JPS6128946Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、室内冷暖房機器などの配管を好適に
施工するための配管用部材に関する。

一般に、家庭用冷暖房機器、空調器などの配管
は、建物の外壁その他の個所に貫通孔を設けて各
器具の配管用管体を通すことにより施工されてい
るが、外壁などに貫通孔を設けることは手間がか
かるものであり、貫通孔が管体より小径である場
合には管体を通すことができないことは勿論、貫
通孔が大きすぎる場合には隙間が出来て冷暖房の
効率が低下するため、管径と合致した貫通孔を設
けることがが要求される。

一方、上記冷暖房機器などを窓面に設置した場
合には、配管は外壁などに貫通孔を設けることな
く窓を通して施工されるが、窓の一部が冷暖房機
器などの取付けパネルによつて占有されるため、
窓面が小さくなつて採光性や外観が損われるとい
う欠点がある。

本考案は、以上の事情に鑑みてなされたもので
あり、冷暖房機器などの配管を外壁などに貫通孔
を設けることなく容易に施工するための配管用部
材を提供することを目的とする。

以下、添付図面に示す本考案の実施例を説明す
る。

第１図は、直角三角形状の平板体から成る配管
用部材１を示す。この配管用部材は、第２図に示
すように窓枠２の下方隅部に、或は第３図に示す
ように窓枠２の上方隅部に取り付けられるもので
あり、その窓枠２に設けられるガラス３の一つの
角部は、第４図に示すように上記平板体の斜辺に
合わせて斜状に切り欠かれる。この場合の窓枠２
にはアルミ製、木製等のガラス窓枠の他、障子や
襖等の框をも含むものである。

上記配管用部材１は、上記ガラス３の斜状に切
り欠かれた端縁３ａを嵌挿するために斜辺に沿つ
て設けられた凹条部１１と、直角をなす二辺に沿
つて設けられ、窓枠２のガラス装着溝２ａに嵌挿
する突条部１２とを有し、全体として剛性である
が、凹条部１１を形成する両側壁の内向きに曲げ
られた端縁部１１ａおよび１１ｂ（第１図ｃ参
照）と上記平板体の中央部とにおいて可撓性を有
するように、ポリ塩化ビニル或は合成ゴム等の材
料から一体成形される。

上記配管取付具１の可撓性中央部は、冷暖房機
具などの配管用管体の外径に合わせて放射状に複
数本の切込み１３が設けられ、配管の際にはこの
切込み部分に上記管体を押し込むことにより、各
切込片１３ａが折れ曲がつて管体の貫通孔を形成
するようになつている。

上述の配管用部材１は、次のようにして窓枠２
の下方または上方隅部に取り付けられる。

先ず、窓ガラス３の斜状に切り欠かれた端縁３
ａを配管用部材１の斜辺に沿つて設けられた凹条
部１１内に受け入れる。その際、凹条部１１の可
撓性端縁部１１ａ，１１ｂは、第５図に示すよう
に窓ガラス３の端縁部に密着して下方に曲げら
れ、これによつて窓ガラス３を柔軟に保持する。

次に、窓ガラス３とともに配管用部材１の突条
部１２を窓枠２のガラス装着溝２ａに嵌挿し、こ
の凹条部２ａにグレチヤンなどのガラス押え材１
４を充填した固定するのである。

冷暖房機器などの配管は、窓枠２の隅部に取り
付けられた配管用部材１の中央切込み部分に管体
を貫通せしめることにより迅速かつ容易に施工さ
れる。

すなわち、配管の際には、冷暖房機器などの配
管用管体１５を第５図に示すように配管用部材１
の突条部１２側から上記切込み部分に押し入れる
と、各切込片１３ａ（第１図ａ参照）が管体１５
の側面に沿つて折り曲げられ、管体１５を適宜の
位置に固定すると、上記切込片１３ａは可撓性を
有するので管体側面に密着し、これにより配管用
部材１と管体１５との間を塞ぐ。従つて、管体１
５の外径が切込み１３より短寸であつても、管体
１５と配管用部材１との間に間隙が生じないか
ら、気密性が保持されるものである。

