JPS6128405B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、圧延材を幅方向に圧延する竪形圧延
機のロール位置決め装置に関する。

従来、竪形圧延機のロール位置決め装置として
は第１図に示す様なものがあつた。

紙面に対し垂直方向に移動する圧延材１を幅方
向に圧延するロール２を上軸箱３及び下軸箱４に
て回転自在に支持し、上軸箱３と下軸箱４とを連
結し幅方向に一体的にスライドし得る様ハウジン
グ５にて支持する。上軸箱３及び下軸箱４には、
スクリユーシヤフト６の先端がベアリング７を介
し回転自在に嵌入されているプレツシヤブロツク
８がそれぞれ接している。前記スクリユーシヤフ
ト６は、ハウジング５に爪１０により回り止めを
施され収納されたナツト１１と回転自在に取付け
られたウオームホイール１２とで支持されてお
り、スクリユーシヤフト６と前記ナツト１１とは
螺合し、前記ウオームホイール１２とスライド可
能にキー結合している。ナツト１１とハウジング
５との間にはロードセル１３が挾設され、上下２
個のウオームホイール１２，１２は同一の駆動軸
１４に嵌着されたウオームギア（図示せず）と噛
合している。プルバツクシリンダ１５はスクリユ
ーシヤフト６，６の中間に位置する様ハウジング
５に枢着され、そのロツド１６の先端は上軸箱３
と下軸箱４に亘り取付けられたビーム１７と係合
している。

プルバツクシリンダ１５は上下軸箱３，４を該
シリンダ１５の収縮方向に一定の力でもつて引き
寄せ、上下軸箱３，４とプレツシヤブロツク８と
を密接させ且つナツト１１とスクリユーシヤフト
６とのバツクラツシユを殺すものである。プルバ
ツクシリンダ１５を作動させた状態で図示しない
駆動装置で駆動軸１４を回転させればウオームギ
ア、ウオームホイール１２が回転し、スクリユー
シヤフト６は回転すると共に軸方向に移動し、そ
の先端に位置するロール２を位置決めする。圧延
中に於てロードセル１３はロール２の圧延力を検
出し、図示しない駆動装置にフイードバツクしロ
ール２の位置を適宜補正するものである。

上記した従来例の欠点はロール２、スクリユー
シヤフト６等の可動部の慣性が大きく、その為応
答性、位置決め精度が悪く、ロール２に負荷がか
かつている時の位置決めはスクリユーシヤフト
６、ナツト１１の摩耗を招来する。本発明は斯る
欠点を解消する為位置決め微調整用液圧シリンダ
を上記した従来例に加設してなるロール位置決め
装置に係るもので、軸方向に移動するロール位置
決めスクリユーシヤフトを備えた竪形ロール圧延
機に於て、前記シヤフトと螺合するナツトをスク
リユーシヤフト軸方向に摺動可能にハウジングに
配設し、シヤフトの周囲に該シヤフトと同心に形
成した液圧シリンダを前記ナツトの後方に露出位
置させハウジングに取付けると共に前記シリンダ
のピストン先端を前記ナツトに当接せしめたこと
を特徴とするものである。

以下図面を参照しつつ本発明の実施例を説明す
る。

微調整用液圧シリンダ（本実施例では油圧シリ
ンダ）は以下に述べる如く設けられている。尚、
第１図〜第４図に於て同じ構成要素は同一番号を
付している。

先ず第２図〜第４図に示す第１の実施例につい
て説明する。

前記スクリユーシヤフト６に螺合したナツト１
１を爪１０により回転不能に収納するナツトケー
ス９を該ナツトケース９がスクリユーシヤフト軸
方向に動き得る様形成したハウジング５の空間部
に位置せしめると共にハウジング５に固定したガ
イド１８により該ナツトケース９が所要ストロー
ク動き得る様案内支持する。中央にスクリユーシ
ヤフト６が自在に出入し得る孔を備えたリング状
のシリンダ１９を前記ナツトケース９の後方（反
ロール２側）に位置させハウジング５に取付け
（ただしロードセルの変位量に対してはスクリユ
ー軸方向に摺動可能に取付ける）、シリンダ１９
とハウジング５との間にはロードセル１３を挾設
する。ナツトケース９に先端が当接するリング状
ピストン２０をシリンダ本体２１に油密に嵌入す
ると共にピストン室２２と外部圧油源（図示せ
ず）とを圧油路２３，２４を介し連通する。

