いので、高周波励磁によυコーナ一
部に発生する過電流が、他の鉄心部分に発生する過電流
よう大きくなって局部的に度を上昇させる原因となって
いた。

第９図は、高周波励磁焼鈍方法における巻鉄心の円周方
向及び巻厚方向の温度分布測定点の説明図である。図中
Ｘは巻鉄心１の継鉄部、Ｙはコーナ一部、２は鉄心脚部
の点を示しており、各点は巻鉄心１の巻厚中央部であシ
、鉄心幅の中心を測定している。ａからｆは２点におけ
る巻厚方向の測定点である。第１０図は巻鉄心の各測定
点の温度と時間との関係を示している。

第１０図の実線に示すように、巻鉄心１を高周波励磁加
熱して約３０分経過した時点において、巻鉄心１のＹ点
では４１０℃に温度上昇するが、Ｘ点ｆ３８０℃、２点
”ｔ”３３０℃となり、特に鉄心コーナ一部であるＹ点
と鉄心脚部の２点との間では約８０℃の温度差を生じた
。また第１１図は２点における鉄心巻厚方向の各測定点
の温度と時間との関係を示してお夛、実線で示す如く、
２点３３０℃に対しａ、ｆ点は約５０〜６００低い温度
を示している。このように巻鉄心内温変分布が゛不均一
になると、非晶質磁性合金薄板の内部歪を十分に除くこ
とができず、優゛れた磁気特性を得ることができない。

〔発明の目的〕

本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであシ、非晶
質磁性合金薄板からなる巻鉄心に対する歪取り焼鈍を良
好に行ない、非晶質磁性合金本来の優れた磁気特性を発
揮できる巻鉄心を得ると共に巻鉄心の剛性向上を図るこ
とができる巻鉄心の製造方法を提供することを目的とす
る。

〔発明の概要〕

本発明の巻鉄心の製造方法は、非晶質磁性合金薄板を巻
回した巻鉄心を焼鈍する方法であって、巻鉄心の巻厚方
向の中間層に絶縁被膜を有する非晶質磁性合金薄板を巻
回して巻鉄心を構成し、且つ巻鉄心の脚部及び継鉄部に
１コ一ナ一部の面圧と略等しくなるように巻厚方向に圧
力を加えた状態にし、この巻鉄心を励磁コイルによｐ高
周波で励磁し、その発生損失によシ、巻鉄心自身を発熱
させて焼鈍を行なうものであり、巻鉄心全体を短時間で
均一に温度上昇させて焼鈍することができる。

〔発明の実施例〕

以下本発明を図面で示す実施例について説明する。

第１図から第４図は本発明方法の一実施例を示すもので
ある。第１図は矩形状の巻鉄心を２組並べて歪取り焼鈍
する場合の実施例を示している。

まず、第２図で示すように帯状をなす非晶質磁性合金薄
板Ｊ　２Ａ　、　１２Ｂを矩形状の巻型に巻回するか、
又は、円形に巻回径矩形状に成形して巻鉄心１１を形成
する。この巻鉄心１ノを形成するに際して、巻始め内側
層と巻終シ外側層部分は非晶質磁性合金板１２ｋを巻回
しく巻厚の約１／４づつ）、巻鉄心１１の巻厚方向の中
間層には絶縁被膜として無機質コーティング処理例えば
酸化マグネシウムコーティング処理された非晶質磁性合
金薄板１２を使用して巻回する。この非晶質磁性合金薄
板１２１．１２Ｂの巻厚割合は、巻鉄心１１の全体巻厚
のほぼ１／２程度とする。

このように形成された巻鉄心１１は公知の切断および接
合部のずらし工程を経てステッデラッデソ、インド形巻
鉄心に加工成形される。さらに、巻鉄心１１は、第３図
に示すように内周面に非磁性板（例えばＳＵＳ　３０４
　）製の補強枠１３を設けて絶縁テープ等で固定した状
態（後述する補強枠１４はなく、巻鉄心１１の接合部イ
がステップラップ接合されず直角に立っている状態）に
構成し、この巻鉄心１１を２個並べて隣接する脚部に、
熱し中へい対策の施された変圧器コイル３１を組込み、
前記各巻鉄心１１における接合部イを有する側の継鉄部
に補強枠１４を入れた後に、前記接合部イをステップラ
ップ接合させて巻鉄心１ノを矩形状にし、２個の巻鉄心
１１とコイル３１を組合わせる。第４図は補強枠１４ｆ
、示している。

そして、第１図に示すように、下部と側部が一体化した
クランプ１５と側部クランプ１６で２個の巻鉄心１１．
１１の脚部および継鉄部を押え、クランプ１５に取付け
たボルト１７と締付ナツト１８によって各クランプ１５
．１６を締付ける。次いで、巻鉄心Ｉ　Ｊ、　、　Ｚ　
Ｊに上部クランプ１９を載せ、クランｆ１５に取付けた
♂ルト２０と締付ナツト２１によυ各りランプ１５．１
６．１９を締付けて巻鉄心１１．１１の脚部を固定する
。その後、補強枠１４と上部クランプ１９とをボルト２
２とナツト２３とＫよシ締付けて、巻鉄心１１．１１の
接合部イを有する継鉄部を固定し、且つ補強枠１３とク
ランプ１５とをボルト２４とナツト２５によ）締付けて
、巻鉄心１１．１１の他方の継鉄部を固定する。この場
合、巻鉄心１１．１１の脚部および継鉄部の締付力はこ
の部の面圧が鉄心コーナ一部の面圧と略等しくなるよう
に各ボルトおよびナツトの締付は度合をｉ＋１１ｍする
。このようにして巻鉄心１１．１１の全周の面圧を略均
−にして組立てを行なう。