なお、気密性を更に高めると共に可撓性切込片
１３ａがまくれて管体１５の側面から離れたとき
でも気密性を保持するために、第５図に示すよう
に、切込み部分の周囲に発泡ウレタンなどの気密
材料１６を設けることが好ましい。この気密材料
１６は、予め配管用部材１の切込み部分の周囲に
接着剤などによつて固着され、配管の際には管体
１５の側面に密着して管体１５の周囲を完全に閉
塞するものである。

以上、第１図に示す実施例について説明した
が、本考案による配管用部材はこれに限定される
ものではなく、例えば、その形状は第６図に示す
ように扇形であつてもよい。その場合には、窓ガ
ラスの一部を嵌挿する凹条部１１を扇形の円弧に
沿つて形成すると共にガラスの角部を円弧状に切
り欠く。このようにすると、上述した直角三角形
の場合より切込み１３を大きくすることができる
ので、管体の外径が大きい場合に好適である。

また、配管用部材の中央部には、上述の切込み
の代わりに予め貫通孔を形成することも可能であ
り、その場合には貫通孔を管体の外径より若干小
径に形成する。このようにすると、管体が貫通孔
の周囲を押し広げるので、可撓性を有する周囲部
分が管体側面に密着して気密性を保持することが
できる。

また、配管用部材はその全部が剛性のものでも
よく、その場合には中央部をくり抜いてその中に
可撓性材料を接合し、これに上述のような切込み
或は貫通孔を設けることにより、上記実施例と同
様の配管用部材を形成することができる。

以上のとおり、本考案による配管用部材は、配
管の際管体が貫通し得る貫通孔を有して窓枠に取
り付けられるので、室内冷暖房機器や空調器など
の配管は、外壁などに貫通孔を設けることなく窓
を通して容易かつ迅速に施工することができ、し
かも上記配管用部材は窓枠の一隅部に取り付けら
れるので、配管のために窓面を占有することがな
く、採光性や外観を損わないという顕著な作用効
果を奏するものである。その上、上記配管用部材
は二辺が窓枠に固定されるので、管体の挿入時等
に窓ガラスに余分な力が加わらないため、作業時
に窓ガラスを破損するおそれもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示し、同図ａはそ
の正面図、同図ｂはその左側面図、同図ｃは同図
ａの線Ａ−Ａに沿つた断面図である。第２図およ
び第３図は、本考案の実施例を取り付けた窓面を
示す。第４図は、角部を切り欠かれた窓ガラスを
示す。第５図は、本考案の配管用部材を用いて冷
暖房機器などの配管を行つた状態を示す断面図。
第６図は本考案の別の実施例を示す。 １……配管用部材、２……窓枠、２ａ……ガラ
ス装着溝、３……窓ガラス、３ａ……端縁、１１
……凹条部、１２……突条部、１３……切込み、
１４……ガラス押え材、１５……管体、１６……
気密材料。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 窓枠の一隅部に沿う二辺を有し、他の辺は窓
   枠に取り付けられる窓ガラスの上記一隅部にお
   ける切欠端縁に沿つて形成された平板体から成
   り、上記二辺に窓枠のガラス装着溝に嵌挿する
   突条部を設け、他の一辺には上記窓ガラスの切
   欠端縁を嵌挿する凹条部を設けると共に、上記
   平板体の中央部には配管用管体が貫通し得る貫
   通孔を形成したことを特徴とする配管用部材。 (2) 上記平板体は直角三角形状に形成されてなる
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の配管用部
   材。 (3) 上記平板体は上記二辺が直角をなし、他の辺
   が彎曲した扇形状に形成されてなる実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の配管用部材。 (4) 上記平板体の中央部を可撓性材料で形成する
   と共に複数本の放射状切込みを設け、各切込片
   が折れ曲がることによつて貫通孔を形成するよ
   うにした実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   配管用部材。 (5) 上記平板体の中央部を可撓性材料で形成する
   と共に、貫通すべき配管用管体の外径より稍小
   径の貫通孔を穿設してなる実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の配管用部材。