次にロール２の位置決めの手順について述べる
と、ウオームホイール１２を回転し、スクリユー
シヤフト６をその軸方向に移動せしめロール２の
粗位置決めをする。ピストン室２２へ圧油路２
３，２４を介し適宜圧油を供給し、ピストン２０
及び該ピストン２０に当接するナツトケース９を
移動させることにより、スクリユーシヤフト６を
介し該シヤフト６に係合しているロール２の微位
置決めを行う。又位置決め後圧延時圧延材１の幅
変動に対しても、ピストン２０を移動させ、ナツ
ト１１、スクリユーシヤフト６を介しロール２を
所要の位置へ移動位置決めする。従つて上記位置
決めの操作ではロール２に負荷がかかつている状
態でのロール２の移動はシリンダ１９で行うこと
になる。尚、上記実施例ではナツト１１とケース
９を固定してケース９をハウジング５より出され
たガイド１８上を摺動させているが、ケース９を
ハウジング５に固定してナツト１１を摺動させる
ことも可能である。又ロードセルの取付位置はス
クリユー先端でも良い。

次に第５図に於て第２の実施例について説明す
る。

先端がロードセル１３を介しプレツシヤブロツ
ク８に嵌入し、ハウジング５との間で回り止めを
施されたスクリユーシヤフト６をナツト２６、ウ
オームホイール２７、ナツトケース２５を介しハ
ウジング５に支持させる。ナツトケース２５はハ
ウジング５に固定され、ウオームホイール２７は
ナツトケース２５に回転自在に収納されると共に
スクリユーシヤフト６と螺合するナツト２６に該
ナツト２６が所要ストローク摺動し得る様キー結
合或はスプライン結合しており、又図示しない駆
動装置に結合したウオームギア２９と噛合する。
前記ナツト２６の後方（反ロール側）に位置せし
めハウジング５に固定したリング状シリンダ１９
のリング状ピストン２０の先端をベアリング２８
を介し、ナツト２６に当接させる。尚、ロードセ
ル１３をスクリユーシヤフト６の先端に配設した
がシリンダ１９とハウジング５の間等ロール２に
かかる荷重を検出できる場合に配設し得ることも
勿論可能である。本実施例に於てもウオームホイ
ール２７を回転させロール２の粗位置決めを行
い、シリンダ１９に圧油を供給しナツト２６を移
動させて微位置決めを行うことに変りがないが、
ナツト２６を回転させスクリユーシヤフト６を回
転させず軸方向に移動させているところが異な
る。又、ナツト２６とウオームホイール２７とを
二重構造としナツト２６部分に駆動装置を結合し
てあるのでスクリユーシヤフト６を短く、又コン
パクトにまとめることができる。

以上述べた如く本発明によれば、 (i) ロールの微位置決め、微調整を可動部の慣性
を最少限にし得る液圧シリンダで行うので位置
決め精度、応答性を極めて向上できる、 (ii) ロール位置決めをするスクリユーシヤフト、
油圧シリンダを荷重方向に対し並列的に配設し
てあるので剛性を高く保持し且つ構造を簡単に
することができる、 (iii) 油圧シリンダを外部に露出させた構造である
ので、該シリンダの配管作業、保守が極めて簡
単である、 (iv) ナツトとスクリユーシヤフトとの螺合部に負
荷がかかつた状態でスクリユーシヤフト、或は
ナツトを回転させることがないので、ナツト、
スクリユーシヤフトの摩耗を防止し、寿命、信
頼性を向上させることができる、 等優れた効果を発揮し得る。

尚、上記実施例ではシリンダ１９をリング状に
形成したが、円柱状の油圧シリンダを所要数同心
に配設することによつても同等の効果を得ること
ができ、第１の実施例に於けるナツト１１とナツ
トケース９を一体的に形成してもよい等本発明の
要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得るこ
とはいるまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のロール位置決め装置の部分立面
図、第２図は本発明に係る第１の実施例のロール
位置決め装置の部分立面図、第３図は第２図のＡ
−Ａ矢視図、第４図は第２図のＢ部詳細図、第５
図は第２の実施例のロール位置決め装置の部分立
面図である。 ２はロール、６はスクリユーシヤフト、１１，
２６はナツト、１２，２７はウオームホイール、
１５はプルバツクシリンダ、１９は液圧シリンダ
を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 軸方向に移動するロール位置決めスクリユー
   シヤフトを備えた竪形ロール圧延機に於て、前記
   シヤフトと螺合するナツトをスクリユーシヤフト
   軸方向に摺動可能にハウジングに配設し、シヤフ
   トの周囲に該シヤフトと同心に形成した液圧シリ
   ンダを前記ナツトの後方に露出位置させハウジン
   グに取付けると共に前記シリンダのピストン先端
   を前記ナツトに当接せしめたことを特徴とする竪
   形圧延機ロール位置決め装置。