さらに、組立てられた巻鉄心１１．１１の外側の脚部に
励磁コイル２６．２６を巻回する。

励磁コイル２６．：１６の巻回数は鉄心の断面積や励磁
周波数により適宜決定する。励磁コイル２６．２６は切
要スイッチ２７を介して高周波交流電源２８と直流電源
２９とに切換接続できるようにする。図中３０は交流電
源２８の電圧を調整する電圧調整器である。

そして巻鉄心１１．１１の歪取シ焼鈍を行なう場合には
、切換スイッチ２７によシ励磁コイル２６．２６ｔ−高
周波交流電源２８へ接続し、電圧調整器３０により電圧
を調整して、励磁コイル２６．２６に高周波交流電流を
流す。この交流電流の周波数は５００　Ｈｚ以上、例え
ば３〜７　ｋＨｚ　Ｋ選定する。励磁コイル２６．２６
に交流電流を流すと、磁束の発生により、巻鉄心１１．
１１における非晶質磁性合金薄板１２Ａ。

１２Ｂにうず電流が流れ、このうず電流に伴なう電力損
失によシ巻鉄心１１．１１自身の内部発熱で巻鉄心Ｊ　
、Ｊ　、　Ｊ　Ｊが温度上昇する。非晶質磁性合金薄板
１２１，１２８の温度が適正な焼鈍温度４００℃±１５
℃まで上昇すれば、電圧調整器３０で交流＄〆電源２θ
の電圧を調整して温度４００℃±１５℃を一定時間保持
する。

その後に、切換スイッチ２７の操作によシ励磁コイル２
６．２６を交流電源２８から直流電源２３に切換える。

これにより巻鉄心１６．１６は、磁場中にて冷却される
。なお、巻鉄心１１゜１１の焼鈍が終了した後は励磁コ
イル２６゜２６を巻鉄心１１．１１から取り外す。

このように本発明では巻鉄心１１０巻厚方向の中間層に
絶縁被膜を有する非晶質磁性合金薄板１２Ｂを介在させ
て過電流の発生を抑え、巻鉄心１ノの中間層における高
周波域での発生損失が鉄心内、外層に比し高くならない
ようにしまた巻鉄心１１の面圧が低い脚部と継鉄部をコ
ーナ一部の面圧と略等しい面圧となるように巻厚方向に
締付力を加えて巻鉄心１１の周方向における発生損失を
均一化したので、巻鉄心１１０巻厚方向及び周方向の温
度差を同時に少なくすることができ、焼鈍時の巻鉄心１
１内の温度分布が均一化され、非晶質磁性合金薄板本来
の低損失特性を発揮して磁気特性の優れた巻鉄心を得る
ことができる。

実験結果の一例では、第１Ｏ図に一点鎖線で示す如くＹ
点の温度上昇は従来と変わらないものの、Ｘ点、２点の
温度上昇がそれぞれＹ点に近づいてお）、巻鉄心１１周
方向各部の温度上昇が均一化された。また第１１図に一
点鎖線で示す如く巻鉄心１１巻厚方向の各部も全体的に
温度上昇して均一化された。その結果、巻鉄心１１内の
焼鈍時の温度差は４００℃±２０℃以内にすることがで
き、鉄損（Ｗ／に９）に於いて約２０チ特性が向上でき
た。

なお、前述した実施例では、外鉄型巻鉄心にて説明した
が、内鉄型巻鉄心にも適用できる。

この場合は、鉄心幅方向を２分割して各々の鉄心に励磁
コイルを巻く。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明による巻鉄心の製造方法によ
れば、非晶質磁性合金薄板からなる巻鉄心を均一な温度
分布で昇温させて短時間に歪取シ焼鈍を行なうことがで
きるので、磁気特性の優れた巻鉄心を得ることができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明の一実施例を示すもので、
第１図は本発明の製造方法による焼鈍状態を示す説明図
、第２図は同実施例における巻鉄心を示す斜視図、第３
図は巻鉄心を補強枠に納めた状態を示す斜視図、第４図
は補強枠を示す斜視図、第５図は非晶質磁性合金薄板の
焼鈍特性を示す線図、第６図は従来の外部加熱焼鈍方法
を示す説明図、第７図は従来方法によシ焼鈍した場合の
巻鉄心各部の温度上昇を示す線図、第８図は第７図にお
ける巻鉄心各部の温度測定点を示す説明図、第９図は巻
鉄心各部の温度測定点を示す説明図、第１Ｏ図は巻鉄心
を高周波励磁して焼鈍した場合の巻鉄心周方向各部の温
度上昇を示す線図、第１１図は第１０図に示す巻鉄心の
巻厚方向の巻鉄心各部の温度分布を示す説明図である。 １１・・・巻鉄心、１２に、１２Ｂ・・・非晶質磁性合
金薄板、２６・・・励磁コイル、２８・・・高周波交流
電源、２９・・・直流電源。 出願人代理人　　弁理士　鈴　江　武　彦第１図 第２図 第３図 焼鈍法＆　（’Ｃ） 第５図 第６図 時間（介） 第７図 第８図 第９ｗ４

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 　非晶質磁性合金薄板を巻回してなる巻鉄 心を焼鈍する方法であって、前記巻鉄心の巻厚方向の中
   間層に巻回する非晶質磁性合金薄板に絶縁被膜を有する
   ものを用い、かつ前記巻鉄心の脚部及び継鉄部に巻厚方
   向の圧力を加えた状態で、前記巻鉄心に巻回したコイル
   に交流電流を通して前記巻鉄心を励磁し、この励磁に伴
   い巻鉄心に生ずる損失により前記巻鉄心自身を発熱させ
   て焼鈍を行なうことを特徴とする巻鉄心の製造方法。